黒と蒼の機竜使い   作:無勝の最弱

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今のところかなりのハイペースで書いています。

今月の終わりまでに1巻の内容終わらせたいです。



では、どうぞ!


Episode5 幼馴染み

模擬戦の後、目を覚ましたルクスはリーズシャルテの過去を知った。

彼女はへその下あたりに旧帝国の紋章があった。詳しい理由は教えてくれなかったが、無理に聞くべきことではないので、他言しないことをルクスはリーズシャルテに誓った。

その際――

「お前の仕事は解約させたからな、代わりにこの学園に編入生として通ってもらうようにしたからな。あと、私のことはリーズシャルテではなくリーシャと呼ぶように。」

と、勝手に決定されてしまった。

(レリィさん…)

ルクスはこのとき、顔見知りの学園長がしたり顔を浮かべているであろう光景を想像していた。

 

 

 

 

リーシャが去った後、再び部屋がノックされた。

ルクスはレリィが来たのかと思って扉を開けた。そこには――

 

「あら、もう動いて大丈夫なの?王子様」

少し大人びた雰囲気のある蒼い髪の少女がいた。

「は、はい。まあ、なんとかってぐらいですけど…。あの、君は?」

「ああ、そうねごめんなさい、自己紹介がまだだったわね。私はこの学園の二年生で、クルルシファー・エインフォルク。ユミル教国からの留学生よ。久しぶりね、ルクス・アーカディア君。」

「え…?」

彼女の自己紹介に引っかかることが一つあった、久しぶり?待てよ、この声どこかで…

 

「もしかして、幻神獣(アビス)の時に竜声を飛ばしてくれた方ですか?」

「そうね、そのとおりよ。後、投げ飛ばして悪かったわね、のぞき魔さん。」

「そ、それは誤解だって!!」

 

どうやら、事件の時ルクスを投げたのも彼女のようだ。

「とにかく、幻神獣(アビス)の時はありがとう。被害がそんなに出なくてよかったよ。」

「ねえ、なんでもう一つの機攻殻剣(ソード・デバイス)を使わなかったのかしら?そっちを使えば模擬戦も簡単に勝てただろうし、幻神獣も倒せたんじゃないかしら?」

礼を述べるルクスにクルルシファーは疑問を投げかけた。

 

「こっちはある約束があって、使うわけにいかなかったんだ。」

ルクスはそう言うしかなかった。咎人であるがゆえに。

「まあ、いいわ。これからよろしくね。ルクス君。」

保留にしてくれるらしい。その方がルクスも助かるが――

 

「ねえ、あなたは『黒き英雄』って、知っている?」

「えっ?」

唐突にクルルシファーは尋ねた。

「私が留学してきた理由は、その人に会うためよ。」

「ごめん、僕も噂ぐらいしか…」

 

『黒き英雄』。

五年前のアティスマータ伯のクーデターにおいて、アーカディア帝国軍の機竜使い(ドラグナイト)1200機をたった1機で破壊した伝説の英雄。

クルルシファーの正面にいる少年がその人だが、ルクスとしては明かすことができない。ゆえにしどろもどろの答えを返すしかなかった。

 

「私から、あなたに雑用の仕事があるわ。」

「え?」

「『黒き英雄』を探して、それが依頼よ」

「…!?」

 

ルクスは絶句するがクルルシファーは――

「がんばってね。かわいい雑用王子様」

 

ふっと微笑み、部屋を出ていった。

残されたルクスは、いまだわからないことが多い蒼い髪の少女について、手強過ぎる、いろんな意味で…と感じていた。

 

 

 

 

 

翌日―

「――というわけで、彼が今日からこの学園に通うことになった、ルクス・アーカディアだ。なれないこともあるだろうが、よろしく頼む。」

二年生の教室でライグリィ・ハルバートの紹介をルクスは受けていた。

彼女は旧帝国で、女性でありながら唯一の機竜使い(ドラグナイト)として活躍し、クーデターでは新王国側についた学園の人気講師だ。

 

