戦闘シーンって難しいですね・・・
今朝のHRの出来事により、キンジに安息の時間はなかった。時間があれば、クラスの男子達から追われ、果ては噂を聞き付けたクラス外の男子達からも追われる羽目になった。
帰りのHRの際も、先生が話し終える前に男子達がキンジに襲いかかり、ベランダから逃げる始末。
そのまま流れ解散となった。
「み・・・皆さん、先生の話はちゃんと最後まで・・・」
先生が半べそをかいてしまったのは、また別の話である。
「しゃーねぇ奴だなぁ」
武藤はキンジが逃げたベランダを見て呟いた。
「ねぇ、神崎さん。あいつ異性の話になるといつもああで・・・って、あれ?」
既に教室内にアリアの姿はなかった。
そのアリアはと言うと・・・
「・・・いい加減、姿を現したらどうだ」
透を尾行して、第2グラウンドまで来ていた。
「流石ね。その様子だと、あたしに気付いてグラウンドに来たみたいね」
透は普通に帰宅しようとしていたが、尾行に気付いた為、隠れる場所が少ないグラウンドまでわざわざ足を運んでいた。
「あんたに訊きたいことがあるの」
「何だ?」
「あんたはキンジの隣にいたセグウェイを壊した後、別のセグウェイに囲まれた。あの状況でどうやって倒して来たの?」
まさに、あの時は絶体絶命という言葉がぴったりの状況だっただろう。
「あんな状況だったのに一人で倒すなんて、あんた一体何者?」
「答える義理はないな」
「・・・まあいいわ。調査は
それに、と続ける。
「確かめれば、分かるものね」
アリアの手がスカートに行き、透は身構える。
そして、発砲と同時に透は転がるようにして弾を避けていた。
「・・・頭、狙っただろ」
「大丈夫よ。ペイント弾だから」
そういう問題ではない。透は心の中でツッコミを入れ、立ち上がった。
「透、あんたの実力を見せなさい」
今朝、ヒステリアモードになったキンジの実力は確認したが、アリアまで確認することはしなかった。
透もアリアの実力がどれ程のものか知るには良い機会だと感じた。
透は鞘を付けたままの日本刀をアリアに向ける。
「行くわよ!」
アリアは拳銃をホルスターにしまうと、セーラー服の背中から小太刀を抜き、透に向かって突進していく。
「やっ!」
両肩を目掛けて突いたが、透は身をかがめて空を切らせる。だが、アリアは見越していたように今度は顎を狙って蹴り上げた。
透は上体を思いきり反らし、なんとか避ける。アリアはそのままバック宙をし、距離を取っていた。
着地のタイミングに合わせ、透はアリアに飛びかかった。無防備な身体に刀を打ち込もうとしたが、アリアは咄嗟に小太刀をクロスさせて阻止する。
二人はお互いに離れ、体勢を立て直す。
「あんた、なんで刀を抜かないのよ」
「・・・そうだな。抜かなくて良いほど甘い相手じゃないな」
透は鞘から刀を抜き、その場で大きく振るった。直後──
「ぐぅっ・・・!」
アリアの腹部にバットで殴られたような痛みが襲い、両手から小太刀を落としてしまう。
好機。透は駆け出し、膝を付いて小太刀を拾おうとしているアリアとの距離を詰めていく。
「終わりだ」
アリアの首筋に刀を突き付けようとしたその時、
「かかったわね!」
アリアは両手に小太刀をしっかり持つと、大きく振り上げた。
「なっ──!」
二人の間に砂ぼこりが起き、透は思わず目を瞑ってしまう。
そこからは一瞬だった。
手に持っていた刀は弾かれ、地面を横滑りしていく。そして、砂ぼこりの向こうからカチャと音が聞こえた。
「チェックメイトよ」
砂ぼこりが晴れると、透の目には拳銃を突き付けるアリアの姿が映っていた。
「・・・俺の負けだな」
透は両手を挙げる仕草をした。
「・・・あんた、わざと武器放したでしょ」
「そんなことはない」
「それにまだ本気を出してなかった。あんた、やっぱりタダ者じゃないわね」
「買いかぶり過ぎだ」
アリアが拳銃を降ろしたのを見て、透は飛ばされた刀を取りに行く。
「こっちからも訊かせてもらうが、俺の実力を試した理由は?」
「あんた、キンジの部屋知ってる?」
自分の質問を趣旨の違う質問で返され、呆れる透。
「・・・知らない。あいつの所属は探偵科だったか?」
透は朝のHRで行った自己紹介で、キンジの場面を思い出しながらアリアに訊ねる。
「ええ、そうよ」
「なら、第3男子寮のはずだ。そこまでの道のりなら知っている」
「ふーん。じゃあ、行きましょ。あんたの質問にはそこで答えてあげるわ」
アリアはそれだけ言うと、とっとと歩き出してしまう。
お前が先に行ってどうする。透はその後を追って行った。
次回の投稿は未定ですm(__)m