魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~ 作:てりー
前回のあらすじ:この世界には魔術が存在しました
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「では、1本勝負
これ以上危険と判断した場合、こちらから止める場合もあります
初め!!」
リンディさんの号令で戦闘開始
まずは、空に飛び上がるクロノ
クロノが遠距離攻撃が出来るのは分かっているし、なのはとフェイトに介入したことや、執務官の仕事内容を聞いたりしたことから、近距離攻撃もそれなりに出来るのだろう
俺は、黄金に光り、青の装飾が美しい王の剣を取り出す
それを見たクロノの顔が少し歪んだ
たぶん、見ただけで分かる剣のオーラから、相当凄い宝具なのだと理解させられたからだろう
「スティンガー・レイ!!」
クロノが俺を指差す
その指先から光弾が……ってまるでガンドだな
持っている黄金の剣を振って、光弾を消し飛ばす
「この程度は打ち払えるか」
そう言うと、またもスティンガー・レイを連続で放つ
直線的で威力もあまり無いとはいえ、速い魔法なので打ち払うのが困難になる前に回避をする
やっぱり接近戦をしないと勝てないな
俺は空中を駆け上がると、かなり驚きながらも迎撃用のスティンガー・レイを放ってきた
なのはの魔力弾より軽いとはいえ、実戦慣れしているぶん
嫌な場所に嫌なタイミングで撃ってくる
多少なりとも進みが遅くなったのをみたクロノが、フェイトのバルディッシュみたいな鎌を増やし始めた
これは……どれだけ増えるんだ?
周りを埋め尽くす量の魔力鎌に少し驚く
「いくぞ!!スティンガーブレイド・エクソキューションシフト!!」
グオンッ
唸りをあげて飛んでくる鎌・鎌・鎌
さしずめ台風といったところか
俺は、地面まで落ちて、石を削りだしたかのような巨大な斧剣を複製して小さな部屋を作る
これでやり過ごそうと思った
だが……
「ブレイズ……」
やばい!!
クロノの杖に魔力が溜まっていく
それを見た瞬間、なのはのディバインバスターを思い出した
鎌の暴風に身を踊らせて、観察をする
どこが一番鎌が少ないか
……ここだ!!
「キャノン!!」
「おぉぉぉぉ!!」
斧剣を横にして広範囲を一気に凪はらい、少しの隙間を作って身体をねじ込む
ザシュッ、グシュッ
身を切られても、まずは回避だ
何とか回避して一息つく
だが……
「っな……」
気づいたときには、四肢をバインドで固定されていた
「終わりだな、石神剣介
ブレイズ……」
別にこれで死ぬ訳じゃない
拷問にかけられるわけでもない
だが
負けられない
いや
負けたくない
ならばどうする?
この状況を打破する力があるのなら、それを使うしかねぇだろ!!
「構造把握」
呟きは誰も気づかないほど小さい
だがそれは、一つの生命の誕生を促すものだ
いや違う
生命ではない、石神剣介という外見を持った薄っぺらい何かを創り出すための呟き
「現世展開」
これは、創り出したそれを現世に持ってくるための呟き
そして……クロノのチャージが終わった
「……キャノン!!」
「位置変移」
身体が引っ張られる
内臓が遅れて持っていかれる
意識は一度ホワイトアウトして、もう一度色が戻ったときにはクロノの背中が見えた
もう一度、青き豪奢な紋様の入った黄金の剣を取り出して
クロノの首筋に当てた
「そこまで!!」
「……そんな……」
眼下には砲撃による爆発と驚きの目をした皆が
目の前には、唖然とした顔のクロノがいた
ゴルッ
胃の中で、何か別の生き物が動いている気がする
地面に降り立った俺は、なのはの賞賛を受け
リンディさんの賞賛と質問に答え……
ゴリュ
「ゴプッ……グゥオエ」
粘度のある赤黒い血を大量に吐き出した
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
SIDEクロノ
信じられない
バインドの流れまでは完璧だった
速度のあるスティンガー・レイで動きを止めて
大量のスティンガー・ブレイド・エクソキューションシフトで周りを取り囲む
それをやり過ごそうとした壁に向かって砲撃を放つ
でも、それすらも囮
わざと鎌の暴風に薄いところを作って、試合開始直後に仕込んだ罠を解放させる
バインドで四肢を固定したときには勝った!!と思った
……でも
いきなり首筋に剣を突きつけられたら
意味が分からない
肉体のスペックで負けても戦略で上回っていたから慢心したのかもしれない
駄目だ、こんなことじゃ正義の味方は目指せない
そう思いながら地面に降り立つと
いきなり剣介が血を吐き出した
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「「「けん(ケン)君
さん
!?」」」
なのはが涙目で駆け寄ってくる
リンディさんが大声で救急の指示をだす
あぁ~心配すんなって大丈夫だから
身体に力が加わらないのでふらっとする
それでも、丹田に力を加えて何とか姿勢を保つ
「グフッ
ハァ、『治療変換
セラフィエ・カンバセイション
』」
一気に楽になる
ふらついていた身体も、ぐらついていた景色も
全て元通りになった
グイッと口元についた血を拭ってなのは達に笑いかけると、なのはは安心したように動きを止めた
「医療班到着しました」
おぉ、速い
まだリンディさんが指示を出してから5分とたっていない
「あ……ありがとうございます
でも、もう大丈夫です「剣介さんを連れて行ってください」……リンディさん」
心配いらないって言っているのに
まぁ、仕方がないのかな
「行ってきなよケン」
ユーノが少し恐い感じで言う
なのはもフルフルと首を縦に振る
……特に断る理由もないし行くか
「わかりました
よろしくお願いします」
俺は重い足を引きずりつつ医療室に向かった
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
SIDEリンディ
驚いた
クロノに勝つとは思わなかった
最後、クロノがブレイズキャノンを放って勝負有りだと思ったら、いきなり後ろに現れた
あれは魔術なのかしら?
