なんか終始雑談に近いかな。
受け入れられないぐらい下種い主人公になってきておりますので、お気を付けください。
次回動かします。
「んっ・・・う~ん・・・」
「おはようございます。ザンギエフさん。」
「ん~、おはよ~。」
なんだろう?俺は寝ていたのか?
てか、ザンギエフってなんだ?オフ会だったっけかこれ?
重い瞼を開くのが億劫で、ふかふかのベッドの上で適当に返事をしながら寝返りを打つ。
「おはようございます。ゆっくり休まれましたでしょうか?」
綺麗な透き通る静かな女性の声だ。
でもなんだ?女の子って、俺は女の子は呼んでないぞ。
卑猥なサービスも頼んでないし、酔っぱらって起きたら裸で女の子が寝てる事はあったが、それでも酒を飲んだ記憶はない。
そして目を閉じたまま考える。
えっと、俺ナンパなんかしたっけ?記憶にないぞ。そもそも何でゲームの名前で呼ばれてる?オフ会の女の子をお持ち帰りした記憶もないし、
そもそもオフ会なんかかなりの期間で開催してないぞ。
背筋にゾクっとしたものが流れたような気がした。
必死に昨日の出来事を思い出そうとする。
昨日は確かあのハゲ(モモンガさん)と最後の戦いをして、時間が迫っていたため相打ち覚悟の特攻を仕掛けたんだっけか?
んで、最後は確か執事風の白髭が前に現れて・・・そこから記憶が・・・
(よし!もう一度寝返りを打ったふりして薄く目を開けて確認してみよう。)
「ん~、んんんっ!?自分誰やねん!?」
目の前にいる人物は
黒髪のアップスタイルに纏めた綺麗な艶のある髪。かわいいふりふりが付いた帽子なのかヘアバンドなのか名前がよくわからないような物を頭に乗せている。
眼鏡をかけ整った顔。首の付けている青のチョーカーに、豊満な胸元には青いリボンを付けたメイド服。手元には違和感満載の緑のガントレット。
全体的にスタイル抜群である世の中の男子であれば飛びつくであろう容姿を持ったメイドさんに思わず素が出てしまった。
「失礼いたしました。僕・・・いえ、私はこのナザリック大墳墓、アインズ・ウール・ゴウン至高の41人に仕えるプレアデスの一人、ユリ・アルファと申します。以後お見知りおきを。」
クイっと眼鏡がズレたのか、元の位置に戻してそう言うと
ユリというメイドさんはこちらの発言を待っているような雰囲気を醸し出す。
「えっと、すんません。ザンギエフと言います。自分エルフやってます。ここはホテヘルかなんかですかね?お酒を飲んだ記憶は無いんですけど。」
ベットから出るのも忘れて上半身だけ起こしてふざけたような返事を返してしまった。
俺はこんなメイド服を着せるとかいうプレイはしない!したとしてもサンタクロースや亀甲縛り程度の軽いおふざけです!
それになんだ?エルフやってますってどんなプレイ?
そんな俺の軽いパニックをよそにユリという女性は答える。
「ホテヘル?というものは理解できませんが、先程申しましたように、ナザリック大墳墓にて至高の41名に仕えるユリと申します。
先日ザンギエフさんはセバス様の攻撃により失神されておりましたので、その後モモンガ様の指示に伴いこちらまで運んでまいりました。」
何故か苛立ちを抑えたような雰囲気を漂わせながらも、言うべきことは言ったという感じに突き放された。
「へ~、モモンガさんの指示でか~。ってモモンガってユグドラシルのモモンガさん!?アインズ・ウール・ゴウンって言ったよな?あの人おんの?それにセバスって誰?てか攻撃って何?意味わからんねんけど。」
うん、はっきり言って意味がわからん。
意味がわからんからとりあえず大事なことを聞こう。
「すいません。先程の内容は忘れていただいてかまいませんので、モモンガさんに会えるなら会わせていただけませんでしょうか。」
よし、聞けた!と思った矢先、目の前の女性からありえない程鋭い眼光が飛ばされる。
「モモンガ様から目が覚めたら会わせるように言伝をいただいておりますのでご案内いたします。どうぞこちらへ。」
ユリという女性は、女性特有の有無も言わせない雰囲気にてそう告げる。
くるりと姿勢の良いまま振り返ると、まるで着いてこいと言わんばかりに足早に歩きだした。
俺は急ぎベッドからおりてユリに着いていく。
しばらく歩かされると自分の身長の2倍くらいありそうな大きな観音開きの扉の前でユリは立ち止まった。
取っ手には金色、本当の金が使われているような重厚感があり、その金の部分には細々とした自分には理解の及ばない細工が施されている。
なんか凄いということだけしかわからない。
要するに空気に飲まれてしまったのだ。
「モモンガ様。ユリ・アルファ、只今到着いたしました。」
発言を行って数拍程度の間をおいた後に中から声が聞こえた。
「入れ。」
その言葉と同時に目の前の扉が開かれる。
扉が開くと中からモモンガさんがこちらに向かって、いつも通りのローブを身に纏いイスに腰かけていた。
そのまま中に招かれてイスに座るように促される。
「失礼します。モモンガさん、これはなんですか?全然意味わからんのですけど。」
そう、何度も言うが意味がわからない。
そもそも何でモモンガさんもユグドラシルのキャラの外観?なんでメイド?そもそも扉もそうだったけどこの豪華な部屋なに?
