緋弾のアリア~灰色の武偵~   作:ソニ

8 / 52
相変わらずの亀更新で失礼します。
携帯がぶっ壊れていたので・・・(言い訳乙)



そろそろAAの話にも持っていきたいと思っています。



第7弾~作業開始~

まだ日も差さない午前5時。平川透はいつものように目を覚ました。唯一違うことと言えば、昨日はそのままキンジの部屋に泊まらせてもらったこと。

 

下にいるキンジ、向かいのベッドの上段にいるアリア。二人を起こさぬよう注意を払いつつ、透はベッドから降り寝室を出た。

 

洗面所で顔を洗い、身だしなみを簡単に整えた後、キッチンに向かった。

 

一宿の恩義として何か朝食を作ろうと思い、冷蔵庫の中身を確認するが、飲み物とバターのみ。そして、トースターの上に食パンが置いてあるだけであった。

 

いつもコンビニで済ませていると言っていたが、自炊を全くしないのだろうか。栄養も偏るし、何より食費がかかりすぎる。

 

(・・・会長か)

 

昨晩、タケノコごはんを持ってきた白雪を思い出す。彼女がキンジの身の回りの世話をしているのら、自炊する必要もない。

 

(・・・仕方ないな)

 

透は下のコンビニへ買い出しに行った。

 

 

 

 

 

「バカキンジ! ほら起きる!」

 

遠山キンジは最低最悪の形で朝を迎えることとなった。

 

無防備の鳩尾に入れられたパンチで目が覚め、追い討ちをかけるようにして顔面に蹴り。

 

「何すんだこの!」

 

寝起きであまり力が入らないながらも、何とかアリアの脚を退ける。

 

「朝ごはん出しなさいよ!」

 

アリアの容赦ないパンチがキンジを襲おうとするが、何とかその拳を掴み、受け止める。反対側の拳も飛んでくるが同じように止めた。

 

「知るか!」

 

「お腹すくじゃない!」

 

「そんだけ力出せりゃ、食う必要はねぇ!」

 

アリアは力を込め、捕まれた拳を抜こうとするが、キンジがそれを許さない。

 

「なんだ、お前ら起きてたのか」

 

「透、良いところにきた。お前も手伝ってこいつをどうにかしてくれ!」

 

キンジはアリアの相手に手一杯でその姿は確認できないが、声で透と判断し助けを求める。

 

「アリア、朝食なら出来てるぞ」

 

そのセリフにアリアはキンジを襲うのを止め、透の元へ駆け寄った。

 

「ホント?」

 

「ああ。 キンジ、お前も食べるか?」

 

「・・・そうさせてもらう」

 

不機嫌を引っ張ったまま、キンジはベッドから出てきて食卓へ向かった。

 

 

席に着くや否やキンジにある疑問が浮かんだ。

 

「そういえば、食材はどうしたんだ? 切らしていたはずだが」

 

「下で買ってきた」

 

切らしていたと言うことは少しは自炊もするのか、などと考えながら、透はてきぱきと茶碗にご飯をよそっていく。

 

テーブルに置かれていくのは人数分のご飯に味噌汁。そして、卵焼きやハム、ベーコンが乗せられた大皿であった。

 

「大した物は作れなかったが」

 

「そんなことはどうでも良いから、あんたも早く座りなさい! 食べられないでしょ!」

 

アリアの急かしに透は半ば強制的に座らされ、朝食を取ることとなった。

 

 

 

 

 

朝食は思ったよりも好評価であった。

 

キンジからしてみれば白雪の腕には劣るが朝から豪勢なのも胃には辛いので、むしろ朝はこの程度がベストだと感じていた。

 

透は洗い物をし、キンジとアリアは登校の準備をし始める。

 

「アリア、登校時間をずらすぞ。お前、先に出ろ」

 

「なんで」

 

「なんでも何も、ここは男子寮だ。女子のお前が男子二人と一緒に並んで出てってみろ。見つかったら面倒なことになる」

 

「うまいこと言って逃げるつもりね!」

 

「同じクラスなんだし隣の席だ俺たちは! 逃げようがないだろ!」

 

キンジは自分で言っておきながら何か悲しみを感じていた。

 

「透! あんたもさっさと終わらせなさい!」

 

「洗い物は簡単には終わらない。今止めると、今日の夕食は菌が繁殖した食器で食べることになるがそれでも良いか?」

 

うっ、とアリアは露骨に嫌な顔を浮かべる。

 

「待て! 今日もうちに泊まる気か!」

 

「だから、あんたがあたしのパーティーに入るって言うまでよ」

 

反論したかったが、そんなことをしている場合ではなかった。

 

キンジの見る腕時計は7時54分を指していた。58分のバスを逃すとチャリ通生でない限り、遅刻は免れない。

 

ご存知の通り、彼のチャリは粉々になってしまったので、58分のバスを逃すわけにはいかなかった。

 

しかし、昨日知り合ったばかりの人間を部屋に残して出かけるのは防犯上よろしくない。

 

 

「・・・透、戸締まり任せて良いか」

 

少し悩んだ末に、キンジはカードキーをテーブルの上に置いた。

 

普通の高校に転校する為にも授業は受けたいし、部屋には盗まれても困るような物は(多分)置いていないという判断からである。

 

「ああ」

 

その答えを聴いて、キンジは急いで部屋を出た。それを追うようにしてアリアも部屋から出ていく。

 

一人となった透は水を止めて、既に終わっていた洗い物を乾燥機にかけた。

 

「浅はかなヤツだな・・・」

 

昨日今日知り合った人間にカードキーを預けるキンジの考えを理解できずに思わず声に出した。

 

かといって透は何も盗む気はない。むしろ彼はプレゼントを用意していた。

 

(作業開始といくか)

 

 

 

──彼は灰色の武偵

 

 

 

──白の面と黒の面とを併せ持つ

 

 

 

 

 

果たして今の彼は何色か

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。