魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~ 作:てりー
前回(?)のあらすじ:なのはが砲撃を覚えました
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SIDE???
風が気持ちいい
海鳴という名のこの町に来て初めて知った感覚
眼下には光の海、それを見た私は心の中で母さんに語りかける
世界はきれいだね
反応なんかあるわけない
「ジュエルシード……か……」
戸惑いがないわけじゃない、目的を知りたくないわけでもない
でも、母さんのためなら何でもしよう
私は、あなたの娘だから
SIDEOUT
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「お~い遅刻すんぞ~」
なのはに呼びかける
「ちょ、ちょっと待っててよ~」
今日はすずかの家に行く日
恭也さんも、すずかの姉である忍さんという彼女に会いに付いてくるらしい
で、バスに乗るのだけれど……時間がない
もちろん俺と恭也さんなら余裕、ただ、運動神経がちょっとアレな、なのはがいることを考えるとギリギリの線
「ごめんね、お待たせ」
やっときたか
じゃあ行きますかね
「わぁ~♪」
後ろのなのはが嬉しそうな声をあげる
何かと思って外を見ると、快晴の空と、光を受けて輝く海があった
ここ海鳴は名前の通り海が近い
毎日色々な顔を見せてくれる海だが、今日の気分は最高のようだ
……ここのところなのはも頑張っていたから、今日は楽しい一日になるといいな
淡い期待を海に投げかけた
ピンポーン
「恭也様、なのはお嬢様、剣介様、いらっしゃいませ」
ガチャッっと開けて出てくるは、紫髪の美人メイド、ノエルさん
可愛いというよりかはかっこいい系の方だ
挨拶をすると、小首をかしげて可愛く挨拶を返してくれる
「いつみても思うけど……でかい家だよな」
そう、メイドさんがいることからも分かる通り、月村家はかなりのお金持ち
こんな友人一人は欲しいよね、って言われる人の一人だと思う
「なのはちゃん、けん君」
「おぉ、すずか、アリサ…ファリンさんも久しぶり、忍さんもこんにちは」
部屋に着くと、もうアリサは来ていてお茶をしていた
部屋にいるもう一人のメイドさんは、可愛い系のこれまた美人メイド、ただ、ドジっ子なところが玉に瑕なファリンさん
忍さんは本当に綺麗な人で大学のミスコンとかに出たら優勝しそうな程
「こんにちは、二人とも、さぁ行きましょ恭也」
恭也さんと熱いのはもう慣れた
俺は思い返す、転生前、こんな豪邸で遊んだことはあっただろうか、いや、ない
ってか、お茶ってなんだお茶って、おままごととかもっと子供らしい遊びをしろよ、何かOLみたいだから
「今日は来てくれてありがとう、なのはちゃん元気なかったから……元気づけたくて」
ほう、やっぱり友達ってやつは異変に気づくもんか
でも、こういうことは気の効いたやつしか出来ないんだろうな、俺には無理だ
「なんかあれば私たちに相談しなさいよ、私たちはその……親友……なんだから」
いやぁ~、分かっていたけど、いい子たちすぎるなぁ
なのはも泣きそうになってる
キュ~!!
その静寂を破る声
何かユーノが猫に追いかけられてる
ユーノ……別にお前のせいじゃないし、必死になる気持ちは分かるけど……空気読めよ
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SIDE???
アルフに言われた通り、近くの大きい家に行くと、これまた大きい庭があった
アルフ曰く、ここにあるらしい
そうならば、早く見つけて封印しないと……
「バルディッシュ、行こう」
〔Yes sir〕
私は捜索を開始した
SIDEOUT
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現在地 トイレ
皆は外でお茶をしているはず
ドクン
!?
その時、非日常が帰ってきた
【けん君!!】
なのはからの念話
【あぁ、気づいてる、近いよな】
【うん……どうしよう】
何が? と言い掛けてやめた
そう言えば近くにアリサとすずかがいた事を思い出す
【あぁ~、すまん。状況がわからないからアドバイスが出来ない】
【えぇ~、まぁしょうがないか……】
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SIDEなのは
すずかちゃんとアリサちゃんに上手く言い訳する方法が見つからない
でも、こうしてる間にもジュエルシードが……
ってユーノくん!?
