戦場のヴァルキュリア ✖️ おひげのホワイトドール ロランとガリアと月の蝶のおとぎ話   作:溶けない氷

7 / 8
エレット「ターンエーってハイパーナノスキン装甲だけど
直す時の材料とかどこから来てるのかしらね・・・」
ロラン「どう考えても質量保存の法則無視してますよね・・・」


第6話 おひげと新聞

作戦終了後

第7小隊では負傷者は少数でたもののみんな軽傷だった。

けれどもガリア側の戦闘では他の小隊に少なからず死者が出てたんだ。

これは戦争で一方的に死者の出ない戦争なんてないんだってことは

アメリアでの戦争でもわかってたことなのに・・・・

戦闘後、残敵を掃討し捕虜を後送していく義勇軍。

僕がすっかり疲れ切ってホワイトドールの足元で休んでいると

他の小隊の隊長さんが話しかけてきた。

「よっ!ああ、そのまま楽にしててくれ。ウェルキンから話は聞いてる、大活躍だったんだって。俺はファルディオ・ランツァート、第一小隊の隊長だ。」

「ロラン・セアック2等兵です。ウェルキン隊長とお知り合いなんですね。」

「大学の同期でね、変人だろ?まぁ俺もそこが気に入ってるんだがね。」

するとファルディオ少尉はホワイトドールを見上げて・・・

「へぇこいつが噂の白ヒゲか・・・・」

「どうかしましたか?」

「ダルクスの伝説では・・・いや、 関係ないな。忘れてくれ。」

「え、でもガリアのお話なら興味がありますよ。」

「すまんな、 この話は迂闊に人には言えないんだ。

また今度な。」       

迂闊に言えない伝説・・・やっぱりターンエーと黒歴史

宇宙世紀の人類最後の戦争アーマゲドンに関することなんだろうか?

ガリアで昔何があったんだろうか?

 

________________________

そんな様子を見ていたロージー・ラルゴであったが・・・

ラルゴは

「なんて奴だ、本当に戦車で川を渡っちまうなんてよ・・・」

ロージーは

「ここまで上手くいくとはね・・正直驚いたよ。」

とつぶやいていた

「でも一番驚いたのは・・・・」

とホワイトドールを見上げる

「アメリアの白ヒゲ・・・どこまで規格外なんだろうね、こいつは。」

ロージーは制御室に取り付いたメンバーの一人であったからわかるのだが

目前まで時速にして100kmを軽く越す速度で走ってきて

勢いもそのままに橋を軽々と持ち上げたのだ。

普通、可動橋とは据付の強力なモーターで

時間をかけてゆっくり持ち上がるもので

勢い良く上がるものではないはずなのだが・・・・

「全く、この白ヒゲと力くらべだけはしたくないもんだな・・・」

とラルゴも変な方向に同意する。

するとアリシアが

「あなたたち!約束通り、ウェルキンを隊長と認めなさいよね!」

ラルゴもロージーも渋々認めるが

ダルクス人のことまでは認めないらしい・・・・

そんなイサラに

「大丈夫ですよ、イサラお嬢さん。」

ロランは言う

「ここに来たばかりで右も左もわかんなかった僕を

お嬢さんは信じてくれました。同じ国に生まれて同じところで生活してる

お嬢さんとあの人たちが分かり合えない道理なんてありませんよ。」

(そう、ムーンレィスと地球人のように・・・・)

ロランは去っていくロージーとラルゴの背中を見て思う・・・

(そっか、ロージーさんってなんとなくテテスさんに雰囲気が似てるんだ・・・・)

ロランは赤毛の不幸なムーンレィスの女性を思い出す。

(だとしたら・・あの人も個人的にダルクス関係で嫌なことがあったのかも・・・)

そう言って

「イサラお嬢さん、アリシアお嬢さん。第7小隊のメンバーについて教えてくれませんか?」

すると両名共えっ?という顔を見せる。

「いや、僕って新入りだからまだ小隊の人たちに自己紹介も済ませてなくって・・・」

アリシアもはっと気づく

「そういや、入隊していきなりこの作戦だったからロランと話してない人もいたっけ。わかった!じゃぁせっかくだから紹介したげるわ!」

すると突然フラッシュが焚かれ、シャッター音が聞こえた

「ハーイ!お取込み中失礼!私GBS記者のエレット!」

カメラを片手にした金髪のメガネの女性が話しかけてきた。

「あなたが『白ヒゲ』のロラン・セアック君ね。お噂はかねがね聞いてるわ。

ギュンター隊長の次はあなたにインタビューしたいけど

ちょっとお時間いいかしら?」

「はい、構いませんよ。それにしても新聞記者かぁ・・・」

「?新聞記者が何か?」

「あ、僕の同郷の人も都会で新聞記者してるんです。」

「あら、じゃぁこの手のインタビューもお手の物かしら?

