魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~ 作:てりー
前回のあらすじ……三人娘の出会いをききました
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SIDEフェイト
さっき、アルフに言われた
心配だよと
確かに、このところ食欲がない
ご飯がのどを通らない
でも私は強いから大丈夫
強いって言葉は不思議な言葉
つぶやけば力が湧いてくる
こんなところで立ち止まれない
立ち止まっちゃいけない
母さんが待っているんだから
SIDEOUT
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今、俺となのははジュエルシード探しをしている
今までとは違い、ゆっくりのんびりと
なのはには、何でもいいからこうやってゆっくりする時間が必要だと思う
これまで色々と大変だったし、思う事もあったはず
それらを一旦打ち切って、羽を伸ばしながら歩く
季節は春、ちょっと時間は遅いけど気分的にはピクニックだ
「あちゃー、もうこんな時間
もうタイムアップかな」
もうそろそろ我が家では夕食の時間
「僕が残って探しに行くよ」
ユーノの提案になのはは賛成しかけるがとんでもない
【ちょっと待てユーノ、もし、捨てフェレットだー、なんて捕まったらどうする気だ
よくて新しい飼い主、最悪保健所行きだぞ】
ユーノは顔色をわるくして、僕も帰るとなのはの肩に乗った
さて、今日の夕飯は何かね~
ドゴン
「な……」
強烈な音と共に、町の光が消えていく、月が隠れる、雷鳴が轟く
「強制発動!?こんな町中でマズい!!」
叫びとともにユーノが結界を張る
「レイジングハート、お願い!!」
なのはもsetupをして準備万端
しかし、フェイトも思い切ったことをする
光っている場所、あれがジュエルシードだな
「なのは、フェイトより早く封印を」
「わかった、レイジングハート」
しかし、なのはが砲撃をチャージし終わる前に、金色の魔力光が発射される
数瞬遅れてなのはも発射
だがその数瞬は、距離の優位を無くすには十分なもの
事実、ジュエルシードには同時にぶつかった
この場合はどうなるんだ?
ドゴォォン!!
ものすごい音がして、魔力の奔流があたりを包む
くそ、何も見えん
土埃が収まって、ジュエルシードを見ると
封印されていた
よし、成功はしたみたいだな
「やった
急いで確保して!」
違う、そうじゃないんだユーノ
今なのはがすべき事は違うんだ
飛び込んできたアルフをユーノが抑えるが、なのはのシールドをフェイトに破られた
なのはが一歩踏み出す
「私は高町なのは、なのはだよ」
自己紹介をするなのはに、そんなことどうでもいいとばかりに鎌を構えるフェイト
またお話は無理か、でもいい傾向になってはきている
フェイトが宙へ浮かび、そのまま突進してくる
それを飛んでかわしたなのは
「レイジングハート!!」
魔力弾が12個形成されてフェイトに襲いかかる
それらを自分の魔力弾と鎌で的確に消していくフェイト
前回が比較にならないほど素晴らしい戦い
ドクン
なんだ、この感覚……
何か、吐き出しそうな感じ
高速移動を繰り返す二人
裏を取られれれば取り返す
なのはとしては、距離をとりたいけどとらせてもらえない
フェイトとしては攻めきりたいけど攻めきれない
ほとんど互角の戦い
隙があるとしたら戦闘経験かな
しかし、さっきの感覚は何だ?
ジュエルシードっぽいが……あれは封印されているはず
不安が広がる
何かがおかしい
何か見落としている
……分からない
一応の警戒はしておくか
紅く短い魔槍を取り出した
禍々しい紅き紋が、槍を這う
真名解放をしていないのでそれほど激しくはないが、それでも逃げたくなるような気を発している
なのはが距離をとるのに成功して、チャージ時間は短いながらもディバインバスターを放った
しかし一度対峙したからなのか、バスターが弱目な事を見計らってしっかりと防ぐフェイト
「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたけど
だけど、話さないと、言葉にしないと伝わらないこともきっとあるよ!!
ぶつかり合ったり競い合ったりするのは仕方ないかもしれないけど
だけど、何も分からないままぶつかり合うなんて、私、嫌だ!!」
なのはは叫ぶ
これまでの思いを言葉にして
その気持ちがフェイトを貫いていく
内側から破壊していく
ついにフェイトから言葉を引き出せるのか?
「私は「答えるな!!」」
破壊を止める声
驚いて動きを止める2人
「そんな甘っちょろいガキに、何も分かってないガキに答えなくていい!」
はっきりとした拒絶の言葉
後少しだったけど、しょうがないか
ドクン
……また
思い出せ、この感覚を
どこかで味わっているはずだ
昔、よく味わっていたはずだ
「……あ」
思い出した
あれは、魔力が暴走する感覚だ
まだ全然魔術が出来ない時に、時々味わっていた
大量の魔力に器が耐えきれなくなる
そしてそれは、少しの衝撃で辺りを破壊する力となる!!
それに気づいた時には、もうなのはとフェイトはジュエルシードに向かっていた
間に合わない
「止めろーーー!!」
渾身の叫びも虚しく、二人のデバイスがジュエルシードにぶつかった
キィン
「なのはーーーーー!!」
白い光が辺りを包む
その後、天を貫く青き光となって夜空に消えた
どうだ?
