前の作品を好んで下さった読者の皆様方。本当にすいません。
0話と1話は大体、変わりません。と言うか、0話は使用カードが変わったのでむしろ、短くなりました。
本当に色々な意味ですいません。
俺は名前は
デュエルアカデミアを卒業したばかりで来月デュエルアカデミアの高等部に繰り上がる予定だ。
これから始まる新たな生活が始まると言うのに俺の心は憂鬱、いや、それを超えた暗い感情に包まれていた。
それはデュエルアカデミアの離島と言う地理から愛する養父と養母と離れ離れに暮らすことが原因ではない。
言っておくが、いじめが原因と言う訳ではない。まあ、中等部の1年の頃から何かと俺に突っ掛る奴は若干1人いるが。
〝マスター……〟
俺の名前を呼ぶ俺以外に聞こえない声が聞こえてきた
「どうしたんだ、ドラゴン・ウィッチ?」
それは俺の持つ【ドラゴン・ウィッチ-ドラゴンの守護者-】のカードに宿る精霊だ。
彼女は俺にとって掛け替えのないパートナーだ。
彼女はカードから出てきて俺に憂いの込められた顔を向けて来て
〝不安なんですか……?〟
俺の心中を察して、少しでも俺の心の闇を振り払う様に優しくそう言ってくれた。
俺はそれに僅かながらの温もりを覚えて
「……ありがとう」
彼女の優しさに笑顔で感謝の言葉を贈った。
俺は彼女の言葉に何度も救われてきた。
俺は色々な人間に裏切られてきた。
ある時は恋人に裏切られ、ある時は親友に裏切られ、ある時は幼馴染に裏切られ、ある時は血の繋がった家族にすら裏切られた。
それはこことは違う世界、いいや、正確には違う時間と言うべきでの出来事だった。いや、あれは裏切られたと言うよりも『忘れられた』と言った方が正しいのかもしれない。
俺はそれを何度も繰り返した。
どんなに違う人生を歩んでも俺は裏切られ続けた。
恐らく、仏教で言う輪廻転生と言うものなのだろう。
俺が悪いのなら理由を教えて欲しかった。だけど、俺がその訳を訊ねても彼らは俺を一方的に非難や罵倒してくるだけだった。
そんな虚しさと苦しみの中で俺を支えてくれたのはドラゴン・ウィッチだった。
俺が輪廻の中で苦しみ続ける中で唯一、神様に感謝することができるとしたら彼女に出会えたことぐらいだ。
輪廻の中で俺たちは不思議と必ず出会うことができた。
だから、俺は決して1人ではなかった。
それが俺のたった一つの光だった。
彼女の歌声が俺の心を癒し、何度繰り返される終わりの見えない暗闇の中でも歩みを止めずにこれた理由だ。
「……それに……もう、俺は慣れたよ……」
〝くっ……!マスター……!〟
俺の言葉にドラゴン・ウィッチは辛そうな表情を浮かべた。
だけど、これが俺の本心だった。
俺は他人を信じない様にした。
それが長い転生人生において、俺が学んだ裏切られることで受ける悲しみ、憎しみ、苦しみ、喪失感、切なさを和らげる唯一の自己防衛の方法だった。
だけど、俺はそれでも一つ一つの人生においては自分のことをある時を境にするまでは愛してくれていた人々のことは大切に思い愛してはいた。
それでも、俺は最初から期待などしてこなかった。
相手の信頼に応えるが自分は相手を信頼しない。
相手に優しくするが自分は相手に優しさを求めない。
相手を愛するが相手に愛を絶対に求めない。
そうすることで全てを失っても少しは痛みに耐えることができた。
「ごめん……だけど、大丈夫だよ……
俺は君がいる限り、絶対に挫けないよ。」
同時に俺は簡単に死ぬわけにはいかなかった。
俺が死んだら、俺のことを信じてくれる彼女を悲しませることになった。
だから、俺は必死に生き続けた。どんなに見苦しくも生き続けた。
親からすらも忘れられ、誰も頼れず生活に苦しむ中で俺は裏デュエルなどで生活費を稼いで生き続けた。
ダメージを受けるたびに死んだ方がマシかと思うぐらいの苦痛も襲ってきた時もあった。
それでも俺は生きたいと願った。
死ぬわけにはいかなかった。
悪意なんかに負けたくなかった。
俺にはこいつがいた。俺が死ねば、こいつが悲しむことになるから
そんな、死ぬよりも苦しい転生の中で俺は『光』を見た。
かつて未来で希望を持つことが決して間違いでないことを口にして、絆と共に戦い続けた英雄をこの目で見た。
今までの様に愛する人に裏切られて摩耗していた俺は彼の言葉に憧れと共に自分にはドラゴン・ウィッチがいることを思い出して、彼女との絆を支えにして生きた。
俺が絶望なんかに負けたら、それこそ自分をここまで信じてくれた彼女への侮辱になる。
「それに……俺は君のマスターだ……
いや、戦友なんだから絶対に諦めないよ。
それに俺は生きる理由がある。」
そう、今の俺には生きる目的があった
俺が唯一わかっていることは愛する人々に裏切られるタイミングが毎回、特定の人間が現れた直後であることと言うことだ。
そいつはデュエルの腕は中々だが、ドラゴン・ウィッチに
「あの男はカードの精霊から嫌われてます」と言われるほど嫌悪感を持たれている。
