戦場のヴァルキュリア ✖️ おひげのホワイトドール ロランとガリアと月の蝶のおとぎ話   作:溶けない氷

4 / 8
巡り来る切なさ 悲しみをはらって


第3話 おひげと第7小隊

ホワイトドールは歩き始める、ランドグリーズヘと・・・・

 

ランドグリーズ向けて歩き出すロラン。

家からは思い出の品々を文字通り胸にしまって・・・

「そっか、ホワイトドールで引越しもすればよかったな。」

あれ以上仕事する気だったんだろうか?

しかしここで重大なことに気づく

「ね、眠い・・・・」

そうこのロラン、朝から橋の解体作業にそこから走ってブルールへ

さらに目の当たりにする戦争の爪痕、自分の居場所がなくなったショック

現金・イサラのアルバムや貴重品を大慌てで詰め込んだ疲れから

(戦車には全てのり切らなかったらしい)

とっても眠くなってしまったのだ。

車もMSも宇宙戦艦も睡眠不足での運転は飲酒運転と同じくらい危険だぞ!

脳波コントロールのMSはパイロットの疲れをもろに反映するのか

ホワイトドールもフラフラと酔っ払いのようになる

オートパイロットはこわれてんのか?

オートでも脳波でもない車のドライバー経験者のロランは思い切って

「よし寝よう」

という決断をする。

しかし帝国が侵攻している状況下で寝ようとは肝が太い、線は細いが。

流石は惑星間戦争を戦い抜いただけはある。

道を外れた森の中に入りホワイトドールを横たえて自分もコックピットチェアを

リクライニングにして眠るロラン。

そこにひっそりと近づく銃を構えた人影・・・・

・・・・・・・

対人センサー警報が鳴るとロランは飛び起きた。

流石に敵地となった場所で無警戒では無かったらしい。

「け、警報?人?」

慌ててホワイトドールを立ち上がらせると相手は唖然とする

「巨人・・・・」

 

これが後に第7小隊のスナイパーウルフと呼ばれるマリーナ・ウルフスタインとのロランとの出会いだった。

・・・・・

 

