艦隊これくしょん 艦これ~蒼き鋼の航海記~再記録 作:Mr.tosi
西暦2079年。
海の底から出現する謎の艦艇群。それらを人類は『深海凄艦』と呼称した。駆逐艦級から超弩級大型戦艦まで、多彩に極める深海凄艦の攻撃により運搬経路は封鎖され、人類は全ての海域から駆逐された。各国の政治経済は崩壊し、通信衛星や海底電子器具は破壊され、さらに彼等が放つジャミング波によって通信も封じられた。各国は孤立を余儀なくされ、互いの生存すら困難となっていた。
そして深海凄艦は祖国日本への侵攻を開始した。
日本海軍は深海凄艦に反抗するも、戦力の半分を消失。敗北寸前まで追い込まれた。
その脅威に対向するただひとつの存在。それは太平洋戦争の戦船〈イクサブネ〉の魂を持つ娘たち通称『艦娘』である。
艤装と呼ばれる武器を装着し、生まれながらにして深海凄艦と互角に戦う能力を持つ彼女たち。
彼女たちの活躍により深海凄艦の日本本土への侵攻は免れた。そこで政府は深海凄艦の脅威から国を護るため、日本周辺海域に強大な防護壁を短時間で建設、三度に渡る『防衛戦』末日本は強大防護壁に被われ深海凄艦の進行を阻止した。それと同時に、我々は二度と艦娘の姿を見ることはなかった。
あれから10年の月日が流れた。
西暦2089年 横須賀。『海洋技術総合学院』。
「海原群像も今回の視察メンバーに選ばれたのか?」
「成績優秀者だからな。」
「それだけじゃないだろ。海原は戦死した艦隊提督様の一人息子だしな。俺たちと違って優遇されてんだよ。」
「それなんだけどさ・・・。あいつの父親10年前の『第三次防衛戦』の後に艦娘たち連れて戦場から逃げたらしいよ。」
「うわ。女連れて逃避行かよ。」
「てかあいつの父親が『霧』の提督ていう話本当なのか。」
「さーてね。防衛戦の情報は公にされていないからな。」
「なんであれ海原はきな臭いよな。」
海原群像という少年の不評なウワサが校内に響き渡っていた。
生徒が話していた『第三次防衛戦』とは、『国家完全包囲防護壁建設防衛作戦』中に三度に渡り深海凄艦との激戦を繰り広げた戦い。その当時の指揮官が『海原翔像艦隊提督大佐』と『日本連合艦隊総旗艦戦艦長門』である。しかし、防護壁が完成した『第三次防衛戦』に彼等の消息は不明となった。世間の噂では、彼は艦娘たちを連れて作戦中に戦線を離脱したか、深海凄艦の猛攻で全滅したか、その詳細は不明である。
しかし、防護壁が完成した翌年に『霧の艦隊』と呼ばれる謎の艦艇群が 出現した。詳しい情報は不明だが、わかっているのは戦艦並みの兵器を所持していることと、深海凄艦や海軍の軍艦を標的にしていることだけだ。世間ではいろんな仮説が立てられているが一番は「霧の艦隊を指揮しているのは海原翔像ではないか」と考えられている。
英雄の息子ではなく反逆者の息子として、10年間も群像は世間から罵声を浴びながら生きてきた。しかし、彼にとってはそれが当たり前になっていたため聞き流していた。群像の性格にも問題があるのか、自分から人に話しかけることはしないし、話しかけられても冷たくしてしまう。それに話し方も論理的だ。つまり堅物なのだ。そのため一部を除いては、周りの人間は彼を否定的な扱いでしか観ていない。そんな退屈な日々だけが過ぎていった。
「下らない。」
休み時間、群像は一言言って席を立ってどこかへ行ってしまった。
オリジナルの設定も組み込んでみました。
一話のお話は、主人公海原群像と吹雪との出会いのお話です。アルペジオでは回想でしか描かれていませんでしたが、この作品では、群像がまだ『海洋技術総合学園』にいたころからのお話になります。
不満なところもあるかもしれませんが温かい目で見てください。