黒と蒼の機竜使い   作:無勝の最弱

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なんとか、書きあがりました。

つくづく文才ないなぁ、と思う今日この頃です。


では、どうぞ


Episode6 騎士団入団試験

模擬戦が終了して数日後の朝、ルクスは学園内の工房(アトリエ)に仕事の依頼で出向いていた。

そこではリーシャが待っていた。依頼主はどうやら彼女のようだった。

 

「おお、ルクスか!やっと来たな、それじゃ」

 

ルクスの姿を認めたリーシャは腰に差していた二本の機攻殻剣(ソード・デバイス)を同時に抜き放ち、唱える。機竜を呼ぶための詠唱符(パスコード)を。

「――降誕せよ。天地の対なる楔、穿たれし混沌の竜。《キメラティック・ワイバーン》!」

「…え?」

 

ルクスは聞いたことのない詠唱符(パスコード)に驚いた。

そして、リーシャの唱えた詠唱符(パスコード)に答えて現れた機竜は――

 

「《キメラティック・ワイバーン》…、こいつは私が飛翔機竜(ワイバーン)陸戦機竜(ワイアーム)を組み合わせて作った。世界初、オリジナル(・・・・・)装甲機竜(ドラグライド)だ」

「作った!?」

 

ルクスの驚愕も当然である。

装甲機竜(ドラグライド)が発見されて数十年がたった今でも、その具体的な原理は解明されておらず、既存の部品を付けるか、交換する程度のことしかできていないのだ。

このような全く別の機竜を作るレベルの改造に成功した例など考えられるはずもない。

 

(リーシャ様ってホントに何者なんだろう?)

誠に失礼だが、そう考えざるを得なかったルクスであった。

 

「まあ、自慢話はこれくらいにするか。ほれ」

「これは、整備課に頼んでおいた僕の機攻殻剣(ソード・デバイス)ですか?」

 

ルクスの反応を十分楽しんだのか、リーシャは近くの机に置いてた機攻殻剣(ソード・デバイス)をルクスに放る。

リーシャ、幻神獣(アビス)と連戦したルクスの《ワイバーン》は半壊状態であったのだが、どうやらリーシャが直していてくれたらしい。

 

「ありがとうございます!」

「ん…。そう喜ばれると、悪くはないな…も、もっと褒めて、頭を撫でてくれても――」

「え?」

 

リーシャは顔を赤めながらルクスの礼に何か言ったようだが、それはルクスには聞こえなかった。

 

「そ、それじゃ、ちゃんと動くかテストしてくれ」

「わかりました」

 

ルクスは機攻殻剣(ソード・デバイス)を掲げ、唱える。

「――来たれ、力の象徴たる紋章の翼竜。我が剣に従い飛翔せよ、《ワイバーン》」

 

そして現れたのは――

 

「何ですかこれ!?」

 

外見が全く違った。まがまがしささえ感じさせる《ワイバーン》がそこにいた。

 

「どういうことですか!?」

「いや、いろいろ気になったから勝手に改造した。大体あれでは、飛翔機竜(ワイバーン)最大の特徴である高機動力が損なわれているしな」

「僕は今までので慣れているんです!あと、この武装たちは!?」

「つけたくなったから付けた。結構レアなんだぞ?」

悪びれもせず告げるリーシャ。

 

「元に戻してください!!」

ルクスは何とかリーシャを説得しようと試んだ結果、リーシャはしぶしぶであったが元の自分の機竜に戻すことができたルクスであった。

 

 

 

 

 

「僕を『騎士団(シヴァレス)』に?」

 

寮内の食堂でルクスはリーシャとともに、昼食をとっていた。

 

「そうだ。あとで演習場に来い、入団試験をやるからな」

「僕、了承してませんよ…」

 

どうやら、先の機竜改造事件同様、勝手に話が進んでいるようだ。

そして、拒否もできないことも悟ったルクスであった。

 

騎士団(シヴァレス)』というのは士官候補生でありながら、本来規則で戦わせずにいる生徒の中でも、若くて才能と実力が突出している生徒を集めた特別に戦闘許可を持つ遊撃部隊のことである。

