東方悟(さとり)物語   作:明太子醬油

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こころ

こいしが母さんの腹にいることがが発覚してから1年経った。 こいしがもうそろそろ生まれるらしい。

そして、俺は今日初めて外に出た。 なぜ外に出たかというと邪魔になるかららしい。 何の邪魔かというと、子どもが近くにいると母さんが気になるそうだ。

俺が生まれた時にさとりがいなかったように、こいしの出産には立ち会えない。 おそらく、会えるのはさとりの時と同じで一週間後くらいだろう。

初めての外。目の前に広がるのは緑一色。身長が低いからか気の高さがやけに高く感じる。空気は澄んでいて、吸っていて気持ちいいと感じる。前世の世界の空気をおいしいともまずいとも思わなかったからかすごく新鮮な気がした。

俺が今いるのは、家から離れてすぐのところにある。ちなみにさとりも一緒にいる。俺はもう普通に話すことが出来るようになっている。

 

「何をして遊ぶ?」

 

俺的には、遊ぶよりまず俺の胸の前にある第三の目の使い方を教えて欲しい。しかし、体が子どもだからか遊ぶという言葉に反応してしまう。・・・中身は大人だけどな! 正直な話、めっちゃ遊びたい。いつも家の中にいたから体を動かす機会が全くなかった。だから今から外に行くと聞いた時は、何をして遊ぼうか考えて一人ワクワクしていたほどだった。

とりあえず、遊ぶといっても鬼ごっことかくれんぼくらいしか思い浮かばない。第三の目はまた今度でいいや。今ははじめての外を満喫しよう。

 

「なんでもいいよ。」

 

「そう言われてもね・・・私もずっと一人だったから二人でどう遊んだらいいのかわらないのよ。」

 

言われてみればさとりはずっと一人だった。あれ? でもさとりは村にいたんじゃないの? 村の話をしていたはず。村で遊ばなかったのか?

 

「さとりお姉ちゃんは村で遊んでないの?」

 

「遊んでるけど人数が多いから参考にならないのよ」

 

今思ったのだが、何か質問された時になんでもいいと答えるのは一番困るのではないか? 俺もさとりも何をして遊んだらいいのかわからない。困ったな…。

 

「さとりお姉ちゃんは一人の時何をしてるの?」

 

「私は基本、適当にこころを読んで過ごしてるわ」

 

「例えば?」

 

「そこらへんの木とか?」

 

ちなみにここで言うこころとは、生き物の心臓でなく、気持ちや感情、知性のある生き物であれば考えていることなどの精神的な物を総称してこころという。

話を戻すけど、はたから見ると木を見つめたまま突っ立てることになるよな。なかなか痛いな。

待てよ・・・木にこころあるのか?

 

「木にこころはあるの?」

 

「あるわよ。目を集中させればわかると思うけど。確かに人間や妖怪のこころは何もしなくても見れる。だけど、知性のない生き物にもこころが無いわけじゃないからね。」

 

「なるほど・・・」

 

俺は目の前にあった木に第三の目を集中させてみる。すると、頭の中になんとも言えないような色が見えた。

知性の無い生き物の場合は色で判断するようだ。なんとなくだが、目の前にある木のこころが分かる。一言で言うと楽しいと言ったところか?

 

「楽しいの?」

 

「そうみたいね」

 

こうして、俺の初めてのこころを見た相手は目の前にある木となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、俺たちの家で新しい命が生まれた。性別は女の子で、やはり名前はこいしになった。

余談だが、この世界には生まれる前に性別を知ることが出来ないため、産まれて来るまでは性別がわからない。もしかしてこの世界に俺がいるせいで、性別が男になってしまったらどうしようと考えていたのは秘密である。




ちょいと遅れました。自分なりの書き方をやっと見つけました。これまでの話を修正しようと思います。
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