俺は学校の校門の前に居る。警察によって、立ち入ることができないのだ。
…そもそも、俺は何故警察や消防車が来ているのかも分からない。
ただ、何か燃えているのは分かる。煙が上がっていて、焦げ臭い。
「ん?」
携帯のバイブが鳴る。
眞佐斗からのようだ。
「もしもし?」
『夏雄、今どこに居る?』
「校門前だ」
『そうか。今から僕が迎えに行くから待ってろ』
「ちょ…話の内容が分からないんだけど…」
『あとで話す。お前以外はこっちにいるからな。じゃ、後で」
「おま、ちょ…切られた…」
状況を話せ馬鹿野郎。わけわかんねぇだろうが。
しかし、俺以外の奴等は皆いるのか。皆元気だろうな…?
ところで、今はどういう状況なのだろうか。
煙が上がっていて、時々放送が聞こえる。放送の内容は、「警察共は今すぐ撤退せよ」など。
立てこもり?学校一つを占領するくらいだから、結構な規模の犯行グループだろうか。校内は混乱していることが予想できる。いや、犯行グループが押さえつけているかもしれない。
「おい」
「おお、眞佐斗!迎えに来てくれたか!」
「とりあえず、僕の能力を使ってここから抜けるぞ」
眞佐斗の能力は『透物』。あらゆる物体をまったく見えなく出来る。もちろん眞佐斗自身にも作用される。だけど、自分の体に負担が掛かるため、30分以上は出来ない。
「今はどんな状況なんだ?」
「『櫻ノ會』によって学校が占領された。プレハブ校舎は爆発で全壊、生徒たちは校舎内から出ることは禁止、先生は人質になっている」
「チッ、大人も今は役に立たねぇか。で、どうして校舎に戻るんだ?」
「僕等で櫻ノ會を倒す。奴等はこの町を攻撃しようとしているからな。僕等で倒して、それで終わらせる」
犯人は櫻ノ會か。
新興宗教『櫻神教』の派生政党だが、最近怪しい行動を見せていて、マスコミでも度々報道されていた。
気付けば、上空にはマスコミのものであろうヘリコプターが集まってきていた。今頃は生中継でこの事件のニュースがやっているのだろう。
下駄箱で靴を入れ替える暇も無く、ただただ教室へと走って行く。
自分が元通り見えるようになったのがわかる。
「皆、無事か!?」
「夏雄!無事で良かった…」
「朱音、これで一安心かい?」
「う、うるさい!とりあえず早く行動しないと」
「そうだな、急ごう」
コイツら、何をするつもりだろう。
…だけど、案外面白いかもしれない。
俺、楽しめそうだよ。