魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~   作:てりー

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第三十三話

前回のあらすじ:最終決戦が始まります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

上空では、桃色と赤の閃光が、地上では金と紅の閃光がそれぞれ舞っている、それはとても美しくて、時々仮面の存在を忘れてしまう、だが、たぶん仮面は現れるというか、もうこの場にいる気がする、完全に予感だけど、だからこそ見逃さないように集中しながら見ていないといけないな

 

 

フェイトとシグナムの戦いは、なんと言えばいいか……とにかく、構図としては守るシグナムと攻めるフェイトとなっている

 

これだけ言えば、さもフェイトが有利そうに見えるが実際は違う、フェイトが攻める理由、それは一発でも当たれば即敗北だからだ、今のフェイトはただでさえ薄い装甲を更に薄くして戦っている、理由は単純で、そちらのほうが素早く動けるからだ

 

だが、それがハイリスクだということは幼稚園児でもわかる、軽い攻撃でも致命傷になりえるのだ、だからシグナムはカウンター狙いの戦法だ、フェイトとしては短期決戦を狙いたいだろう、そうしなければいずれは体力が尽きる

 

 

なのはとヴィータは単純明快だ、とにかくなのはのレンジにならないようにヴィータが攻め立てて、なのはが防ぎつつ距離をとろうとする

 

こちらは逆にヴィータが早く決めたいだろう、理由はフェイトと同じで、スタミナが切れたところでなのはの砲撃は必殺だろうからな

 

さて、俺は何をしているかというと、空中で二人を見守っているだけだ、この状況ではやることもないからな

 

 

フェイトが鎌を構え直す、シグナムはこれまでと何も変わらないカウンターの構え、前回の戦いで鞘を使って戦える事も分かったから、フェイトとしてはやりづらいだろう、いつシグナムが鞘を抜くか分からない以上、そちらにも神経を使わなければならない、そうすれば攻撃も鈍ってしまう

 

 

ザワッ

 

 

今、何か聞こえたな、気のせいかもしれないが、少しでも可能性があるなら潰さなければならない、バビロンを展開して意識を集中させる

 

どこだ……どこに隠れているーーそこだ!!

 

展開させていた宝具をギルがやるように射出する、飛んでいく物はいずれも死の象徴ばかり、慈悲を感じさせない死の嵐が何もない虚空に向かって飛んでいく……さて、防がなければ死ぬぞ

 

 

「仕方がない……か」

 

 

思った通り仮面の男が現れてプロテクションを張る、さすがはなのはの砲撃を軽く防いでみせた男だ、宝具の嵐を何もなかったかのように防いでいる

 

ならば、飛んでいる宝具を複製して量を増やす、そして、相手が処理している間に捕らえさせてもらうぞ

 

 

「……な!?」

 

 

初めて聞いた狼狽の声、それはそうだろう、飛んでいる宝具を全て2倍にしたのだ、いきなり圧力が2倍になれば誰だってビビる、その隙を俺は逃さない……終わりだ

 

 

「ここでは終われないのでね」

 

 

嘘……だろ

 

なのはの想像が当たったというのか、まさか……二人だと!?

 

 

ドゴッ!!

 

 

何とかガードするも、体勢が不安定だったことと何も持っていなかった事が災いして思いっきり蹴られて吹き飛ばされる……ウザったい

 

バビロンから斧剣を取り出して複製し、あいつらにたたき落としてやる

 

 

「君は厄介だ、これ以上自由にはさせないよ」

 

 

腹にバインド? 何の意味ガアァァァァ!?

