通りすがりの熾天図書館   作:通りすがりの熾天龍

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『火竜の遷悠』の今週の投稿に間に合わなかったのでその代わりとして。
まだ半分も書けてないんです。ごめんなさい。
ですがおかげで卒業研究は終わったのでこれから頑張ろうと思います。

今回投稿した物は以前なんとなく思いついて書いたものです。
タイトルは単に思いつかなかっただけ。
それでは、どうぞ。


白ノ回想

夢を見ている。

これは幼いころの記憶だな。

 

 

 

 

父親と母親、3つ上の姉と俺と1つ下の弟とその双子の妹。

この6人家族でごく普通の幸せな日常を過ごしていた日々。

 

普遍的でありきたりだけど、何よりも大切な日常は、あっという間に崩れ去ってしまう。

それが始まったのは中学に入ってすぐの頃。

クラスメイトの一人が脅迫や買収などで周囲を味方につけ、俺をいじめの標的にし始めた。

「なんとなく一番気に入らない」というわけのわからない理由で。

多分俺が標的にならなかったとしても必ず誰かが被害者になっていただろう。

“一番”気に入らない、ということは恐らくそうだ。

親が何かの権力者だとかで、誰もあいつに逆らえなかった。

例え警察沙汰になろうとも裏で奴の親が握り潰す。

おかげで奴はやりたい放題だった。

小学時代もそうやって何人も精神崩壊や自殺まで追い込んでいったらしい。

 

しかし、俺はそれまでの奴とは違った。

物心ついたときからいろんなスポーツに手を出していた。

体格はほぼ平均だったけど、おかげで暴力を流すのは簡単だった。

本格的にスポーツをやっている相手ではなかったからというのもあるけれど。

そのおかげだろうか、精神的にもあまり追い詰められなかった。

当然、暴力以外の嫌がらせもあった。

しかし、皆しぶしぶやっているとわかっていたからか、意外と平気だった。

小学時代にこんな目にあっていたら、間違いなく耐えられなかっただろうが。

 

そして、俺がいつまでたっても壊れないことに業を煮やしたあいつは、最悪の手段に出た。

 

まず最初に、俺の親父が行方不明になった。

翌日に警察が持ってきたのは、破壊された親父の携帯。

次に、母さんが通り魔に刺された。

犯人は、金で雇われたと証言。

残された俺達4人に、護衛が付いた。

しかしその護衛はそれぞれ、奴の親に人質と金で脅迫買収されていた。

親父が死体で発見された。

全身を刺された上に手足を鈍器で潰された酷い状態だった。

それでも俺達はなんとか立ち直り、力を合わせて逆境を乗り越えていこうとしていた。

だけど、その矢先に姉さんが誘拐された。

こちらは目撃者が何人か居た。

一週間後に発見された姉さんは、話しかけても反応すらしない廃人と化していた。

姉さんの発見とほぼ同時に、今度は妹が誘拐された。

その翌日に自宅の郵便ポストに入れられていたDVD。

そこに映っていたのは全身痣だらけの妹が複数の成人男性にレイプされる姿。

その映像の途中で、妹は手足をもがれ、死んだ。

映像を見た翌日、妹が四肢を失った死体で発見された。

ここにきて、弟はとうとう壊れてしまった。

俺が壊れずに済んだのは、目の前で弟が先に壊れたからなのかもしれない。

精神崩壊を起こした弟の世話をし、家の貯金を崩しながら生活を始めた。

それでも暫くは何とかやっていけた。

自宅、街の図書館、スーパーを行き来する日々。

その日はたまたま弟が寝ていたので一人で買い物に行った。

帰るまでたったの20分。

その間に、家が焼かれていた。

近隣の住宅もろとも全焼。

燃えた家々の中にいた人は全員死んでいた。

当然ながら、俺の弟も。

それでも俺が精神崩壊しなかった理由は、もはやわからない。

家族が次々と死んでいく中で、耐性ができてしまったのかもしれない。

 

数日後、暇つぶしに本を読みまくるために特別に図書館に泊めて貰った。

その日の深夜、そこで俺は一冊の本を見つけた。

辞書くらい分厚いのに、最初の数ページ以外全て白紙のおかしな本。

その本に書かれていた“魔法”を実際にやってみた。

別に何かを期待していたわけでもない。ただの気まぐれでしかなかった。

虚空から小さな光源が出現した。

自分の影が、実態を持って動き始めた。

“大気中のマナ”が見えるようになった。

白紙だったページに新たな文章が浮き上がった。

――――その本は“魔導書”だった。

 

