魔法少女リリカルなのは~チートな主人公の頑張り物語~ 作:てりー
前回のあらすじ:闇の書に取り込まれました
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「……て……きて」
声が聞こえる
とても懐かしい声
「起きて、お兄ちゃん」
目を開けると、そこは、俺の部屋だった
何から何まで完璧に、生前の俺の部屋だった
信じられない気持ちで後ろを見ると、彼女がいた
「あ……やっと起きた、おはよ「華音!!」ふぇぇぇ!? ど、どうしたのお兄ちゃん!? 何で、抱きついて……」
「華音……華音……華音……華音」
思わず抱きしめて、何度も何度も名前を呼んでしまう、つやつやした黒い髪から、その細い身体から華音の匂いがする、もっと包まれたくて、更に強く抱きしめてしまう、そんな俺を華音は優しく抱きしめてくれた
「どうしたの、お兄ちゃん? ……あの、恐い夢でも……見た?」
見てないよ、そんなものは見ていない、お前にまた会えたのが、嬉しいんだ
「お母さんが待っているよ……だから、その……下に行こう」
……ちょっと待て、母さんが待っている? 俺と華音を?
「どうしたの、お兄ちゃん? 早く行こう」
「あ、あぁ」
階下に降りると、そこには俺の知らない、でも夢見た景色があった
俺と華音、それに父さんと母さんのご飯が並んでいる、しっかりとあるべき場所にあるべき物があるテーブル
「おはよう、剣介、冷めちゃうわよ、早く食べなさい」
ちょっとまて、今更ながら考えると不自然な事が多すぎる、一度洗面所にいって顔を洗おう
「……プハァ」
冷たい刺激で完全に目が覚めた、だから色々な確認をする
俺の名前は? 石神剣介だ
俺はどこにいた? リリカルなのはの世界に転生している
どうしてここにいる? 確か……闇の書に攻撃をしたら魔法陣に防がれて、そのまま連れてこられたんだ
じゃあここは? ありえない光景がいくつも広がっているからな、たぶん闇の書が見せている夢のようなものだろう
よし、状況把握は完了した、フェイトも一緒に取り込まれたから、なのはが一人で闇の書と戦っているのか、大変だな、一応、皆にも聞いてみるか
席にもどると、皆は待っていてくれていた
「あら、やっと戻ってきたのね、では、いただきます」
「「「いただきま~す」」」
ご飯に納豆、お味噌汁に漬け物、完全に日本の朝食だな……聞かなきゃ
「ご飯中にごめん、皆に聞きたいことがあるんだ」
「……なぁに?」
「ここは、この世界は現実じゃないよね、闇の書が見せている夢……違う?」
空気が変わった、目を伏せる皆、聞かないほうがよかったのだろうか
「ねぇ……剣介、確かにこれは夢よ、でも、ここで生きていくことは出来るのよ、家族皆で、とても楽しく」
そうだね、そして、それは逃げている事だよね、だから俺は
「うん、ここで一緒にずっと暮らそう」
この世界を受けいれた
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SIDEなのは
「エイミィさん!!」
目の前の光景が信じられなかった、フェイトちゃんが、けん君が目の前からいなくなってしまった、二人は無事なのかな
【状況確認、フェイトちゃんと剣介君のバイタルまだ健在!!
闇の書の内部空間に閉じこめられただけ、助ける方法現在検討中】
よかった、本当によかった、もし、もしもいなくなっちゃったりしたらなんて考えるのも嫌だもん
「主もあの子供達も覚めぬ夢に溺れる、それは永遠の快楽、永遠の誘い」
違う、そんなのはない、永遠なんて存在しないんだ、皆変わっていくんだ、それが良い方向でも悪い方向でも変わっていかなきゃ……ダメなんだから
「レイジングハート」
〔カートリッジロード、アクセルシューター〕
これ以上街を壊すわけにはいかないから、まずは闇の書さんを海上に連れ出そう、アクセルでダメージが通らなくても、誘導する事は出来る
魔力弾が闇の書さんの行く手を限定させる、たくさんの弾をコントロールしなければいけないから疲れてしまう、それを分かっているから闇の書さんも弾を潰したりせずに誘導されているのだろう
「穿て、ブラッディーダガー」
あの放射状の攻撃だ、私のバリアジャケットはほかに比べて堅いらしいんだけれど、それでも喰らってしまうと結構痛い、操作している弾で何発か消してみるけど、間に合わないからアクセルを放棄してシールドを張った
しっかりとシールドを張ればあまり恐くない、わたしは距離をとって砲撃を構える、それを見た闇の書さんがすごいスピードでつっこんできた
何とかシールドを張ったけれど、構成が甘かったからなのか一撃で破れてしまった……もう一撃!?
