強すぎた男   作:@T

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gdgd注意!
今回の物語は生一の真名と刹那との出会い編?
となっております。(実際はフラグが建つ話です)
話が所々可笑しい点があるかもしれませんが、スルーでお願いします
雰囲気を楽しんでください

そして最後に、遅くなってすみませんでした(土下座)


外伝・深夜のアルバイトは危険が一杯

 真夜中の時間、道の街灯が辺りを小さく照らす

 その様な暗い闇の中、彼等は集まっていた。

 

「今日、生一君は真名君と刹那君の二人と組んでおくれ」

 

 学園長がそう生一に言う

 生一がアルバイトとして夜中の警備をやるのは今日で12回目だ

 何時もは同学年の高音と組んでいるが、慣れた頃合かと他の魔法生徒と組ませる事にしたのだ

 

 そこで白羽の矢が立ったのが真名と刹那だ。

 

「よろしくね、真名ちゃん、刹那ちゃん」

「よろしく先輩。まぁ、私達は先輩がどれだけ出来るのか知らないから、期待しておくよ」

「・・・・・・」

 

 真名が友好的に話しかけてくるのに対して、刹那は生一と眼を合わせようとしない

 

「え~っと・・・・・・」

「ああ、刹那は気にしないでくれ。実力も知らない相手に背中を任せたくないだけなんだ」

「真名、先に行っているぞ」

 

 刹那はそう言い先に行ってしまう

 

「まったく・・・・・・」

「刹那ちゃんは初めての人と組む時は何時も?」

 

「まぁ、私が見てる範囲ではね。私とまともに会話する様になったのも5回ほど組んでからだしね」

「・・・・・・損な性格をしてるね(ボソッ」

 

 生一はそう呟き真名を見る

 真名は呟きが聞こえていたのか肩をすくめると刹那の方へと向かった。

 

 生一の横を通り過ぎる時

 

「私も、実力が分からない人に背中を任せる程お気楽ではないよ」

 

 と真名は呟く

 勿論、生一に聞こえる様にだ。

 

「・・・・・・まったく、信用されるのも一苦労だな」

 

 生一は頭を掻いて二人の後を追った

 

 

真名side

 

 

 彼は不思議な男だった

 

「ん~・・・・・・居ないね~」

「・・・・・・」

 

 気も魔力も一般人と変わりない程しかもっておらず、隙だらけにしか見えない

 かと言って一般人かと言ったらそれは違う

 

 私の魔眼は彼を見極められない。

 

「・・・・・・」

 

 人とは違う何か、だが魔族や妖魔と言った類ではない

 彼は人にして人では無い

 

 それが私の印象だった。

 

「お?あれは・・・・・・」

 

 先を見つめていた彼が何かを見つけた様だ

 

「ちょっと魔法使いっぽい人が居るから話してくるわ」

「へ?」

 

 彼はそう言い終わるやいなや前方へと駆け出していく

 私は彼の方向に眼を向ける

 

 それは私の魔眼だからこそで見える位置

 魔法により隠蔽された場所に人の様なものが視えた。

 

「真名、あの人は・・・・・・」

 

 刹那が私に確認してくる

 

「信じられないかもしれないが・・・・・・」

「・・・・・・そうか」

 

 刹那が私の言葉に納得するが、私は未だに納得出来ていない

 何故なら彼は、“木々に邪魔されて普通なら見えない750m先の術者を発見した”のだ。

 

 私は魔眼によって見つける事が出来た

 だが、彼はどうだ?私と同じ様な魔眼をもっていたのか?

