転生先チートなキャプテン・クロウからのワンピース   作:ワンピース救いたい人、多すぎ問題

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ドラクエというゲームではできないことをやっています、少し強引かもしれないです。


掟破り

 「今回も降りるんですよね、この島には半日も滞在しないので明日の明け方には帰ってきてくださいよ」

 

 「大丈夫だ、わかっている。ではな」

 

 「頼みますぞ~」

 

 そう、念を押されつつ船を降りる。

この世界で四回目の上陸、知らぬ土地とはやはりいいものだ。

さて、この島はどんな風になっているのか…そういえばこの島の地図を渡されていたな。

多少つまらなくはなるが、時間が限られていることだ見てしまうことにしよう。む、シモツキ村か…どこかで聞いたような?行ってみるか。

 

 なんと!ここがあのゾロの故郷である村か。

村の道場の中をチラッと覗いてゾロの名が書かれた札がなければ思い出せなかっただろうな。

主要人物の故郷を見れるとはなかなかに良い…それでも来たのは失敗だったかもしれん。

 

 (…見えてるんでしょ、無視しないでお願い…)

 

 道場の中をチラッと覗いたのが悪かったのか、幽霊と目を合わせてしまった。

私はアンデットであるから見えるのは当然として、この世界では他に見ることのできる者はいないのだろう。道場を離れた今もついてきてしまっている。

話しかけられたり、触れられたりするのを無視し続けてはいるが一向に諦めてくれない。

 

 (…どこまでだって、ついて行くから…)

 

 う~む、参った。こうなっては出航の時間まで走り回って撒いてしまおうか?

そうすれば、見えていることがはっきりしてしまっても…。

 

 (…そう、あくまでも無視するつもりなのね。それなら…)「がさっ」

 

 なんだ、急速に離れていく…もしやっ、やはりないっ、"ふくろ"を持って行かれた。

まさか物が持てたとは、やってくれる。仕方ない、追うか。

しかし、こちらが無視していたとは言え……なかなかにやる。

 

 ……追いついたぞ、ここは墓場か。目的がだんだんわかってきたな。

死んだ後は思考が単純になるものが多いから、行動基準がわかりやすい。

 

 (…やっぱり、見えてたのね…)

 

 「あぁ、しっかり見えている。さて、盗んだものは返してもらおう。

素直に返さなければ、少々痛い目を見ることになるぞ」

 

 (嫌よ!…返して欲しかったら、お願い私を生き返してっ!)

 

 やはりそうか、死者の願いの大抵がこれだ。

 

 「それは無理な話だな、諦めろ。どんな未練があるかは分からないが、ずっと残っていては悪いことになる、ある程度の協力はするから昇天した方がいい」

 

実はふくろの中に"世界樹の葉"があるが、どちらにしろ無駄だ。

いかに世界樹の葉といえど、死んでから時間が経ってしまえば役に立たない。

 

 (嘘つきっ、あなただって生きてるじゃない!わかるんだから、あなたが死んでいることなんて)

 

 ほぅ…私の正体を感覚的に理解しているのか、なかなかに優れた感覚を持っているものだ。

しかし、こんなことになったのはどうしてか自分でもわからんしな。

生きている時と同じように生活できるが、分類はモンスターということになっている。

だから、私に関しては生き返ったわけでもない。

 

 うぅむ、どうやって説得するか…

 

 (いいです!もう自分で探しますから、さっきお願いした時この袋を見てましたよね。この中に何かあるんでしょう!)

 

 「あっおい、やめろ!その中にはとんでもない物も入ってるんだぞ」

 

 (なんなのこの袋、見かけに対して中が…)

 

 こうなったら仕方がない、極力傷つけないようにはするが…"ぬすっと斬り"。

 

 (キャッ)

 

 「"ふくろ"は返してもらった」

 

 (えっ、袋が。一体、何を…全く見えなかった。

あれ?何か落ちてる、なんだろう綺麗…)

 

 ぐっ、取り返した拍子に中身が落ちたか!なぜよりにもよって、あれが落ちてしまうのだ!