まあ、恐らく彼女は俺のことを気持ちを察して、そう言ってくれているのかもしれないが俺自身もあそこまで精霊に嫌われていると思える人間は見たことがない。
だが、俺にとってあんな奴はどうでもいい。
少なくとも、俺が『今』を生き続けるのはたった一つの『約束』のためだ。
『私たちにとっては
だから、絶対に幸せになってね。』
俺の死んだ実母の幼い頃に残してくれた言葉だった。
俺の裏切り続きの転生の中で俺が『その時』が来るまでは両親や家族の絆を大切にしようとしてきた。
それはきっと、『その時』が来るまでに感じたかった家族の愛情を求めてのことだったのかもしれない。
そして、母の日に俺が母さんに「お母さんが欲しいものは何?」と言う問いに対するあの人の答えがこれだった。
恐らく、父さんも同じ質問をしたら同じ言葉を行っただろう。
その両親は俺が10歳の頃に交通事故で亡くなった。
俺はそれに対して、悲しみを抱くと同時に安堵感を覚えた。
それは『その時』が来た際に自分のことを無条件で愛してくれた両親から拒絶されることがないと言うことなのかもしれない。
だけど、それでも俺は両親が死んだことは本当に悲しかったし、悔しかったし、苦しかった。
俺にできる唯一の親孝行は母さんとの約束を守ることだけだ。
コンコン
俺が物思いに耽っていると俺の部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。
「輝?ちょっと、部屋に入るわよ?」
俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた
「いいよ、姉さん。」
「じゃあ、お構いなく。」
それは俺の義理の姉である矢代
俺は実の両親の死後に親友であったこの矢代家に引き取られることになった。
「どうしたの?姉さん。」
ムギュ
「いや~、デュエルアカデミアのことなんだけど……
わからないことはないかしら?
困ったことがあったら、気兼ねなく相談しなさいね?」
姉さんは椅子に座っている俺の背後から抱きついてきてそう言ってきた。
ちなみに俺の身長はたった165㎝で姉さんは172㎝だから、姉さんからはかなり子ども扱いされている。
「大丈夫だよ、そのぐらい……
あと、お願いがあるとすれば流石に学校ではそう言ったスキンシップはやめてよ?」
「え~」
俺の頼みに姉さんが不満を表した。
ぶっちゃけると姉さんはブラコンだ。幼い頃から両親同士の親交で顔を会わすことがあり、当時から俺のことを弟の様に大切にしてくれて俺が10歳の時に初めて矢代家に来た時は一人っ子だった当時17歳だった姉さんは弟ができたことに喜びを感じて、子どもの様にはしゃいだほどだった。
まあ、義理の両親からは不謹慎だと言われて叱られたけど。
と言うか、姉さんは見た目は美人な大人の女性だけど性格はかなり子どもぽい。
俺としては『その時』が来たら姉さんも俺のことを拒絶すると思うからあまり親しくしたくないけど流石に何も知らない姉さんに罪はないのであまり冷たくしたくない。
だけど、さすがに小学生の頃から変わらずこう言ったスキンシップをされるのは恥ずかしい。
そして、俺が学校でスキンシップを止めて欲しい一番の理由は
「え~、じゃないよ。
そもそも、家族が教員にいる時点で目立つのに
スキンシップとかを他の生徒に見られたらさらに示しがつかないでしょうが……」
姉さんはデュエルアカデミアの教員だ。正確には今年から就任する予定だ。
姉さんは俺の知っているデュエリストの中で一番強いと思う。
長い転生の中で姉さんほどの実力を持つ人間は1人もいなかった。
おそらく、『あの男』も姉さんに勝てない。
本来ならプロの道を目指せるレベルなのにどうしてか教員になったらしいけど。
「まあまあ、そんな細かいことは気にせずに……ね?」
「ね?……じゃないよ!?
はあ……こんなのが『宝石の女帝』の素顔だと知ったら
ファンクラブの人は幻滅なんてレベルじゃないよ……」
あはは……マスター、ファイトです!
姉さんのあまりのブラコンぶりに俺は呆れと共に今まで感じてきた違う意味での諦めを感じた。
と言うか、今まで転生の中でも姉さんレベルに俺に親しくしてくれる人はいない。
今まで、恋人や幼馴染や妹、親友、もう1人の姉は俺に親しくしてきたけどここまで俺を疲れさせる人は誰もいなかった。
ドラゴン・ウィッチも苦笑しながら俺を励まそうとしてくれた。
うん、ドラゴン・ウィッチ、君は本当に俺にとっての清涼剤だよ。
感謝しているよ。
そして、俺のデュエルアカデミアにおける3年間の高校生活が始まる。
大体、変わらないです。本当にすいません。
と言うことでリメイク前とリメイク後の違いは
・会話できるデュエルの精霊はドラゴン・ウィッチのみ
・真紅眼シリーズを使用しない(真紅眼シリーズは吹雪さんの管轄なので)。その代り、とあるテーマのカードを使用する
と言うことになります。
本当にすいません。