魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~   作:てりー

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第十一話

前回のあらすじ:なのはの修行とフェイトとの仲直りをしました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「明後日から温泉に行くから」

 

 

「は~い」

「了解」

「わかったよ~」

「OKです」

 

 

なんで皆こんな軽いかって?

 

毎年恒例行事だからさ

 

うちとすずかの家族にアリサを加えたメンバーは、毎年この時期の連休になると2泊3日の温泉旅行にでかけている

 

 

さて、じゃあ今日のうちに準備しときますか

 

 

 

 

 

 

 

当日

 

 

「見てみて、すっごい緑」

 

 

車に乗ってからそんなに経ってないけど、緑が多くなってきた

 

ってことは、そろそろ温泉も近くなってきたってことかな

 

 

【旅行なんだから、楽しまなきゃ駄目だよ】

 

 

ユーノからの念話に大丈夫だよと答えるなのは

 

よくよく考えてみると旅行中でもレイジングハートを身につけている以上、80%制限は実行中だから、真にゆっくりとは出来ないだろうけど

 

それにしても、今のなのはは色々と背負い込んでいる

 

 

修行のこと、ジュエルシードのこと、そして何よりフェイトのこと

 

 

温泉旅行の間くらいは忘れていてほしいけどな

 

 

 

 

 

「着いた~」

 

 

車からでて、伸びを1回

 

新緑に囲まれた中に佇む情緒あふれる旅館、これが今回泊まる旅館、『旅館山の宿』

……前も思ったけどそのまんますぎないか

 

 

純和風の部屋に荷物をおいて

 

さて、温泉に行きますか

 

 

 

 

「ユーノ君、おいで」

 

 

キュ、キュキュー

 

婦人の湯の前で、何だかユーノが騒いでる

 

 

「どうした、なのは?」

 

 

「ユーノ君が女湯に入りたくないって……ねぇ、一緒に入ろうよ」

 

 

まぁ、ユーノも男(?)みたいだからな

 

一緒に入りたくないのだろう

 

 

「いいよ、ユーノ、こっちに来い」

 

 

キュー♪

 

 

【ありがとうケン!!】

 

 

そこまで喜ぶか……俺だったら喜んで入るけどな

 

 

「え~、一緒に入ろうよ~」

 

 

未練たらたらのなのはを置いて、恭也さんとユーノと一緒のお風呂に入る

 

 

カポ~ン

 

 

「いや~、気持ちいいな」

 

「本当にそうですね~

 

ユーノはどうだ~」

 

キュク~

【大きいし、いい気持ちだよ】

 

 

あぁそうだ、ここには露天風呂もあったんだ

 

 

「ユーノ、露天風呂に行くか」

 

 

恭也さんの顔が戦士のそれになった

 

 

「待て剣介、そっちは行かないほうが……」

 

 

何でだ?

 

 

「何故ですか?恭也さんも行きましょうよ」

 

 

だって露天のほうが気持ちよくないか?

 

 

「いや……俺はいい、ユーノと行ってこい」

 

 

「……?わかりました、ユーノ行こう」

 

 

それが間違いだった……恭也さんの言うことを聞いておけばよかったのに

 

 

 

流石は温泉旅館、新緑の景色が美しい

 

何人か先客がいるようだ……何か見覚えがあるよう…

 

 

「あ~、けん君とユーノ君だ~」

 

「本当だ、お~い」

 

「一緒に入ろう」

 

 

なん……だと

 

落ち着け、慌てるな、これは罠だ、そうだ、これは孔明の罠だ

 

ってどうした俺は

 

 

恭也さんが言っていたのはこれか……

 

そういえば去年も同じような感じだったよな……忘れていたよ

 

 

 

さて……もどr「そうはいかないわよ~」

 

忍さんに捕まった

 

 

「恭也は来ないみたいだから、けん君で遊びましょうか」

 

 

うわっ、嫌な予感しかしねぇ

 

 

「じゃあ私、けん君に背中流して貰おう~っと」

 

