そして方や深海棲艦組も、月見酒をしながら語らうようです。
開けました。おめでとうございます。
三賀日最終日。のんびりといたしませう。
「応。私の力が人間のために使えるのなら、こんなに嬉しいことはない。
トコトンニマデ付キアッテヤル。
イクゾ戰場ヘ。イクゾ、我ガ、我ラガ理想ノタメニ!」
本当にそれでいいのか?
我々は確かに希望を、絶望を、地獄を、共に見続けた。
だが、その行動が無意味だと、勝手に我々が決めつけて
「人間の平和のために、我々は立ち上がろう。」などと言って良いものか?
・・・断じて否。
今、この世界は我々の行動の結果だ。
それを今更、今更変えようなどとは言語道断。
未来は未来に生きる人のためのものだ。
過去に生きた、我々が手を出せるシロモノではないのだ。
我々は人間の、希望と勇気を信じよう。
そして、過去の「勘違いした奴ら」を現世から追いだそう。
なぁ、戦艦金剛よ。お前は、こんな我々に、付いてきてくれるか?
「・・・もちろんデース。今一度、人間のために力を使えるのなら
こんなに嬉しいことはないのデースよ!」
よろしい、ただ、勘違いするな。
我々は、先に出て行ってしまった者たちを討つだけだ。
それ以上の手出しは無用。その先は未来に生きる人々の物なのだ。
「わかっていマスよ。彼らに少し出遅れマシたが・・・・
過去は過去で決着をつけるべきデスからね!」
---よろしい、頼むぞ。
◆
「・・・・んんー?変な夢見たデースね・・・・」
金剛は、港湾棲姫の炬燵で目を覚ますと、ゆっくりと上半身を起こしていた。
「むー。なんだったんでショウ・・・ま、良いデス。
とりあえず、エール、エール・・・っと・・・」
金剛は周囲に目を向けぬまま、自分の持ってきたボストンバックから
缶のエールビールを取り出すと、流れるような動作でプルタブを開け
一気に喉に叩き込んでいた。
ゴッゴッゴッゴッ
金剛のビールを飲む、気持ちのいい喉の音が響き渡る。
「ッくぅー!寝起きのエールもまた格別でー・・・す?」
そして金剛はそこでようやくひとつの事実に気づいたのだ。
「おっ、金剛起きたー?
丁度いいぜ。レ級特製、あんこう鍋。どぶ汁できたぜー。」
金剛たちが座る炬燵の上に、大きな鍋が一つ鎮座していたのだ。
しかも鍋からは、味噌と白菜の美味しそうな香りが漂っていた。
「ワアォ・・・いい香りデース!
それにしてもあんこう鍋は聞いたことありマースが
どぶ汁、デースか?」
「ん、おぉ。ドブ汁だぜ。って、金剛、もしかしてどぶ汁知らない?」
「知らないデースねぇ。」
レ級は金剛と会話を続けながらも、小分けの椀に
あんこう鍋を器用によそう。あんこうの身、野菜を
バランスよく、金剛に味わってもらうためだ。
「ほい、とりあえず説明する前に一杯どうぞ。うまいぜ。」
「オォウ、ありがとうございマース。
・・・あれ?随分油が浮いてマースね?」
金剛はそう言いながらも、早速汁をすすっていた。
ずずず、という音とともに、金剛の口の中に
濃厚なあんこうの旨味が広がる。
「・・・!?オオウ!この鍋すっごい濃いデース!
