魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~ 作:てりー
家で、なのはと話していて、こんな質問が飛び出た
修行って何やっているの?
番外編:修行なうⅠ
「っは、っは、っは」
あ~、疲れた
もう何分同じ動きを続けているのだろう
「乱れてるよ!!」
っと、叱られた、集中、集中!!
何をしてるかって?
素振りです
つきっきりで3時間、延々と両手に持った竹刀を振り続ける
ってかこれ、鍛錬初日じゃないでしょ!!
何でも士郎さん曰く
「けん君の基礎体力は大人並にあるから基礎体力の訓練はしなくてもいい、代わりに、骨組みとなる、基本的な動きを身体にしみこませよう!!」
らしい
むちゃくちゃだ……
そんな感じで一日が終わった
やったことは素振りのみ!!
まぁ、身体で覚えた気がしないでもないけどね
その日の夜、士郎さんの部屋に呼ばれた
「けん君は、どんな戦士になりたいのかな?」
たぶんだけど、このまま2刀流だけをやるのか、それとも色々な武器をやるのか……なのだろう
それなら答えは決まっている
色々な武器を使いたいだ
何故か?『ゲート・オブ・バビロン王の財宝』の中には、双剣だけが入っている訳じゃないからさ
「そうか……ちなみに使えるようになりたい武器は、どのくらいあるんだい?」
え~と、剣、槍、斧……このくらいか
「とりあえず、剣、槍、斧の3種類ですね」
まぁ、大・小などを含めたら7種類くらいになるけどね
「そうか、それならば、とりあえず戦うことが出来るようになるまで半年、基本的な戦闘ができるようになるまで更に4ヶ月のペースで予定をくもう
どうだい?」
「はい、OKです」
「あぁ、後もうひとつ、私はあくまで御神流の師範代
剣はなんとか教えられるけど、槍や斧は教えることができない
だから、そこは教えることができない」
それは残念というか辛いな
ほかの人に教わる時間なんて作れない
「そこでだ、古い友人に、そこら辺を武器としている人がいるから、その人たちを呼ぼうか?」
さすが士郎さん、しっかりと考えてくれている
士郎さんほどの達人が、昔、どんな道を歩んできたのかはしらないけれど
どちらにしても達人レベルなんだろう
「よろしくお願いいたします」
反射的に頷いていた
そして5日後
「やぁ、君がケンスケ君だね」
「おい、士郎、このミジンコが剣介か?」
何か爽やかなおじさんと、豪快そうなおじさんがやってきた
「おい、ミジンコ、おじさんじゃねぇ
お兄さん、もしくは若くてかっこいいお兄さんと呼びやがれ」
そして、なんか無茶振り
というか俺はミジンコじゃねぇ
これくらい年齢を考えれば普通だ!!
「ははっ、そのくらいにしときなよ
はじめましてケンスケ君、僕の名前はラルフ・ローラン、よろしくね」
見たところ完全に外人なのに、日本語が上手い
「当然だミジー、こいつは5歳の時から日本にいるんだ、もはや母国が日本だよ
俺は、武智祐三だ、祐三様と呼びやがれ」
誰が呼ぶか
というか、ミジーって俺のことかよ
「相変わらずだな二人とも、けん君、この二人が今日から指導してくれる先生だ
自己紹介は済んでるけど、槍担当のラルフと、斧担当の武智だよ
二人の指導力は保障するよ」
「ミジーじゃなくて石神剣介です
よろしくお願いします」
それが地獄の始まりだった
「おらぁ!! どうしたミジー、もうおねんねか?」
祐三さんの怒声が響く
いや、いくら木製とは言っても、先にαゲルが付いてるとは言っても吹っ飛ばされたら痛い……というか死ぬわ!!
「お前は耐久力だけはあるんだから大丈夫なんだよ」
そう、この方々、初日で俺の耐久力に気が付いてからは、身体に叩き込ませるとかいって無茶苦茶な修行をしてくる
二日目が終わったときには、青あざが絶えない身体になっていた
「おい、ミジー
てめぇはおかしいほど筋力があるんだ、壊し屋と恐れられた俺よりもな
だったら、俺よりも斧使いの才能があんだ」
不意の優しい言葉にビックリする
筋力については……セイバー並みだからな
「だから、普通はできねぇ技を教えてやるよ
これができるだけで、斧の致命的な弱点が一つ無くなる
それはな、振り下ろしを途中で止めて、ノンステップで横に振る、それだけだ」
それだけ?