 

 

「特製のバインドでね、君たちの世界でいう象とやらも昏倒させられる電流を流すのさ……といっても、もう聞こえないと思うがね」

 

 

……き……こえてるさ、きこえ……てる、だけど……通信が……使えない

 

 

「にゃ……にょは……フェ……イト……気をつ……けりょ」

 

 

呂律が上手く廻らない、思考がぼやける、囁くような声しかでないから誰も気づかない……どうすればいいんだ

 

 

「ふむ、まだしゃべる元気があるのかね?」

 

「ガアァァァァ!! ……ウグァァァァァ!!」

 

 

意思とは無関係に痙攣する身体

 

 

「やりすぎたか? まぁいい、もう少しの間動かずに待っていろ」

 

 

顔を持ち上げられて、そう吐き捨てられる、せめてもの抵抗だ……くらえ

 

唾をはいた、痙攣しているから上手く飛ばないが、それでも仮面の顔にあたる

 

 

「これ以上抵抗してもロクな事にはならないぞ」

 

 

腹を蹴られる、六重のバインドをかけられて青いケージのようなものに閉じ込められた

 

 

「さて、そこで君の大切な者がどうなるか見ているがいい」

 

「うう……うぁぅ……」

 

 

もはやうなり声しかでない、それでも懸命に仮面を見つけることを求めた、今、出来る事を探せ、何かをしようとしている以上、治療をして10分も時間をとられたくはない、『アヴァロンすべて遠き理想郷』はこの身体じゃ出せない……自然回復を待つしかない……か

 

この状況に気づいている人は誰もいない、何とかして仮面がいることを知らせたいが、シャマルの通信妨害の影響で誰にも念話が通じない、そうこうしているうちに、なのはが捕らえられた

 

 

「……二人とも!!」

 

 

バカやろう、策もなしに飛びかかってくるやつがあるかよ、案の定、敵に捕まった

 

目を閉じて天を仰ぐ、このまま終わるのかよ

 

 

「ぐぅ!?」

「なぁ!?」

「きゃあ!?」

 

 

叫び声にもう一度目を開けると、シグナム、ヴィータ、シャマルが捕まっていた

 

どういうことだ? しかもリンカーコアが露出してる……まさか!?

 

 

「さて、最後の余興だ、君たちの魔力を戴くよ」

 

 

予想外だった、まさかヴォルケンリッターのリンカーコアを蒐集することで闇の書を完成させるとは、だが、それ以上に仮面達の目的が分からない、破壊をもたらしたいにしても、何故ここ海鳴で解放させる必要があるんだ、ここは俺にとって優しい街だ、こんな俺でも人として楽しく……優しく迎え入れてくれた街、この街を焦土とかす分けにはいかない

 

そうは思っていても、身体は相変わらず動かないし、なのはやフェイトも俺と同じように捕らえられている

 

 

「グ、グゥ……アアァァァァ!!」

 

 

シグナムの蒐集が完了した、元から魔力で身体を維持していたので、その魔力がなくなれば現界できるわけがなく消滅した

 

 

「ク、アァ……イヤアァァァ!!」

 

 

シャマルも同じように消えていった、残されたのはまだ温もりを宿した服だけ

 

 

「なんで……なんで消えなきゃならないんだよ!!何なんだよおまえ等は!!」

「どりゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ヴィータが蒐集される直前、ザフィーラが飛び込んできた

 

 

「……君か」

 

 

結局シールドで防がれて捕らえられるザフィーラ

 

 

「ガァ……グゥアァァァァ!!」

「ザフィーラ……ザフィーラ!!」

 

ヴィータの叫びも虚しく、ザフィーラは消え去った……見てることしか出来ない自分が不甲斐ない

 

 

「……なのはとフェイト、それに剣介は大丈夫なのか?」

 

「なのはとフェイトは四重、剣介は六重のバインド、それにクリスタルケージだ、抜け出すまでに数分はかかる」

 

「十分だ」

 

 

な!? 仮面達がなのはとフェイトに姿を変えた!?

 

 

「闇の書の主の目覚めの時だ」

 

 

声まで完璧になのはだ、しかし、何の意味が

 

 

「因縁の……終焉の時だ」

 

 

バインドで十字架に張りつけられているようなヴィータの両隣に立っている仮面達、そこに魔法陣があらわれた……転移魔法だと?

