緋弾のアリア~灰色の武偵~   作:ソニ

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今回はいつにもまして内容が薄い・・・!


文章量的にも前話に含んで公開したいレベルですが、過去は過去でまとめたかったので分割した結果、以下のようになってしまいました



第28弾です。


第28弾~そして再び~

 

 

 

 

「───そして、俺はイ・ウーに入った。だが、美沙も親父を殺した連中の事も分からなかった。だから約束通り、1年でイ・ウーから抜けた」

 

「そう・・・そんな事があったのね」

 

透の重く悲しい話。アリアはどう答えてあげたら良いのか分からないといった表情をしている。

 

「あんたは・・・もし、お父様を殺した連中の事が分かったら復讐するの?」

 

復讐・・・すなわち、殺人。1人の武偵として、それは見過ごす事はできないのだろう。

 

「・・・美沙が無事ならそれで良い。それに親父を殺した奴らは多分『源氏』じゃないんだ」

 

「え? なんで?」

 

「『妹と源氏を捜す』という事が嘘だって気付いて、そっちばかりに気を取られてたけど、きっと『犯人が源氏』という事自体も嘘だったんだ。あれもイ・ウー絡みの事件でそれを悟らせない為に俺の一族が敵対していた『源氏』を使ったんだと思う」

 

あの男は透の嘘を見破る力を逆手に取り、自分の思うように透を仲間に率いれたのだろう。

 

今さら振り返っても遅い話ではあるのだが。

 

「それよりも、俺を捕まえなくていいのか?」

 

「なんであんたを捕まえなきゃいけないのよ。あんたはママの冤罪には何も関与してないはずよ」

 

「そうじゃない。俺は人を2人殺してる。2年前の事だし、まだまだ時効は先だ」

 

とにかく捕まえて、贖罪(しょくざい)させてくれ。

 

その気持ちばかりが先行し、透は投げやりに自らの罪を吐き出す。

 

「そんなもの状況証拠に過ぎないわ! 誰かがあんたに罪を着せようとしたのかもしれないじゃない!」

 

「俺が嘘をついてるかもしれないだろ?」

 

「いいえ、あんたは絶対に殺してなんかないわ!」

 

現場も見てないのに、今までのような嘘かもしれないのに、胸を張って堂々と否定するアリアを見て、透の中で怒りのような、呆れのような感情が沸々(ふつふつ)()いてくる。

 

「なんでそんなに俺を庇う。さっきも綴先生から言われた。今回の一連の事件、俺は無罪だって。お前たちを騙してたのに、どうして・・・俺を庇う」

 

───どうして、(つぐな)いをさせてくれない。

 

「武偵憲章1条───『仲間を信じ、仲間を助けよ』」

 

「俺を『仲間』だって言うつもりか」

 

自嘲気味に呟く透に、アリアは一呼吸置き、

 

「・・・そうね。あんたを、『仲間』って呼ぶのは違うかもしれないわ」

 

 

 

そうだ。それでいい。

 

 

 

これは当然の報いなのだ。

 

 

 

騙していた罰なのだ。

 

 

 

どんな言葉でも、どんな制裁でも甘んじて受け入れよう。

 

 

 

「あんたは───あたしの『ドレイ』よ!」

 

 

しばしの沈黙後。

 

 

「・・・は?」

 

透は、予測していたような出来事とは、180度違うアリアの発言に目が点になってしまう。

 

「おい、アリ───」

 

「あんた言ったわよね!」

 

透の発言を遮り、アリアは話を続ける。

 

「『俺がお前のパートナーになっても、俺がお前の求めているパートナーじゃないと思ったなら、迷わずに切り捨ててくれ』って」

 

「ああ、言った。だから───」

 

「透はあたしの求める立派なドレイよ。だからあたしは切り捨てない」

 

「・・・・・・」

 

「納得できないなら、もう一度言ってあげるわ───」

 

アリアは透から少し距離を取り、満月を背景にくるっと振り返り、透を指差した。

 

「───透。あんた、あたしのドレイになりなさい!」

 

「・・・・・・」

 

彼女はまだ自分の力を必要としてくれている。

 

騙していたのに、嘘をついていたのに、正体を隠していたのに。それらを分かった上で。

 

「・・・なあ」

 

震えた声でアリアを呼ぶ。

 

「また、俺がドレイになっても良いのか?」

 

本当に許される事なのだろうか。

 

「これは命令よ」

 

「これも罪滅ぼしのうちに入るのか?」

 

アリアが許してくれても、未だに自分自身が許せない。

 

「はぁ・・・罪滅ぼしとかバカな事言ってんじゃないわよ。そんなにしたいんだったら、これからもあたしのドレイでいなさい」

 

「・・・悪い」

 

そう言って、透はアリアに背を向けた。

 

 

 

きっと自分は今、情けない表情をしている。その顔を隠すようにして───

 

 

 

 

 

 

 

満点の星空と満月の(もと)、『灰色』は『白色』の道を一歩踏み出した。

 

これから語られるのは、神崎・()()()()・アリアと2人のJ・H・()()()()の物語である。

 

 

 

 

 

「アリア、もう一つ話しておきたい事がある」

 

心を落ち着けた透は、アリアに面と向かって話を始める。

 

「俺が何の為にキンジをアリアのパートナーにしようとしていたのか」

 

理子と唯一利害が一致していたこと。

 

理子は初代リュパンを超える事を証明するために2人をくっ付けようとしていた。

 

では、透の目的は何なのか。

 

「プライバシーに関わる事だから詳しくは言えないが、理子はある人物によって囚われているんだ」

 

「囚われてるって、普通に外にいたじゃない」

 

「ペットの犬のように放し飼いされているような状態なんだ。本当の意味で理子は自由じゃない」

 

透は自分の事のように、悔しそうに話す。

 

「俺の目的はそいつを倒す事。その為には、戦力が必要だった。そんな時、理子がアリアとキンジを狙っている事を知った」

 

「だから、あんたは理子に協力して、あたしとキンジにパーティーを組ませて、一緒にそいつを倒す計画を立てていたってこと?」

 

透はコクリと頷いた。

 

「それで、理子から自由を奪っているっていうそいつは何者なの」

 

透は息を吸い、静かに言い放った。

 

「───『無限罪のブラド』」

 




透の目的も明らかになり、これで一段落は着きましたかね?


次回で第1章が終わる予定です。
更新の方、楽しみにして頂けると幸いです。
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