 

悪のりする美由希さん

 

 

「え~、ずるいよおねぇちゃん、けん君私も~」

 

「さっさとやりなさいよ、次は私なんだから」

 

「けん君、私もやってくれるよね」

 

 

もういい、こうなりゃヤケだ

 

全員まとめてかかってこいやぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、私たちは探検に行くから、ケンも早く来なさいよね」

 

 

「りょ……かい」

 

 

くそ、迂闊だった

 

【ケン、大丈夫?】

 

今はユーノの優しさのみが救いだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「すっごい気持ちよかったね~」

 

 

「温泉で汗流したところで卓球しない?」

 

 

卓球か~

 

久しくやってないしな~

 

 

「私……卓球はちょっと」

 

 

そりゃなのはは嫌だろう

 

運動音痴の極みだからな

 

 

「こんにちは~お嬢ちゃんたち~」

 

 

なんか桃色髪で美人……美人だな、女性が話しかけてきた

 

なんだこいつ

 

 

なのはの前でとまった

 

 

「ふーん、ふんふんふん……」

 

 

いきなり何をしているんだ?

 

 

「強そうでもなければ賢そうでもなし、早さも無さそうだし……ふーん」

 

 

はぁ、何かイライラすんなぁ

 

アリサが前にでようとしたが、それを制して前にでる

 

 

「どなたさまでしょうか?」

 

 

ん?何か雰囲気が変わった?

 

 

「あんた……よくも」

 

 

俺?俺、なんかこいつにしたか?

 

 

「もしかしたら人違いでは?俺含めて、ここにいる皆はあなたのことを知らないようですが」

 

 

キョトンとした後

 

 

「あーらごっめんねーなんか知り合いににてたから勘違いしちゃったよ~」

 

 

嘘くさ

 

まぁ……別にどうでもいいが

 

 

「可愛いフェレットだねぇ、よしよーし」

【今のところは、挨拶だけね

 

忠告しとくよ、子供はいい子にして、おうちで遊んでなさいね

 

お痛がすぎるとガブッといくよ】

 

 

やっぱりそっち系統か、この人

 

しかし、会ったことあったか?

 

でも、やられっぱなしは嫌だな

 

【あら、そうですか

 

ご忠告ありがとうございます

 

でも、余計な忠告は身を滅ぼしますよ

 

お・ば・さ・ん】

 

【やっぱりあんたむかつくわね

 

ここでやってやろうかしら】

 

【出来るもんならやってみな

 

2秒で追い返してやるよ】

 

【あんたね

 

年上への口の効き方って習わなかった?】

 

【すまんね

 

礼儀知らずの馬鹿に使うようなものは知らんよ】

 

険悪な空気が辺りを包む

 

にらみ合う俺と女性

 

一触即発の空気が流れて……痛っ!!

 

 

「わかったから、さっさと行くわよケン」

 

 

耳を引っ張るなアリサ

 

ありがたいけど痛いって

 

 

「しっかし長い時間にらみ合ってたわね」

 

 

「わたし、どうしたのかと思った」

 

 

「あはははは」

 

 

事情を知っているなのはの乾いた笑いに不思議そうな顔をしている、すずかとアリサ

 

 

「まぁいいじゃん、卓球しよ、卓球」

 

 

 

 

 

 

 

 

卓球場

 

トーナメント形式の5点先取マッチ

 

1回戦目は

 

俺VSなのは

 

すずかVSアリサ

 

 

まず、俺となのは

 

 

「おいしょー」

 

 

「ふぇぇぇぇ」

 

 

なのはのサーブをバックに送って、返ってきたところをフォアに送って終了

 

※フォア:相手がラケットを持っているほうのサイド、対義語はバック

 

 

「5-0でケンの勝ち」

 

 

さすがに余裕だったな

 

小学校の時(今じゃないよ)習っていたのは伊達じゃない

 

もう1試合のすずかVSアリサも一瞬だった

 