「きゃあぁぁぁ!!」
いつのまにか海上まできていたので地面に当たる心配はなくなったけど、それでも痛い、でも、ここで弱気を見せちゃだめ、やばくなっても虚勢をはれって、前にけん君が言っていた
【リンディさん、エイミィさん、町をお願いします】
【大丈夫、局員が向かっているわ】
【それから、闇の書さんは会話が出来そうです、このままやらせてもらいます】
「いくよ、レイジングハート!!」
〔Yes my master〕
マガジンを装填する、残りは3本、18発、スターライトブレイカーを撃つチャンスくるかな
〔手段はあります〕
レイジングハート?
〔エクセリオンモードです〕
何言ってるの!? あれはフレーム強化したあとじゃないと使っちゃダメだっていわれてるんだよ、もし、私がコントロールに失敗したら……レイジングハートは壊れちゃうんだ
〔call me……call me my master〕
……わかった、わかったよレイジングハート
「お前も眠れ、この世は辛いだろう」
「辛いことはたくさんあるよ、でも挫ければいいわけじゃない
私は皆を助ける、もちろんあなたも、それまでは眠れない、眠っちゃいけないんだ!!」
私……頑張るよ、レイジングハート
絶対に助けるという強い気持ちをもって、この言葉を口にする
「レイジングハート、エクセリオンモード、ドライブ!!」
〔イグニッション〕
レイジングハートの先端が伸びて、槍みたいになった、力が溢れるのが分かる
「いくよレイジングハート!!」
そして、私と闇の書さんがぶつかった
SIDEOUT
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SIDEフェイト
「ん……ふぅ……ここは?」
目を開けると私は部屋にいた、辺りを見てみると、私には大きすぎるベッドで寝ている、横にいるのは誰だろうと思って見てみると、アルフと、私と同じ髪質、髪の色をした女の子が寝ていた
「フェイト、アリシア、アルフ、朝ですよ」
信じられない声と単語が聞こえた、まだ小さかった頃によく聴いた声と、私にとっては忘れることの出来ない人の声
「ん……おはよぉフェイト」
ガチャリとドアが開いて声の主が入ってくる、やっぱり……彼女は
「アリシアとアルフはまたお寝坊さんですか、フェイトを見習いなさい」
「……むぅ~」
まるで、ずっと昔からこの光景が続いていたようなやりとりだ
「……リニス?」
「何ですか? フェイト」
やっぱり、この人はリニスなんだ
「アリ……シア」
「ん?」
あぁ、本当に信じられない、これは……夢なのかな
「はぁ、今日はフェイトもお寝坊さんのようですね」
「「「あはは」」」
人差し指を立てて言うリニスの言い方が懐かしくて、面白くてつい笑ってしまった
「朝ご飯ですよ、プレシアはもう待っています」
母……さん? まさか、母さんがいるの? そんな、私は目の前で死ぬのを見たじゃないか、お墓も建てたじゃないか、そんな事が……あるわけない
食堂に行くと、本当に母さんがいた
「おはよ~」
「おはよ~プレシア~」
「アリシア、アルフ、おはよう」
アリシアとアルフが駆けていく、私は姿を見ても信じられなくて、それ以上に厳しい言葉を言われるのが嫌で柱の後ろに隠れた
「ほら、フェイト」
リニスに呼ばれたので出て行かざるをえなくなった、母さんを見ると、いつも眉間にあった皺はなくなっていて、優しい顔をしていた、まるでアリシアの記憶にある母さんみたいに
「フェイト、どうしたの?」
「どうも今日のフェイトは怖い夢を見てしまったようですね」
「……フェイト、いらっしゃい」
まだ怖いけど……母さんに呼ばれたからいかなくちゃ、でも、こんなに優しい声で呼ばれた事なんてなかったけどな
「フェイト」
母さんに頬を触られて一気に血の気が引いた、でも、そうして見た目の前の母さんは……とても優しかった
「怖い夢を見たのね、でももう大丈夫、母さんもリニスもアリシアも、それにアルフも、皆あなたのそばにいるわ」
「あ……ふ、うえ、うわぁぁぁん!!」
その言葉が嬉しくて、そんな言葉をずっとかけてもらいたかったから、私は母さんに抱きついた、これまでの悲しみを全部吐き出すかのように、泣きじゃくって、抱きついた
