皇暦2010年、夏。日本は、神聖ブリタニア帝国の侵攻に打ち勝った。
ブリタニア擁する新兵器『ナイトメアフレーム』を上回った、日本の力の名は、『インフィニット・ストラトス』。



コードギアスとインフィニット・ストラトスのクロスオーバー。誰かこんなのを書いてくれないかなぁ、という妄想を乱文で書きなぐったもの。ギアスもISもどちらも知ってる方向けです。

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ゼロレクイエム7周年にかこつけて過去の妄想をぶちまけようと思ったら間に合わなかったの巻。

クロスオーバーすると蹂躙されることに定評のあるISも、ギアスの世界で生まれたならきっと強いと思う。


始まり の 一夏

 皇歴2010年夏。

 極東で中立をうたう島国『日本』と、世界唯一の超大国『神聖ブリタニア帝国』の間にかねてよりあった、日本の地下資源『サクラダイト』を巡る根深い外交上の対立は、いよいよ、開戦という一つの結果を産み出さんとしていた。

 高まる開戦の機運を前に、両国は密約を交わす。

 俗に言う、人質外交。

 ブリタニア皇族の兄妹を日本に留学させるというブリタニアの提案を、日本は受け入れた。

 祖国に政治の道具として扱われた兄妹は、相手国の首相・日本国総理大臣『枢木ゲンブ』のもとに送られる。闇渦巻く王宮という、静かな戦場に産まれ生きてきた兄妹は、海を越えた国で、思わぬ平穏を手にする。

 

 

 

 

「なんだよこれぇ。頭を使う要素がまるでないじゃないか」

 

 山の中にある土蔵の中で、6人(・・)の少年少女が、双六の人生ゲームで遊んでいた。そんなに大きくない土蔵に、子供とはいえ6人も入ると流石に手狭であるが、そんなことは遊ぶ子供たちには関係のないことだ。

 今、情けない声をあげたのは、日本に留学(実情は先の通り人質だが)に来ているブリタニア皇族の兄妹の片割れ。兄『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア』である。

 平時は、嫌みなほどに整った顔に澄ました表情を浮かべてせせら笑うものだが、今は渋面で瞠目し、このゲームに文句を言う。盤上で人生を二転三転させた彼が、今しがた経営する会社と家を失ったばかりであることを思えば、そのリアクションに無理はなかった。

 そんなルルーシュの様子を周りの5人はけらけらと笑った。いつも気を張って、偉そうな、あるいは年不相応に達観した顔で小難しいことを言うルルーシュの、常にない弱りきった声色は、4人の友人と1人の妹の笑いを誘うには充分であった。しかし、そんな周囲の反応がこのプライドの高い皇子の気に障ったようで、ルルーシュはむきになって言い募る。

 

「大体、成金でロクなコネクションやビジョンもなしに会社を建てるなんて、このゲームの奴はどうかしてるよ。僕なら絶対にこんなバカなことはしないし、こんな無様な末路なんてもっと……おいスザク! 勝手にサイコロ振るなよ! 僕の話はまだ……」

 

 気恥ずかしさと怒りと屈辱と理不尽のあまり饒舌に捲し立てるルルーシュを尻目に、さっさと次のサイコロを振ろうとするのは、互いに初めての友達を自認する『枢木(くるるぎ) スザク』。

 健康優良日本男児を体現するような彼は、ルルーシュらの預けられた『枢木家』の御曹子である。枢木神社の裏手の山にあるこの土蔵とて、少し前まではスザクの遊び場だった。当初こそ、ルルーシュとスザクは強烈に反発したものだったが、ある時を境に親友となった。

 

「あのなぁ、ルルーシュ。双六にそんなこと言ったってしょうがないだろ? ゲームだぞ、ゲーム。大体、そんなこと言ったら、箒なんてデブで無職の文無しなんだから、お金あるだけルルーシュの方がマシじゃん」

 

「……言うな、スザク……こんな私のことなんて放っておいてくれ……」

 

 ルルーシュのごね方には慣れっこのスザクは、呆れ半分という口調で軽やかに往なす。

 スザクの引き合いに出されたのは、少しキツい目付きに長いポニーテールの少女、『篠ノ之(しののの) (ほうき)』。剣道道場を営む篠ノ之神社神主『篠ノ之 柳韻(りゅういん)』の娘であり、自身も剣道ではなかなかの強さを誇る。……が、今の箒は、盤上の惨憺たる人生を前に目を注に漂わせていた。