 イヤ、先ほど確認したが彼にその様なモノは無かった。

 

 なら、彼はいったいどうやって・・・・・・

 

「どうやら、私のお相手はお嬢さん方の様ですな」

「「!?」」

 

 思考を中断し声の方向を見る

 そこにはシルクハットを被った老年の男性の姿をした悪魔が居た。

 

「術者の方向に一般人が行った様ですが・・・・・・まぁ、気にしないでおきましょう」

「刹那・・・・・・」

「ああ、分かっている」

 

 私は刹那に声を掛ける

 刹那も私の言いたい事が分かったのか刀を抜く。

 

「おやおや、もう始めるのかな? 私としてはお嬢さん方と友好的にお話をしたいんだが・・・・・・」

「残念だが、悪魔と話す趣味は無いよ」

 

 警戒しろ、目の前の相手は上級悪魔の可能性が高い

 私が刹那にそう言い、刹那は静かに頷いた。

 

「ふむ、無視されるのは寂しいですな・・・・・・」

「「・・・・・・」」

 

 刹那がゆっくりと悪魔との距離を詰めていく

 距離にして20m。刹那なら即座に斬り捨てられる距離だ。

 

「そうだ! 貴女達の秘密をあばいてあげましょう!」

「「?」」

 

 何を言っているんだこの悪魔は・・・・・・

 

「そうですね・・・・・・では、まず貴女!」

 

 悪魔はそう言い私の方を指差す

 

「貴女・・・・・・普通の人間ではありませんね? 魔族とのハーフでしょう?」

「!」

 

 私は発砲する

 刹那は私の行動に驚いて私の方を見た。

 

「おやおや、いきなり発砲してくるとは酷い。私は本当の事を言っただけなのに・・・・・・」

「すまないが、冗談は好きじゃないんだ」

 

 悪魔は私の言葉に肩をすませた

 弾丸は悪魔の横を通り過ぎるだけで終わった

 

 そして今度は刹那を指差す。

 

「貴女もハーフですね? しかも、鳥族と人間の間に生まれ、忌み子と言われる真っ白な翼を持ってしまった」

「な!」

 

 刹那が戸惑いの声を上げる

 反応からして本当なのだろう。

 

 だが、今はそんな事は関係ない

 

「刹那・・・・・・」

「ああ、分かっている」

 

 この悪魔は速く始末しなければいけない

 この悪魔は危険だ。

 

「おやおや・・・・・・では、死合うとしましょうか」

「はあぁぁぁ!」

 

 刹那が瞬動で悪魔の前へと移動する

 そして、その手に持つ野太刀を振り下ろした

 

「斬岩剣!」

「ふむ・・・・・・」

 

 悪魔は刹那の斬撃を横に身体をずらして最小限の動きで回避する

 まるで最初から分かっていた様に・・・・・・

 

「なら、これはどうだ?」

 

 両手に持つ二丁の銃を悪魔に連射する

 弾丸は悪魔の頭、胸、両腕、両足に向かって発射された

 

「残念」

 

 だが、どの弾もまるで目の前に壁があるかの様にはじかれる

 十中八九、魔力障壁だろう

 

「くっ。弾代をケチらなければよかった」

「そちらの攻撃はおしまいですね? では、私の番です」

 

 悪魔はそう言うとシルクハットを上空へと投げる

 

「既に貴女達は私の舞台上です」

 

 悪魔がそう言った瞬間、世界が紅く染まった

 

「では劇を楽しんで下さい」

 

 私の視界も深紅に染められた・・・・・・

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「・・・・・・ん。ここは・・・・・・」

 

 眼を開けると真っ白な空間に居た

 前後左右真っ白な世界

 

「私は・・・・・・」

 

 真っ白な世界に私だけが居た

 此処が何処だか分からない。

 

「あの悪魔は・・・・・・」

 

 眼に見える範囲に敵と思われるモノは居ない

 ありがたい事に隠し持っていた銃はちゃんとあった。

 

「マナ」

「!」

 

 後ろから声が聞こえて迷わず発砲する

 声を発した人物は慌てて私の弾丸を回避した。

 

「な、何をするんだマナ! 危ないじゃないか!」

「・・・・・・へ?」

 

 目の前に居る人物をしっかりと視認できない

 そうだ、彼が居る筈は無い。だって彼は・・・・・・

 

「なんで・・・・・・どうして・・・・・・貴方は死んだ・・・・・・」

「は? なんで殺されてるの俺? 一応相棒だよね?」

 

 私の目の前で死んだ筈だ

 

「前の戦場で疲れたのか? それなら寝てて良いんだぞ?」

「・・・・・・」

 