 

 「触るなっ、お前は絶対に触ってはダメだ!

それは大量の怨念を内に秘めた"恨みの宝珠"。生者にはほぼ影響しないが死者、それも霊体が触れればたちまち悪霊に転じさせられるぞ!」

 

 脅しでは止まってくれないか、しかし距離的に先に拾うのは不可能、なら。

 

 「ええぃわかった、生き返してやる!だからそれに触れるな、生者に害をなすだけの意識のない悪霊になりたいのか!」

 

 言ってしまったな、だが止まった。

一度、口に出したなら仕方ない…生き返せるかはわからないが、悪霊となった少女を切り裂くよりは、まだ挑戦してみるほうがマシというものだろう。

 

 (本当!本当に生き返れるの!)

 

 「あぁ。本当に生き返せるかはまだわからんが、少なくとも本気で生き返してやる。そうと決まればまずは体の状態が見たい、あるのだろうこの墓場に」

 

 (はい、これが私の墓。この下に埋められています)

 

 「…この下だな、悪いが掘り返させてもらうぞ」

 

 なんとなく"ふくろ"に入れておいたキラースコップのスコップだが案外、役に立つ。

 

 (大丈夫です)

 

 そこまで深くないが、掘り返す間が暇だな。

 

 「そういえば先程から急に敬語になっているがどうしてだ?」

 

 (いえっそれは……自分よりすごい剣士だったからなんて言えない……生き返してもらえるなら恩人ですから)

 

 霊体に慣れていないからか思ったことも外に漏れてるな、普通の人には声すら聞こえないのだから無理もないが。聞かなかったことにしておいてやろう、それにもうすぐ終わる。そんなに腐敗してなければ良いのだが…火葬だったらかなりきついな。

 

 「そうか…よし、これくらいでいいだろう。では開くからな」

 

 (私のことは気にしないでください、生き返りさえできればどうなっても構いません)

 

 そんなに生き返りたいのか、目的が知人関係でなければいいが…これは!ほとんど腐食していない。

霊体の様子からしても死後そんなに経っていないとは思っていたが、見たところ綺麗なままだな。欠損もない、死因は…後頭部の怪我か。それにしても火葬でなくて助かったな。

 

 「死んでからどれくらい経っている?」

 

 (五日だと思います)

 

 随分と運が良いものだ、幽霊になれる素質があるの奴が死後数日で私のような存在と出会うなんてな。

この世界はどうやらそうゆう素質を持つ者は少ないようだし、この世界にやってきたばかりに出会うなんてすごい確率だろう。もちろん、ありえないとは言えんがね。

 

 「そうかそれは運が良かったな、では始めるぞ」

 

 前の世界でウドラーから奪いまくった"世界樹の葉"が効けば良いのだが………やはりこれでは無理なようだ、なんの反応もしない。この状態から復活させるとしたら"世界樹の花"でもなければ無理だろう、さすがにそんな物は持っていない。さてどうしようか正直もう方法はない、しかし本気で生き返らせると約束をした…。

そうだな、前から試てみようと思っていた方法を試してみるか。

 

 …"時の砂"を振りかけて…"しのオルゴール"を一瞬だけ鳴らす。

 

 「よし、自分の体に重なるように横たわってくれ」

 

 (…こうでしょうか?)

 

…"封印の杖"を使って少女の霊をその遺骸に封印し…死装束の上から"ヒュプノスガウン"を着せて……"ふゆぞらの帽子"をかぶらせ"命のネックレス"に"ゴスペルリング"をつける……さらにその上に大量の"世界樹の葉"をばらまき"けんじゃのせいすい"、"世界樹のしずく"、"天使のソーマ"を振りまく……よし十分、全体に馴染んだ…最後だ、復活の杖で…………ぐおぅっ!!この光は?!