 

 

「あ……なのはちゃん? フェイト……ちゃん?」

 

 

そういうことか、初めからそれが狙いだったのか、卑劣だな……むちゃくちゃ卑劣だよ

 

 

「君は病気なんだよ、闇の書の呪いって病気」

 

「もうね、治らないんだ」

 

「闇の書が完成しても助からない」

 

「君が救われることは、ないんだ」

 

 

それは、どれほどはやてにとって痛い言葉なのだろう、親をなくし、病気になって、それでも懸命に生きてきた、そしてやっと家族ができて、でも、それすらも奪われて

 

 

「そんなんどうでもえぇ、いいからヴィータを放してぇな」

 

 

強い、とても強い子だ、だがそれに仮面達は追い討ちをかける

 

 

「この子ね、もう壊れちゃっているの」

 

「私たちがこうする前にとっくに壊されていた闇の書の機能を、まだ使えると思い込んで無駄な努力を続けてた」

 

 

こいつらの努力は間違った努力なのかもしれない、でも、お前らにそれを言う権利があるのかよ

 

 

「無駄ってなんや!!皆は……うちの家族はどこにいるねん!?」

 

 

顎で促されて見た物は、ただの布切れ、3つ転がっている布切れ、でも、ここまで長い時間を一緒に過ごしてきたはやては、それが誰のだかすぐにわかる、これでもかというほどに顔を歪ませた

 

 

「壊れた機械は役にたたないよね」

 

「だから、壊しちゃおう」

 

 

あと残っている人はヴィータだけ、その意味をすぐに理解する

 

 

「やめて……やめてや!!」

 

 

いつものカードをだす、仮面達、それがなのはとフェイトの姿だから違和感がある

 

 

「やめてほしければ」

 

「力ずくで、どうぞ?」

 

 

「なんでや!?なのはちゃん!!フェイトちゃん!!なんでこないなこと!!」

 

 

無駄だとわかっていても、聞くしかない言葉

 

 

「ねぇ、はやてちゃん」

 

「運命って、残酷なんだよ」

 

「やめ……やめて……やめてぇぇぇぇ!!」

 

 

閃光がほとばしって、ヴィータの姿が……消えた

 

 

 

バキイィィィン!!

 

ケージを壊して宝具を飛ばす、二手に別れた仮面の、なのはのほうに追撃に向かう、手には短槍、不治の呪いのかかった禍々しき短槍

 

 

「いい加減に……死ねよお前ら」

 

 

身体に痺れはなく、しっかりと動く、これならば負ける要素がない

 

 

「なに、なのはの姿をしてるんだ?」

 

 

ぶっちゃけヴォルケンリッターがどうなろうと構わない、はやてだって可哀想とは思うけど、だからといって何かしてあげようとは思わない、こいつらを破壊する理由は一つ、俺の大事なものを愚弄したから

 

 

「てめぇの薄汚ねぇ身体で、俺の大切な一を馬鹿にするんじゃねぇよ」

 

 

突く、突く、突く、突く、突く

 

全てギリギリのところでいなされるが構わない、反撃の隙を与えなければいいだけの話だ

 

 

「く……ぐぅ、ぬぁ、くはぁ……貴様、なぜそれほどまでにガァァ!!」

 

 

なぎはらいが当たって仮面を吹き飛ばす、なのはの姿だからやりにくいと言えばやりにくいけど、あまり関係ない

 

しかし……確実に破壊するためには、こんなもんじゃ足りないな、あれをだそう

 

取り出したのは、Fate/staynightにおいて一つしかない対城宝具、騎士王が使いし聖剣、豪奢な装飾が施されているわけではないが、見る物を圧倒させる

 

 

「待て、待て待て待て、やめろ……やめてくれ」

 

「『エクス約束された』ーー」

 

 

やめるわけないだろ? 痛がる暇を与えないだけでも感謝しろ

 

 

「いやあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

何だ? はやての悲鳴?