二人は……無事か、よかった
だが二人のデバイスはボロボロ
この場合、封印はどうするのだろう
すると、フェイトが近づいて、その小さな手のひらで包み込んだ
「フェイト、危ない!!」
アルフの叫びを無視して暴れるジュエルシードを抑え込む
手から流れ出る血、苦痛にゆがむ顔
俺は見ていることしかできなかった
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SIDEフェイト
今日は母さんの所に報告に行く日だ
お土産のケーキも買った
小さいけど可愛いケーキ
頑張って選んだんだ、喜んでくれるといいな
「お菓子ね……あのオニババがね~」
「でもこういうのは気持ちだから」
アルフにちょっぴり嘘をつく
そろそろ時間だ、行こう
「次元転送開始、テスタロッサの主の元へ……跳べ」
何度も反復して、刻み込まれた英数字を呟く
あとは、身を委ねるだけだ
ちょっと暗い場所に着いた
ここは時の庭園
私の故郷
母さんは何処にいるのだろう
「あ……」
見つけた、嬉しい
嬉しいけど、それをこらえてゆっくりと歩く
「母さん、ただいま戻りました」
前より元気が無い気がする
「ジュエルシードは?」
ちょっと悲しいな
「……4個です」
その時、母さんの顔色が変わった
杖が変化して鞭となる
魔法の鎖が身体を絡め取る
やだ、恐…くない
ビシッ
「うぅっ」
声が漏れるけど痛くない、痛くないんだ
母さんはもっと痛いんだ、苦しいんだ
「フェイト、あなたのお母さんが誰だか知ってる?大魔導師ブレシア・テスタロッサなのよ。それに泥を塗られたら私は笑顔にはなれないわね」
やっぱり、私が悪いんだ
母さんだって好きでやっているわけじゃない
私が悪い子だから
頑張らないと
もっと、もっと、もっと、もっと
私に出来ない事なんてなんだから
鎖が解けた
身体が熱い、背中が痛い、腕の動きが鈍い
でも……いやだからこそ私は頑張るんだ
「ハッ!?」
目が覚めるとそこは、いつもの部屋だった
SIDEOUT
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SIDEプレシア
……痛い
何が?
心がに決まっている
いくら■■■■を生きかえさせるためでも、やはり娘を打つのは辛い
でも、私は修羅になると決めた
なら、それを遂行しなければならない
ごめんねフェイト
ケーキ美味しかったよ
ありがとうねフェイト
SIDEOUT
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翌日
俺は、翠屋のシュークリームを持ってフェイトの家の前にいた
理由はフェイトのお見舞いだ
ピ~ンポ~ン
チャイムが鳴り響く
「は~い、新聞ならってアンタ、どうして?」
「お見舞いだよ」
シュークリームを掲げるが、露骨に嫌そうな顔をするアルフ
「ダメだね、フェイトは今、寝ているんだ
また今度にしな」
寝ているのならしょうがないと思い、退散しようとすると
「ん、アルフ?」
起きてんじゃねぇか
しかし苦しそうな声だな
何か消毒液みたいな香りもする
「すまん、アルフいれてくれ」
「ちょ、ちょっとアンタ」
アルフを押しのけて家に入ると、そこは吹き抜けの2階立て、マンションとは思えない豪華さ
フェイトを見つけようと階段をあがると、フェイトがうつ伏せで寝ていた
いや、起き上がれないという表現のほうが正しいだろう
息は乱れて、指は布団を握りしめて白くなっている
「あれ……ケンスケ……何で?」
「すまんアルフ、フェイトの背中をめくって見せてくれないか?」
「それは嫌だね、見てのとおり、フェイトは起き上がれないんだ、そっとしてやってくれよ」
そんな事は分かってる
アルフがフェイトを気遣ってるって事も知っている
「大丈夫、俺は回復魔法を使えるから」
その言葉に一応の納得をしながらも、渋々ながらめくると
大量の鞭打ちされた跡だった
「……これは?」
「フェイトのオニババがやったのさ
本当に治せんのかい?」
当然
この程度なら朝飯まえだ
俺はフェイトの前に立って深呼吸
呼吸を整え
集中して
「『セラフィエ・カンバセイション治療変換』」
自己の血液を治療専用に変換する『癒』の魔術
基本的には自分専用
メリットは、自己回復能力の大幅アップ、骨が折れた程度なら、10分あれば回復する
また、人に向けて血を垂らすことで、少し回復速度は遅くなるが治癒効果を
飲ませれば、内臓器官の治癒
味は……知らん
デメリットとしては、普通の血液に戻すための10分間、一切の魔術が使えなくなることと、身体能力の低下
俺は、カッターを取り出して、手のひらを裂いた
「アンタ何やってんだい!?」
手のひらから溢れ出た血が、居場所を探してフェイトの背中に落ちる
その瞬間、泡となって消えていく血
フェイトの背中にあった跡は消え、綺麗でスベスベな肌が蘇った
「え?身体が……」
立ち上がるフェイト
「何をやっているのケンスケ!?」
まぁ、目の前にボトボト血を流しているやつがいたらビビるわな
しかし……身体の中も悪そうだ
「フェイト、上向いて口開けて」
素直に口を開けるフェイト
その上から血を垂らす
「っーーーーーーーーーー!!!!!!ゲホゲホ」
「何やってんだいアンタ!!」
アルフに詰め寄られるが関係なし
「気分はどうだフェイト」
「っつ、悪いにきまって……ない
あれほどあった吐き気も身体の痛みもない
何で?」
さすがに魔術をバラすわけにもいかないので、そういう魔法だとうそをついた
すっかり元に戻った手のひらを見て、俺は通常の身体にもどす
その後はティータイム
この一件でアルフも認めてくれたようで、普通に話してくれるようになった