 

 「…まさか本当に成功するとは、本当に死後直前ではない者を甦させることができたのか?!」

 

 目の前には上体を起こしたあの少女がいる、未だぼんやりとした表情だが赤みがかった顔をしていて実に健康的だ。また、モンスター独特の気配も感じられない。私と同じくモンスターとして蘇るのではなく、しっかりと人間として甦えらせれたようだな。おっと、いつまでも感動に浸っているわけにはいかん。

 

 「荒らした墓を元に戻すからとりあえずそこから出てこっちに来い」

 

 「……」

 

 「よしそこで待っていろよ、村にはまだ行ってはダメだ。もう遅いから明日の早朝に村に戻ることにしよう、その時は私もついていく」

 

 少女が後ろで座り込んでいるのを確認したあと、掘り返した際に荒らしてしまった墓場を綺麗に整える。

名も知らぬ者たちの墓ではあるが、汚したまま放置というのは駄目であろう。

 

 さてこれで終了だ、結構な時間がかかってしまった。…こんなに暗い中で作業しているのを見られていたら、ちょっとした騒ぎになるだろうな。何も起きていないということは誰にも見られていないということだが、どちらにしろ墓場は早く離れたほうがいいだろう。

 

 「待たせたな、では……っ」

 

 いない!?ええぃ、さっきまでは確かにここにいた……周辺には気配はないか、だがそう遠くに入っていないはず。誰か知人に接触する前に見つけねば、"ヒュプノスガウン"も置いていきおって…

 

 探しはするが、見つからなかったらそこまでだ。

生き返らせはした、あとどうするかは個人の自由というものだろう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 船が出た、ギリギリまで少女を探しはしたが結局、見つかることはなかった。

あとは少女の幸運を祈るばかりだ、明るくなってから人に会えれば大丈夫だろう。

 

 さて、この世界にも幽霊が存在していることがわかった。次からは極力、関わらないようにしよう、今回のように絡まれるのはごめんだからな。

 

 ……ん?何か慌しくなってきたな、客室から外に出て適当な奴にでも聞くか。お、いたいた。

 

 「どうした、何かあったのか?」

 

 「はい、それが密航者が船内にいたようで」

 

 「密航者だと?私も探すのを手伝ったほうがいいか」

 

 「いえいえ、クロウさんの手を煩わすほどではありませんのでゆっくりしてしてください」

 

 「そうか、それなら良いのだが。私は用心棒として雇われている身だ、そんなに気を使う必要はないぞ」

 

 「大丈夫ですって、ナイフを持っていたようですが相手は少女です。直ぐにつかまりますよ」

 

 む、少女?もしやして

 

 「そういえばなのだが、捕まえた密航者はどうなるのだ?」

 

 「そうですね…まだ子供ですから海軍に引き渡して、事情聴取の上で元の島に返されるでしょうね」

 

 事情聴取か…少しまずいな。

 

 『プルプルプルプルプルp』

 

 「おっと、すみません。電話が」『uぷ、ガチャ』

 

 『密航者は確保した各員、持ち場に戻るように』

 

 「どうやらもう捕まえたみたいですね、では私も持ち場に戻るのでクロウさんも心配することはありませんよ」

 

 「いや、ちょっと待ってくれ。その少女、知り合いかもしれん。姿を見たいのだがどこにいる?」

 

 「知り合い?密航者なら今頃は執務室だと思いますよ」

 

 「そうか、ありがとう。ではな」

 

 では執務室に行くか、もし密航者があの少女なら少々面倒なことになりそうだ。

この船は行商船、出港してからもう三時間になるから私が言っても引き返してはくれまい。だからこのまま何もしなければ先ほどの話通りになるだろう。

 よし、ここか。

 

 『コンッコンッコンッ』「クロウだ、入ってもいいか?」

 

 「どうぞ」

 

 執務室の中には椅子に座っている私の雇い主と、何人かの船員に取り押さえられているあの少女がいた。

 

 「あ、あなたは!?」

 

 「やはり、か。すまんな突然」

 

 「とんでもない、クロウさんにはお世話になっていますから。それで何か用でしょうか」

 

 「それがなその少女、知り合いなのだが…訳ありでな、特に何もなければ処遇は任せてくれないか?」

 

 「構いませんよ、こちらとしては。大した被害もないですから」

 