拍子抜けした
やってみろ、と言われてやってみる
振り下ろしを止めた時にかなりの衝撃が来たけど、俺にとって問題ではない
そのままノンステップで横に振り切った
「そうだ、その動きだよミジー
斧で連続攻撃が出来るってのはチート並みだ、これからはそれを重点的にやるぞ」
「はい!!」
斧の修行はこんな感じだった
「甘いよケンスケ君、君なら付いてこれるはずだ!!」
いやいや、無茶言わんといてください
ただの突きなのだが、引くスピードと突くスピードが速すぎる
しかも、この修行は、ランダムにラルフさんが突くのを、槍の穂先で受け止めろとかいう謎の修行だ
いや、動体視力や突く場所を見極めるのには最適な訓練だと思うけど……
「ほら、甘いよ!!」
段々とジリ貧になってきて、最後にはおしきられる
そこで一旦中断となった
「動体視力や筋力は申し分ないけれど、恐怖心が強いんだね
知ってるかい? 槍で一番恐ろしいのは突きじゃないんだよ」
それは初耳だ
突きが早いし、避けづらいのじゃないのか
「突きは直線的なので読みやすい、一番恐ろしい技は、読んでいても対応することが難しい、槍のリーチを生かしたなぎはらいなんだよ」
あぁ、確かにそうだ
こんな長い凶器を振り回されたら、避ける事なんて不可能に近い
しかし、何を言いたいんだろう
「だからね、突きを恐れる必要なんて無いんだよ
さぁ、続きをやろう」
いや……そういう問題じゃ……
なぎ払いが一番恐ろしいからといって、突きが恐ろしくないわけない……そんな叫びが聞き入られはずもなく、修行は進んでいった
最後は士郎さんとの修行
「実践的に流れの中でどう攻撃するか、を修行しよう」
ってな感じで修行スタート
修行内容といえば
士郎さんとの1対1を基本として、とりあえずボコボコにされる
雰囲気的には士郎とセイバーの特訓に似た感じ
他にも、恭也さんとの1対1や士郎さんと恭也さんとの1対2
俺と美由希さんと組んで2対1とか、足りる人数で考え得るパターンは全てやった
そして、時は流れてもう、9ヶ月
「よっしゃ、俺が教えられんのはここまでだな」
「僕もかな、今まで頑張ったねケンスケ」
これまで9ヶ月間のことを思い返す
ボコボコにされ、そしてボコボコにされた
習った事といえば、かなり基本的な動作ばかり
槍だったら突きとなぎ払い、斧だったら連続攻撃(これは基本的なのか?)
でも、だからこそ、強くなれたことが実感できた
槍にしろ斧にしろ、練習用のものは10本以上使いつぶした
「おい、ミジー
前にもいったが、てめぇには才能がある
それを基礎的な意味での運用方法は、俺もラルフも教えた
それを、どうやって応用させるかは自由だ」
そうだ、どういった方法で運用するかを考えるのもこれからの楽しみでもある
「じゃあ、僕たちはここら辺で失礼するよ
ありがとう、今まで楽しかったよ」
去っていく二人に、心からの感謝を込めて
「ありがとうございました!!」
一度も振り返らず、二人は行ってしまった
「さぁ、けん君
私たちも仕上げの模擬戦をしようか」
いや……聞いてないんですけど
模擬戦内容は至って簡単、3分間の間に、士郎さんに一撃いれるだけ!!
そんなもの出来るわきゃ~ないでしょう
練習の時にもサンドバックなのに……
とにもかくにも模擬戦開始
士郎さんはもちろん双剣
俺は色々悩んだが、双剣にすることにした
理由は簡単、一番得意だから
さて、どう攻めるかな……!?
くそっ、いきなり攻めてきた
先守防衛が基本の双剣なのに、四方八方から攻めてきてこちらが攻撃の暇を与えない
ジリジリと壁際まで追いつめられる
そうした絶対的劣性の中で、一回限りの手を思いついた
キンッ、ガンッ
受け流す、受け流す
そうしながら肩口に隙を作る
「隙だらけだ!!」
きた!!
肩への突きを、逸らしながらしゃがんでよける
狙い通り、士郎さんの剣(1本)が壁に突き刺さる
今考えると、壁に突き刺さる強さってなんだよ、と思うが……
「ここだーーー!!!」
もう一方の剣で、無理に士郎さんの胴を狙う、士郎さんの剣はまだ動いていない
身体が軋むけど構わない
いけぇぇぇぇ!!
キンッ
軽い音が響いた、そして……
「3分経過、試験終了」
無機質な恭也さんの声
それと同時に無様に崩れ落ちる身体
勝てなかった、最後の攻撃も、とっさの判断でかわされた
畜生……畜生……畜生
「惜しかったね、けん君。でもいい攻撃だった」
慰めが痛い
でもここは気丈に振る舞わなければ
「ありがとうございました」
礼をしてクールダウン
あぁ~、また今日から頑張るか!!
それが、明日に繋がると信じて……
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SIDE士郎
危なかった
クールダウンをしながら心底そう思った
最後、ああいう風に追いつめれば、考えつくだろうと思っていた
案の定、思った通りの事をしてきたから、わざと壁を貫いて隙を作った
だが、予想外の角度、スピード、キレだった
気づいたときには『神速』で防いでいた
「あれほどのスピードがだせるとはな……しかし私も大人げないな」
頭をかく、自分の大人げなさに、あの子の才能に
いまはまだ自分の方が強い
だが、抜かれるのは時間の問題だろう
せめてその時が遅くなるように、私も修行しよう
それが、未来へと繋がるだろう……