 ここに集う六人のうち、三人は彼女の縁でここにいる。というのも、『枢木』と『篠ノ之』は宗家と分家の関係である。『篠ノ之神社』は『枢木神社』の分社から起こったものであり、『篠ノ之流』は『枢木流』の派生。スザクと箒は遠い親戚となる。いつの頃からか、篠ノ之流と枢木流は、毎年夏と冬には枢木神社に会し、合同で鍛練を積み、研鑽しあうのが習わしとなっていた。篠ノ之神社の道場に通う箒自身と二人の友人は、その枢木との合同稽古のためにここへ来ているのである。

 実のところ、この場では箒しか知らないことだが、日本の『(すめらぎ)』家に一人娘の神楽耶が産まれるまで、スザクと箒は婚約者だった。一時期はそんなほいほいと操作される自分の結婚に、一人の乙女としてやるせない想いを抱いていたこともあったが、好きな人ができた今では、神楽耶に産まれてきてくれてありがとうと言いたいとさえ思っていた。

 そんな彼女の想い人、『織斑(おりむら) 一夏(いちか)』といえば、

 

「それにしても埃っぽいなここは。これ終わったら掃除しようぜ、掃除。ナナリーは鼻がいいから辛いだろこれ。濡れた新聞撒くとマシになるんだ。日本の夏は湿気が高いと行っても、これはな。虫とかも気になるし、やっぱしっかり掃除しよう。な、皆」

 

 主婦みたいなことを言っていた。

 言う事こそこれだが、実はスザクに負けず劣らずの元気坊主である。スザクがガキ大将タイプとして、一夏は気さくなあんちゃんタイプとでも言おうか。スザクは嫌いな相手や怒ったときには手が先にでるが、一夏は口が先にでる。しかし、ルルーシュと違って理論的に相手を負けそうとする『口』ではなく、相手を煽って言い合いする『口』なので、結局、殴りあいになってしまうのが、一夏という少年であった。

 スザクと一夏は、そういう喧嘩同然の出会いから始まり、もう4年にもなるライバル関係である。同年代ではスザクと競えるほど強いのは一夏くらい。地元の同年代の子たちはスザクに遠慮するばかりなので、スザクとしても一夏は大きな存在だった。こう書くとなんだかルルーシュとスザクの関係と似ているようだが、スザクと一夏は大体何をするにも競いあう関係であり、見事にジャンルが別れているルルーシュとスザクの関係とはまた異なる。分野違いの親友とでも言おうか。

 ちなみに、ルルーシュが一夏と箒と『もう一人』と初めて会ったのは、スザクとのちょっとした対立から劇的に友人となったあとのこと。ルルーシュにとってのスザクは初めての友人だが、スザクにはもう親しい友がけっこういたということで、ルルーシュ的にはちょっと妬いているところでもあった。しかし、一夏は、あっという間にルルーシュの心の内に侵入し、友人になってしまった。いくらスザクと友人になったばかりで色々と緩んでいると言っても、人を信じられない生活が長かったルルーシュを相手にこれなのだから、一夏の人たらしとしての能力は異常である。もっと言えば、箒も嫌ブリタニア派の考え方だったのだが、一夏が丸め込む形で結局こうなった。一夏様様である。

 

「いえ、イチカさん、私は別に……」

「遠慮しないでいいのよナナリー。最近こいつ、自分の掃除スキルをひけらかしたくて仕方ないみたいでさ。昨日も道場でスザクより雑巾の使い方が上手いって誉められて天狗なのよ」

「テング? カレンさん、テングってなんですか?」

「え? て、天狗? えーと……」

 

 そして、ルルーシュの妹『ナナリー・ヴィ・ブリタニア』と、篠ノ之道場の急先鋒『紅月(こうづき) カレン』である。

 ナナリーは、この中では一人だけ年下である。盲目で車イス、小さな体に、同じくらい小さな声の儚げな少女。こうなる前はお転婆なお姫様だったのだが、兄妹の母『マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア』が暗殺された事件の現場に居合わせ、そのときのショックと外傷により目と足が力を失っている。そのため、兄に負担をかけている自責から、すっかり大人しくなってしまっていた。

 一方、紅月カレンは、肩に触れる程度の長さの赤毛をツンツン跳ねさせた元気な少女であり、箒のライバルである。父親が実はブリタニアの貴族『シュタットフェルト伯爵』であり、半分ブリタニアの血が流れているのだが、それを知るのは彼女の母だけである。