 

 

「少し遅かったようだな、見ろ、あれが闇の書の主の姿だ」

 

 

あれが、はやてだと? 髪は銀色で目は赤色、漆黒のスーツみたいなのを身にまとっている、変身魔法というわけではなさそうだし、はやての身体を乗っ取ったってとこだろう

 

 

「いいのか? なのは達が危険だぞ」

 

 

……ッチ、しょうがねぇ、こいつを破壊するのはまた今度だな

 

 

「我は魔導書……力を……受けよ」

 

 

なんだありゃ? 馬鹿でかい魔力球か、ってことは範囲攻撃系だな

 

 

「けん君」

「ケンスケ」

 

「フェイトはなのはの後ろに隠れろ、なのはは俺の後ろでシールドを張って……『ゲイ・ジャルグ破魔の紅薔薇』、『ロー・アイアス熾天覆う七つの円環』」

 

 

取り出したのは絶対的な防御を持つ赤き盾と、『魔』を払う槍

 

 

「ディアボリッグ・エミッション」

 

 

禍々しき力の奔流が爆発した、槍で相手の魔力をかき消すが、それでも対処しきれない大規模な魔力を盾で防ぐ

 

 

「けん君……大丈夫?」

 

 

なんとかね、アイアスが2枚破壊されたけど防ぎきれる

 

 

「ケンスケ、離脱しよう」

 

 

フェイトがなのはを抱えて飛んでいく、俺もそれに倣ってビルの後ろに隠れた

 

 

「なのは!!」

「フェイト!!」

 

 

ユーノにアルフか、サポート役がいえくれるなら、かなり戦いやすくなる

 

よし、なら作戦会議だ、あいつを倒したらはやてにダメージはいくのだろうか

 

 

「消滅さえさせなければ、どこまで追い込んでも大丈夫」

 

 

だったら、かなりの攻撃をしても大丈夫そうだな、俺とフェイトで近接戦闘をしかける、出来た隙をアルフとユーノがバインドで広げる、で、そこに砲撃をぶち込む、単純だけど決まれば一撃で落とせるくらいのダメージはあるはずだ

 

 

「「「了解」」」

 

 

黒い翼を生やしている闇の書と対峙する、横にはフェイト、二人で目線を合わしてーー飛び出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

SIDEクロノ

 

認めたくなかった、目の前のモニターに映っている人物を、でも認めなければならない、それが真実だから

 

不思議に思ったのは関係者として一応調べなくてはならないときからだった、彼の交友関係からしてありえない友人、しかもその友人が死んでしまったから娘の援助をするなど考えられない

 

彼の目的は分かっているし、彼がしようとしていることは間違ってはいないのかもしれない、でも、たった9歳の女の子を生け贄にするなんて、やってはいけないことだ、批判されてもいい、偽善だと言われてもいい、それがクロノ・ハラオウンの正義なのだから

 

艦長にも話した、信じられない気持ちと、やっぱりか、といった気持ちが混ぜられたら複雑な表情になっていたが、最終的な判断は捕縛だった

 

彼が黒幕だと仮定すると、たびたび出現した彼ら……いや、彼女達の目的にも、強さにも納得がいく、彼女達の強さは僕が一番よく知っているからだ

 

準備をする、全てを終わらせる……いや、僕のせいで続けることになってしまうかもしれないな、でも、それならそれで構わない、いつか、誰もが幸福になれる方法を編み出してみせるから

 

 

「……クロノ君」

 

 

エイミィ、彼女もびっくりしていたな、僕の気持ちを理解して、一緒に悲しんでくれる優しい人

 

 

「いってくるよエイミィ」

 

「うん」

 

 

短いやりとりで、出撃した

 

 

 

 

夜の街で、激しい戦闘がおこっている、周りを見ると、剣介がスターライトブレイカーを上回るような威力を秘めた剣を振りかぶった、彼は街なんてどうでもいいのかもしれないな

 