そこからの時間はとても早く過ぎたように感じる。

魔導書を読みこみ、理解し、そして新しい魔法がページに浮かぶ。

炎、水、風、土、雷、氷、樹、光、闇、毒、呪・・・。

最後のページの魔法まで完全に理解できた時、魔導書は自ら焼失した。

 

次の行動として俺が選択したのは・・・復讐。

俺の家族を皆殺しにしたあいつの家に乗り込んだ。

そして奴を氷と岩石で拘束し、その目の前で奴の両親を嬲り殺しにした。

そこで働かされていた執事やメイド、奴隷も皆殺しにした。

家に居た全員を殺した後、奴を丸二日かけて嬲り殺した。

もちろん、声が出ないようにして、だ。

次の復習対象は奴が外部から金で雇っていた実行犯達。

探し出して記憶を覗き、確認してから皆殺しにした。

まだ俺の憎悪は収まらず、その矛先を向けたのは元同校生や教師、警察等。

当時まだ居なかった生徒や教師も含めて皆殺しにした。

それを目撃した人達も殺した。

そして俺は街を出る。

奴の親戚も皆殺しにした。

それらが関わっていた違法なんたらも全て潰した。

更に、元同校生や教師陣の親戚も殺しにかかる。

 

その途中で、魔法や異能の組織が存在することを知った。

向こうの方から接触してきたのだ。

―――俺を殺すために。

しかし、それも当然だろう。

まだその時は気付けなかったが俺は明らかにやりすぎている。

ひょっとすると、俺は魔法を手に入れたことで壊れてしまっていたのかもしれない。

少なくとも、タガは外れていた。

八つ当たりの如くそいつらも殺しにかかった。

なら殺しにはかからないからせめて投降をとの呼びかけに変わる。

俺にそう呼びかけ続けていたのは一人だけだったが。

そいつは、俺が聞く耳を持たなくても、諦めず根気強く呼びかけ続けた。

多分その根気が効いたのだろう。

俺はようやく、己の過ちに気付いた。

 

そして俺は、そいつに一つの頼みごとをした。

一対一での、全力の殺し合い。

俺がそう頼んだのは、向こうが明らかに格上だったから。

全力を出した上で倒されることを望んだから。

――――俺の頼みは、聞きいれられた。

 

魔道士や異能者が数十人がかりで張った結界の中で向かい合う。

全力でぶつかりあい、しかし圧倒される。

最後に一撃だけ、全魔力、全生命力を注ぎ込んだ極大魔法を放つ。

俺の命を、全身全霊をかけた一撃は、そいつの極大魔法に打ち破られた。

二つの極大魔法越しに俺はそいつと目があった。

何を思ったのかはわからないが、彼女は、悲しそうな目をしていた。

光が迫る――――

 

 

 

 

 

 

あぁ、これ違ったな。

夢じゃなくて走馬灯だ。

 

 

 

魔法に乗って彼女の声が聞こえてくる。

 

――――あなたには、生きてほしかった――――

――――生きて、人を、誰かを愛してほしかった――――

 

その言葉に自然と笑みが浮かぶ。

魔法に言葉を乗せて、彼女に言葉を送る。

 

――――その言葉だけで、俺は救われた――――

――――ありがとう――――

 

彼女の目から涙がこぼれる。

そして俺は、光の中に消えた。




この後主人公はどっかの世界にトリップします(笑)

書いた頃は艦これ世界で提督やらせようと思ってたけどボツにした。
ちゃんとオリジナルのストーリーも考えてたけど今話の主人公じゃなくてトリップした一般人に提督やらせた方がしっくりくる内容になったので(笑)

ヤンデレ書きたいダーク系主人公書きたい人外ハーフ主人公書きたいTS物書きたい艦これ書きたい遊戯王書きたいテイルズ書きたいモンハン書きたいゴッドイーター書きたい討鬼伝書きたいSAO書きたいダンまち書きたいシンフォギア書きたいハリポタ書きたいワートリ書きたい多重クロス書きたいクトゥルフ書きたい

書きたいのが多すぎるんですよね。
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