強すぎた男   作:@T

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どうも一か月に一回の更新になってしまう今日この頃
いったい完結は何年後になるんだ!?
と自分に戦慄を隠しきれません
そんな事より本編↓どぞ


強すぎた男と山籠もり

 前回の襲撃を失敗してしまったネギは罪悪感と恐怖にとらわれていた

 

「兄貴~元気だしましょうぜ? まだチャンスはあるんですから……」

「そうよ。もし、駄目だったら高畑先生に頼んでみるとか……」

 

 明日菜とカモがそう告げるが、ネギの罪悪感は別にあった

 

(僕は茶々丸さんに手をあげてしまった。自分の生徒に手をあげるなんて教師失格だ……)

 

 自らの失敗を責めていたのではなく、自分の行動を責めていた

 たとえ敵であったとしても、彼女は生徒で自分は先生であるのだと行動を起こしてから気づいたのだ。

 

 もし、彼女に傷を負わせていたのならば、その罪悪感から故郷に戻っていただろう

 

 そして、未だに存在するエヴァと言う存在が恐怖を駆り立てる。

 

(僕は……僕は……)

 

 そんなネギの罪悪感と恐怖に気付かず一人と一匹は話している

 

「で、カモ。案はあるの?」

「へい、明日菜の姉さん。今回の襲撃で相手は警戒してると考えられるんで……」

 

 だから、彼女達は止められなかった

 

「うわぁぁぁぁぁん!!」

 

 ネギが起こした現実逃避と言う逃走に……

 

「ちょ、ネギ!」

「兄貴ー!」

 

 一人と一匹の声を無視してネギは空へと杖に乗って飛んでいく

 何処の宛もなく、ネギは空を彷徨うのであった。

 

「どうする姉さん!? 兄貴が行っちまったぜ!?」

「大丈夫よ。こう言う時に頼れる奴が居るから」

 

 そう言い明日菜は電話帳から目的の人物を見つけ、電話を掛ける

 

-----プルプル プルプル-----

 

 何度かのコールの後、電話は繋がる

 

-----ブツッ-----

 

「あ、生一?」

《おかけになった電話番号は電波がないか、電源が入っておりません》

 

 電話サービスに……

 明日菜は無言で電話を切った

 

「どうでした、姉さん?」

「繋がんない……どうしよ」

 

明日菜とカモは途方にくれるのであった……

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 麻帆良の裏手にある森の中、その渓流に生一は居た

 

「……」

 

 竿を持ち静かに手から伝わる振動に集中する

 その生一の後ろに音をたてずに少女は現れる。

 

「釣れたでござるか? 生一殿」

「ん……まあまあかな」

 

 糸目の少女『長瀬(ながせ) (かえで)』に生一は釣った魚を見せる

 

「……8匹でござるか」

「まぁ、楓ちゃんと二人だけならそんなにいらないしね……そっちはどうだった?」

 

 生一にそう聞かれると楓は背負っていた籠を横に置く

 

「おお。結構とったね」

「にんにん」

 

 それは満足している時に使う言葉なのであろうか? と疑問に思っていた生一の竿に大きな振動が伝わる

 

「む。大物の気配!」

 

 そう言い生一は竿を真横に(・・・)大きく引く

 竿に付いていた糸はその力に勢いよく引かれ、遥か上流に投げ込まれていた針を引っ張る。

 

「……何時も思うのでござるが、生一殿の釣りは何かおかしくないでござるか?」

「そうか?」

 

 二人が会話している間に針に引っかかっていた獲物は生一の前へと飛んでくる

 生一は子供の大ほどの大きさの獲物をそのままキャッチした。

 

「大……物?」

「イヤ、それはどう見てもネギ坊主でござるよ生一殿……」

 

 生一と楓は顔を見合わせた

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「すまんな、ネギ君。竿なんかで引っ張っちゃって」

「い、いえ。僕が針にひっかかかっちゃったのが悪いですから」

 

 ネギ君を釣った生一はそのネギと会話しながら釣りを再開していた

 座っているネギは服を乾かす為に火にあたっている。

 

 ちなみに、楓は男と男の話をすると言って生一に追い払われた

 

「それで、なんでこんなとこに来たんだネギ君? ハイキングしていた様には見えないが?」

「あ、えっと……その……」

 

 しどろもどろになりながらネギは言葉を紡ごうとするが、まともに言葉が出てこない

 これは生一が魔法関係者でありながら魔法使いではないことから話して良いか戸惑っているからである。

 

「……」

「……まぁ、話したくないなら構わないよ」

 

 やがて言葉がなくなると生一は諭す様に言う

 ネギと言う存在が抱えているプレッシャーに気付いているから出る言葉だ。

 

「ネギ君がエヴァちゃんと闘っているのは知っている。だけど、俺はそれに介入する事が出来ない。これは、君と言う先生の立場と生徒の問題だからだ」

「!……はい」

 

 詭弁だ。と思いながら生一は言葉を紡ぐ

 

「……だからと言って相談に乗っちゃいけない訳じゃない。何か困っているのなら相談に乗る事は出来る」

 