結局、剣介の宝具は発動することはなかった、はやてが闇の書の主として目覚めたからだ、なら、来たるべき時に備えて彼女達は転移するだろう

 

 

「なのは達は保ってくれるかな」

 

「保ってくれなければ困るんだがな」

 

 

計画がほぼ成功確実になったから彼女達は安心しているのだろうか、向こうに注目して後ろに気をくばっていない、だから、発動が遅いこの魔法も簡単に決まった

 

 

「な!?」

「ぐぅ!?」

 

「ストラクルバインド、使いづらい魔法だけどね、こんなときには重宝するよ……ほら、変身魔法も解除されるよ」

 

 

呻き声とともに変身魔法が解除されて現れた姿は予想通りだった

 

 

「クロノ……ちっくしょう」

 

「どこで覚えたのかしらね……この魔法は」

 

「ほかならぬ君たちに言われたことだからね、一人でも精進しろって……ロッテ、アリア」

 

 

リーゼロッテ、リーゼアリア、ギル・グレアム提督の使い魔だ

 

 

 

 

 

「リーゼ達を使ったのはあなたですね……グレアム提督」

 

 

僕は、本局にあるグレアム提督の部屋にいる、外には武装局員が見張りをしていて逃げ出すようなことはさせない

 

 

「ちがう!! 父様は関係ない、私たちが勝手に「いいんだ、ロッテ」……父様」

 

「クロノ、君は全容を掴んでいる、そうだろ」

 

 

11年前、闇の書の封印に失敗したグレアム提督は、独自に行方を探してきた、そこで見つけたのが、八神はやて、しかし、完成前の闇の書の主を抑えてもあまり意味がない、主を捕らえようと闇の書を破壊しようと、すぐに転生してしまうから

 

八神はやてが天涯孤独の身である事を知ったグレアム提督は、監視の意味も含めて生活の援助を申し出た

 

 

「両親に死なれ、身よりもないあの子だ、悲しむ者は少ない、ただ、眠りにつく前に……多少なりとも幸福にさせてあげたかった……偽善だな」

 

 

僕には、それを否定することは出来ない、いくら偽善でも、彼女を想う気持ちは本物だ

 

 

「封印の方法も分かっているのだろう」

 

 

主ごと凍結させて、次元の狭間か氷結世界に閉じ込める、そうすれば転生機能は発動しない

 

 

「これまでだってアルカンシェルで消滅させてるんだ!!それと何が違うって言うんだよ」

 

 

違うんだよロッテ、それは違う

 

凍結可能である覚醒前の数分間、その時では、闇の書は凍結されるような罪を犯していない

 

 

「そんな……そんなくだらない法のせいで!!」

 

「クロノ、法を守るのもいいけど、法に縛られてはいけないんだよ」

 

 

これ以上話しても、どうにもならない

 

席を立って出口に向かう

 

「クロノ」

 

 

提督に呼び止められた

 

 

「アリア、デュランダルを」

「なぜ!?」

「私たちにもうチャンスはないよ、持っていたって役にはたたん

クロノ、氷結の杖『デュランダル』、私の魔術の知識が混ぜ込まれたものだが、君なら使いこなせるだろう」

 

 

これは、グレアム提督の思い、これまでの11年間の結晶、これに最良の形で応えなければならない

 

さぁ現場に行こう、この悲しみの輪廻を止めるんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDEOUT

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「はぁぁ!!」

「せやぁ!!」

 

 

俺とフェイトとでコンビネーション攻撃をしかけているが、なかなか隙をつくらないな

 

【フェイト、正面から斬り込んで鍔迫り合いに持ち込んでくれ、その時に隙をつくらせる】

 

【了解】

 

話したとおりにフェイトが鍔迫り合いに持ち込んだ、体格や力で負けるフェイトでは数秒も保たないけど、俺には十分、莫耶を敵の背後に投げて干将の力で引き寄せる、もちろん敵はその程度軽々と防ぐが、ここからが本番、正面から斬り込むと同時に敵の両横から複製した剣を射出する、だがこれすらも防がれたので、最後の仕掛け、上からの射出をする、ここまですればたまらず動きを止めるので、ここでアルフとユーノの出番だ

