気になる方はどうぞ。
一人称、三人称バラバラの酷いものとなっております(笑)
第0弾~プロローグ~
降りしきる雨の中、彼は傘もささずにふらふらと歩いていた。
父を亡くした。
妹は行方不明。
どうして、こうなったのだろう・・・。
ふらつきながら彼は妹を捜す。
(こんなことになるなら、携帯ぐらい持っとくべきだったか・・・)
山で暮らしていた彼にとって携帯電話は不必要であった。それは当然妹も。
彼はすれ違う人々の顔を逃さず確認した。そんな人々も怪しい少年と顔を合わすまいと傘で顔を隠し、その場から足早に去っていく。
歩を進めていくと、前方に誰かが立っているのが見えた。
(
彼は走り出した。
しかし、すぐに妹ではないと気付く。
その人物は体格からして男以外の何者でもなかったからだ。
「チッ・・・」
舌打ちをして、その男を素通りしようとすると、
「
声をかけられた。
「・・・あんた、誰だよ」
互いに背を向けたまま透はその男に訊いた。
男は口元を一瞬緩め、透の方へと向き直す。
「今は探偵とだけでも言っておこうかな」
「探偵・・・だと?」
「君は妹を捜しているんだよね?」
妹。その単語に反応し、透は慌てて振り返った。
「お前、何か知ってるのか! 妹は・・・美沙は、今どこにいるんだ!」
「申し訳ないが、僕は君の妹の居場所は知らない。でも、返答次第では君の妹を捜し、君たちの父親の仇でもある『源氏』の一族も捜してあげよう」
その男の言葉を聞いて、透はただただ動揺した。
妹のみならず、父親のこと、そして父親を殺した連中のことも知っていた。
だが同時に、透は男の嘘を感じ取っていた。
『この男はもとより妹も源氏も捜すつもりはない。』
透自身、嘘つきだからだろうか。昔から他人の嘘は敏感に察知することができた。
「僕と一緒においで」
これが男の言っていた返答すべき言葉なのだろう。
透は悩んだ。嘘だと分かっていても今は藁にもすがる思いだった。もしかしたらという気持ちを捨てきれない。
自分の直感を信じるべきか。心情を選ぶべきか。
そして、彼は答えを出す。
「1年だ」
限りなくゼロに近い可能性でも、男が捜してくれるという言葉を選んだ。
「1年だけ、あんたと一緒に居てやる。ただし、1年で美沙も奴らも見つからなければ、俺はあんたのもとから離れる」
男はその返答に満足したのか、フッと微笑み手を差し出した。
透もその手を見て男と握手をする。
「ようこそ。イ・ウーへ」
これから語られるのは、イ・ウーで過ごす1年間の彼の物語ではなく、2年後の彼の物語。
一人の少年と一人の少女との出会いによって、どっち付かず灰色が白色へと引き返していく物語。
前書きで過去の自分をバカにしてますが、今でもちょっと上達した程度(自画自賛)。
小説って難しいですね・・・