魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~ 作:てりー
前回のあらすじ:雷をくらいました
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SIDEプレシア
良かった
あの雷撃がフェイトに当たらなくて本当によかった
意識を奪うことに専念して、それほど痛くもないし、後にダメージが残らないようにした
けれどもフェイトに当てたくはなかったので、どこの馬の骨とも分からないガキに当たってくれてよかった
でも、感謝しないとね
だってあの子はフェイトを守ってくれたのだから
さぁ、待っていて■■■■
あなたを諦めたわけではないのよ
あと少し、あともう少し
あるわけもない、それでもあると信じたい
アルハザードはあると
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「っつ、あぁ~」
起きるとそこは見慣れた天井だった
大好きだったぬいぐるみ
好きな女優のポスター
何もかもが変わらない完璧な朝
変わっているとすればーー
「おい、どうした華音
何故俺をのぞき込んでいる?」
「だって、その、お兄ちゃんが起きないから」
心配になったってことか
いつも通りの優しい妹だことで
「ありがたいけど、時間大丈夫なの?」
俺の通っている中学よりも30分ほど早く始まる華音の小学校
で、俺はよく遅くに起きる
それは今日とて同じ事だから
「あ……どうしよう
走らないと……」
こういうことになる
はぁ~、俺を起こしていたせいだし
華音を走らせるわけにもいかない
「ちょっと待ってろ
すぐに着替えて、学校の近くまで乗せていってやるから」
「うん……その……あの……あ、ありがとう、お兄ちゃん」
ものの5分で全ての用意を整えて家をでた
舞い散る紅や黄の葉っぱ
特徴的な銀杏の匂い
起きたてには少し寒いけど小学校に向かって自転車をこぐ
さて、そろそろだな
山田さんの家の角を曲がると、少し遠くに小学校が見えた
「は~い、到着~」
「あの、ありがとね♪お兄ちゃん」
はいはい、転んで怪我するなよ
秋の少しずつ枯れゆく空を潤すような笑顔で歩いていった
さて、朝飯どうすっかな
俺は俺の学校に向かって車輪を回した
「っは!? ここは?」
見覚えのない天井、清潔感のありすぎる白で覆われた空間
「けん君!!」
うわっ!!
なのはか、何で涙ぐんでいるんだ?
ちょっと待てよ、俺はあの時、フェイトを助けようとして……そうだ雷撃されたんだ
「ジュエルシードは!?」
すると、横にいたクロノが状況報告
クロノによると、フェイトからジュエルシードを奪い返そうとしたが
アルフに邪魔をされて3個しか取り返すことが出来なかったらしい
3個も取り返せれば上等だと思うけど、クロノにとってはそうでもないらしい
生真面目だからな
「けん君、身体は大丈夫なの?」
そういえば、目立って傷もないし、身体も痛くない
「それなのですが
剣介君が当たった雷は、意識を奪うことを目的としていて
当たっても内外ともに傷が出来るようなものではありませんでした」
ふ~ん
俺を見てくれたらしい医師の人からの言葉に違和感を感じる
確か、フェイトは母さんって言っていたよな
どういう意図だ?
攻撃を主とするなら分からないでもないが
「剣介さん、目を覚ましたようですね」
リンディさんだ
迷惑かけたし、心配かけたな
「全員、席を外してくれるかしら?」
その言葉に、皆が席を立つ
いきなり説教か
命令違反した上に、撃墜されるって
言い訳しようがないな
「さて、単刀直入ですが
あなたの命令違反と局員への暴行について、弁護の機会を与えます
何か言うことはありますか?」
「何もありません」
もう一方的にこっちが悪いからな
「罪を認めるということですね」
念押しの言葉
本当に謝ることしか出来ないな
「そうです
申し訳ありません」
深い溜め息を一度つく
「わかりました、では罰を与えます
学校にも行かなければいけないので、一度、家に返そうかと思っていましたが、あなたはこの艦で謹慎
また、3回、艦の掃除をしてもらいます」
う~ん、とても寛大な処分だと思うけど、学校に行けないのは痛いな
なのはとアリサもそうだし
なにより、アリサとすずかに顔を見せておきたかった
でも、あれだけの事をして、この程度なら感謝しなくちゃいけないな
「分かりました
寛大な処分ありがとうございます」
リンディさんの顔が変わった
「そして、お帰りなさい
凄く心配したわよ」
フワッと、気づいたときにはリンディさんの胸の中だった
柔らかくて暖かい
「……本当にすいませんでした」
それが思いのほか気持ちがよくて、俺は身体を預けた
ところかわって、ここは会議室
日本の会議室よりスタイリッシュな感じ……かな?