 

二人のバインドが四肢を封じる、しかし、敵の「砕け」の一言で砕け散る、まぁそれも作戦通り、ここで時間をかせげば

 

 

「ディバイーンーー」

「サンダーーー」

『偽(カラド)』ーー」

 

 

高火力の攻撃が放てる

 

 

「バスター!!」

「スマッシャー!!」

「『螺旋剣(ボルグⅡ)』!!」

 

 

「盾」

 

 

これも簡単に防いじゃうのか……かなりの高威力宝具なんだがな

 

 

「刃を放て、血に染めよ」

 

 

敵の回りに朱い、槍の穂先のようなものが大量に出現する……まずい、複製!!

 

 

「穿て、ブラッディーダガー」

 

 

ドゴォォォン!!

 

とっさに複製した斧剣で四方を囲んだが……なんちゅう散弾銃だよ、魔導師ならバリアジャケットがあるけど、俺が当たったら死ぬぞ

 

 

「咎人達に滅びの光を」

 

 

かざした手の前に魔法陣ができて、魔力が集まり始めた

 

 

「おいおい……スターライト・ブレイカーかよ」

 

「星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」

 

 

あれは、本気でまずいな……守りきる自信がないぞ、まぁいい、ならば打ち勝てばいい

 

【全員、聞こえるか? 今すぐ全力でこの場を離れろ】

 

【あんたはどうするのさ?】

 

【俺は……スターライトブレイカーを打ち消す】

 

【そんな!? 無茶だケンスケ!! 絶対に出来ないよ】

 

【あぅ、そこまで言わなくたって】

 

【冗談なんて言っていないんだよなのは、防御したってその上から蹂躙される!!】

 

【まぁ、そういうなって、フェイト、俺を信じろ】

 

【信じろって言っても【フェイト】……ユーノ?】

 

【ケン、出来るんだね】

 

【……あぁ、出来る】

 

【わかった、頑張って……皆、逃げるよ!!】

 

 

ありがとな、ユーノ、お前のおかげで助かった

 

 

「さぁ、闇の書、どちらの火力が上か、勝負といこうや

起きろ『乖離剣(エア)』」

 

 

『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』から取り出すのは、そこに納められていなければならない宝具、英雄王のアベレージ・ワンにして、最古の剣

 

それは、剣と呼ぶには不釣り合いな丸い金色の刀身で、この世が出来る前の地獄を表した赤が這っている、先にはドリルがついていて、魔力を巻き込むのだ

 

 

「貫け、閃光」

 

 

肥大化した魔力の塊が、今か今かと号令を待っている

 

 

「すごいな、素晴らしい魔力だよ、でもな、お前が使うのは星の魔力だろう、俺は、その星を二つに割った剣を使う、これに勝てはしないぞ

俺を倒したければ……その三倍は持って来い!!

『天地乖離す(エヌマ)』ーー」

 

 

地獄の象徴のような先端のドリルが唸りをあげる、それとともに魔力が辺りを抉る

 

 

「スターライト、ブレイカー」

「『開闢の星(エリシュ)』!!」

 

 

莫大な力の奔流のぶつかり合いが結界を揺るがす、大地が、空が泣いているかのようだ

 

対決は、始めこそ拮抗していたが、すぐに『天地乖離す開闢の星(エヌマエリシュ)』が上回った、だが、それは上回っただけの話でかなりの魔力が相殺されたので、闇の書にはほとんど攻撃が通っていない、まぁ消滅されるよりは全然いい

 

【ン……ケン、大丈夫?】

 

【ん、あぁユーノか、大丈夫、俺の勝ちだ、まぁ攻撃自体はほぼ通っていないけどな】

 

【良かった……良かったよケンスケ】

 

 

まだ何も終わってないからな、気を引き締めないと

 

【……けん君、アリサちゃんとすずかちゃんに見つかっちゃった】

 

はぁ? 何で?