それでも母さんは、私を優しく受け止めてくれた
アリシアと一緒に外にいたら、雨が降ってきた
「あー雨が降って来ちゃった……帰ろうフェイト……フェイト?」
ごめん、もう少し考え事をしたいんだ、この世界がどういう世界なのか、もう気がついてしまったから
「じゃあ、私も残ろうかな
フェイトと一緒に、あ、ま、や、ど、り♪」
私の隣にアリシアが座った、だからだろうか、この疑問を聞かなくてはいけないと思った
「ねぇ、アリシア、これは夢……なんだよね」
何も反応を返さないから肯定だとわかる
「あなたが生きているのなら私は産まれてこないから」
ちょっとの沈黙の後、アリシアが口を開く
「そう……だね」
短いセリフだけど、悲しそうだった
「母さんも、私には、あんなに優しくは……」
「優しい人なんだよ、優しすぎたから……壊れちゃったんだ」
そうだよね、やっぱり母さんは優しい人だったんだ、ケンスケから聞くのとはまた違う、当事者からの言葉だから、更に胸をつかれる
「ねぇ、フェイト、夢でもいいじゃない、ここにいよ、ずっと一緒に
わたし、ここでなら生きていられる、フェイトのお姉さんでいられる
母さんと、リニスと、アルフと、皆と一緒にいられるんだよ
フェイトが欲しかった幸せ、皆あげるよ」
すごく楽しい言葉、ここで頷けば楽しい未来が待っているんだろう、遊園地にいったり、お花畑にいったり、そんな普通の生活ができるんだろう……これは?
ふと下を見るとネックレスがあった、ケンスケが、私のたぶん……ううん、好きな人がくれたネックレス、そうだ、私が帰る場所はここじゃないんだ、なのはがいて、クロノがいて、リンディさんがいて、エイミィさんがいて……ケンスケがいる、そんな世界が私の帰る世界なんだ
「ごめん、アリシア、だけど私は行かなくちゃ」
「……そう」
短い言葉とともにアリシアが差し出したのは、バルディッシュだった
それは、この世界との別れの印を意味するアイテム、分かってしまったから涙がこぼれ落ちる、無言で受け取って、アリシアを抱きしめた
「ありがとう、ごめんね、アリシア」
「いいよ、私はフェイトのお姉さんだもん、いってらっしゃいフェイト」
「いって……きます」
「現実でも、こんな風にフェイトのお姉さんをして、一緒に遊んで、一緒にご飯食べて……生きたかったな」
そう言って、アリシアは消えていった、行かなきゃ……皆のところに
「バルディッシュ、ここからでるよ、ザンバーフォーム」
〔get set〕
いつもの戦闘服に着替える、私の手には身の丈よりも長い大剣
「疾風・迅雷!!」
ありがとう、アリシア……私、がんばるからね
「スプライトザンバー!!」
空間を切り裂いた
SIDEOUT
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SIDEはやて
眠い……眠りたい……何も考えたくない
それでも前に人がいる気配がして目を開けてみると、銀髪の美人さんがいた
「そのまま休んでください、あなたの望みは私が全て叶えます」
その言葉が気持ちよくて目を閉じようとした、でも、何か違う
私が欲しかった望みって……何なんやろう
「あなたが歩ける世界、あなたの好きな人が全員存在し、幸せに生きる世界
そんな世界が待っていますよ」
そうやな、ずっと……ずーーーっと欲しかったものや、どんなに求めても得ることが出来ひんかったやつや、それが得られるってのは幸せなんやろう……でも、それは夢や現実やない
意識が覚醒した、それと同時に自分が置かれている状況に気づかされた、たくさんの人に迷惑かけてる
「私はこんなん望んでへん、あなたもそうや」
そうじゃなかったら、こんなに苦しそうな顔はせぇへんもん、ポーカーフェイスを貫こうとしてるけど、私には分かる
「私の心は、騎士たちの感情と深くリンクしています、だから騎士たちと同じようにあなたを愛おしく思います、だからこそ、あなたを殺してしまう自分自身が許せない」
あぁ、やっぱりこの子は優しい子なんだ、皆と同じように私のことを思ってくれとる優しい子なんだ
