自由なエリレさん。   作:灯火011

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ゆくえふめいの じんつう さん。

・・・どこいった?


どこかの じんつう さん

「うん。一発やりましょう。私。やっぱり納得いかないわ」

 

大宴会の時、私はそう言って、私に喧嘩をふっかけた。

 

「・・・うん。当然よね。あぁ、すっきりした。じゃ、またね?」

 

 私と勝負をしたとき、私はそう言って、海底へと沈んでいった。体は傷んでいたが、気持ちは晴れ晴れであった。

 

 それにしても私は容赦なく私を攻撃してくれたものだ。一応、私は私の片割れなのだから、少しぐらいは手加減してくれてもいいと思うの。

 

--デ、オマエハナンデココニイルノダ。ソンナ愚痴ヲ言イイニキタノカ?---

 

 あたりまえでしょう、愚痴ぐらい言わせなさいな。というか、なんで貴女がここにいるのよ。しかもそれ、港湾棲姫とよっぱらいのレ級が保管してたボウモアじゃない。殺されるわよ?

 

--イインダヨ。港湾ハ海軍ニイッテシマッタシ、ヨッパライモ消息不明ダシナ。ソレニ、娯楽ニ興ジタノハ私ガ一番オソインダ。コノグライノ役得ガアッテモイイダロウ?---

 

そりゃそうですけどね?でも、まさか貴女が海軍に協力するなんてね。宴会に参加したのも、てっきり内側から横須賀を攻撃するためかと思わったよ。

 

--ハ、蟠リハアルガ、我々ハ正面カラ当タル程度ノ誇リハアルサ。マ、消耗戦ヲツヅケテイテモシカタガナイト、判断シタノサ。我々ダッテ生キタイカラナ。ソレニ、人間ハ大丈夫ダ。我々ガ余計ナコトヲシナクトモ、前ヲムイテイタ。--

 

何いいことを言った、みたいなこと言ってるんですか。知ったふうに言うのが姫たちの悪いところですよ。

 

--アァ、マ。ヒトリゴトダ、ヒトリゴト。ソレニ私ハモウ、姫デハナイ。タダ残リノ艦齢ヲ潰ス、過去ノ残滓ニマミレタ、オ節介サン、サ。--

 

あー、まぁ、それには同意しますけどね。酒のんで肴つまんでる貴女と私は、とてもじゃないけど深海棲艦には思えませんしね。

 

--・・・ソレニシテモ、貴様ハ神通トタタカッテ沈ンダノデハナカッタカ?--

 

あぁー、来ました。その質問待ってました。引っ張ってくれちゃって。といってもネタもなにも無いですよ。沈む途中で、駆逐イ級に助けられたんです。「大丈夫なのです!?」とかいってね。高速修復材ぶっかけられて、燃料叩きこまれて、元気いっぱいですよ。

 

--ソレハ運ガヨカッタナ。--

 

 全くねー。人が沈む気でいたのに余計なことをしてくれたものです。ま、それで大宴会に戻るのもカッコ悪いですからね。ここに顔を出したら、貴女が居たってだけですよ。

 

--アァ、ココハ、貴様ガ守護ノタントウダッタナ。--

 

よくご存知で。

 

--マァ、コレデモ海域ヲマトメテイタノダカラナ。動向ハ、ハアクシテルサ。--

 

ま、それはそうとして、私にも一杯下さいよ。シラフで喋るのって結構、辛いんですよ。

 

 

「あぁ、気が利かずに申し訳ないな。軽巡棲姫。ほら、ボウモアに、肴のコンビーフだ。」

 

 南方棲戦姫とよばれた深海棲艦は、そう言うと、軽巡棲姫の前に、瓶と缶詰めを差し出していた。軽巡棲姫は、無造作にボウモアのキャップを取ると、口に咥えて一口を飲み干す。

 

「うん、これです、これ。やっぱり酒は美味しいですよ。」

 

「それはよかった。で、これからどうするんだ?貴様も海軍に往くか?」

 

 軽巡棲姫は一瞬考えこむように、腕を組む。

 

「それはそれで面倒くさいですね。ま、貴女さえ良ければ、ここのお風呂に浸かってゆっくりと余生を過ごしたいのですが。」

 

「は。・・・・ま、いい。好きにすればいいさ。」

 

南方棲戦姫は呆れ顔でそう言うと、ボウモアを煽る。

 

「えぇ。ではお言葉に甘えて。」

 

軽巡棲姫も同じように、ボウモアを煽りつつ、笑顔を浮かべていた。




妄想、ちょっとだけ、捗りました。

じんつう さん は。

余生は、温泉に浸かって、過ごすようです。
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