いきなり飛び出したユーノくんが林に入っていく
え……あぁ、そういうこと
たぶん、自分が出ていったことにしてくれたのだろう
なら私は、それに合わせるだけ
「わ、わぁーユーノ君どこいくのー、さがさなきゃー」
私も、さもユーノくんを追いかけるふりをして席をたつ
「あら、ユーノどっかいっちゃったの?」
「手伝うよ」
ちょっと優しい言葉が身にしみる
「大丈夫、すぐ戻ってくるから」
そう言って私も走り出した
すぐに追いついて少し走ると、思い直したようにユーノくんが立ち止まった
「人目にふれるとまずいからね。結界をつくらなきゃ」
けっ…かい?
何それ?
「僕となのはが最初に出会ったときと同じだよ。認識をずらして認知されづらくする魔法なんだ」
意識を集中させるユーノくん
よく意味は分からなかったけど、ようするにアリサちゃんやすずかちゃんにバレないようにするって考えればいいと思う
ユーノくんの目の前にあった、大きい魔法陣が光る
その光が広がっていくと、周りがちょっと懐かしい感覚になる
たぶん、ユーノくんも言っていた通り最初に会った時はこの空間だったからなのだろう
ピキパキピキ
あ!?
前をみると、ジュエルシードが変化した姿があらわr……………へ?
にゃあお
……それは、とっても大きな猫でした
それでも封印しなきゃと切り替えて、猫さんを見ると
ドカァァン
アリサちゃんと同じ金色の髪をした人が、金色の魔力弾で猫さんを襲っていました
「え……魔法!?」
ユーノくんもびっくりしている
でも、あれじゃあ猫さんが可哀相だよ
助けてあげなくちゃ
「行くよ、レイジングハート!!」
いつもの衣装に着替えて(?)攻撃を受けている猫さんのほうへ向かう
背中に飛び乗ろうと思うと
〔flier fin〕
綺麗な桃色の羽が生えて、猫さんの背中に飛び乗ることができた
ドゴォォ
ニャアォォォ
でも、そこからどうすればいいのかわからない
今まで、全部けん君に任せてきていたから
封印とディバインバスターしか分からない……どうしよう
……でも……それでも私はあの猫さんを助けるために戦う!!
この前だって何とか出来たんだ、今度だって出来るはず!!
私は飛び上がって金髪の少女と向かい合う
第一印象で思った
……なんて可哀相な目をしているんだろう
それが凄く印象的で、次の行動に移れなかった
「ごめんね、あれは私がもらうから」
少女の杖が鎌になって、私に襲いかかってきた
「なのは!!」
ユーノくんの声が他人のように聞こえる。あれ、私……何して
〔protection〕
ガキィィン
レイジングハートの声で正気に戻る
そうだ、私、戦ってて……
少女が距離をとる
二人とも砲撃の構えになる……砲撃なら……
ニャァォ
あ……猫さん……
「ごめんね」
あ!!
猫さんに気を取られていた隙の砲撃……避けられない
私は空中で意識を失った
SIDEOUT
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俺がトイレから戻ると、もうなのははいなかった
「あれ?なのはは?」
すずかとアリサが心配そうに
「ユーノがどこかに行っちゃって、探しに行ってるの……でも戻ってこなくて……」
上手い言い訳だな、ユーノ発案かなぁ
「じゃあ、俺も探してくるわ」
走っていくと、すぐになのはは見つかった
…………ユーノのすぐ横で……倒れて……
「ユーノ……」
なのはは意識を失っているようだった
特に外傷は見あたらない
「あ、ケン!!」
周りを見ると、ちょうど封印し終わって帰ろうとしている金髪ゴスロリ幼女がいた
「あいつか?」
「……え?」
「なのはを倒したのはあいつか?」
「そう……だけど」
よく分かった
ならば、俺はあいつを……潰す
「そこの金髪ゴスロリ幼女ーー!!」
空中を走りながら叫ぶ、幼女が振り向いて驚いた顔をしてるが関係n
「フォトンランサー……ファイア!!」
金色の魔力弾を撃ってきた
立ち直りが早いから戦闘経験者かな?
