オーバーロードと元敵対者   作:ニートレス

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主人公の設定はどこに入れようか悩みます。
設定表でも作りますかね。


1話 前日

今まで何回挑んできただろう。PTの時もあった。

ギルドでも挑んだ。アライアンスを組んで数十人で突撃したこともあった。

1500人というふざけた大人数で挑んだこともあった。

 

それでもあいつらには勝てなかった。

8階層で全滅。苦々しい思い出だ。

 

それからも幾度となく挑んだ。

挑んで。挑んで。そして挑みまくった。

 

 

レベルを強化し、スキルを強化し、課金しまくって装備も集めた。

さらには有給を使って72時間連続でリスポーンアタックをかけ続けた。

 

死ねばレベルが下がる。

 

しかし、それを課金というブルジョアアタックでレベルを下げずに強制突撃。

24時間、普通の廃人ならいけるだろう。

48時間、廃人でも誰もが眠くなり始めるだろう。

72時間、このゲームで敵(ギルド)を倒したいんです!というアホみたいな理由で、有給使って不眠不休で勝つ為に挑んだのは俺ぐらいだろう。

 

俺のギルドも最初はアインズ・ウール・ゴウンの打倒を掲げていた。

勝てないのはわかっていたがみんながみんな楽しかったんだ。

だが、サービスも12年経過した今、一人、また一人とプレイヤーがユグドラシルから去っていく。

 

例にも漏れず俺らのギルドからも人が去り、引退していった。

そして最後に二人残った俺とギルドマスター、しかしマスターであるアイツも1か月程前に引退。

 

その際に俺にギルドをそのままくれたが、寂しかった。

 

「在籍だけあっても中身が誰も居らんギルドはギルドやないんよ・・・」

ギルドとは本来人と人が集まり、何かを一緒に行動する。

装備獲得を手伝ってもらったり、イベントクリアを手伝ってあげたり、素材集めをしながら他愛もない雑談やケンカをしたり。

 

そう、ギルドは一人じゃ意味が無いんだ。

こんな事を一人呟きながら突撃慣行をするための準備を行う。

 

 

 

 

そんな中で同じように挑んだ相手、最初こそ相手は強大なギルド。

それがお出迎え人数が合う度に減っていった。

その相手ギルドの名はランキング9位まで上り詰めた《アインズ・ウール。ゴウン》、今でこそランキングでは見る影もないが、

ランキングが落ちてもなお実力はトップクラスのPKKを主体とした悪役ギルドである。

 

お出迎えの人数が減る事で勝機も見えたが、同時に寂しさもあった。

お前らもやっぱりか、でも俺はたっち・みー、ウルベルト・ペロロンチーノなどお前ら全員に勝ちたかったんだと・・・

 

ここ一か月は俺一人、アインズ・ウール・ゴウンも一人という悲しい戦いになっていた。

 

最初こそ雑魚で認識すらしてもらえなかった俺だが、強化したおかげかここ1ヵ月の成果か。名前を憶えてくれた。

ロールプレイじゃなく普通に話しかけてくれたのがほんのさっき前だ。

 

 

 

「お互いもう一人になってしまいましたね。ザンギエフさん。」

そういうとモニター越しでもわかるくらい悲しそうなモモンガさんの声が聞こえてくる。

勿論目の前に立っているガイコツに紫色の全身成金趣味的なローブを着せたキャラクターを操作しているプレイヤーの声だ。

 

 

「そやね。てか名前覚えてくれてはったんすか?まぁ、今やから自分もギルドマスターになったけど、本当はマスターなんかじゃやなくてもっと楽しみたかったんすよね。

モモンガさんも敵なのにお付き合いしてくれて本当に感謝してますわ。」

 

これは本当の気持ちだ。俺に最後まで付き合ってくれてるモモンガさんには感謝している。

既にギルド拠点だけ残っていて、プレイヤーがマスター含めて丸ごと居なくなってしまった場所がこの世界には大量にあった。

もしモモンガさんがいなければNPCに突撃しているただの馬鹿になってしまうし、プレイヤーを倒せないのは同じプレイヤーとして何の為にアタックしているかわからなくなる。

それに無視してNPCに相手をさせておけばマスター自らが出てくる必要さえないのだ。

 

「名前はさすがに毎日来ていたら覚えますよ。それに、こちらこそ誰も来ない場所より攻めて来てくれる方がいるだけでも多少のやりがいはあります。と言っても仲間と作ったこの場所で負けるつもりはありませんけどね。」

死体になった俺に向かってモモンガさんは言うべきところだけはハッキリ言った。

うう~、勝ちてぇわこのハゲに!