 気付けば周りは真っ白ではなかった

 屈強な男達が銃を片手に酒盛りをしている

 

 思い出した。これはあの戦場に行く前の日の記憶だ

 そして、その戦場で彼は・・・・・・

 

「本当に大丈夫か? お前らしくないぞ?」

「・・・・・・ああ。大丈夫だ」

 

 彼と居る時は幸せだった

 彼が居なくなった時は絶望した。

 

「良い夢を見れたよ。だが、もういい」

 

 私は彼の眉間を撃ち抜いた

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「がはっ、ごほっ」

 

 止まっていた呼吸を無理矢理動かす

 あのままだったら後数分もしないで私は死んでいただろう

 

「おやおや。良い悪夢(ゆめ)を覚ましましたか。あのまま幸せな悪夢の中で逝ってしまえば良かったものを・・・・・・」

「ああ、良い夢だったよ。だから・・・・・・」

 

 私は特製の弾丸を装填する

 

「代金を払わないとな」

「おっと、まだ私の劇は終わってませんよ」

 

 そう悪魔が言うと世界が紅から蒼に変わる

 

「第二幕。良い(あくむ)を楽しんでください」

 

 私の視界はまた紅に染まった

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「マナ・・・・・・」

「またか。同じとは芸がないな」

 

 私は振り向きざまに弾丸を放つ

 弾丸は彼の眉間に吸い込まれ・・・・・・そのまま通過した。

 

「なに?」

「マナはなんで生きているんだ?」

 

 眉間に穴が空き、身体のいたる所から血を流し彼は言う

 

「俺が死んでお前だけが生きている。可笑しいよな」

「ふざけるな! 彼はそんな事は言わない!」

 

 彼の姿をした“ソレ”は続ける

 

「そうか? 違うだろ? 俺は俺だ」

「違う!」

 

 近づいてくるそれに私は連射する

 だが、撃たれてもそれはゆっくりとコチラに向かってきていた。

 

「どうしてそんなに震えているんだ? 俺だよ? 相棒の・・・・・・」

「死人を冒涜するな!」

 

 気付けば彼は私の目の前にやってきていた

 引き金を引いても銃から弾丸は出ない

 

「あ・・・・・・」

「なあ、マナ・・・・・・」

 

 聞きたくなかった、貴方からそんな言葉は

 見たくなかった、貴方のそんな姿は・・・・・・

 

「なんで生きてるんだ?」

「止めろーーーーーー!!!!!!」

 

 私の視界は赤く紅く染まった

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 気付けば地面に倒れこんでいた

 周りは紅に染まっている。

 

「いかがでしたか? 第二幕は? 中々に愉快でしたでしょう?」

「この・・・・・・外道が」

 

 前に居た刹那を見ると痙攣しているのが見えた

 

「コチラの方はもう駄目みたいですね」

「刹那・・・・・・」

 

 悪魔は笑顔のままコチラに近づいてくる

 

「では、貴方だけ。最後の終幕を」

「止めろ、止めてくれ」

 

 もう見たくない。これ以上は・・・・・・

 

「さあ、幕を下ろしましょう」

「あああああ!!」

 

 心が壊れてしまう

 

 

ーーー☆ーー☆ーー☆ーーー

 

 

 彼が目の前に居た

 その手には彼が愛用していた銃が握られている。

 

「マナ、一緒に逝こう。もう一人にしないからな」

「・・・・・・」

 

 今の私は四肢を鎖で繋がれ逃げ出す事も出来ない

 

「あっちでは一緒に幸せに暮らそう。戦争なんかない幸せな世界で」

「ああ・・・・・・」

 

 もう、どうでも良い

 

「マナ・・・・・・」

「ずっと貴方と居たかった・・・・・・」

 

 私の言葉に彼は笑うとその引き金を・・・・・・

 

「やらせねぇよ?」

-----ドゴンッ-----

 

 引く事は出来なかった

 

「ぐふっ!」

 

 横から殴り飛ばされた彼は虚像だったかの様に消えた

 

「貴方は・・・・・・」

 