 「いいのか?海軍に届けるのが普通だと聞いたのだが」

 

 「それは対処法の一つです、賞金首でもなければ密航者を海軍に届ける義務はありませんので」

 

 「そうか、助かる。では自室に連れて行かせてもらうぞ」

 

 「えぇ、どうぞ」

 

 「あ…あの」

 

 「…話しは後だ、とりあえず黙ってついてこい」

 

 「今回はこいつが手間をかけてすまなかったな、では何かあったらまた」

 

 「はい、その時は頼りにしてますよ」

 

 「ふっ、任せておけ」

 

 執務室を出て足早に自室へと向かう、もちろん少女がついてきていることを確認しながらだ。

自室に少女を入らせ、とりあえず椅子に座らせる。連れて来はしたがどうしたものか…

 

 「さて、まずは質問だ。なぜこの船に乗った?」

 

 「っ…」

 

 これは予想していた中でも悪いことが起こったようだな、一瞬で曇った顔を見れば何かトラウマができたことは簡単にわかる。死んだはずの者が日暮れに汚れた服でうろつく、知り合いに会えばどうなるかなど明快である。

 

 なんにせよ、これで単純にあの村へ返すということは難しくなった。

放っておくことは私にも不利益をもたらす、こうなったのも私が蘇生直後で意識が朦朧としていたであろうこの少女から目を離した所為だと考えれば手助けをするのは吝かではない。

 

 「まぁ、それについてはもういい。それよりもこの船に乗ってどうするつもりだったのだ?」

 

 「……」

 

 答えられないか、特に理由もなく逃げるために乗ったということか。

 

 「目的はないのか、なら孤児を引き取ってもらう場所を探してやる。蘇生したのは私だからな後し…」

 

 「目的は…」

 

 「ん?」

 

 「目的ならあります!!」

 

 微かにだが目に光が宿ってきた、さっきまでのなにか絶望した目とは違い目的を見つけた者の目だ。

 

 「ほう、何だ。言ってみろ」

 

 おもむろに少女は席を立ち床に座ると、こちらを直視してきた。

 

 「私の目的、それは……それは世界一の剣豪になること!!お願いします!私を、私をあなたの弟子にしてください!!」

 

 これは!なんと見事なDOGEZA、こやつやりおる……ではなく、弟子ときたか。

まぁわからんことではない、剣道場にいたことやいくら無視、無反応をしていたとはいえ"ふくろ"を私から盗んでいったのだ。なかなかの集中力と瞬発力がある良い剣士の卵なのだろう、いやはや生き返る目的は知人との接触関係よりもこっち、武の道を極めたいという方が主のようだ。

だが正直なところ勘弁して欲しい、これからこの世界を回ろうという時にお荷物が増える。

 

 「だめだ」

 

 「お願いします、あなたの弟子にしてもらえるのであればなんでもします!」

 

 「だめだといっているだろう!」

 

 「お願いします…お願いします…」

 

 「ええい、しつこい。もうやめないか!」

 

 「弟子にしてもらえるまでやめません!」

 

 「ならずっとそこでそうしているのだな!」 

 

 そのまま少女を置いて部屋を出る。 

流石に死後、霊体になって意識を強く保てていただけのことはある。これはかなり強情だ。

 

 「すまん、少々だが迷惑をかけるかもしれん」

 

 「いえいえ、問題ありません。それにしても知り合いというのはあなたの追っかけということでしたか」

 

 私と少女の話を途中から部屋の外で聞いていた雇い主に声をかける。

盗み聞きを放置した理由は私の雇用主として聞く権利があったからだ、バレるとマズイ話題は出ないようにすればいいだけだ。

 

 「それで聞きたいのだが孤児院などはないのか?」

 

 「孤児院ですか?この近くではないですがあるところにはあります、しかし弟子にはしてあげないので?」

 

 「あぁ、私の目的の邪魔になる」

 

 「そうですか……」

 




あと一話、続きそうです。
さて次で締めるか保留するか、どちらにしろ次の話は量が減ると思います。
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