クトゥルフ神話〜〜小説〜〜   作:不憫な死神

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邪神に愛されすぎてる女子高生②

 

 

...気のせいか福文丸鳥学園が可笑しい。

いや、前から可笑しかったのだが今回は特段に可笑しい。

何時も騒がしいヤンデレ妹や刀を持った赤髪、そんでショタがいない。

更に言うと知らない人ばかりだ。

これはどう言うことだ?

...あ、でも似たような二人はいた。

あの赤髪とその妹である。

だが気のせいかあの赤髪の妹の名前が違う。

いや、赤髪は前と同じなんだが妹が違う。

どう言うことだろうか?

 

「おや?お気づきになられていないので?」

「何に?ていうかあんた、またついてきたの?」

「はい!ついてきました!ご安心を、私たちの会話には聞き耳されないので」

 

なんかちょっと言ってることがメタい気がするけど...

 

「それで?あんた、何したのよ」

「クフフ、私は何もしていませんよ?したとしたら、ヨグ=ソトースが

 

『こんな混沌とした世界じゃ彼女も生きづらいだろうから別世界線に行こう、マトモな世界線に』

 

と言って、家を丸ごと移動したっと言っていたはずです」

 

なにやってるんだあの見た目スイーツ様は...

 

「って事は此処は前と同じ場所だけど別の世界って事?」

「はい、前の世界も良かったんですがねぇ...まぁ向こうでは私と同じ存在がなんとかやってくれるでしょう」

「...あんたが二人もいると吐き気がするわね、こんなドMに付きまとわれる人は可哀想。」

「それは自分に言っているんですか?クフフそれはそれで大層な自虐ですね」

「うっさい変態!!」

「グフッ」

 

自虐って事に気付かずに言ったのは悪かった、だが蹴ったのは悪くない。しかもこの変態、喜んでるし。

 

 

とにかく色々調べなければ...クトゥグアにこのナマモノ(ニャルラトホテップ)を焼却してもらおう。

 

 

それから家に戻り、この世界について分かったことを今いる少人数...いや小神数に話す。

まずあの赤髪、学園にはあまり来ず仕事をしている。

スポーツ選手、アーチェリー部門日本3位...だったか?

まぁここぞという時にたまに外す系の人。

そんで前の世界の彼は十人中十人が振り向く程のイケメンだったのに対し、こちらでは10人中8人が振り向くレベルの人だった。

...いや実際の所は前とは変わらないだろう、見た目も姿も変わっていないのだ。

なら、何がそうしたのか?

...彼の妹の存在だ。

そう、彼は俗に言うシスターコンプレックス。つまりシスコンなのだ。

厳しいことを言いながらも妹のことしか話さない。

自分で稼いだ金の4割を妹にやる。

妹が怪我した状態で脱走したら追いかけ、眠らせた後に妹の部屋に運び鉄格子などをつけるという重度の...いや、行き過ぎた家族愛だ。

 

「にしても良くこれだけ調べられましたねぇ...人間とは本当に面白いですね。」

「いや...直接妹さんに聞いただけだから」

「なんと...」

 

何故か焼却されたのに復活しているナマモノ(ニャルラトホテップ)が驚く。

...大胆すぎただろうか?

 

「それで?その妹は一体何をしたら教えてくれたンだ?」

「...愚痴を聞いただけ」

「ほォ、人間ってのは本当に変わってるなァ」

「というか咲さん!なんでこいつがいるんですか!!私がこいつのこと嫌いなの知っているでしょう!?」

「なんだ?また燃やされたいのか?お前」

「キィッー!貴方はそうやって前に私の秘蔵のお宝本を燃やしたでしょう!?こうなりたいのか?っと脅しながら!!」

「あァー...そんな事もあったわな」

 

...私を挟んで喧嘩しないでほしい。

と言うかハスターはどこに行ったんだ...

 

「ハスター兄様なら確か、シュブ=二グラス様の買い物に付き合ってる...と思う、書き置きもあるし」

「ヴルトゥーム...今は貴方だけが癒しだ...」

「そ、そんな...」

 

可愛い、ヴルトゥーム可愛い。

本当、なんでこの見た目で男なのだろうか...

...しかも若干私より胸があるように見える。

 

「...それで?どんな感じだったの?その妹さんは」

「確か...」

 

『全く!兄さんは兄さんで妹離れしてほしいですね、いつまで妹離れが出来ないんでしょうね、猫を拾った時、捨ててこいなんて言うし、なんとか説得し終えたらスカーと仲がいいし、それに賞金を渡してくるなんて!何を考えているんですかあのシスコンは。ふざけないでください。自慢ですか?自慢ですよね?お前より俺の方が稼げるっていう自慢ですよね!ふざけないでください!私はこれでもちゃんと働けます!!司書とかバイオニストとか目指してるんです!!...ちょっと咲さん?ちゃんと聞いてるんですか!』

 

「っとまぁ今までの鬱憤を晴らしたかのような感じだった...かな」

「...やっぱり兄弟関係っていうのは大変なんだよ」

「いや、いい加減に仲直りしたらどうなのさ...」

「向こうから謝ってきたら仲直りするつもりだけど?」

 

うわぁ...絶対仲直りしないパターンだこれ...

 

「...アザトースは」

「寝てます!と言うか起こさないでください!!起こしたら大変な事になりますので!!」

「ウボ=サスラ...」

「アイツはこの家の地下深くで寝てるんだろ」

「クァチル・ウタウス...」

「なんか素晴らしいロリを見つけたから会いに行ってくるとか言ってたよ」

「...ヨグ=ソトース」

「可愛い娘が出来たから会いにいってきます。みたいな事言ってました...多分」

 

クソ!ウチの住人(邪神)は皆フリーダムか!というか何だよ最後の二神!変態か!?

 

「とりあえず...私、卒業するまで頑張る。」

「俺は放浪でもしてるかなァ」

「では私は咲さんについていましょう最低限のボディーガードは必要でしょう?」

「いらない」

「じゃあ僕とヴルトゥームはアルバイトでもしてるよ。なにか聞けたら言うから」

「うん分かった、分かったから誰かこの腰に巻きついてる変態とって」

「あいよー」

「ギャー!ク、クトゥグア!やっぱりあなたは嫌いです!何で私の邪魔をするんですか!」

「頼まれたからなァ」

 

 

 

...えー高宮咲です、ご覧の通り今日も我が家は騒がしく賑やかです。

そして誰かこの変態いりませんか?今なら無料であげます。

...まぁこの生活が続けばいいとまだ思ってるけどね。

とりあえずメジロの世話に行ってきます。


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