 その場に似合わないTシャツにジーパン

 前髪を下ろし、まだ少し幼い顔立ちを残している。

 

 可笑しかった。魔法も使えない一般人と同じなのに・・・・・・

 

「よ、真名ちゃん。助けに来たぜ」

 

 笑っている生一さんは誰よりも強いと私は感じたのだ

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「ほう。私の劇に介入しますか・・・・・・どの様な魔法で?」

「知らん。詳しい事はこいつ等に聞いてくれ。俺は知識は有っても使い方は知らないんだ」

 

 気付いた時、生一さんは刹那を横に連れて紅い世界の外に居た

 未だに倒れている所を見ると、生一さんが外に連れ出したのだろう

 

「私に気付かれないようにその娘を外に出したのは見事でした。・・・・・・ですが、この娘はどうするつもりですか?」

「ぐっ!」

 

 悪魔が首を掴んで私を宙へと吊るす

 

「貴方が此処に入ってくるのなら、この娘を放してあげましょう」

「おいおい。罠だと分かってて行く奴が普通居るか?」

 

 生一さんが頭を掻きながら言う

 悪魔は生一さんの言葉にニヤリと笑った。

 

「ほう。それはこの少女が人間ではないからですか?」

「はあ?」

 

 悪魔は言葉を続ける

 

「知りませんでしたか? この少女もそちらの少女も人間とは違う血が混ざっています。人間は自分達以上の種を忌み嫌い排除しますからね~・・・・・・そうでしょ?」

「あん?」

 

 悪魔の言葉に生一さんが額に青筋を浮かべた

 イヤ、待て、これは・・・・・・

 

「この悪魔の話を聞くな先輩! これはちょうはt」

「貴女は黙ってなさい」

 

 首が絞められ声が出せなくなる

 生一さんは悪魔の行動に苛立っていた。

 

「やれ魔女狩りだ悪魔狩りだ、人間は本当に愚者だ」

「かもな。だが、それを俺に当て嵌めるのは些か早計じゃないか?」

 

「そも、俺は真名ちゃん達が普通じゃないのは既に知ってた(・・・・)んだよ」

「!?」

 

 生一さんはそう言い苦笑する

 私は驚愕するしかなかった。

 

「ほう・・・・・・それでもその少女を助けたと?」

「当たり前だ。人間だ人間じゃないなんて関係ない、真名ちゃん達は俺の同僚で後輩だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

「そうですか・・・・・・では」

 

 悪魔は嗤いながら生一さんを手招きする

 

「こちらに来なさい。この少女を助けたいならね」

「おう。言われなくても行ってやるよ。真名ちゃん、少し待ってろよ」

 

 そう言って生一さんは悪魔の作り出す紅い世界へと入ってきた

 

 

side out

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

 焼けた荒野に少年は立っていた

 周りを見渡せばそこが少年の記憶に残っている場所だと分かった。

 

「セイイチ君・・・・・・」

「セイイチ君・・・・・・」

「セイイチ兄ちゃん・・・・・・」

 

 後ろから聞こえた自分を呼ぶ声に少年は振り向く

 そこには少年を家族と言ってくれた人物達が居た。

 

「何でお前だけ生きて・・・・・・」

「何で貴方だけ・・・・・・」

「何で・・・・・・」

 

 ある者は腕が可笑しな方向に曲がり

 ある者は片足が消失している

 どの者も血涙を垂れ流し少年に呪言を吐きだす。

 

 少年は何も言わない

 ただ目の前の者達の傷付いている姿に涙を流す

 近づいてくる者達に少年は腕を広げた。

 

「「「何で・・・・・・」」」

 

 近づいて来た者達が少年の首に手をかける

 

「・・・・・・すみません」

 

 そこで少年は初めて言葉を発した

 

「俺は貴方達を救えなかった。俺を家族と言ってくれた貴方達を・・・・・・弱かったから・・・・・・」

 

 首を絞めてくる者達を少年はその小さな腕で抱きしめる

 

「何も出来なくて、悔しくて、生きる事しか出来なかった・・・・・・」

 

