強すぎた男   作:@T

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皆さんが待っていたエヴァ編始まりますよ~(イエ~イ
短いですが……
あ、止めて。石を投げないで

では、本編↓をどうぞ


強すぎた男と桜通りの吸血鬼

 春眠暁を覚えずなんて言葉があるが、学生は暁を覚えなければ遅刻である

 皆は暁を忘れるなよ(迫真)

 

 

 

 満開の桜道を闊歩しながら生一はあくびをする

 周りの人達は急ぎ足で学校へと向かうが、生一は関係ないと更に速度を落とす。

 

「生一!」

 

 名前を呼ばれて生一は後ろに振り向く

 そこには自分より早く寮を出たはずの慶一が居た。

 

「慶一? お前、俺より早く出てなかったか?」

「噂の真実を確かめようと昨日仕掛けたビデオを取りにいってたんだよ」

 

「噂?」

 

 生一は首を傾げて慶一を見る

 慶一はカバンから取ってきたビデオを取り出した。

 

「そ。桜通りに吸血鬼が出るって言うな」

「吸血鬼?」

 

 慶一は生一に動画の一部を見せる

 その動画には人ぐらいの何かが木の上を駆ける場面が映し出されていた

 だが、暗いために顔がよく見えない。

 

「これじゃあ吸血鬼かは分からないが、今日は決定的な場面をとってやる」

「……まぁ、頑張れよ」

 

 生一はくだらない、と歩き始める

 この時、生一は忘れていた

 友人が昔言っていた言葉を……

 

“あ、生一。この学校には私の古き友がいますので、もし生一が闘う事になりましたら手加減してあげて下さい”

“よく分からんが、分かった”

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 時は進み放課後

 特にこれと言った出来事はないまま学校が終わった。

 

「生一、生一」

「どうした、慶一?」

 

 生一の席は窓側の一番下だ

 前には慶一が座っている。

 

「今日、女子中学生が噂の吸血鬼に襲われたらしいんだ」

「何?」

 

 生一は慶一の話に耳を傾ける

 ただの噂かと思っていたが、実害が出たと言うのならそれは“魔法”に関わる事だろう

 生一は詳細を慶一から聞き出す。

 

 曰く

 ・今朝、桜通りで倒れている女子中学生が発見された

 ・首もとに噛み痕の様なものがあった

 ・貧血のようであった

 ・倒れた時の記憶が無いらしい

 

「正式な情報は女子の新聞部から聞く。が、生一に真意を確かめてきてほしいわけだが……」

「すまん、用事が出来た」

 

 慶一が呼びとめようとするが生一は部屋を出て行く

 そして、彼は桜通りに向かった……

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 夜の桜通り

 街灯で照らされた桜が幻想的な風景を醸し出す。

 

「遅くなっちゃった、早く帰らなきゃ……」

 

 その桜通りをのどかは通ろうとしていた

 図書館島で部活に精を出しすぎた所為である。

 

(あ、そう言えば桜通りって……)

 

 桜通りに入ろうとして今朝の噂を思い出す

 普通ならただの噂と思うが、自分と同じクラスの一人が此処に倒れていたせいで噂が真実味に思える

 しかし、だからと言って此処を通らなければ大きく迂回するしか寮に帰る事は出来ない。

 

 寮の門限もあり、通らなければ帰る事が出来ない状況にのどかはあった

 

(だ、大丈夫だよね? 噂だし……ね?)

 

 恐る恐るのどかは桜通りに一歩踏み出す

 そんなのどかの後ろから手が一本伸びていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-----ポンポン-----

「ひゃ!」

 

 肩を突然叩かれてのどかが悲鳴をあげる

 恐がっている直後に後ろから何かあれば当たり前だろう

 

「うおっ!」

 

 突然の悲鳴に肩を叩いた人物は驚きの声を出す

 そしてそれはのどかも知っている声だった。

 

「へ? 生一さん?」

 

 のどかは震えながら後ろを見る

 そこには手を上にあげたまま固まっている生一が居た。

 

「……すまん、驚かせたか?」

「あ、いえ。吸血鬼かと思って……」

 

「そうそう、吸血鬼。危ないから寮まで送っていくよ」

「へ? 門限は大丈夫なんですか?」

 

 勿論、生一の寮も門限はある

 しかし……

 

「寮長から許可をもらってるから大丈夫」

 

 寮長は魔法を知っている人なので言い訳は簡単である

 

「って事で寮の前まで送ってくよ」

「あ、ありがとうございます」

 

 そして桜通りを二人で並んで歩く

 勿論、のどかの顔は赤い。

 

(私、生一さんと並んで歩いてるの? これって夢?)

「そういやのどかちゃんはこんな時間まで何してたの?」

「ふぇ?! え、え~っと……図書館島で部活を……」

 

「部活熱心は良いが、あまり遅くなったら危ないよ? 次からは気をつけてね」

「は、はい」

 

 他愛も無い会話をしながら桜通りを歩いて行く

 そして通りも半ばまで過ぎた時、生一の直感が発動した。

 

「……来たか」

「へ?」

 

 生一が呟いた後、近くの街灯に陰りが出来る

 その影を辿っていくと、そこには居た。

 

 マントを羽織った小さな身体

 街灯の明かりで反射するブロンドの髪。

 

 それは生一にも見覚えがある者だった

 

「……今日はお前を獲物にするとしよう」

 

 瞬間、のどかは悲鳴をあげ後ろに倒れる

 生一はのどかを支えながらその者を見た。

 

「魔眼か……まさか、明日菜ちゃんと同じクラスの君が吸血鬼だったとはな」

「ほう。私の魔眼を見て気絶しないとは……魔力もあまりないみたいだが、魔眼持ちか?」

 