俺も『ゲート・オブ・バビロン王の財宝』から、干将・莫耶をとりだして払い落とす
ギン、ギャン、ギン
っち、数が多い
いくら、魔力耐性が上昇する宝具でも、こう数が多いとやりにくいことこの上ない
俺は、バビロンから『強化を施された士郎の制服』を取り出して前に投げつける
微弱な時間だが、時間稼ぎくらいにはなる
その間に前に進めば言い話だ
「ック」
目前まで迫る……あと一歩
「フェイト!!」
!? 横から声がした
何だ?あいつの仲間か?
とりあえず声のした方向に向かって、かかと落としを放つ
ギャンッ!!
「アルフ!!」
感覚的には手応えあり
ようやく横を見ると、赤い犬が落ちていくのが見えた
あれは、ユーノみたいな感じの使い魔かな?
「よくもアルフを!!」
あの間に離れたのか
少し離れた場所から、初めて感情の籠もった声
今攻撃されていたら危なかったな
「あの使い魔、アルフっていうのか
だがな、俺にとってもなのはがやられたんだ
お互い様というやつだ!!」
俺はまた駆け出す
幼女(フェイト?)も負けじと
「ハーケン……セイバー!!」
鎌状の武器から鎌を発射してきた
あれは……回転してるし弾くのは難しい……なら
「ウソッ」
簡単なこと、横にステップして避けただけ
幼女は予想外に避けられて、ビックリしたのか呆けている
「終わりだ」
距離をつめて首を斬る
幼女の首から上が綺麗になくなって赤い肉がその身をさらけだす
首から血が吹き出して俺の身体にかかる
……俺の勝ちだ
とはならなかった
「どういうつもりだ……ユーノ」
俺の身体には鎖が巻き付いていて、首に触れるか触れないかの位置で刃は停止していた
幼女はさすがに、リアルな死の恐怖は初めてだったのか歯の根を打ち据えて、目には涙が浮かんでいる
「ケン……駄目だよ」
そんなことを聞いているんじゃない
「どういうつもりだって聞いてんだ!! 答えろユーノ・スクライア!!」
「そこの黒い魔導師の人は逃げて……早く!!」
このバカがっ、逃がしちまったじゃねえか
「ケン、落ち着いて……お願いだから……そんなケンを見たら、なのはが悲しむよ」
ユーノの瞳に俺が映っている、その映った目には見覚えがあった
俺がよく知っている人……いや、知っていた人の目
俺が世界で一番なりたくなくて、世界で三番目に好きだった人
それを思った時、急速に醒めていく熱
「……すまん、熱くなり過ぎていた」
心底ホッとした顔のユーノ、すぐに鎖がきえて動けるようになった
「よかった……大丈夫ケン?」
「あぁ、大丈夫だ。心配かけた」
本当に自分が嫌になる
結局ダメだった
あの人にならないように、あの人に近づかないようにしていたのに……
俺は弱いな……本当に……ダメだ
「ケンは弱くないよ!!今日のは……ちょっと熱くなり過ぎただけ……」
ユーノのフォローが痛い
「……とりあえず……なのはを連れて帰ろう」
俺はユーノとその場を後にした
「あ!!帰ってきた……ってなのは、どうしたの!?」
日常に帰ってきた
「あぁ、何か躓いて転んだみたいでな……ちょっと気をうしなっているみたいだ」
口からは鉄の味、出てくる言葉は飴細工
「大変、ファリンさんお願いできますか?」
それは成長の証
「わかりました!!こっちです」
退化の証
「わかりました」
少年は今
「行こう、アリサ、すずか」
己の歪みを自覚する