じゃ、まずは・・・」

エレットさんは分厚い手帳のページからメモを取り出す・・・

メモは質問でびっしりと・・・って!そんなに質問するんですか!

「そりゃもう!謎の『白ひげ』を駆る銀髪の美少年!

今やランドグリーズ中の話題よ!独占インタビューでGBSも大喜びよ!」

そういって食いいるように質問をぶつけてくるエレットさん・・・

お、お嬢さん助けてくださいよー

「え、えーとロラン。それじゃあたしたち作戦成功のお祝いの準備があるから・・・」

「ロランさん、インタビュー・・・が、頑張って下さい!」

そんな〜!

____________

「つ、つかれた・・・」

疲れた後にインタビューを受けた僕はすっかりクタクタになってようやく

隊舎に戻ってきた。するとアリシアお嬢さんが

「お帰りロラン!お祝いの用意ならもう出来てるよ。」

僕の前には隊舎のホールで『Welcome to 7th Platoon』

という垂れ幕の下、料理や飲み物が用意されてた。

ウェルキン少尉も

「バーロット大尉に許可をもらってね。

無茶な作戦だったけど君のおかげで成功したようなもんだから特別に。」

既に皆んな思い思いに交流してるようだ。

なんだかごついのにお姉さんっぽいヤンさんは

「歓迎するわ、ロランちゃん。う〜ん髪サラッサラ、うらやましいわ〜

ホント可愛いわね〜」

に、苦手だ・・・・

スージーお嬢さんは

「ロランさん、ブルールではうちの自動車の面倒をよく見てくださいましたね。

第7小隊でも今後ともよろしくお願い致します。」

うん、スージーさんはブルールにいた頃からのお得意さんだったからよく知ってるよ。

マリーナさんからは

「よく来たな、歓迎するぞ。」

うん、この人が無口だってのはよく知ってる。でもとってもいい人だ。

ホーマーさんは

「やぁ、ロラン君。同じ支援兵としてこれから一緒に頑張っていこう。」

へぇ、僕のポジションって支援兵だったんだ。

やっぱホワイトドールで支援したからかな?

ゲーム的にはオーダー発動とイベント出動だったけど。

くれぐれも月光蝶で支援はしないようにしないと。

アイシャちゃんは

「よくきたな〜ロラン、だい7しょ〜たいじゃアイシャが

せんぱいだからな!よろしくたのむぞ!」

はい、こちらこそお願いします・・・・ってちっちゃ!いいのかな・・・

リィンさんは

「よろしくお願いします。アメリアのことも聞かせてくださいね。」

この人もイサラお嬢さんと同じダルクス人なんだな。

イーディーさんは

「よろしくお願いしますわね、この前はちゃんと挨拶できなかったから

改めてイーディー・ネルソンですわ、『お洗濯の白ひげ』さん」

お、お洗濯・・・やっぱそういうイメージですか。

こんな感じで他の小隊の隊員と挨拶して回ったんだけど・・・

「あ、ロージーさん。」

「ああ、お前か・・・確かに賭けには負けたがな、ダルクスまで認める気は無いよ」

「賭けや命令で無理やり認めさせたって誰も喜ばないでしょう。

大丈夫です!きっと僕とイサラお嬢さんたちとでロージーさんの考えを変えてみせます!」

「どうだかな・・・」

「それと・・・なにかダルクス人関係で嫌なことがあったんですか?」

「っ!な、何言ってやが!」

「ごめんなさない!気に障ったんなら謝ります。

でもアメリアで同じような人に僕は会ったんです。」

僕はテテスさんのことを月からのことは伏せて母方の先祖が異邦人だから差別されて育ってその異邦人の女王を暗殺しようとしたという感じに話した。

「その人は結局、復讐に囚われて周りのことが見えなかったんです。

彼女のことを助けよう、一緒に頑張っていこうという人はいたのに・・・・」

「それで、アタイも同じだっていうのかい?」

「いえ、そういうわけじゃ・・・」

「だったら話は終りだ。アタイはそんな奴みたいに終わる気はさらさらないよ。」

そういって背を向けるロージーさん・・・でも話、聞いてくれたじゃないですか。

「いよう坊主!」

今度はラルゴさんが話しかけてきた。

「まったくたいしたもんだよ見直したぜ!最初のは・・・

ああ、まぁ悪かったな。これからよろしくな!」

「はい!よろしくお願いします!」

なんだ、結構皆んなわかってくれるじゃないか・・・

そんな風にして宴会で夜は更けていく。

 