 その者は街灯から下り、生一達の前に着地する

 

「まあ良い。その娘を渡せ。そうすれば命は獲らないでやる」

 

 その者は生一に向かいそう言う

 なんとまあ尊大な態度だろうか

 しかし、生一の前では魔法使いの態度は大体こんなものだったので心境は変わらない。

 

「なんとまあ、傲慢だなあ。足下掬われても知らないぞ?」

「ふん。私を誰だか知らないみたいだな」

 

「何? 君、有名なの?」

「ふん! 私の名前は『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』。通称、『闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)』だ!」

 

 そう言いエヴァは見事なドヤ顔を生一にする

 それはまさにTRPGのドヤ顔でクリティカルが出たぐらいに見事なものだった。

 

「?」

 

 だが残念。生一には利かなかった

 生一は首を傾げエヴァを見る。

 

「有名なの?」

「何! 貴様、私を知らないだと!?」

 

「ダーク♂エヴァンジェルなんて卑猥な名前は知らん」

「待て、待て。♂はなんだ♂は! 私はダーク・エヴァンジェルだ!」

 

 そもそも、生一に魔法使いの常識は通用しない

 生一の家庭は一般家庭であり、魔法と関わったのは偶然である

 結果、魔法使いのなまはげなどは知らない。

 

「ふん。やはり一般人は魔法を知ってもしょせん一般人か」

 

 そう言いエヴァは懐から試験管を取り出し、投げる

 生一はそれを見て眼を細めた。

 

「……氷爆」

 

 エヴァの呟きと共に試験管が爆発して氷の飛礫が生一に飛来する

 一般人ならそれをくらい一撃でノックアウトされるだろう。

 

「よっと」

 

 だが、勿論生一は違う

 のどかを抱き寄せて宙を蹴り上げる

 

-----ブオッ-----

 

 それだけで風の壁が発生した

 氷の飛礫は風の壁に舞い上げられ生一にの後ろに転がり落ちる。

 

「は?」

 

 エヴァの間の抜けた声が当たりに響く

 人間、本当に驚いた時はそんなに言葉を発せられないものだ。

 

「……イヤ、待て待て。なんだ今のは! 貴様、何をした!?」

 

 エヴァが気を持ち直して生一に問う

 生一はその問いに困った様に頭を掻いた。

 

「何って……空中を蹴って風を作り出しただけだが?」

 

 何事もなさそうに言っているがこの男、風魔法の中級程度の威力の風を生身で起こしているのだ

 

「貴様もバグか!?」

「バグではないな、人間だ」

 

 にこやかに生一は笑うが、エヴァにはその笑みが不気味に見えた

 

「待てー!」

 

 そんな殺伐とした空気を破壊する一人の少年先生

 のどかの悲鳴を聞きつけて文字通り飛んできたのだろう。

 

「あれ? 生一さん? それにマクダウェルさん?」

「おお、ネギ君か」

「ちっ!」

 

 生一がネギに反応している間にエヴァは舌打ちをして逃げ出した

 

「あ! 待てー!」

「へ? ちょ、待て、ネギ君!?」

 

 それをネギは追いかける

 生一も追いかけようとするが、左腕の重さを思い出して踏みとどまった。

 

(ああ、くそ。のどかちゃんを置いていけねーし……)

 

 思案する生一の耳に足音が二つ

 

「ネギ、勝手に先に……って生一?」

「あれ? 生一さんや」

「明日菜ちゃんに木乃香ちゃん?」

 

 生一は声に後ろを振り向く

 勿論、のどかを腕に抱えながら

 

「宮崎さん!? 生一、まさかアンタが!?」

「ほぇ~、生一さんが桜通りの吸血鬼だったんか~?」

「は? あ、いや、これは……」

 

 慌てて生一はネギ達が行った方向を見、思案する

 

(明日菜ちゃんはもう巻き込まれてるっぽいからいい……いや、良くないが、木乃香ちゃんは巻き込まれてないから説明できない。だからといって俺は魔法が使えないから記憶も消せないし……ああ、くそっ!)

 

 そして生一は考えるのを止めた

 

「明日菜ちゃん、のどかちゃんを頼む。俺はネギ君と吸血鬼を追う」

 

 のどかを明日菜に押し付けて生一は走り出す

 

「は? ちょっと待ちなさいよ生一……もういないし」

「生一さん、風みたいきえてもうたな~」

 

 明日菜と木乃香は唖然とそこに立ち尽くしていた……

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「ふぅ、焦った焦った。さて、ネギ君はっと……」

 

 なんとかのどかを明日菜達に任せて離脱した生一は

 “空”に居た。

 

「何処だ何処だ~?」

 

 自然落下をしながら生一は眼下を見渡す

 障害物が無い方が探しやすいのと、直ぐにネギまで辿り着く為に生一は空に居たのだ。

 

「あ、居た居た」

 

 建物の屋上にネギとエヴァが居るのを見つける

 そして宙を蹴り加速。

 

-----バフンッ-----

 

 破裂音を響かせて夜の空を跳ぶ

 さながらどこぞの怪盗の気分である。

 

「ほい、到着……」

 

 建物屋上に着地し、二人の方を見る

 そこで生一はネギが拘束されている事に気付いた。

 

「茶々丸ちゃん?」

「生一さん?」

 

 拘束を行っていたのは生一の友人と言える者であった




中途半端ですが、今回はこれで終わりです
次回は『強すぎた男と絡繰少女』
題名のとおり茶々丸編です
茶々丸と生一の関係は次回で

ではでは、また次回
あ、感想待ってます
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