 以上6人。

 不思議な縁で出会った友人たち。

 ルルーシュとナナリーは。スザクと一夏は。カレンと箒は、

 確かにここで、幸せを感じていた。

 

「6だ! 1、2、3、4、5、6……」

「『最初からやりなおし』だってさ、スザク。残念だったな。今朝の稽古試合に雑巾かけ競争、そしてこの人生ゲームも引き続き俺の勝ちになりそうだ」

「……なんだよこれ! 人生に最初からってあるかよ!?」

「……ふっ、"あのなぁ、スザク、双六にそんなこと言ったって仕方ないだろ? ゲームだぞ、ゲーム"」

「いい顔してるぜ、ルルーシュ」

「あぁ、イチカ。バカに言い返せる瞬間ってのは気持ちいいよな」

「んがぁああああ! ルルーシュゥウウウウウッ!!」

「ほぁあっ!? スザァアアアアアク!! 盤をひっくり返すな!! 盤上だけとはいえ折角ナナリーが幸せな人生を送っていたのに!!!」

「そうだそうだ! 折角、久し振りの勝ち越しのチャンスを!!」

「君の勝ち負けなんかどうだっていい!! ナナリーを! ナナリーの人生を返せ、スザァアアアアアク!!」

「おいなんかニュアンス変じゃないか!? 別に俺はナナリーをどうもしてないし!!」

 

「えー、つまり天狗ってのは鼻が長くて、顔が赤くて、葉っぱのうちわ持ってて……」

「お鼻が長いのですか? どれくらい?」

「……箒、パス」

「お、お前が始めたんだろうが! えーと……天狗の鼻の長さってそんな……たしか家にあった面がこれくらいだった、かな?」

「……あの、すみません、見えなくて……」

「え、あ、いや! そ、そうか……じゃあ、触ってみないか、ほら、このくらい……」

「これ……は……ホウキさんの腕、ですよね……」

「……っ、あ、ああ。ちょっと、なんか、こそばゆくて……っ」

「綺麗なお肌。もしかしたら、コーネリアお姉様より綺麗な……」

「な、なんか、なんか、箒の腕をねっとり触ってるナナリーって、なんかこれ、なんか……」

「それに、思っていたより細いのですね。イチカさんと剣道なさっているとお聞きしていたので、イチカさんみたいなのかと……」

「お、おいナナリー! なんか趣旨変わってないか!? というか、一夏と一緒にするな!」

 

「イィチカァアアアアア!! なぜナナリーが君の腕の太さを知っている!? ナナリーになにをしたぁああああああああああ!!!」

「なにもしてねぇって!! というかどんだけ急な方向転換だよ!?」

「ルルーシュは任せたぞ一夏! 俺は戦略的に撤退する!」

「おいルルーシュ! スザクが逃げてくぞ!!」

「スザクよりもまずは君に聞かねばならんことが山ほどあるぞイチカ!! ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じるッ!! 質問に答えろぉおおおお!」

 

「わあ、ホウキさんの手、柔くて暖かい……!」

「ついに頬擦りし始めたのだがっ! か、カレン! な、なんとかしてくれぇ!」

「ふぅん? じゃあ、私も箒にすりすりしよっかなー」

「わ、悪乗りするな、カレン!! お、おい一夏! なんとかしてくれ! 一夏ぁあああああああ!!」

 

「おう、待ってろ箒!」

「……」

「元気出せよ、ルルーシュ。一夏に組み付いた時点で勝負は見えてたよ。そんなのお前のジャンルじゃないし」

「……愛してる、ナナリー……」

「なんで今ここで言ったんだよ……」

 

「きゃあ!? い、イチカさん!?」

「ひゃあああああああ!? い、う、あ、あんた、どさくさに紛れてどこ触ってんのよ一夏ぁ!!」

「ち、違うって! 俺は別に!!」

「一夏貴様ぁあああああああ!! 私やカレンに飽きたらず、動けないナナリーにまでよくも不埒な! 見損なったぞ! そこになおれぇ!!」

「う、うぅあああああああぁあああああああ!! 落ち着け箒ぃ!!」

 

「……スザク、手を貸せ。あの痴れ者を排除してやる。君と僕が組んでできないことなんてない。そうだろ?」

「……あーあ、俺、知ーらないっと」

 

 そんな賑やかで楽しい日が、いつまでも続くと。続いていけばいいと。

 