 生一はなんとなくだが察していた

 このままネギを放置すれば彼は“折れる”

 

 それは経験から分かる

 “折れかけた”者だから分かる状況だ。

 

「……何か困っているなら教えてくれないかな?」

「……」

 

 ネギは黙り込む

 ネギの頭の中でどの様な迷いがあるのか生一には分からない。だから生一は言葉を待った。

 

「……生一さんは、乗り越えられない壁があったらどうしますか?」

 

 数分待ってやっと紡いだ言葉

 生一はネギの質問に笑って答える。

 

「色々な方法を探すだろうな、手段は問わない。本当に乗り越えなければいけない壁ならどんな事をしても乗り越える」

「……」

 

 その言葉にネギは昨日の事を思い出す

 

「……それが矛盾していたとしたら?」

「……要するに、守りたいモノを守る為に守りたいモノを失うってことかい?」

 

 やけに具体的な応えにネギは戸惑いながら頷く

 その返答に生一は苦笑しながら答えた。

 

「俺は許容しないね。他の方法を探し出す。どんな方法を使っても」

「そう……ですか」

 

 その答えがネギの求めている答えではないことに生一は気付いた

 だからこそ、他の答えを言う。

 

「もしその答えを思いつかないのなら……誰かに頼ればいい」

「へ?」

 

 ネギは素っ頓狂な声を上げる

 そこまで可笑しいかと生一は苦笑した。

 

「だって、自分で思いつかないんだろ? だったら他の人に頼るしかないじゃないか?」

「で、でも。迷惑に……」

 

「君の周りには頼りになる人は本当にいないか? 頼ったら苦笑しながらでも手伝ってくれる人はいないか?」

「!」

 

 ネギの頭の中で一人の少女が浮かぶ

 しかしそれを首を振って消した。

 

「もし居ないなら……そうだな……決めるんだ」

「……決める?」

 

 生一は頷く

 

「ああ。自分の心で後悔しない選択を……な」

「後悔しない……選択」

 

 生一の意味深な言葉にネギは額にしわを寄せて頷く

 そんなネギの顔に生一はまた苦笑した。

 

「……ま、そんな事が出来る人間は殆どいないけどな」

 

 一気に気の抜けた空気にネギはずっこける

 生一はそんなネギの様子を楽しみながら竿を引いた。

 

「……生一さんはそんな選択を出来たんですか?」

 

 ネギの質問に生一は釣れた魚を籠にしまうと竿を置いて考える

 そして、少し間を開けてから言った。

 

「……いや、

 

 今でも後悔している選択を俺はした」

 

 どこか懐かしむ様に生一は頷きながら言う

 それは後悔していたとしても納得していると言った表情だった。

 

「……それでも、前に進まなきゃいけないんだ人間はな」

「……生一さんは強いですね」

 

 ネギの言葉に生一は眼を伏せる

 

「……俺は弱いさ」

 

 そう言って石を掴み下流に投げ込む

 石は一度も跳ねずに川に沈んだ。

 

「俺を支えているのは一つの約束。その支えが消えたら俺は立てなくなるだろうな」

「約束?」

 

「そう、“約束”だ。たった一つのな」

 

 また下流に石を投げ込む

 今度は三回ほど跳ねてしずんだ。

 

「その約束を守る為に今俺は生きてる……まぁ、死ぬ気はないけどな」

「……」

 

 やがてネギも生一と同じ様に石を下流に投げ出す

 石は生一よりも多く跳ねた。

 

「お。上手いな」

「えへへ」

 

 二人はしばらくその遊びに興じる

 それは周りに手ごろな石がなくなるまで続いた。

 

「ふぅ。石がなくなったか……どうだ、楽しかったか?」

「あ……」

 

 生一の言葉にネギは何も考えずに遊んでいた事に気付いた

 

「色々考えるのは良いけど、考え過ぎるのも駄目だ。頭が煮立っちゃうからな」

「……そうですね」

 

「ま、頑張れ男の子。どんなに迷ったって考えたって君の人生だ、悔いがあろうが無かろうが突っ走れ」

「……はい!!」

 

「よし、良い返事だ」

 

 生一はネギの頭を乱暴に撫でる

 その二人の姿は仲の良い兄弟か父子の様に思えた。

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 その後、楓が山菜取りから帰還し、山の中を三人で駆け回った

 

「ふぃ~。今日はよく駆け回ったな」

「ははは。生一さんは全然息を乱してなかったですけどね」

 

 少し大きなドラム缶風呂で生一とネギは一緒に入っていた

 それは他から見れば確実に父子の様に見える。

 

「生一殿、湯加減はどうでござるか?」

「ん? 少し熱くてちょうど良いって感じだな。ネギ君はどうだ?」

「はい。僕もそう思います」

 

「では、拙者も失礼して」

「「ちょ、ま」」

 

-----ボシャン-----

 

 生一とネギの静止の声も聞かず楓はドラム缶の中へと入る

 生一とネギの二人で丁度いい程度の大きさだったドラム缶は楓が入った事で少しキツイ程度になった

 状況は生一と楓にネギが挟まれているという状況である。

 