 

【結界内に人がいて……それが二人だったの】

 

じゃあ、アリサ達は大丈夫だったのか?

 

【うん、それは平気、エイミィさんに頼んで転移してもらったから、でも……バレちゃった】

 

それはしょうがない、いつかはバレるものだ、それが早まっただけの話、だから今はーーあいつを止めるぞ

 

【そのことなんだけどさ、エイミィによると、闇の書の主はやてだっけか? あの子に停止を呼びかけろってさ】

 

それを聞いてすぐに、なのはが呼びかける

 

「闇の書さん、はやてちゃん!!聞いてください!!守護騎士を倒したの……私たちじゃないです!!」

 

「私は主の願いを叶えるだけ

主には安らかなを、守護騎士を仇なしたものには……死を」

 

「闇の書さん!!」

 

「やはりその名で私を呼ぶのだな」

 

 

聞く耳をもたねぇな、しかし、その名で呼ぶ? なら、夜天の魔導書か?

 

ドゴォォォン!!

 

うわっ、地面が割れて何だこれ? 虫?

 

変な虫みたいのが出てきて、なのはとフェイトが捕らえられた

 

「だがそれはどうでもいい、主の願いを叶えるだけだ」

 

 

縛られたなのはが、苦しげにそれでもしっかりと声をあげる

 

 

「願いを叶える? そんな願いははやてちゃんが願っているわけじゃない!!あなたは道具じゃないんだよ、はやてちゃんの言葉をしっかり聞いてあげて!!」

 

「我は魔導書、ただの道具だ」

 

 

泣いている? 心が通じるのか?

 

 

「でも泣いてるでしょ、言葉が使えるでしょ!!そんなのは道具じゃない、あなたは道具なんかじゃない!!」

 

「この涙は主の涙、私の物ではない」

 

 

二人を縛っている触手みたいなものを斬って、二人を小脇に抱える

 

 

「そんな顔で言ったって、誰が信じるものか!!」

 

 

フェイトの叫び

 

 

「あなたのだって心があるんだよ、叫んでいいんだよ、泣いていいんだよ!!はやてちゃんはそれに応えてくれる優しい子だよ!!」

 

 

なのはの叫び

 

 

「お前に言っておく、悲しいことを夢だと想うのは楽だ、とても楽だ、でもな、それに飲まれると現実でも飲まれてしまう、それはとても辛いことだぞ、分かっていても、もう引き返せないやつだっているんだ、でもな、はやてはまだ引き返せる、今ここに戻せるんだ!!」

 

 

俺の叫び

 

ゴゴゴゴゴゴ

 

地面から火柱が立ち上る

 

 

「早いな、もう崩壊が始まったか、私もじき意識をなくす、そうなればすぐに暴走が始まる、そうなる前に主の願いを叶えたい」

 

 

闇の書が光って、俺達の回りに朱い槍が出現する

 

 

「闇に……沈め」

 

 

「ケンスケ!?」

「けん君!?」

 

 

痛いけど大丈夫だよ、お前らを上に放り投げた後、服を複製して回りに配置しまくったんだ、さすがに全部は防ぎきれなかったけどな

 

 

俺とフェイトが構える

 

 

「この……言うことをきけぇ!!」

 

 

むちゃくちゃだけど、今は賛成だよ

 

バビロンからガウェイン卿が使ったと言われる剣を取り出す

 

 

「『転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)』!!」

 

 

突っ込んで、一撃決めてやる

 

 

「お前達も、我が内で眠るといい」

 

「おおぉぉぉぉ!!」

「はあぁぁぁぁ!!」

 

 

俺たちの剣は魔法陣に止められて……な!? 身体が消える!?

 

 

「え……うそ」

「な、んだと」

 

「フェイトちゃん!! けん君!!」

 

 

俺たちの身体が……消えた

 

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