騎士団(シヴァレス)』に所属すれば、数人で小隊を組み、軍からの任務を受け報酬を得られる。

ルクスの『雑用』にとっても有益なことだという。

 

「今は三年の大半が王都に演習に行ってる今がチャンスだ」

「どういうことですか?リーシャ様」

「団長がかなりの男嫌いなのよ」

 

突然沸いた声の主はクルルシファーだった。

 

「クルルシファーさん」

「こんにちは、ルクス君。話を戻すけど、『騎士団(シヴァレス)』団長の三年でセリスティア・ラルグリスは侯爵家の令嬢で、学園最強と名高い実力者。人望も厚いけど、男嫌いで有名なのよ。たぶん、彼女が今のこの学園にいたらあなたの編入も白紙になってた可能性が高いわね」

「おい!私が説明しようと――」

 

リーシャがいきなり話に入り込んできたクルルシファーにかみつくが、そこに三和音(トライアド)の3人組が混ざってきた。

 

「そうだな、『騎士団(シヴァレス)』入隊条件は大きく3つあるが、この前の決闘でそのうちの二つに関しては問題がない」

「それに最後の条件の『騎士団(シヴァレス)』メンバーの過半数に賛成してもらう、ってのも残ってるメンバー全員に認められればオッケーだしね~」

「Yes, ですから今日の入団試験でルクスさんの実力を示せば問題はないかと」

 

彼女たちもルクスの加入に賛成のようだ。

ルクスの逃げ道はすべて塞がれてしまった。

 

 

 

 

 

「なんで攻撃しないんだお前はー!?」

「すみませんリーシャ様…」

 

結果は不合格だった。というのもルクスは一切攻撃せずに対戦相手2人を翻弄し、先に対戦相手がへばってしまったのだ。

騎士団(シヴァレス)』は幻神獣(アビス)との戦闘がメインになるので、攻撃に出ないで防ぐだけというのはご法度なのだ。そのため加入の可否を決める投票でも賛成を得られなかったのである。ちなみにリーシャは賛成を得て、無事入隊となった。

 

「っていうか、フィルフィもメンバーの一人だったんだ?」

投票の場には彼女もいたので、幼馴染みの少女に尋ねてみると――

「………」

 

無視だった。

 

「…フィ、フィルフィ?」

「……フィーちゃん、でしょ?」

「こ、ここでも言わせるの!?」

「うん」

「フィー…ちゃんは、強いの?」

 

結局ルクスは折れました。

 

「う~ん、普通かな?」

「強いわよ、彼女は。神装機竜《テュポーン》の使い手だもの。私の《ファフニール》と一緒でね」

「ええ…っ!?」

 

普段通りの声音でそう言ったフィルフィにクルルシファーが補足し、ルクスは思わず、口を開ける。

 

クルルシファーに関しては幻神獣(アビス)を破壊したことから神装機竜の使い手であると判断できてはいたが、まさか、フィルフィが神装機竜の使い手であるとは思わなかったのだ。

 

この事実を前に、ルクスは内心困っていた。

 

(士官候補生である以上そこまで危険な任務は来ないと思ってたけど、神装機竜の使い手が三人…。それに十中八九、三年の団長も神装機竜の使い手で間違いないはず。)

 

士官候補生とはいえ、神装機竜の力は絶大だ。それが一部隊内に最低三機、もしくは四機だとすれば、任務の危険度が高いものも多いはず、ともすれば《ワイバーン》で対処できなくなる場面も多い。最悪の場合、あの機竜を使わないといけなくなるだろう。だが、ルクスには目的がある、あまり周囲に知られるわけにはいかない。

しかし、自分の周囲の少女たちからの期待を裏切るわけにもいかない。

 

(それでも僕は――)

 

ルクスは少女たちの輪から離れ、仮眠をとるため校舎内に戻っていった。

 

 

 

 




先に謝辞を

すみません、前回のあとがきではこの回の次に戦闘を持ってくる予定でしたが、無理でした。

次話はルクス出陣前までとなっております。


では、また!
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