「すみません、驚かせちゃって」

「いや私の方こそすまなかった」

一人はコックピット、一人は手のひらの上で数少ない会話を交わす二人。

ロランとマリーナだ。

あの後お互いに敵ではないことを確認した二人はお互いの目的地が共に

ランドグリーズであることを知り マリーナがロランを道案内することと引き換えに

乗せてもらっていたのだ、ホワイトドールの手の上に。

「よく考えたら僕、ランドグリーズへの行き方よく知らなかったんですよ。」

一ヶ月程度しかガリアにいないロランには土地勘がない

まぁいくら土地勘がなくともどこかの風の魔装機神の奏者のように

地球を何周することも無かったろうが。

「しかしこのホワイトドールとかいう機械人形は早いな。

もうランドグリーズに着くぞ。」

そうこうしているうちにランドグリーズの市街が見えてくる

遠目にも疎開してきた避難民でごった返しているのがわかるくらいだ。

・・・・・・・・・・

「では、私はこれから義勇軍に志願してくる。

お前の言っていたイサラさん、アリシアさんに出会えたら

お前が探していたことを伝えておくぞ。」

「はい、お願いします。僕もしばらく探しておきますので。」

そう言って別れる二人、再開は予想以上に早かったのだが今の時点では知る由もない。

・・・・・・

「はぁ、と言っても人探しなんてここじゃどうすりゃいいんだろ。」

盛大に溜息をつくロラン

避難民で街は混乱し人探しどころじゃないのは明らかだ

おまけに絶対防衛線だったはずの河を越えて西岸にまで帝国軍がもう進出しているというのだ。

ロランももう少し遅れていたら東岸に取り残されていただろう

・・・・まぁホワイトドールなら飛んで渡れたかもしれないが

今は飛行ユニットが回復しきっていないのか使えないのだ

仕方なしに掲示板に探し人『イサラ・ギュンター』「アリシア・メルキオット』

の張り紙を張るが探し人が多すぎて探せそうにない。

仕方なしに2・3日はボランティアで

避難民の炊き出し・仮設住宅設営・洗濯などを手伝っていた

ホワイトドールで

炊き出しのシチューかき混ぜなら指一本で

仮設住宅も物資運搬から組み立てまでこなす指先の器用さで

洗濯はお約束の『洗濯出動です!』でこなすホワイトドール

目立ちまくりである。

もっとも大抵の人からは便利な機械くらいにしか見られてないが。

ある軍人曰く「あんなに背が高くちゃ狙われ放題だろ、戦場じゃ使いもんにならん」

確かに戦略核やコロニーレーザーすら防ぐIフィールドを装備していなければ常識的な評価だろう。

余談だが完全体ターンエーはSTMCと戦う某ガンでバスターなロボットや

時空を歪ませて攻撃する某グランでゾーンな闇色の魔人に

MSサイズで対抗しようというコンセプトで作られたという噂が・・・・

みんな縮退炉搭載だしね。強すぎだろアホか。

せめてシズでラーにしとけ、そいつも十分強すぎだろ。

スパロボかよ。

 

・・・・・

数日後、ロランは川へ洗濯出動していると丁度西岸の敵を追い返し帰還する

義勇軍の中からマリーナさんがやってきました。

「ロラン、イサラに会ったぞ。」

ロランは大変喜びましたが、イサラお嬢さんにあってびっくりしました。

そう、イサラお嬢さんは戦車兵になっていたのです。

「イサラお嬢さんがそんな戦争にいくなんていけませんよ!」

と、ロランが言うと

「いいえ、ロランさん。私はもう『お嬢さん』じゃありません

イサラ伍長です、それに兄さんと一緒に戦うことが今私にできること。

ロランさんはもう、私のことを忘れてください。

忘れてどこか遠くで幸せになってください」

「いいえ、お嬢さんは僕にとっては今でもお嬢さんですよ。

お嬢さんを忘れてどこかにいくなんて僕にはできません。

どうしても軍隊にいるというのなら僕も一緒に志願します。」

ああ、なんという美しい情景。

はたから見たら完全に甘々な恋人同士の会話です、ロマンスです

甘いメロドラマのせいで砂糖吐き出しそうです

こういう風にしてソシエお嬢さんもディアナ様も落としたのですね

この天然ジゴロは

こういう会話をしていると

「やぁ君がロランだね、僕はウェルキン・ギュンター。

君とホワイトドールのことはよくイサラが手紙に書いてたよ。

ふぅんこいつがホワイトドールか・・・・・

想像以上に・・・・」

そう言って考え込むウェルキン少尉

「え、何か?(この人ホワイトドールやモビルスーツについて何か知ってる?)」

「いや、想像以上にご立派なお髭だなぁと思って。本当にすごいよ」

なんだかアリシア軍曹がずっこけた気がしますが、きっと気のせいです。

「はぁウェルキン、ホワイトドールのおひげがそんなに重要?」

「そうとも!こんなご立派なおひげはめったに見られないからね。

まるでガリアヒゲナガヤギだよ。

そうかぁ、機械も人間や動物の特徴を持たせることでより愛着が湧くんだろうね。」

そういってなんだか勝手に納得するウェルキン少尉。

天才となんとかは紙一重と言いますがきっとこう・・・じゃなくて前者でしょう。

スージーもイーディーもいつのまにか来て

「あら、ロランさん。おひさしぶりです。白ヒゲさんもお変わりないようで。」とか

「へぇ、こちらが噂の白ヒゲさんですの?ふーん、確かにそこいらのガリア貴族では及びもつかないご立派なおひげね。」

とコメントを残していく。この国の人間はひげになにか愛着でもあるのか?

・・・・・

かくしてロランは駐屯地に帰還する第7小隊についていきその足で・・・・

いや、この場合は流石に自分の足で志願し、第7小隊のロラン・セアックとして登録された。

ホワイトドール?

作業機械扱いだよ。洗濯とか工事とか整備とかの

文明や地形や人の心までは洗濯とか工事とか整備はしないだろう・・・・・多分




第7小隊の一員として参加することになった僕
でも新兵だし ホワイトドールは戦場では大きすぎるってことで
ホワイトドールを使っての整備や陣地構築といった支援作業にまわされることになった
戦車で川を渡って可動橋の制御室を奪還しようという第7小隊のみんな
ところが思いもがけないトラブルが発生して・・・・
次回 おひげと橋
力強い風が吹いた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。