――――気づいたら、そこにいた。
機械の体を機敏に動かしつつ、対峙する一般的な成人を上回る体格を持つ者の攻撃を必死に避けていく。その刹那見える肌は温度を感じさせない鋼色、つまり自分と同類のサイボーグを意味していた。
殴りを入れてはガードされ、蹴りを入れてはよけられと、自身と相手の実力差は明確だった。
そして相手が足をこちらに繰り出し、ガードしようとするも体に触れる寸前で止まり、それを
フェイントと察した時には自分の下半身は無かった。
痛みは無い。とっくの昔に機械と化した体だ。だが下半身が無くなってはもう動けない。
動けなくなり、目の前には敵が居る。青年の末路は誰の目から見ても明確だった。
(最早できる事は一つ......さようなら、博士.........)
青年が自爆しようとした時、空から何かが降ってきた。それが人だと分かるような速さ
ではなく、地面に衝突した瞬間に強い衝撃波が二人を襲った。どうやら向こうも困惑している
らしく、お互い何も行動できずに居た。
砂煙が晴れ、そこに見えたのは.......呆然とした様子で立っていた青年だった。
...何これ?
ベットで寝ていたはずなんだが...ここは何処だ。少なくとも俺が住んでいた所じゃ無い。
......これはアレか?族に言う異世界転生ってやつか?ぼくのしってるてんせいとちがう。
知らない天井どころか知らない空なんだが。
困惑な様子の金髪イケメンとでかいサイボーグ?が居るんだが、周りの惨状から見るにどうやらバトってたらしい。
......すごく気まずい。沈黙が辛いです。残念ながらコミュ症な吾輩にはキツイ試練です。
その静寂を破ったのは自分よりも一回り大きいサイボーグだった。
「オ前ハ何者ダ...?マサカ、ヒーローカ?」
ヒーローって何だよ(動揺)でも返さなかったら何されるか分かったもんじゃない。
「...俺はただの通りすがりだよ。あんたらの事なんか知らないね」
そう答え終わった瞬間、自分の前には拳があった。
「!!...あっぶねぇ...紹介をパンチで返すなんて非常識だなぁオイ!」
「フン...空カラ高速デ降ッテクル奴が常識ヲ語ルトハ滑稽ダナ。トドメヲ止メラレタノダカラ、ソノ位構ワンダロウ」
んな理不尽な。向こうはこちらを殺しにかかってくるらしい。
どうやって逃げるか考えてると、急にサイボーグの姿が消えた。
ふと嫌な気を感じ、背後を確認すると、そこには腕を振りかぶった姿がそこにあった。
やめろこっちくんなっ!
「.........ふぁっ...」
怠けな声を上げてしまったのを許して欲しい。何故なら―――――
体に大穴を空けて倒れているサイボーグがそこにあったのだから。
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