_______ギルランダオ要塞

その一室にて・・・・

「ヴァーゼル橋が、ガリアの犬どもに奪われた?防衛部隊には腑抜けしかおらんのか?」

ベルホルト・グレゴール将軍・・・帝国の指揮官の一人だ。 「皇帝陛下の威光を汚しおって、役立たずどもめ!」

怒り心頭のようだ。

「戦車であの川を渡ったらしいな・・・敵さんもなかなか面白い戦法を使う。」

ラディ・イェーガー将軍。

「定石では考えられん野蛮な戦法だ。所詮は下賤な民兵の寄せ集め・・・偶然にすぎん。」

「身分で戦争に勝てんなら・・・あんたらもよっぽど楽だったろうになぁ・・」

「むぅ・・・」

流石にグレゴール将軍も有能な指揮官、負けは負けだとわかっている。

「それに妙な機械のことも聞いた」

「妙な機械?」

「なんでも高さ20mはある白い機械の人形で時速50kmを超える速度で走り

上がる筈のないヴァーゼル橋を無理やりもちあげたそうだ。」

「その報告ならこちらでも受け取っている。ふん、所詮は作業機械。

そんな頭の高い機械なぞ戦場ではいい的になるだけ・・・役に立ちはせん。」

だが、将軍の顔は苦々しい。

実際に機械人形がなければ橋が奪還されることはなかったであろうことをわかっているのだ。

すると銀髪の女性 セルべリア・ブレス大佐が

「問題は反抗しようとしているガリア軍をいかにして押し戻すかだ。」

イェーガー将軍も

「そうだな。連中もこれを好機に中部に戦力を集中してくるだろう。」

と同意する。

「殿下、いかがいたしましょう?」

・・・・

「燎原の火は、消さねばなるまい。小さな火の内にな」

マクシミリアン皇太子・・・帝国軍のガリア方面侵攻軍総司令官だ。

そう言うと戦略地図を見渡し

「フレゴールは引き続き北部ガリアへの侵攻を進めよ。」

イェーガー将軍には

「クローデンからの補給路を盤石にする必要がある。クローデン補給基地の防衛と補給線の意地を命ずる。いそぎ出発せよ。」

「ああ、任せておけ」

軽く返すイェーガー将軍、だが眼光は鋭い。

「余はバリアス砂漠に向かう、セルべリアは共をせよ。」

「喜んで。」

こうして盤面は動いた。小さな小さな盤面。

なぜたかが一つの小さな惑星 地球の表面の

小さなヨーロッパのそのまた小さなガリア程度を巡って人は争うのか。

争うのは人の宿命なのか、何を思って黒歴史が示すニュータイプ達は

外宇宙に旅立って行ったのか、この醜い戦争を見ればわかるではないか。

彼らがこのオールドタイプ達を見たら何を思うだろうか・・・

 

 

__________

その頃ロランは・・・

「アリシアお嬢さん。この菓子パン、とっても美味しいですよ。」

「ロランさん。このアイスクリーム、私の直した機械で作ったんですよ。」

「アイスなんて・・・うわぁ凄い!さらさらしてすっと舌の上で溶けて・・・

これ凄い美味しいですよ!」

とっても宴を満喫していた。

 

_______________________

BGM 軍靴の記憶

 

宴会も終わって 新たに結束を深めた第7小隊

そこにクローデンの森の帝国軍補給基地の破壊命令が下る

こういうのって正規軍の役目じゃないのかなぁ・・・

ところが敵の防衛部隊はイェーガー将軍率いる精鋭部隊で義勇軍は大苦戦

そこで僕はターンエーである行動に打って出たんだけど・・・

次回 おひげと森

クローデンの森に烈風が巻き起こる




さて、いかがでしょうか今回。
このSSでは戦ヴァル世界はUCのはるか未来・・となっていますが
この時代でも例えモビルスーツが無くとも西暦世界の我々のように
彼らも争うわけですが
ロランが帝国の戦争理由を知ったらどう思うでしょうか?
ディアナ様もグエン閣下も戦争してしまうわけでしたが
平和的解決法がまず第一であり
その理由は前者は人口が限界のムーンレィスの地球への帰還のため
後者は地球の文明開化のためとあくまでも他人のためであり
そこには善意が存在します。
対して帝国の戦争理由は明白には不明ですが、ダルクスへの迫害 
首脳陣の言動からその戦争理由は自身の利権拡大のためと極めて俗物的でエゴむきだしなものです。
その意味では闘争本能を満たすための戦争を選んだ ギム・ギンガナムよりもタチが悪いと言えます。
ロランが知ったら・・・・怒りで月光蝶が爆発しそうですね・・・
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