 

「モモンガさん。今日も負けましたけど、明日はホンマの最後なんで本当に全力で来ますわ。と言っても一人やけどね。それに入口守ってるNPC強くてゴッツきついんやけど・・・」

敵の本拠点よろしくで、最初の場所でガーディアン+ラスボス相手とか本当にキツイ!

普通最奥部でラスボスは待つでしょ!なんでいらっしゃいませ~って魔王が出てくんだよ!と思いながらも、

モモンガさんは少し考えるような間をおいてピコん!と閃いたというモーションエフェクトを利用した後にゆっくりと話し出した。

 

 

「ならザンギエフさん。こういうのはどうでしょう。最後くらい玉座の間で直接対決をしますか?」

最初は意味がわからなかった。え?なに?なんて言ったんすかこのガイコツ野郎。

俺が理解してなさそうな間をあけると、モモンガさんが続けてこう言った。

 

「こちらも最後のロールプレイですし、同じユグドラシルのプレイヤーでお互い最後の敵には相応しいかと。ただ、無理にとは言いませんが。」

 

そう言われ、意味を理解した瞬間に本来喜ぶべき所で迷ってしまったのも事実だった。これは実力で突破して魔王を倒すのが本来の趣旨なはず。

しかし、自分でPOPする雑魚モンスターを倒してたらキリがないし、何といっても全守護者の対策なんぞ、そもそも一人では不可能に近い状態だった。

そもそもエルフである俺がガチンコの装備をして守護者と1VS1は何体倒せても、守護者として同時自動POPしてくる眷属を出されると手がいっぱいいっぱいの状態になる。

ヘイトが全て俺だけとかは本来PTでは問題無い。元は盾役前衛なんだから。しかし、さすがに自己回復しながら戦うとなれば別だ。

エルフの持つ回復能力でも追い付かないし、回復に専念すると倒せないしで悪循環に陥る。

 

そんな考えを逡巡させた後、ここは仲間の夢だった打倒!アインズ・ウール・ゴウン!を実行できるチャンスが来たと割り切る。

 

「いいんすか!でも・・・ん~・・・よっしゃ!ほなお言葉に甘えて時間ギリギリに来ます!!どっちが散るか!それとも時間切れでお互い切断されるか、これでいきませんか?」

「かまいませんけど、仲間達に最後の日なので一通り声をかけています。もしみんなが来たら少し時間が押すかもしれないですよ?それに最悪は戦えないかもしれませんがいいですか?」

「かまわんすよ。こっちは声かけてもらった側なんで待ちます。それに戦えなかったらそれはそれで仕方ないですし。敵より仲間が大事なんはわかりますから。もし戦えたら時間ギリのが全力で盛り上がれる思いますし。」

「わかりました。それでは明日守護者を停止させておきますので、直接玉座の間までお越しください。」

「うい!!それじゃモモンガさん!こっちも最後くらい仲間達の夢かけて頑張りますわ~。明日はよろしくっす。」

死体になった俺はホームまで転移してログアウトを行った。

 

勝てる見込みなんかワールドアイテム持ってるこのモモンガさんに対して、チャンスであっても勝ち目はほぼないんだけどね。

それでもお付き合いしてくれるモモンガさんの優しさはやっぱり好きだな~。

いつの間にか倒すってより挨拶がてら生きてるか確認の為に攻撃しに来ました的なノリになってるし。




仕事をしているため、投稿は不定期となります。
気長にお待ちいただけましたら幸いです。
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