おいしいデスよこれ!こんなあんこう鍋、食べたこと無いデース!」
「だろー?ふふふ、自信作だぜー。
ま、ただ焦って食わなくていいぜ。
港湾棲姫とヲ級は今外で酒飲んでるし、響と島風は風呂いってるし。
神通達はもう寝ちまったからな。」
「そーなのですか。それじゃあゆっくり味わうことにしマース。」
金剛はそう言いながら、今度はあんこうの出汁がよく染みこんだ白菜を摘んでいた。
そして、一口、口に運ぶと、トロトロになった白菜から
ジューシーにあんこうの旨味と、白菜の甘さが飛び出し、金剛の口内で暴れまくる。
「ワァオ・・・!白菜も美味しいデース・・・!」
金剛はそう言うと、エールを一口、煽る。
すると、エールの爽やかな香りが、あんこうの香りと合体し
今度は金剛の嗅覚を襲い、思わず叫び声をあげていた。
「・・・・!ックウアアアア!これは美味しいっデース!」
「クヒヒッ。満足してくれてよかったぜ。あんこう、獲ってきたかいがあったわぁ。」
金剛はレ級の一言に、目を見開いていた。
今このレ級、なんて言ったのか。
「・・・・あんこうを獲ってきた、デース?」
「ん、獲ってきたぜー。潜ってこう、素手で。」
レ級はその時の様子を金剛に伝えようと、ジェスチャーを繰り出していた。
どうやら、両手であんこうを掴みあげ、そのまま浮上してきた、らしい。
「・・・ファッツ!?レ級、あなた艦じゃなかったでしたっけ・・・?」
「んー、あぁー。艦だけど、私達の名前思い出してみろって。」
「・・・深海棲艦、デースよね。」
「あぁ、そうだぜー。深海に棲む艦ってな。
そんな艦がさー、潜れないわけ、ないだろう?」
レ級の言葉に、金剛は頭を抱えていた。
(・・・なるほど、そういうことデースか・・・。
急にレーダーに写ったり、急に現れる理由が今わかりマーシた。
・・・海中からいきなり襲い掛かかれる性能を持ってるんですネ、深海棲艦って。)
「はぁ、艦なのに潜れるっていうがおかしいデースよ。
私達艦娘は、顔に水をつけるだけでも恐怖なんデスよ?」
レ級は意外そうな顔を金剛に向ける。
「おっ・・そうなのか。」
「そりゃそうデースよ。顔に水がかかるっていのは、
大破して沈みかけたタイミングぐらいしかナイですからね。」
金剛はそう言うと、今後はあんこうの身を摘んでいた。
そして、口に一口、あんこうの身を入れる。
「・・・オォウ・・濃厚・・・!しかもプリップリ・・・!
美味しいでーすよー!」
「あはは、そりゃよかった。」
レ級はにこやかに、笑顔であんこう鍋を食べる金剛を眺めていた。
そして、自身の椀にもあんこう鍋をよそりながら、ゆっくりと口を開く。
「んでなー。このドブ汁が普通のあんこう鍋と何が違うかって言うと。」
レ級は鍋を指指しながら、言葉を続ける。
「実はこれ、水を一切いれてないんだ。
あんこうの肝の油と、あんこうの身と野菜の水分だけで煮込んであるんだ。
だからすっごい濃厚だし、すっごい旨いんだぜー。」
「なるほどデースねぇ・・・。確かに、今まで食べたあんこう鍋は
だし汁とかでスープが作ってありましたからネ。
それにしても、美味しいデース・・・!」
レ級と金剛は、椀からあんこう鍋をかっこむ。
そして、同時にエールを勢い良く、喉に叩き込んでいた。
「「ックゥー!」」
「いんやぁー!自分で作っておいてなんだけど、旨いわこれー!」
「レ級、どぶ汁って、最高デース!」
金剛とレ級の叫び声が響く。
夜明け前、深海棲艦・港湾棲姫の要塞での一幕である。
◆
港湾棲姫と空母ヲ級フラッグシップの2人は、月夜の下で
港湾棲姫がウィスキーのロック、空母ヲ級は水割りを煽っていた。
カラン、と氷がぶつかり合う音を響かせ、空母ヲ級は水割りをゆっくりと味わう。
港湾棲姫も合わせるように、カラン、
といい音を響かせながら、ウィスキーを一口、口に含んでいた。
「ふぅ、いい月夜ね、ヲ級。」
「ですねぇ、姫様。
それにしても、レ級があんこう鍋作ってましたけど
出てきちゃってよかったんですか?」
「んー、ま、レ級は金剛と相性がいいから。
2人で楽しくやってると思うわよ。それに、うちのレ級と金剛は
ある意味表裏、だからね。」
「そんなもんですかねぇ。ま、確かに金剛さんとレ級さんは似たもの同士ですが・・・。
それにしても食べたかったなぁ!レ級さんのどぶ汁!