 

「5-0ですずかの勝ち」

 

 

恐ろしいな、アリサがどんなに返してもズバンとスマッシュを決めるんだから

 

 

さて、決勝戦だ

 

まずは下回転で様子を見る

 

ストップで返してきたから、それをフリックでフォアに払う……甘いか

 

※ストップ:ボールを台の上で2バウンド以上させる台上技術

※フリック:台上のボールを上回転をかけて返す台上技術、台上技術の中では一番攻撃的

 

甘く入ったボールをスピードドライブでバックに返してきた

 

※スピードドライブ:体重を前に乗せて放つドライブ、スピードが速く、回転がかかりづらい

 

それをブロックでバックに返すとバックドライブでフォアに打ってきた

 

うわっ、意外と回転がかかっている……

 

ボールは高く上がって相手のコートに落ちる

 

や~ばい、下がらなきゃ

 

バチンと音がするスマッシュをロビングで返す

 

※ロビング:テニスでいうロブ、わざと高く球をかえす技術

 

普通この年齢くらいだと、ボールが頭を越すのだが……すずかはジャンプして打ってきた

 

予想外すぎて点を取られてしまう

 

 

しょうがない本気を出すか(何このブリーチ展開)

 

 

経験者ならば分かると思うが、卓球とはすなわち、回転のスポーツである

 

なぜか、スピードがあるだけなら素人でも当たれば返る

 

しかし、遅くても回転がかかっていれば返されない

 

また卓球は『最速のスポーツ』と言われている

 

それはなぜか、3mの台を挟んで、プロならば160kmものスピードで飛ぶからだ

 

野球に例えれば、3m手前から全盛期のランディ・ジョンソンがストレートを投げるようなもの、そんなもの反応だけで返すしかない

 

それに加えて回転がかかっていたらどうか、当たるまでが精一杯、当たっても吹っ飛ぶ

 

そんなもの返せるわけがない

 

 

何でこんな説明をしたかって?

 

それは俺がそのボールを打てるから(ガブリエルのおかげで)だ!

 

 

「うりゃぁぁ!!」

 

 

よし、渾身のドライブだ

 

 

 

ビシッ

 

 

 

……あれ?

 

 

「すずかちゃんすご~い」

 

よし落ち着け、今度は素数を数えよう

 

ってまた何やってんだ俺は

 

 

よし次だ次、さっさと勝つぞ……

 

 

 

 

 

「5-2ですずかの勝ち」

 

 

「あ、あの~けん君、元気だしてね」

 

 

「俺は……貝になりたい」

 

 

「意味が分からないわよ」

 

 

まさか……まさか負けるとは

 

 

「でもすずかちゃん強いね~、けん君を全く寄せ付けなかったしね」

 

 

これ以上傷つけるのは止めてくれ、なのは

 

 

「ケン、しょうがないわよ、あれは卓球じゃないわ」

 

 

おぉ、アリサが女神に見える

 

 

「ば、馬鹿じゃないの、私はもとから女神よ」

 

 

そこですか!?

 

ってか考えを読むな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「「「かんぱーい」」」

 

黄金に光る液体、汗をかいているグラス

 

 

そう、りんごジュースだ

 

……俺だってビールを飲みたかったさ

 

でも桃子さんに止められたんだ

 

しょうがないけど、俺だって実年齢は19歳なんだがなぁ

 

 

「さて、それを飲んだら寝なさいよ、けん君」

 

 

「う~い」

 

 

なのは達は寝たけど、俺はちょっとだけ宴会に参加した

 

 

「じゃあ、寝ますか、おやすみなさ~い」

 

 

「「「おやすみ(なさい)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

!?