濁流のように浴びせたい質問が次々と沸き起こるが抑え込む。
「あ~、これはですね~、の前にザンギエフさん。自分の顔とか確認しました?」
ん?そういえば驚きとパニックで言われるがまま、なすがままで確認してない。
「やっぱり確認されてませんでしたか。」
ごそごそとアイテムボックスに手を突っ込むモモンガさん。
その光景を見ていて違和感を覚える。
あれ?そういえばアインズ・ウール・ゴウンってモモンガさん残して他は引退されたんじゃなかったっけ?
何で女の子が居たの?引退したと言ってたお仲間さん?それにNPCとか言ってたけど、あの白髭ってもしかしてプレイヤー!?
というかめっちゃ痛かったんやけど。
なんかイライラしてきたぁ~!!
そう考えていたらモモンガさんがアイテムボックスから鏡を取り出して渡してきた。
まるで自分の顔を見ろという風に。
しかし鏡を受け取り、あえて見ないようして告げる。
「モモンガさん。一ついいですか?あの執事風のプレイヤー、NPCじゃなかったから攻撃に参加させたとか言わんでしょうね。めっちゃ痛かったんすよ。内容次第じゃここで戦闘開始なん理解してはるんすか?」
沈黙が流れるが、その沈黙の中でガキンッ!っと金属音が鳴る。
いつの間にか扉の横に立っていたメイドプレイヤーがガントレットを鳴らして俺の意識をメイド自身に向けたのだ。
そしてメイドが戦闘の構えを取る。それをモモンガさんが手で制して話し出した。
「わかる範囲で説明するのでとりあえず鏡見てください。」
「ん~、今日も俺はイケメンすな~。エルフのイケメン!女の子食える!さいこおおおお!」
・・・モモンガさんは黙っている。
「ん?どしたんすか?エルフやってるんすからエルフなんは当たり前やと思うんすけど。てか冗談言ったんすからツッコんでくれたら嬉しかったっす。」
・・・モモンガさんは黙っている。
「ザンギエフさん。至高の御身の方の前でそれ以上の不敬は万死に値します。というよりは今ここで殺して差し上げましょう。」
ユリが今にも殴りかかってきそうな程の威圧に少し冗談が過ぎたかと改める。
「で、ホンマになんかあったんすか?モモンガさんのお友達もなんか気分害してしまったみたいですけど、こっちもいきなり攻撃されて約束ちゃうやんってなってるんすよ。」
後ろでユリがお友達などではありませんとかなんとか言っているが、俺からしたら正直モモンガさんと有名所しか知らないのでどうでもいい。
しかし、モモンガさんがが少し変なので真面目に返す。
「黙ってたらわかりませんって。男なら金玉ついとんでしょ?ハッキリ言うてくださいよ。」
ビクっと一瞬モモンガさんが動いたが、本当に一瞬だったので、多分ユリというお友達は気付いてない。
モモンガさんが溜息をするような仕草を取った後に話し始めた。
「ザンギエフさん。ここはユグドラシルとは違う世界かもしれません。
理解されていると思いますが、先日でユグドラシルのサービスは停止という告知があったのはご存知ですよね?」
あ、本当に忘れてたわ。確かそうだった。俺は思い出して頷く。
「で、私のギルドメンバーは皆別の世界に旅立って戦っています。それはザンギエフさんのギルドメンバーも同じですよね?」
いや、現実という理不尽な暴力に必死に抗っているけど、戦ってはないな。しかし何で言い回しがロールプレイを意識したような言い回しなんだろう?疑問に思うが再度頷く。
「更にゲームで痛みは伴わないというのは常識ですよね?ということはです。私は一人であり、ザンギエフさんも一人です。痛みも感じないはずです。」
え?どゆこと?唐突すぎてモモンガさんの会話を遮って質問を浴びせる。
「モモンガさん。おかしいでしょ。だってサービス停止はわかりますけど、プレイヤーってそこの女の子もメイドロールプレイしてるプレイヤーでしょ?」
モモンガさんは首を横に振って否定する。
「ザンギエフさん。ユリはプレイヤーではありません。ちなみにセバスに攻撃指示も出していません。二人とも元NPCです。セバス本人に聞いてみましたが、私の身の危険に対して不敬を承知の上で庇ったようです。それにコンソール出ますか?」
質問に答える為にコンソールを出そうとするが出ない。なんか操作間違ったっけ?