なっかなか食べられないんですよ、あのお鍋!!」
ヲ級は悔しいといった表情を浮かべながら、闇夜に叫んでいた。
そう、実際、レ級の作る鍋はかなりの美味なのだ。
「そう言わないの。
それに戻らない、って言ってるわけじゃないんだから。
シメのおじやまでには戻るわよ。」
「それならいいですけどねー。
っていうか、姫様。なんで私を連れ出したんです?」
「あぁ、いえ、一応確認しておきたかったのよ。」
港湾棲姫はヲ級に顔を向けると、真剣な顔で口を開く。
「空母ヲ級。貴方、もともとは艦娘でしょう。
そして、艦娘の記憶を、持っているわね?」
空母ヲ級は、いつもの軽い調子で、港湾棲姫へと言葉を返す。
「えぇ、そうですよ。レ級に沈められた艦娘です。
えーっと。記憶には明石に飛龍がいますねー。
あと何艦か残滓がありますが・・・」
「なるほどね。・・・それで、ヲ級。
貴方、私達が憎くないの?」
「ん、あぁ、憎いわけないじゃないですか!
姫様もレ級も、深海棲艦のために戦ってるんです。
それは艦娘が人間のために戦う理由と何もかわりませんからね!」
ヲ級はそう言うと、笑顔を見せながら水割りを口に含む。
「ま、ただ、人間を守れなかった、仲間を守れなかった。
そういう後悔は多大にありますね。うん。
ま、つまりは私、吹っ切れていないんですよね」
「ヲ級・・・」
港湾棲姫は少し心配そうな顔で、ヲ級を見つめていた。
ヲ級は港湾棲姫の視線に気づいたのか、顔を少し伏せると、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「でもまぁー、さっきも言いましたけど、憎いわけではないんです。
ほら、それに港湾棲姫様。私が艦娘を沈めなくても気にしないじゃないですか。
実はコレ、非常に助かってるんですよ。
やっぱり艦娘を沈めるのは、未だに抵抗ありますから。」
「そう。」
港湾棲姫は一口、ウィスキーを口に含む。
ボウモアの強烈なピートの香りが、港湾棲姫の口内を満たしていた。
「貴女がそれでいいなら、私は何も言わないわ。
レ級もそうだけど、私は別に命令に強制力をつけてるわけでもないしね。」
「あはっ、さすが姫様です!
それにしても、なぜいきなりそんなことを聞いたんですか?」
「ん、いえ。ちょっと気になっただけよ。もしかして、って。
無駄に機械と食の知識を持っていたのが気になってたの。
それに貴女、お湯のドックを見ても驚かなかったでしょう?
実は、深海棲艦では、私の拠点が初なのよ。だから、もしかしたら艦娘の記憶、あるのかなって。」
「あぁー!そうだったんですね。
私は自作のお風呂に入ってたので、全然気にしてませんでした!」
港湾棲姫はヲ級の言葉に固まっていた。
「ヲ級、今、自作のお風呂って言った?」
「ん、えぇ。だって、深海棲艦のドックってすっごく冷たいじゃないですか。
だから、1人用の風呂型のドック作って楽しんでたんですが・・・・」
ヲ級がそこまで言ったところで、港湾棲姫はヲ級の肩を思いっきりつかむ。
「ねぇ、ヲ級、そのお風呂、一回見せてもらってもいいかしら。
うん、全然その、作って欲しいとかじゃないんだけど・・・ね?
一回、一回見せてもらいたいの。」
そして、ぐぐぐっとヲ級の顔に、自らの顔を近づけていた。
ヲ級は、港湾棲姫のプレッシャーに、思わず口を開いていた。
「・・・えっと姫様、顔が近いです。
・・・一人用のお風呂、ほしいんですね?」
「う、うん。だめ、かなぁ・・・?」
港湾棲姫はそう言いながら、しょんぼりとした顔で、ヲ級を見つめる。
ヲ級は一つ溜息をつくと、ゆっくりと口を開いていた。
「仕方ないですねぇ・・・姫様は。
・・・わかりました!この明石・・じゃなかった。
このヲ級、腕に寄りをかけて設備を作らせていただきます!」
ヲ級の言葉に、港湾棲姫は満面の笑みを浮かべる。
そして、グラスをヲ級へと差し出していた。
「あは、ありがとう。
それじゃあ、そろそろ戻りましょうか。
レ級の鍋、食べたないとね。」
ヲ級も同じようにグラスを差し出すと、
港湾棲姫のグラスへと、グラスを当てる。
「ええ、そうしましょうか。
それにしても姫様ぁ。金剛達と仲良くし過ぎると、
他の姫からの風当たり、強くなりません?