 

また発動したか、本当に空気の読めない宝石なことで

 

【けん君】

 

【わかってる、バレないように行くぞ】

 

 

 

 

 

 

俺たちがいくと、もうフェイトが封印していた

 

その近くにいたのは、さっき会ったおばさん

 

 

「ジュエルシードをどうするつもりだ!!とても危険なものなんだぞ」

 

 

まぁそんなことは相手も知っているだろうが……って何かおばさんが狼に変身した

 

使い魔ってあんなこともできたんだ

 

 

そいやぁ、どおりで俺に会った時怒ってたんだ

 

前回、俺に蹴り飛ばされて、主人を殺されそうになったんだ

 

それで怒るなってほうが無理だろ

 

 

 

 

 

飛びかかってきた狼(アルフ?)を抑えようと前に出るとユーノが更に出てきて結界をはった

 

 

「おい、ユーノ」

 

 

「なのは、あの子を頼む

 

ケンはなのはのサポートを」

 

 

了解、しっかりと役目は果たすさ

 

 

「できるとでも!!」

 

 

さらにアルフが体重をこめて結界を破壊しようとする

 

 

「できるさ!!」

 

 

その瞬間、ユーノとアルフが消失した

 

なんだこれは

 

 

「結界か……良い使い魔だね。ケンスケ」

 

 

「ユーノ君は使い魔じゃないよ。私とけん君の大事なお友達」

 

 

意思をこめてにらみ合う二人

 

 

「で、どうするの?」

 

 

「話し合いがしたい」

 

 

いや、俺なのはにあの日のこと話したよな

 

 

「ケンスケから聞いてると思うけど、私はあなたの敵」

 

 

「でも、話し合いで何とか出来る事ってあるよ」

 

 

なのはの言いたいこともわかるが……そんな簡単にはいかないだろうな

 

 

「話し合うだけじゃ、言葉なんてものじゃ何も変わらない、伝わらない!!」

 

 

始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれは、今から4日前

 

 

よし、今から修行するぞ

 

 

「は~い」

 

 

あぁそうだ、フェイトに会ったって事伝えないと

 

 

「そうだ、なのは

 

あの幼女、フェイトに昨日会ったぞ」

 

 

「「えぇ!?何で」」

 

 

仮定を説明するのは……メンドイから省こう

 

とにかく、フェイトが伝えてと言ったことを伝える

 

 

「そっか、話し合いじゃ解決しない……か」

 

 

で、どうするのか

 

なのはは諦めるのか?

 

 

「諦めないよ、私は絶対に諦めない

 

あの子と話したいから強くなるんだもん」

 

 

そっか、やっぱり決意は固いか

 

なのはを撫でると気持ちよさそうに目を細める

 

 

「あ、そうだ

 

今度フェイトちゃんに会ったら、けん君は戦わないでね」

 

 

「了解」

 

 

たぶん、自分でケリをつけたいのだろう

 

 

「よし、今度こそ修行を始めるぞ

 

フェイトに勝てるようにな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘が始まってすぐ、フェイトが後ろに回り込んだ

 

 

なのはが避けて、空に飛ぶ

 

 

「私とお話したいなら、互いのジュエルシードを一つずつ賭けて

 

フォトンランサー」

 

 

小さい魔力弾が10個できる

 

 

「レイジングハート、ディバインシューター」

 

 

なのはの周りにも8個できた

 

双方とも打ち落とすが総数が多いぶん、フェイトの魔力弾がなのはに襲いかかる

 

〔protection〕

 

 

それもフィールドで楽々防ぐなのは

 

あきらかに動きが向上している

 

特訓の成果はでたようだ

 

 

機動力で優るフェイトが徐々になのはを追いつめるが、最後の一線は割らせないなのはに、ついに痺れをきらして

 

 

「サンダースマッシャー」

 

 

強力な魔法を打ってきた

 

こちらの唯一の勝ちパターン

 

「ディバインバスター」

 

魔力のビームが夜空に輝いて、まるで天の川のようだ

 

さて、この状態で力が拮抗しているなら

 

 

「なのは、切り札だ!!」

 

 

勝てる!!