「え、えっと、ルクス・アーカディアです。よろしくお願いします…」

『場違い』過ぎるため、ルクスも困っていた。

(なんで簡単に許可出すんですか…レリィさん)

 

教室を静寂が包み、かなり居ずらいルクスに懐かしい声が聞こえてきた、その方を見ると――

 

「あ、ルーちゃんだ。久しぶり、だね」

「えっと、もしかしてフィルフィ?」

「うん、そうだよ」

 

フィルフィ・アイングラム。

学園長レリィの妹でルクスの幼馴染みでもある。ふわりとした髪に、ぼんやりとした雰囲気が似合っている少女で、豊かな胸が、幼さの残る顔の少女に不思議な魅力を与えていた。

 

「では、ルクス・アーカディアは彼女の席の隣に座れ。知り合いがそばにいれば、いろいろ話しやすいだろう。授業を始めるぞ。」

 

と言って、授業を始めるライグリィ教官だが――

 

「えっと、フィルフィさん。教科書一緒に見せてくれない?」

「……」

フィルフィはルクスの頼みを無視。

「え、えっと…フィルフィさん?」

「フィーちゃん、でしょ?」

「え!?ここで、その呼び方で呼ぶの!?」

 

実は彼女、昔から気に入った相手に対しては互いに愛称で呼ぶことを求めてくるのだ。ルクスも昔はそう呼んでいたが、いかんせんこの年齢、場所で呼ぶのは恥ずかしい。

 

「フィ、フィルフィ。これくらいでいいでしょ?ほら、授業中だし…」

「……」

「…フィーちゃんってば」

「何…?ルーちゃん」

「教科書一緒に見せてくれない?」

「いいよ」

 

結局愛称で呼び(内心泣きながら)、教科書を見せてもらうルクス。

もちろんクラスの全員(ライグリィ教官含め)がクスクス笑って二人を見ていた。

 

その後、みんながルクスの編入記念パーティーを開き、大いに盛り上がった。終了後片づけを手伝おうとしたルクスだったが、クルルシファーやフィルフィ、三和音の三人に会場からつまみ出された。

 

 

 

 

 

 

 

「ん…」

ルクスは目が覚めた。どうやらいつのまにか寝ていたようだ。

 

ムニッ、ムニッ

 

何かが手に当たっている。感触は柔らかく気持ちいい。

 

ムニッ、ムニッ   「ん…」

「…!?」

 

突如上がった声にルクスの意識は覚醒した。

よく見てみると――

 

「フィ、フィルフィ!?」

幼馴染みの少女がルクスの下で寝ていた。しかも身に着けているのは、薄いシャツ一枚と下着だけである。

 

「ちょ、ちょっ!?何でフィーちゃんが!?」

「……あ、おはよ。ルーちゃん。ふぁ」

ルクスの驚愕の声にフィルフィが起きる。

「なんで!?僕とフィーちゃんが一緒に寝てるの!?」

「トイレ行く途中で、寝ているルーちゃんを、見つけたから、連れてきた。風邪ひくよ…?」

「あ、ありがと…。じゃないよ!?ここ女子の相部屋だよね!?」

「この部屋は私しか住んでいないから、平気だよ」

その後も抵抗するも――意味はなかった。

 

「ああ、もう…。どれだけ昔通りなんだよキミは…」

「ルーちゃんは変わったの?」

「え?」

 

 

「大丈夫。きっと、変わってないよ。わたしたち」

 

 

フィルフィが昔と変わらない、親しい人にしか気づけないほどの、ほんのわずかな笑みとともに出した言葉に、胸に何か来るものがあったルクスだった。

 

 

 

余談だがそのあと、レリィに部屋の事を話したらフィルフィの部屋が一人部屋だからしばらく相部屋になってね、と言い。ルクスの部屋はフィルフィの部屋となった。それを知ったアイリは――いや、言わないでおこう。

 

 

 

 

 

 




次回は一気に進めます。

次々回から戦闘入ります。むずかしいところに入っていくなぁ…


がんばります。


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