特にレ級にはもうちょっと、抑えるように言ったほうがいいんじゃ・・・。」
港湾棲姫は、ヲ級の言葉に少しだけ、体を硬直させていた。
というのも、確かに、他の姫からレ級について忠告があったのだ。
(ま、確かに、戦艦棲姫からはいろいろ言われてはいる、けれど・・・)
「別に貴女が気にするほどでもないわ。ヲ級。
レ級だって、別に任務をこなしていないってわけじゃないし。」
「そうですかぁ。姫様がそう言うなら私は何も。
まぁ、でも、何かあった時は言ってくださいね?
呑むぐらいでしたら、お付き合いしますから。」
「あら、それは、助かるわね。
艦娘の記憶を持つあなたとなら、話せることも多そうだし。
そういえば、それとは全く関係ないんだけど、響とはどういう関係なのかしら?」
「あぁー。響さんは・・・。
元鎮守府の同僚、って感じですかねー。
今でもお互いに情報交換する仲ですよ。」
「なるほどねぇ。
まぁ、なかなか無い縁だし。大切にしなさい。」
港湾棲姫はそう言いながら、拠点の内部へと歩いて行く。
「そうさせていただきますよー。
響さんと話してると、楽しいですし。ね。」
ヲ級も港湾棲姫に追従するように、歩みをすすめながらも
笑みを浮かべるのであった。
◆
「気持ちいいね。港湾棲姫、流石だ。」
ドック(露天風呂)に浸かりながら呟くのは
頭にタオルを載せた響である。
「そうだねー。のんびりできていいなー。
横須賀もこのぐらい風情あればいいのになー・・・。」
そして、その隣では、最速の艦娘「島風」が
水にとろけてしまうんじゃないかと思うほどの
気を緩ませた表情をして、肩まで湯に浸かっていた。
「島風。いいのかい?さっきまですごい警戒してたけど・・・。」
「んー・・・。なんかみんななかよくやってるじゃない?
警戒するの馬鹿らしくなっちゃってさー。」
島風は顔を響に向けながら、更に言葉を続けていた。
「っていうか響ぃー。なんで横須賀付きの貴女がここにいるの?
金剛さんは仕方がないにしても、職務に忠実な貴女が
ただここにいるって訳はないわよね。」
響は島風の言葉を、いつもの無表情のまま、受け止めていた。
そして、少し天を仰ぎつつ、ゆっくりと口を開く。
「・・・完全に偶然さ。
本当は今頃、ショートランド泊地で、
司令官達の動きを調査しなくちゃいけなかったんだ。
それに関連してね、哨戒任務しながら艦娘の動きを観察してたんだけど・・・。」
響は一旦言葉を区切ると、どこからともなくウィスキーの
瓶を一本、取り出していた。
「金剛さんに出会ったのが運の尽きだよ。
気づいたら敵である深海棲艦と酒呑んで、ご飯食べて
なんだか知らないけれど、お風呂にまで入っちゃって。」
そして響は、ウィスキーのボトルの栓を開け
一気に口内へとウィスキーを流し込んでいた。
ゴッゴッゴッゴッ
「っふぅ。」
「響、もしかしてイラついてる?」
「うん。全く、全くもって予定通りじゃないから。
スケジュールもそうだし、金剛さんの行動もそうだし
・・・それに、私個人、ヲ級と交流があったんだけれど、
それでも、深海棲艦がこんなに私達と近いものとは思わなかった。」
「あー、確かにねー。
私もレ級がこんなに人懐っこいとは思ってなかった。
しかも、牡蠣すっごく美味しかったし・・・!」
「うん、確かに美味しかった。そういえばお風呂入る前に
あんこう鍋作るっていってたな・・・。ちょっと楽しみ。」
「だねー・・・・。」
響と島風は、今頃完成しているあんこう鍋を思い浮かべながら
だらしのない笑みを浮かべていた。
そう、きっと、レ級が作る逸品だ。お酒とも合うのであろう。
「・・・って、島風、そうじゃない。
私が考えるに、深海棲艦とのつきあい方によっては、
もしかして講和も有り得そうかなと思うんだ。」
島風は、響の言葉を受けて、少し考える。
(そうだねー。確かに。響の言うとおりだねー。
でも、どうなんだろう?
