HSDD×艦これ(仮)   作:伊丹

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第四話 お仕事

俺がオカ研を訪れてから数日たったある日の雲一つなく綺麗な満月が浮かぶ深夜、俺たちは町外れにある廃工場の前にいた。

 

なぜここに居るかと言うと、サーゼクスから緊急の依頼が入ったためだ。本来は俺一人で片付けるつもりだったんだけど、途中で川内・天龍・摩耶と鉢合わせになり付いて行くと駄々をこねたので仕方なく連れて行くことにした。途中で会った鳥海と龍田が付き添いを申し出てくれたんだけど・・・・鳥海ではあの四人を抑えるのは難しいし、龍田は天龍と一緒に突撃するのが目に見える。俺は一抹の不安を感じて、風呂上りだった長門を呼んで付き添いを頼んだ。

 

んでもって編成は艤装を展開済みの川内・摩耶・鳥海・天龍・龍田・長門・・・・そして俺。

 

「夜戦♪夜戦♪久しぶりの夜戦~♪」

 

「浮かれてるな、川内のヤツ。でも気持ちは分かるぜ。なあ天龍」

 

「おう!久々の実戦だ、腕が鳴るぜ!」

 

「あらあらぁ~天龍ちゃん、やる気満々ね♪」

 

「ちょっとみんな、遊びじゃないんだからはしゃがない!」

 

川内・摩耶・天龍・龍田は久々の実戦のためか浮かれており、鳥海が浮かれている四人を注意するが四人は聞く耳持たずで騒いでいると・・・

 

「お前ら、いい加減にしろ!!」

 

長門の一喝で、四人は大人しくなった。

 

「ありがとう長門。ようし、全員注目」

 

俺の号令でみんなこっちを向く。

 

「今回はサーゼクスの依頼で、ここに住み着いた"魔獣"の捕獲だ。何か質問は?」

 

「はーい!その魔獣の名前は?」

 

元気よく川内が手を挙げて質問してくる。

 

「名前は"ヒュドラ"。簡単に言えば首が9本あるでかい蛇だ」

 

「げっ!蛇かよ・・・あたし苦手なんだよな~」

 

「文句言わないの摩耶。ところで提督、どうして捕獲なんですか?普通なら退治になると思いますが」

 

「どうもこいつは冥界では"絶滅危惧種"らしく、保護対象になっているんだ。だから捕獲って事になった」

 

「でも変ねぇ、こういうのは町での事件はあの"お馬鹿領主さん"の役目じゃないのかしら?」

 

「それはだな龍田、ヒュドラは個体にもよるが軒並み下手な上級悪魔よりも強いらしい。ここのアホ領主じゃ返り討ちに遭って食われるのが関の山だ。だからこっちに依頼が来たわけだ」

 

「なるほどねぇ。なあ提督、捕獲って事は実弾が使えねえってわけだよな」

 

「そうだ。だから今回、明石が非殺傷の衝撃砲弾と麻酔砲弾を用意してくれた」

 

そう言って俺は明石が『こんな事もあろうかと作っときました!』とドヤ顔で用意してくれた砲弾が入ったケースを置く。

 

「各艦は砲弾を積み替えて行くように・・・・それと川内、魚雷は置いていけ」

 

「ええ~~!?なんで!」

 

「お前絶対に"魚雷バンカー"やりそうだからな。ヒュドラを黒焦げにするのが目に見える」

 

「・・・・は~い」

 

しぶしぶ川内は魚雷を外してゆく。他の五人も次々と艤装の砲弾を積み替えてゆく。

 

「全員積み替えたな。作戦の指示を出すぞ。打ち合わせ通り六人で廃工場に入りヒュドラを捕獲しろ。もし困難だったらヤツを外に出せ。俺が仕留める」

 

本来なら俺が先陣を切る予定だったのだが、天龍らの強い要望でこのような作戦となったわけだ。よほど暴れたいんだな・・・

 

「提督、私たちが戦闘を始めたら周辺の人たちに気付かれて大騒ぎになるのでは?」

 

「長門、その心配はない。さっき妖精さんらに防音と人避けの結界廃工場一帯に張ってもらった。だから安心して暴れて来い」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

「よし作戦開始だ。みんな無事に帰って来い!」

 

「よっしゃいくぞ!オレに続け!」

 

「こら天龍、勝手に仕切るな!先陣はこの摩耶さまだ!」

 

「ちょっと待ったー!今日はこの川内のステージなんだから~!」

 

「あっ、こら待ちなさい摩耶!」

 

「天龍ちゃ~ん、待って~」

 

「こら待たんか!勝手に行くな!!」

 

腰の刀を抜いた天龍と摩耶と川内が競うように先陣を切って廃工場に突撃し、鳥海と薙刀を担いだ龍田が天龍たちを追うようにして廃工場に入り、遅れて長門も廃工場に入った。

 

『まったく、あいつら緊張のない奴らだな相棒』

 

「いいじゃないか。頼もしくってさ」

 

ドライグとしばらく話し込んでいると、廃工場の中から何かを殴る鈍い音と発砲音が連続して響き渡る。どうやら戦闘が始まったようで俺も援護に行こうと廃工場に入ろうとした。刹那、工場の屋根が突き破って巨大な何かが空中に飛び出た。すると俺の目の前にその巨大な何かが落ちてきた。土煙が晴れるとそこに泡吹いて目を回してのびている9本首のでかい蛇が横たわってた。

 

『どうやら俺達の出番はなさそうだな・・・』

 

「・・・みたいだな」

 

 

 

 

 

「それじゃよろしく、べオウルフさん」

 

「まったくサーゼクスの野郎もそうだが、お前さんも人使いが荒いぜ」

 

俺はサーゼクスに連絡し、すぐに彼の使いである"べオウルフ"さんがやってきてヒュドラを回収していった。直後、ヒュドラをぶっ飛ばした六人が戻ってきた。すると川内が俺の元に駆け寄ってきた。

 

「提督~!もう終わりなの~!夜はまだこれからなんだよ!」

 

「文句言うなよ川内。退治じゃなくて捕獲なんだからよ」

 

不満を漏らす川内を宥めていたが、ふと川内が・・・

 

「だったら・・・提督、今から私と夜戦しよう!」

 

そう言った瞬間、天龍・龍田・摩耶・鳥海そして長門の雰囲気がガラっと変わる。

 

「そうね~最近提督とのスキンシップもご無沙汰だしいいわよね~」

 

「お、そいつはいいな。提督、オレと夜戦だ!」

 

「ちょっと待った天龍!先陣は譲ったから、最初はわたしに譲れ!」

 

「摩耶、それは聞き捨てならないわよ。一番は私に譲りなさい!」

 

鳥海までこういう始末・・・・・・これはヤバい。

 

「な、長門!?お前からもなんか言ってくれ!」

 

俺は目線が合った長門に助けを求める。彼女の大人の対応で何とかしてもらおうと期待したが・・・

 

「提督!私もあなたとの夜戦を所望する!」

 

頼みの綱の長門もこの様子。もはや味方はどこにもいない・・・

 

そんな事を思っている間にも野獣のようなギラギラした目で俺に詰め寄ってくる六人。・・・このままでは喰われると察知した俺はダッシュで逃げた!

 

「「「「「「待てーーーーー!!!!!!」」」」」」

 

六人も全速力で俺を追いかけてくる。その速力は島風を超えている。何でそんなに速いんだよ!

 

「勘弁してくれーーーーー!?」

 

俺の叫びが虚しく夜空に響く。

 

こうして俺は家に帰るまで6人と追いかけっこを繰り広げる羽目になった。





如何だったでしょうか。



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