「ああ、あの白髭はセバスって言うんですね。まぁ、指示以外の行動はバグには付き物なんで仕方ないっすね。ちなみにコンソールはでないっす。これが問題ですか?GMや運営に問い合わせてみては?
昨日で停止なのに遊べてるって事はどっかのブルジョアさんが課金するから延長しろとか言ったんやないですか?それで予定外でバグ抱えたとか?」
実際に月額2000万というバカみたいな金をあるゲームにつぎ込む奴がいた。
というかそれの運営の関係だったので、そいつがゲームから消えない限り、毎月2000万の売り上げが見込めたので、運営はそいつがなにか言って来れば全部対応した。
他のユーザーからすれば最悪だっただろうが。
まぁ、そんな事はさておいて、ブルジョアアタックというのは運営にとってバカにできない金額をつぎ込めばサービスを延長できるってのは事実だ。
それに対してモモンガさんは再度首を横に振る。
「既にGMやメッセージは飛ばそうとしましたが、繋がりません。それに昔はどうかわかりませんが、今の現行法ではそのような事をできないように規制がかかっています。そもそも痛みなんて心臓が弱い人や子供などを考慮すると許されるはずがないでしょう。なのでその線は限りなく薄いと思われます。それにもし延長しているならGMコールもできますし、任意でのログアウトもできるはずです。」
あ~、言われてみればそうだな。コンソールが出ないってことはログアウトもできんってことか。痛みのパッチとかそもそも理解不能だわ。
まぁ24h常時起動のログイン状態でGMから警告は来てもGMに連絡することは今までなかったしな。
俺には多少痛みがあっても面白いし関係ないや。
「確かに変ですね~。でも不具合なら結構おきるので問題ないと思うっすよ?」
正直どうでもいいから適当に合わせて流した。
するとモモンガさんが手を挙げて宗教の教祖様よろしくの体でユリを呼んだ。
「ユリ。こちらに来い。」
「はっ。御身の前に。」
おお、見事な傅きですね。無駄に洗練された無駄のない動きとはこんなものかと感心して見惚れてしまう。
「私は誰だ?」
「アインズ・ウール・ゴウンを纏められ、全ての至高のお方の頂点に立つお方、モモンガ様です。」
うわ~、このNPC濃いキャラしとんね~。まぁキャラは大事よね。覚えやすいし。
「わかりましたか?口が動くんですよ。それに脈のある生物もいた。つまりゲームでの処理で考えると、ありえない負荷や現在の技術では、見えないとこにかけるのはどう考えても不可能なんです。」
「確かに。痛みは個人的にどうでもいいんですが、こんな自立思考型AIプログラムと表情、感情機能搭載とかいう技術導入した場合、廃人スペックでもパンクするかカクカクでシャレにならんですね。ということは、本当に生きている?更に言えば俺の身体どこ?」
「残念ですが、それは私にもわかりません。」
モモンガさんも自分の身体があるのに気を使わせてしまった。申し訳ない。
「ん~、身体は家にあるだろし、いけんじゃないっすか?あっちの世界の時間軸とかも気になりますがファンタジーについて深く考えてもしゃあないっす。
それよりも・・・つまり・・・異世界・・・イケメンきた~!!!フツメンからレベルアップ!しかも生きてるってことはモモンガさん!可愛い女の子ナンパし放題っす!ヤリたい放題っす!YSPですよ!YSP!」
「軽っ!!帰りたくないんですか?」
モモンガさんが心配そうに声をかけてくれるが、自分としてはテンションが上がって正直今はどうでもいい。
なぜなら、ファンタジー世界の女の子ってどんなプレイなん?と頭の中身は煩悩全開ですから!!
その興奮収まらずモモンガさんに悪ノリで耳元で囁く。
「YSPわかります?やり捨てポイって略語っすよ!知ってました?しかも課金しまくったのとRMTでユグドラシル世界の金と装備はめっちゃ溜まってるし!」
モモンガさんはあっけにとられて口元がパカッという感じで開いていた。
テンションが尚上昇中の俺は何も考えずに発言してしまう。
「人生一回ですよ!それが二回で更に転生したらイケメン金持ち最強でしたって夢もいいんじゃね?って思います!向こうでも仕事も全力でさっさと済ませて、金で解決できるのは解決して、女の子とも遊びたい男の性も合わせると全部やる!!正直向こうもこっちも面白くて欲を叶えて面白いなら何でもありっす。小さい事気にしてたら人生きついだけっすよ!」
モモンガさんが俺は男の大事なものを失ったのにとかいう声が聞こえたような気がしたが、はっきり聞き取れなかった。
なんか物凄いバカが誕生してしまったような気がするのは気のせいでしょうか。