 

レイジングハートがリミッターを解除した

 

80%で拮抗しているなら1.2倍の力には適わんだろう

 

 

予想通り、圧倒するなのは

 

しかし、ここで油断するなよ

 

って馬鹿、油断しやがった

 

 

ディバインバスターの威力で上回ったからなのか、なのはは消えたフェイトに対して安堵した

 

そこにフェイトが上から襲いかかる

 

もう勝負はついたな

 

俺は駆け上がりながら

 

 

長さは五尺

 

柄がなくて、持ち手が青と金

 

粋の極みともいえる日本刀をとりだした

 

 

そのまま、フェイトが振り下ろした鎌を受け流す

 

 

「けん君」

 

 

「……勝負ありだ、レイジングハート」

 

 

Yes、とジュエルシードを1個出す

 

 

「帰ろう、アルフ」

 

 

「さっすが」

 

そうか、あの狼はアルフって名前か

 

 

「待って!!」

 

 

なのはがフェイトを呼び止めた

 

 

「もう私たちに関わらないで」

 

 

フェイトのこれは純粋な優しさだけじゃないだろう

 

たぶん、前回とは雲泥の差だったなのはに恐れを抱いている部分もあるはずだ

 

 

「名前を教えて」

 

 

あれ?俺おしえたじゃん

 

 

「ケンスケが知ってるはずだけど」

 

 

「あなたの口から聞きたいの」

 

 

そういうことね

 

 

「フェイト、フェイト・テスタロッサ」

 

 

なのはが言う前に去っていった

 

 

これで、フェイトには2連敗か

 

今回は経験の差だな

 

こればっかりはどうしようもない

 

 

「なのは、帰って風呂でも入ろう」

 

 

「え?」

 

 

風呂でも入ってさっぱりしよう

 

走ったりしたから汗もかいたしな

 

 

 

 

 

 

 

 

今、俺となのはは一緒に露天風呂に入っている

 

 

「よし、髪でも洗おうか?」

 

 

なのはに提案

 

すると力なく首をふる

 

 

「じゃあ、逆に背中流してくれるか?」

 

 

今度は力なく頷いた

 

 

ゴシ、ゴシ

 

 

草木も眠る中、なのはが俺の背中を洗う音だけが響く

 

 

「今回も……ダメだったね」

 

 

ポツリとなのはがもらした

 

 

「しょうがない、あれは経験の差だよ」

 

 

俺も短く返す

 

 

「あの子、話し合うだけじゃ変わらないっていってた」

 

 

「うん」

 

 

「言葉だけじゃ伝わらないっていってた」

 

 

「うん」

 

 

「ダメなのかな、私じゃダメなのかな」

 

 

洗ってもらっている感覚が途切れて、代わりに重量感と髪の感触

 

 

「なのははどうしたい?それで諦めちゃうの?」

 

 

「嫌だよ!!あの子とお話したいよ……でも……でも……」

 

 

熱い液体が背中を滑り落ちる

 

 

「なのはが諦めたら終わりだよ、でも諦めなければチャンスはくる」

 

 

重要なことはそれ、別にフェイトが嫌がろうが関係ない

 

 

「そっか……そうだ…よね、ごめんね変なこと言って、私おかしかったよね」

 

 

そう言ってお風呂に向かうなのは

 

たぶん、なのはが弱音を洩らしたのは初めての事だろう

 

どんなに辛くても、何一つ言わず、笑顔でこなしていたなのはが洩らした不安の言葉

 

強くなっているという自信から言い訳の理由が消えて、頼りどころがなくなったのだろう

 

俺は、そんななのはの心のより所になりたくて、助けたくて

 

気づいた時には後ろから抱きしめていた

 

 

「いいんだって、こうやって頼って

 

俺はなのはの味方だよ

 

俺はなのはの不安を背負いたい

 

哀しみを拭いたい

 

喜びを嬉しがりたい」

 

 

なのはがこちらを向く、その大きな瞳からは今までの不安や恐れを出し切るように、涙が溢れていた

 

俺はなのはの顔を胸にうずめさせて抱きしめた

 

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