ここの港湾棲姫とレ級とヲ級が特殊、ってだけ、なんじゃ。)
「少なくとも。って言葉がつくけど
ここの港湾棲姫とレ級、ヲ級に関してはそうかもね。」
「うん、それはそう。ただ、港湾棲姫を足がかりにすれば
いままで判らなかった深海棲艦の動機と目的が判るかもしれない。
そういう意味では、無理やりここに連れて来てくれた金剛さんに感謝、かな。」
響はそう言うと、更にウィスキーを口に含む。
「あ、響ー。私にもボウモアちょうだーい。」
「ん、はい。それにしても、島風はどうしてここに来ることになったのさ。
大本営直属の貴女なら、レ級と港湾棲姫ぐらいなら避けれたでしょうに。」
島風は不思議そうな表情を浮かべる響をよそに、
ウィスキーをぐいぐいっと煽っていた。
そして、ウィスキーを響に手渡しつつ、顔を少し赤らめる。
「・・・その、なんていうか。完全に油断してて。」
「・・・えっ?島風が、かい?」
響は意外そうな顔を島風に向けていた。
島風は、響の顔を見ると、顔を真っ赤にさせながら、叫ぶ。
「だって!まさか!直接海面下に引き釣りこまれるとは思わなかったんだもん!
しかも、何よ!理由がお酒飲ませたいからって!
しかも、しかも!お酒も御摘みもすっごいおいしいじゃない!
・・・・・もう一回牡蠣、食べたいなぁ・・・。」
「あのね?落ち着こう?島風さん。
・・・そうか、いきなり海面下に引き釣り込まれたのか。
でもまだ相手が深海棲艦だったからいいじゃないか。
私なんかは、金剛さんに首根っこ掴まれたまま
無理やりここまで連れてこられたんだから。」
響の言葉に、島風は呆れた顔を浮かべていた。
というのも、金剛の自由さは帝国海軍内でも屈指である。
ただ、しっかりと武勲を残しているために、誰も文句が言えないのだ。
「おぅっ・・・金剛さん、さすがの行動力だねー・・・。」
「ね。それでいてしっかり任務をこなしてくるんだから、
金剛さんは本物の化物、だよ。」
そして響と島風は、改めて湯船に肩まで浸かる。
「・・・それにしても、のんびりできるね。」
「だねー。鎮守府に居る時は、私達基本的に気を張っていから、余計にねー。
・・・ねぇ、響。すっごいダメなこと思い浮かんだんだけど。」
「ん、奇遇だね。私も思い浮かんだんだ。島風。」
島風と響は、お互いの顔を見合う。
そして、全く同じタイミングで、口を開いていた。
「「時々、この港湾棲姫の拠点に来てリフレッシュ、しない?」」
「やっぱり、そう思うよね。島風。」
「うん・・・。だって、ご飯は美味しい、お酒も美味しい。
お風呂も最高。・・・そういえばお布団もふっかふかだったよ。」
「・・・鎮守府のせんべい布団が憎らしく感じるよ。
ねぇ、島風。本当に時々ここに来ないかい?」
「そうしたいよねー・・・。でも、港湾棲姫側がなんていうかなぁ。」
「あぁ、その点に関しては大丈夫じゃないかな。
だって、金剛さんと私を見ても、攻撃するわけじゃなく
『早く拠点に上がりなさい』とか言うぐらいだからね。」
響はそう言うと、ウィスキーを一気に煽り、瓶に残っていた中身を
全て飲み干していた。そして、島風の顔を見ながら、口を開いていた。
「それはそうとして、そろそろ出ようか。
レ級の鍋を食べに行こう。」
「あっ、そうだった。
いこうかっ、響っ。最速で食べつくすんだから!」
響と島風は、そう言いながら風呂を後にする。
そして、笑みを浮かべながら、
レ級のあんこう鍋を喰らいに、要塞の執務室へと、向かうのであった。
妄想捗りました。あんこう鍋(ドブ汁)がこの時期美味しいです。