 少年の言葉が虚しく空中に溶ける

 だが、“だけど”の言葉の後に少年の顔が変わった。

 

「俺は強くなったよ」

 

 少年は目の前の者達に笑った

 

「誰よりも強くなった」

「「「・・・・・・」」」

 

「俺は貴方達みたいな力の無い人達を全員助ける。それが偽善だと言われようとも・・・・・・」

 

 気付けば少年の首を絞める力は無くなっていた

 少年は腕に力を混め

 

「・・・・・・だから、貴方達はそこで胸を張って見ててくれ。貴方達の義息子は英雄だったってな」

 

 目の前の偶像を粉砕した

 生一はそのまま地面に拳を叩きつける。

 

 その時に聞こえた言葉は幻聴かそれとも・・・・・・

 

「「「頑張って」」」

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

-----パリーンッ-----

 

 世界が崩れ元に戻った

 生一は目の前の悪魔に笑う。

 

「よう。良い劇だったぜ」

「何!?」

 

 驚く悪魔の眼の前に生一は移動した

 

「これは料金だ。受け取れ」

「!?」

 

 一瞬。悪魔の目にはその動きが見えなかった

 魔力も気も使わない移動

 それは眼でしか感知出来ない神速の動きだった。

 

「吹っ飛べ!!」

 

 振りぬかれた拳に気付いて後から音が追いつく

 打ち抜かれた悪魔は世界が反転したと一瞬錯覚した。

 

「ぐおっ!?」

 

 後ろに生えていた木を何本も折りながら吹き飛び、苦痛と驚きの声をあげ悪魔は数秒後止まる

 紅い世界は既に消え去り、落ちてきたシルクハットを生一は頭に被った。

 

「お待たせ真名ちゃん。大丈夫だったか?」

「へ?あ、ああ・・・・・・」

 

 真名は訳も分からず言葉を濁す

 真名が理解出来たのは悪魔が吹っ飛んだ事と、自分が生一に助けられた事だけだった。

 

「まさか、私の世界が・・・・・・」

「oh、あれで生きてるのか・・・・・・真名ちゃん。少しすまんが待っててくれ」

 

 生えている木を支えに悪魔が立つ

 生一は悪魔の耐久力に驚きながら真名を立たせる。

 

「で、まだやるのか?」

「ふ、ふふふ。ここまで虚仮にされては私も引けませんよ」

 

 悪魔が手で顔を隠すとその姿が変わる

 頭が馬に変わり悪魔独特の雰囲気をかもしだす。

 

「私の名はオロバス。少年よ、この姿を見れるのを感謝しなさい」

「そうかい。で、他に残す言葉はあるか?」

 

 悪魔はでは、一つだけ。と

 

「貴方の未来も過去も私に見る事が出来ません・・・・・・小年よ、貴方は何者ですか?」

「・・・・・・さて、同じ事を多くの奴等に言われてるが、俺が言えるのはこれだけだ」

 

 生一は親指を立てて自分に向ける

 そして、ただ一言。

 

「俺はただの人間さ」

「ふふふ、そうですか。なら、仕方ありませんね」

 

 次の瞬間悪魔が消え、生一も消える

 交差は一回、一瞬で魔力が二人の間で霧散した。

 

「・・・・・・見事です」

「アンタも悪くなかったよ」

 

 最後に立っていたのは生一だけだった

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「私が話せるのはこれだけだ」

「真名でもその戦闘は見えなかったのか?」

 

「一瞬しか追えなかった。イヤ、一瞬だったから仕方が無いと言えばそうだろう」

「・・・・・・」

 

 昨日の出来事から数時間

 刹那が起きた時には既に全てが終わっており、詳細を真名から保健室で聞いていたのだった

 

「で、どうする刹那。お前の秘密を生一さんは知ってしまったが?」

「!・・・・・・話をしてくる」

 

 少し考えるとそう言い刹那は部屋を出て行く

 その背中に向けて真名は言った。

 

「あの人は秘密を簡単にばらすような人ではないぞ」

「・・・・・・だとしても、話はしておきたい」

 

