東方悟(さとり)物語   作:明太子醬油

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感想ありがとうございます。素直に嬉しかったです。これからもお願いします!!




 こいしが生まれてから三年が経った。

 俺は今、外にいた。俺の後ろには緑色の髪が目を引く一人の少女がいる。彼女の名前はこいし。見た目は東方のこいしを幼くした感じである。

 まぁ、幼くしてるんだけどね。

 初めて外に出たからか、周りをキョロキョロとしている。

 俺も初めて外に行ったときあんな感じだったのだろうか?

 

 俺たちが向かっている先は、俺が初めてこころを読んだ木のところである。あれからさとりと遊ぶ時はいつもあそこで遊んでいた。

 こいしと一緒に歩いていると見慣れた木が現れた。その木の下にはピンク色の髪が目立つさとりが立っている。こちらの見た目も東方のさとりを幼くした感じである。

 ちなみに俺の見た目は青色の髪で、髪は肩に少しかかっている。

 なぜ俺たちがこんな場所にいるかというと遊ぶためではなく、こいしを村に連れて行くためである。

 ことの発端は、こいしの一言である。

 

 

「私も村に行ってみたい!」

 

 

 俺とさとりが一週間に一回会うたびにみんなで何をして遊んだのかとか、村であった面白かった話などを聞かせていた。そして昨日、こいしが突然立ち上がって言ったのである。そのあともずっと、「お姉ちゃん達だけズルい」とか「私も遊びたい」とか言って拗ねてしまった。

 それを見た母さんが「もうそろそろ行ってもいいわよ」と言ったのである。

 それを聞いたこいしは元気になり、嬉しさの余り一日中はしゃいでいたほどだった。

 

 

 だが村に入る前にやらないといけないかのとがある。

 妖力の操作である。

 妖力とは妖怪がもともと持っている力のことである。基本妖力は体に纏まらせたり、放出させて攻撃するときに使う。なぜ妖力を体に纏まらせるかというと身体能力を上げることが出来るからである。

 今こいしにしようとしているのは、この妖力を体に纏まらせることである。そして体に纏っている妖力を第三の目に集中させる。そして、第三の目がなくなった自分をイメージする。すると第三の目がもともとなかったのかのようにきれいさっぱりとなくすことができる。

 といっても、本当はそこに第三の目はある。ただ見えなくなるだけ。変化の術のようなものだ。形が変わっても本質は変わらない。

 

 

 ちなみに妖力を増やすには三通りのやり方がある。

 一つ目は、長生きすること。妖怪は長く生きれば生きるほど強くなるのである。

 二つ目は、畏れを集めること。簡単に言えば怖がらせればいいのである。妖怪は人の畏れによって生み出された生き物である。だから、怖がられるほど強くなるのである。

 三つ目は、修行である。正直あまりお勧めしない。これは効率が悪すぎるからだ。

 

 

 そんなことを考えていると、こいしは妖力をを第三の目に集中させていた。

 こいしを見ていると自分を思い出す。

 妖力を初めて認識出来たときに、嬉しくて「俺すげえええええ!!」と叫んでいたら、母さんが怒りながら「そんな汚い言葉どこで覚えたの!?」と怒られしまい、それ以来言葉には気を遣うようになった。

 悟り妖怪にはの妖力の限界値がある。だいたい500年で限界を迎えるらしい。だから1000年生きようが5000年だろうが妖力に差がでないのである。

 それを聞いた俺は泣いた。

 だって、転成って言ったらだいたい強い奴を無双するじゃん?そういうの憧れるじゃん!でも自分には限界があってそれ以上強くなりませんって言われたらどんだけがんばっても強い奴倒せないじゃん!

 そうして俺の夢が一つ減った・・・。

 

 

 お、どうやらこいしの変化の術が出来たらしい。

 

 

「ことりお姉ちゃん出来たよ!」

 

 

 そう言いながら俺に近づいてくる。

 俺はこいしの頭に手を置きながら小石を観察する。

 こいしの格好は、幼稚園の服のようなものを着ている。もともと第三の目があった所は、きれいさっぱりなくなっている。

 俺がこいしの頭を優しい撫でるとこいしはくすぐったそうに目を細める。

 なんだこの可愛い生き物は?

 

「こいしは天才ね」

 

 俺は微笑みながら言う。するとこいしは輝くような笑みを浮かべながら「ありがとう♪」と答える。

 

「こいしもことりまも、もうそろそろ行くわよ」

 

「「はーい」」

 

 そして、俺たちは村の方へ進む。

 俺は友達のみんなにこいしをどうやって紹介しようか考えながら村に進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 草が踏み倒されてできた獣道を30分くらい進んでいると、いつの間にか村に着いていた。そして村に入る。

 村にある家は、木や茅で出来ている。

 昔の日本だとしたら今は千年前と言ったところか?父さんが陰陽師に会ったら逃げろと言っていたからそれくらいだと思う。

 

 村の人たちはほとんど知り合いだ。といっても人口がとても少ない。だから、村であまり人と会うことはない。

 村の入り口の近くにある団子屋さんのおじさんはたまに「団子が余ったからやる」と言ってくれる。今回は新しい顔がいるから貰えるかもしれない。

 俺はさとりと不安そうにしているこいしを先に行かせながら団子屋さんに向かった。

 

 

 

 今俺は上機嫌に道を歩いている。右手には団子がたくさん入っている包みがある。おじさんは「みんなで食ってこい」と言うと団子がたくさん入っている包みを渡してくれたのだ。

 おじさんかっこよすぎだろ!

 

 そういえば、なぜ俺やさとりは一週間に一度だけしか家に帰らなかったのには理由がある。

 まず母さんの子育てである。父さんが気を利かせて子供がある程度大きくなるまで、村にある父さんの家にいたのである。

 もう一つは、社交性である。さとり妖怪はこころが読めるので社交性が皆無になってしまう場合が多い。

 子供にコミュ症になって欲しい親はいないだろう。

 そしてもう、家に帰らない理由もないので、これからは四人みんなで家で過ごせる。・・・父さん忘れてた。

 

 

 

 

 

 

 

 村の入り口から反対のところに遊び場がある。遊び場といっても、ただの草原である。

 遊び場に着くといつもの遊んでいるメンバーが揃っていた。

 こいしはみんなと打ち解けていた。

 変化の術を使っているとはいえ、こころは読める。しかし、子どもの純粋さのおかげか全く気にならない。

 俺は持ってきた団子をみんなに配り、一緒に食べる。

 こいしは最初の不安を感じさせない笑顔を振りまいている。

 

 

 

 

 

 こんな日がいつまでも続けばいいな。

 俺は楽しそうにしているさとりとこいしを見ながらそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーー人間と妖怪はコインの表と裏のように決して交わることなんて出来ないのに。

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