「はぁ~……少しは慎みを持て」

「にんにん。なんの事でござるか?」

「あうあう」

 

 向かい合っている状況なので生一は横へと視線をずらす

 ネギは楓の所為で顔を真っ赤にしていた。

 

「ほれ、ネギ君が壊れかけてるぞ」

「むむ。ネギ坊主は初心でござるな」

「あう~」

 

「生一殿は流石に慣れてるでござるな」

「毎回されれば慣れる慣れないじゃないだろ?」

「あう~……生一さんはよく楓さんの山籠もりに付き合っているんですか?」

 

 生一はネギの疑問に笑って答える

 

「時々だよ、時々。毎週こんな事をしてたら休まる時間が無くなっちまう」

「拙者としては毎週しても良いでござるよ?」

 

「勘弁してくれ……」

「ふ、不純異性交遊は駄目ですよ!」

 

「「……ははは」」

 

 二人はネギの言葉にそう言えば先生だったなと思い出し笑いだす

 

「わ、笑わないでくださーい!」

 

 真っ赤になって言うネギの顔に更に笑う二人だった

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 テントで三人で雑魚寝をしている夜

 ネギはこれからの事を考える。

 

(自分が後悔しない選択……か)

 

 ネギとしてはエヴァや茶々丸とは闘いたくないと思っている

 それは二人が自分の生徒だと思っているからだ。それがたとえ悪の魔法使いと従者だとしても……

 

(だからって昨日みたいに奇襲をするなんてしたくない……)

 

 ネギは生一の言葉を思い出す

 そして、自分にもまだ出来る事があったのではないかと反省した。

 

(おじいちゃんから貰った魔法道具もまだ残ってる。まだ僕の全部を出し切れてない)

 

 そう考えるとネギは初めて今の状況を省みることができた

 

(初めての出来ない事(かべ)に僕は深く考える事をしなかった。まだ出来る事があるのに、試してない事があるのに……僕は逃げ出した)

 

 ネギは自らを叱咤する

 

(僕は周りから言われていた“天才”と言う言葉に天狗になってたんだ。何が天才だ、まだ社会も知らない小さな子供だ)

 

 ネギは眠っている二人を見る

 

(長瀬さんは僕の悩みに気付いていて僕を心配してくれた。今日の山遊びは僕の悩みを少しでも解消しようとする為……)

 

(生一さんは僕に助言をしてくれた……自分みたいに後悔する選択をしない様に)

 

 ネギは二人の心遣いを噛みしめる

 

(僕は……)

 

 ネギは決める。後悔しない選択を……

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 早朝。ネギは二人が起きる前にテントから抜け出す

 そして周りが一望できる崖まで来た

 

「来て、僕の杖」

 

 杖はネギの声に応える様にネギの前に現れる

 

「……」

 

 ネギはテントの方向を少し見て、杖に跨った

 

「……帰ろう。色々と準備をしなきゃ」

 

 そう呟いて空へと舞い上がる

 その眼にもう迷いは無かった。

 

「……行ったか」

「ネギ坊主の悩みは解消出来たようでござるな」

 

「……さあね。少しでも後悔しない選択をする事を願うだけだよ」

 

「ふむ……生一殿、一手ご指導願えるでござるか?」

「そう言えば今回、組手もしてなかったな。まぁ、良いよ」

 

 

「では……逝くでござる!」

「踏み込みが甘い!」

 

 麻帆良の山中で大きな音が響き渡った……




※感想板でのアンケート募集は違反になると言う事なので活動報告にてアンケートはお願いします
(∩´∀`)∩


A.さよ外伝『成仏できない地縛霊』

B.先生組外伝
 『貴女に花を(しずな先生)』『先生と生徒(刀子先生)』『シスターの私情(シスターシャークティー)』

C.チア組外伝『男子高校生の日常』

D.その他要望のキャラ

書いていて思いましたが、さよは修学旅行に連れていきたいのでもしかしたら強制になるかもしれません
Dには好きなキャラを入れてください。アンケートで一番多く票が入ったものをエヴァ編が終わったら書きます
期限はエヴァ編が終わるまでなんで、気軽に投票してください

そして、お気に入り登録600超えを記念して、生一にはちょっと違う世界に飛んでもらいます
そこで、逝ってもらう世界を皆さんに決めてもらおうと思います
候補は↓の4つです

1.Fate zeroの世界
 『約束を破りし復讐者は何を願う?』←but END後の生一が喚ばれます

2.問題児たちが異世界から来るそうですよ?の世界
 『一般人(笑)が異世界から来るそうですよ?』←GooD END後の生一が喚ばれます

3.インフィニット・ストラトスの世界
 『ぶっちゃけ素手の方が強い』←Good END後の生一が逝きます

4.アクセル・ワールドの世界
 『心意使いの仮想体』←生一が転生します(能力は変わらない)

どれも無双します(白目)
興味があったら答えてください。
へ?ない場合? そしたら……生一に逝かせたい世界を書いてください(笑)

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