「覚醒の時にな、ちょっと分かったんよ、今までのこと」
ずっと、何でだろうと思っとった、何で私だけ足が思うように動かないのか、両親がいないのか……悩んだ事もある
「忘れたらあかんよ」
目の前の優しい女性に手を伸ばす、悔恨に満ちた頬を挟む
「あなたのマスターは私や、マスターの言うことはちゃんと聞くんや」
マスターとして、一番最初にやることや
「名前をあげる、闇の書とか、呪いの魔導書なんて言わせへん、私が呼ばせへん、私は管理者や、私にはそれが出来る
夜天の主の名の下に、汝に新たな名を送る、強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール……リインフォース」
「無理です、自動防御プログラムが止まりません、私を止めようと頑張っている者がいますが……それももう」
大丈夫、マスターを信じて、絶対に止められるから、私が止める
SIDEOUT
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SIDEなのは
「そんな砲撃、通るとでも?」
やっぱり厳しい、前にけん君にも言われたけど私みたいなタイプは一対一に向いていない、砲撃を撃とうとしても止められるし、そもそも撃って効くかどうかすら分からない、でも
「通す、レイジングが力をくれてる、命と心をかけて応えてくれてる!!
泣いてる子を……救ってあげてって!!」
〔A・C・S stand by〕
私の切り札、突撃からの零距離砲撃、これを通す!!
「アクセルチャージャー起動、ストライクフレーム」
たぶん、けん君がいたら馬鹿やろうって怒るんだろうな、だけど、今の私にはこれ以上の攻撃が思いつかないよ、だから、全力全開でやってみるね
「エクセリオンバスターA・C・Sーー」
翼を広げた槍って言えばいいのだろうか、形容できないけど、行ってくるね
「ーードライブ!!」
ドゴォォォォ!!
あとちょっと、あとちょっとで先端が通る……そうすれば
「届けっ!」
祈りが通じたのか、先端部分がしっかりと収まった、あとは、私の得意技だ!!
「ブレイク……シュート!!」
ドゴォォォォン!!
轟音が響いて爆発がおこる……どうだろう、零距離から砲撃だから、ちょっとは傷ついていてほしいな
〔master〕
レイジングハートに言われて上をみると、無傷の闇の書さんがいた、もう少し、がんばらなきゃだね
でも、どうしよう、A・C・Sは初見だからこそ効く魔法、一度見られたら次は避けられてしまう、それにあれ以上の砲撃となると……ってあれ、動きが止まった?
闇の書さんが仰け反っていく
【そとの方、聞こえますか、私はこの子の主、八神はやてです】
「はやてちゃん!?」
意識が戻ってる、はやてちゃんの意思になってる
【え……なのはちゃんか?】
「そうだよ、いまは色々あってこの子と戦ってるの」
一度動きが止まった闇の書さんだけど、また動こうとしている
【ごめん、なのはちゃん、どうにかして止めてぇな、このプログラムさえ止まれば後は管理者権限でどうにかなるんや】
えっと、それってどうすればいいの?
【なのは、聞こえる、なのは?】
【ユーノ君?】
【分かりやすく伝えるよ、今から言う事が出来れば、はやてちゃんとフェイト、ケンが外にでられる
どんな方法でもいい、目の前の子を魔力ダメージでぶっ放して、全力全開手加減なしで!!】
そっか、そういうことなんだ、相変わらずユーノ君は分かりやすいな、その力に私もけん君も助けられてきたんだよ
「エクセリオンバスター、バレル展開、中距離砲撃モード」
〔Allright〕
魔力が溜まっていく、まだ待って、もう少し……完了!!
「バレルショット!!」
不可視のバインド魔法で闇の書さんの身体を縛る、回りにいる虫みたいな魔獣はユーノ君とアルフさんにまかせた
「エクセリオンバスター!!」
はやてちゃん、フェイトちゃん、けん君、今、助けるからね
「ブレイク……シュート!!」
バインドで縛られて動けない闇の書さんを私の砲撃が撃ち抜いた
大量の魔力で辺りが見えなくなる、そしてそれが晴れた時、フェイトちゃんはいたけど、けん君がいなかった
SIDEOUT