そこに、俺となのはとユーノ、それにクロノとリンディさんとエイミィさんがいる
「さて、これからのことを話さなくちゃね」
これからのこと……この事件の黒幕というべき存在に対してだそうだ
エイミィさんが映し出してくれた写真には、紫髪の女性が映っている
これがプレシア・テスタロッサ
あのフェイトの母さんという言葉
あれはどこか恐がっているような響きだった
それにアルフも鬼婆っていっていたし
そして、詳しいデータをエイミィさんが話し始めた
「プレシア・テスタロッサ、ミッドの歴史で26年前、中央技術開発局の第三局長でしたが、当時彼女が開発していた……」
な……長い……
第三局長だったときの話しから
亡くなった二代目魔術研究室室長であるエッジ・テスタロッサのこと
そして、魔法研究の失敗で中央を追われたこと
全部聞いて思ったことは、頼りになりそうな手がかりが残っていないということ
ジュエルシードは願いを叶えるもの
だが、エッジ・テスタロッサとプレシア・テスタロッサは最後の方、不仲だったようだし
魔法研究を成功させるために、わざわざジュエルシードを使うとは思えない
「ふぅ、プレシア女史も、フェイトちゃんもすぐには動けないですからね、あなたたちには休暇をとってもらいましょうか」
何ともちょうどいいタイミング、これもリンディさんの策か?
「あれ、けん君はどうするんですか?」
どうしよう、まだ話してない
というか、話したら絶対自分のせいだ、って落ち込むから話したくない
……あぁそうだ
「ちょっとこっちに残ってやりたいことがあるからさ
アリサとすずかにはよろしく言っておいてくれよ」
こんな感じでどうだ?
「えぇ~、まぁしょうがないか
アリサちゃん怒るよ~」
ふぅ、あぶねぇあぶねぇ
どうにか誤魔化せたみたいだ
アリサが怒るか、恐いな
帰ったら平謝りだな
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SIDEプレシア
バチンッ
もう嫌だ
バチンッ
やりたくない
バチンッ
ごめんね、ごめんね
バチンッ
こんな形でしか自分を通せない母さんを許さないで
そうしてフェイトを放り出した
そう、いつも通りに
「グ、ゴフォ」
舞い上がる鮮血
ダメだ時間がない
もう少し、後少し
お願いだからもってちょうだい
その時、轟音が響いた
「ウワァァァァ!!」
飛びかかってきたのはフェイトの使い魔……確かアルフって言ったかしら
この程度の攻撃など効かないことが分からないのかしら
それでも、手から血をだして障壁を破ってきた
ウザったいわね
「あんたは母親で、あのこのあんたの娘だろ!!
あんなに頑張っている子に、あんなに一生懸命な子に、何であんなに酷い事ができるんだよぉ!!」
そんな事は分かっている
痛いほどわかっている
でも、それが私の選んだ道
もう引き返せない
もうやり直せない
だからアナタも近寄らないで
死なないように手加減はするから
とっとと、ここから失せなさい
「フェイトは、あんたに笑ってほしくて
優しいあんたに戻って欲しくて」
わかってる!!
言われなくてもわかってる!!
ここから消えろぉ!!
転移したようだ
別にあれがどうなろうと知ったことではない
今はフェイトに『演技』をしなければ
ベッドに横たわっているフェイト
傷が疼くのだろう
治癒魔法を使いそうになる右手をギュッと抑える
「起きなさい、フェイト」
まるで操り人形のように起き上がる
あと5個ジュエルシードを集めてきなさい
無茶な命令だ
管理局が来ているし、相手には若き執務官クロノ・ハラオウンや、身を挺して庇った男もいる
それでも起き上がるフェイト
だが、あの使い魔がいなくなったのに気がついたようだ
だから楔を撃つ
「あの子は逃げ出したわ、あなたを置いて、しっぽを巻いて、忘れないで、あなたの本当の味方は母さんだけいいわね、フェイト」
「はい、母さん」
SIDEOUT
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SIDEなのは
つまんないの
けん君と一緒に帰りたかったのにな
やりたいことって何だろう?
魔術の鍛錬かな?
うーん、気になる
でも、たぶん教えてくれないだろうな
魔術は危険だーって
いつもそればっかりだもん
届くかな……
町は変わってないよ~
「なのはちゃん!!」
「ありがとうすずかちゃん
アリサちゃんも、ごめんね心配かけて」
「まぁ、よかったわ元気で
で、ケンは?」
「実はね……」
「ウガァー、あいつ帰ってきたらたっぷり説教してやるー」
「だ、ダメだよアリサちゃん」
いいなぁ、こういうの
帰ってきたなって感じ
「え!?また行かなくちゃいけないの」
「うん、でもきょうなら大丈夫だよ」
「じゃあうちに来ない?
昨日怪我してる犬を拾ったの」
へ~、楽しみだなぁ
そして、アリサちゃんの家にいって犬を見せて貰うと
え!? アルフさん!?
なんと、アルフさんでした
SIDEOUT