そうでなければ説明がつかない
あの状況で逃れるなんて、たとえクロノ執務官でも無理なのだから
「艦長、御覧になりますか?」
エイミィの言葉に振り返ると、ちょうどクロノと剣介さんが戦っているところだった
「えぇ、見させていただくわ」
問題の最後のシーン
クロノにバインドをかけられた剣介さんが何かを呟いている
集音機でも拾えないほど小さな呟き
そして……!?
「エイミィ、止めてくださる?」
一瞬
本当に一瞬だけ、クロノの後ろに何か見えた
これは……剣介さん?
……何にせよ、これに関してはもう一度聞かなければなりませんね
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
検診が終わって、なのはと雑談をしているとリンディさん達がやってきた
手には薄いファイルを持っている
「え~、先ほどの検診結果ですが
異常なしですね」
当然だ
この魔術はたとえ複雑骨折だろうと自分なら30分で治る
「あとですね
勝手ながら、先ほどの戦闘と検診結果から
剣介さんの管理局魔導士としてのランクをつけました
これは、管理局魔導士になるためならば必須なので……勝手にやってしまったことは申し訳ありません
なのはさんは、前回の戦闘から判断させていただきましたが、データが少ないので魔力量だけになっています」
いや……別にいいけど
「それで、まずなのはさんから
魔力量のみですが、魔力量はAAA+
これは管理局でも5%に入るほどです
総合もAAA+ですね」
なのはもびっくりしている
そんなに凄いのかなのはの魔力は
ユーノやレイジングハートの言っていた通りだな
「次に剣介さんですね
陸戦AA+
空戦A+
魔力量SSS「SSS!?」なのですが、理由は分かりませんが、魔法を使うために動かす必要のある歯車が一つだけ足りないので、魔法を使うことができません
ですので実質魔力無しです
この結果から総合A+となります」
クロノが確かAAA+って言っていたから……妥当だな
しかし、歯車が足りないって……どんな残念加減だよ
あれちょっと待て
ならば何故、念話が出来るんだ
「念話はリンカーコアがあれば使えるものなんだ」
クロノの言葉に納得
「それで……どうします?
管理局に登録する際は、陸戦、空戦、総合のどれかで登録出来ますよ
それに、今、低いランクでも、ランクアップの試験を受ければ上げることはできますし、陸戦から空戦というように変えることも可能です」
どうしよっかな
陸戦や空戦だけで登録するのはもったいない気もするから総合にしておくか
「わかりました、剣介さんもなのはさんも総合で登録しておきますね」
りょーかいです
踵を返そうとするとガシッと肩をつかまれた
相手はリンディさんだ
「あの魔術の説明をしてくださいますか?」
笑っているけど恐い
あれってのは、クロノを倒した時のだろう
「えっと、あれは
『偽』の魔術の一種で
自分の身体を複製して、複製したものと自分の場所を入れ替える魔術です
入れ替わる時に急激なGがかかるので、内臓系にダメージがいきますね」
正直、まだ練習中だったので使いたくなかったけどな
「なんでそんなに危険な魔術を使うんだ君は」
そんなの負けたくないからに決まっているじゃないか
胸をはって言うとクロノが呆れていた
そんな感じで新しい生活は始まった