 保健室のベッドの上で真名は苦笑した

 

「本当、固い奴だな」

 

 真名は携帯を開いて誰かに電話を掛けた

 

 

ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー

 

 

「・・・・・・で、話って何?」

「・・・・・・」

 

 放課後、靴箱の中に入れられていた手紙の通りに世界樹の下に来た生一

 その事で慶一や他の奴等にからかわれたのは別の話。

 

「貴方の信念を教えてください」

「はい? 信念?」

 

 刹那の発した言葉に生一は唖然とする

 いきなり放課後に呼び出され最初の言葉がそれだけなら誰でも唖然とするしかないだろう。

 

「・・・・・・」

 

 しかも、刹那は真剣な目で生一を見つめている

 生一の頭の中には真名から来た電話の内容が浮かんでいた。

 

“刹那は忌み子だったんだよ”

 

「ああ・・・・・・」

 

 聞かされた内容は刹那の出生

 生一はそれをなんとも思わないし別に差別するつもりも無い

 だが、それを本人の目の前で言うのはあまりにも空気を読んでいないと思うので言わない。

 

 結果、生一は溜め息を吐く

 

「刹那ちゃんはなんで刀を振るう?」

「・・・・・・」

 

 生一の言葉に私は関係ないだろうと刹那は眼で訴える

 生一はその眼を見て苦笑する。

 

「教えてくれないか?」

 

 少し考えてから刹那は小さく呟いた

 

「・・・・・・お嬢様の為だ」

 

 刹那の言葉を聞き生一は頷くと話を始めた

 

「俺に信念なんて言う高等なもんは無いさ。あったのは目的」

「目的?」

 

「ああ、誰でも良かった。とりあえずこの力を使って誰かを助けたいってな」

「・・・・・・」

 

 生一は苦笑しながら続ける

 

「昔は仲間が居てね、その一人に聞かれたんだよ。“お前はどうして力を振るうんだ”ってね」

「・・・・・・それで」

 

「ああ・・・・・・俺は答えられなかった。俺はただ誰かを救いたかっただけだったからな。それを理由にするのは嫌だった」

「では・・・・・・」

 

「ああ、ソイツは俺を信用してくれなかったよ。“信念の無い奴は信用出来ない”そう言われてな」

「!?」

 

 刹那が驚いた顔をしてる中、生一は懐かしむ様に続ける

 

「仲間と一緒に頑張ってる中でな、ある女の子と俺は会ったんだ。最初は気まずかったけど、気付けばその子に惹かれてた」

 

「そして、俺にも目的が出来た」

「それはやはり・・・・・・」

 

「ああ。俺はその子の為に力を振るうと決めた・・・・・・その目的も今は無いけどな」

 

 生一の虚しそうな顔に刹那は驚く

 その表情から何があったかを想像出来たからだ。

 

「結局、今の俺には信念なんて無い。ただ、救いたいから救う。助けたいから助ける・・・・・・それだけさ」

「・・・・・・」

 

 最後に生一はそう言い刹那を見た 

 刹那は黙って生一を見つめていた。

 

「それで、俺には背中を任せてくれるかい?」

「・・・・・・今はまだなんとも言えません」

 

 刹那の答えに生一は肩を落とす

 ですが、と刹那は続けた

 

「貴方は良い人です。いずれは背中を任せる事になるでしょう・・・・・・その時はよろしくお願いします」

 

 刹那はそう言い去っていった

 

「・・・・・・くくく」

 

 生一は離れていく刹那の背を見ながら楽しそうに笑った

 

 “力を与えられし憐れな一般人よ、貴様は何を世界に望む”

 “世界平和。それがアイツの望みだったからな”




どうだったでしょうか?
最後の刹那の部分は早足になってしまいましたが・・・・・・

書いていて思いましたが、やはり自分には恋愛系は向きませんね(なら何故ハーレムにしたし)

さて、生一の過去が少しだけ公開されましたが、もう皆さんは予測出来ちゃってるんじゃないでしょうか?
出来てないなら嬉しいですが・・・・・・

では、また次回に会いましょう
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