 俺たちは思っていたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 子供達がわいわいとやっている頃。

 枢木神社の道場では、二人の強者(つわもの)が、木刀を手に、鬼気迫る一騎討ちを演じていた。

 一人は、軍内でもかなりの支持を集める将の大器。日本軍中佐『藤堂(とうどう) 鏡志朗(きょうしろう)』。

 もう一人は、今頃、裏山のなかで、ルルーシュの戦略にはまって、スザク、箒、カレンに追い詰められて「死ぬ、死ぬ! 死んでしまう!」と悲鳴を上げているであろう織斑一夏の姉。現役女子高生にして、隔絶した実力を誇る『織斑(おりむら) 千冬(ちふゆ)』。

 既に篠ノ之道場の師範より強くなってしまった千冬は、こうして現役の軍人に教えを受けて、さらにその力を伸ばしている。そして、千冬の戦士としての才能は、藤堂の部下である四聖剣をも凌駕していた。

 防具はなく、二人とも胴着と剣のみだ。そして、いくら大人びているとはいえ、千冬はまだ17の美少女。しかし、藤堂は全く手加減を見せない。

 藤堂も、有事のときには国を守る兵であり、この時勢においては怪我など許されない人物だ。しかし、千冬も当然手加減などない。

 知れたこと、それでは鍛練にならないからだ。

 

 間近でぶつかり合いながら、藤堂は感服していた。

 織斑千冬は、公式大会上で既に日本最強の剣豪となっている。が、この器はその程度にとどまるものではない。やがては己をも抜き去り、名実ともに日本最強の人間になると、改めて確信していた。それどころか、世界をも叩き伏せる最強の武人になるという予感すら感じさせる、圧倒的な成長速度だ。

 無論、日本の漢である藤堂は、年若く美しいこの少女が、既に戦士としての人生を歩もうと決意していることに思うところもあった。しかし、千冬は、弟を守るために強くなりたいと言った。

 聞けば、幼い頃に両親が消えた彼女は、幼いその手で弟を育ててきたのだという。並みならぬ苦労があったろう。無力を痛感したこともあっただろう。たくさんの人に助けられ、それと同じくらい踏みにじられただろう。そんな彼女が望んだ強さに、もうじき手がとどこうとしている。

 ならばその間、若き大和撫子が健やかに力を蓄えられるよう……そして、なるべくなら、この少女がその武を振るう必要がないよう、戦い、守るのが己の使命だ。

 藤堂は、決意を新たにしながら、渾身の力を込め、剣を押し返した。

 

 一方の千冬は、一夏のことを考えていた。

 勿論、目の前の藤堂を無視して心ここにあらずというわけではない。千冬は、なにをするにしても、一夏のことを思っている時に一番いい成果がでるのだと自認していた。一夏への思考を経由させると、千冬はなによりも早く集中力を高めることができ、そして驚くほどシームレスに目の前の事象に集中の対象を移すことができる。姉バカ流集中法とでも言おうか。生活の全てが弟に直結している千冬ならではの方法である。我ながら呆れた姉バカだと思うが、性分なので仕方なし。昨日稽古をつけてやったときには、なかなかの上達を見せていたのに驚いたものだったなぁ。私も負けてはいられぬ、と千冬は木刀に意識を移す。

 女手ひとつで育ててきた大事な弟、一夏。彼が心身ともに健やかに育ってくれたことは、千冬としても報われる思いだ。だが、今の日本において、その心は健やか過ぎると懸念を抱いてもいた。

 千冬は、『お節介で万能な親友』が夜毎やってきては、頼んでもいないのにあれこれ教えてくれるお陰で、『枢木神社の裏手の土蔵に隠してあるもの』の正体を知っていた。朝の修練を終えるなり駆け出していった一夏たちの目的地であることも。……あの親友は、明らかに寝不足の顔をしておいて、なぜ毎晩千冬のもとに現れるのか。そして、なぜあんなに色んなことを知っているのか。私のことはいいから妹に会ったら帰って寝ろ、というと三十分だけ毎晩箒ちゃんと寝てるからいいよ~などと惚けていたのを思い出す。

 それはさておき、一夏のことだ。

 ルルーシュと一夏が仲良くなることに、千冬としては異存はない。日本とブリタニアの間が緊張していても偏見もなく、どんな相手とも付き合える一夏の精神は、得難いものだと常々思っている。それが男女関係なく発揮されるお陰で別の問題を起こしやすいのはどうにかしなければならないと思うが。それに千冬は、他人の手を借りずに、ただ一人の妹を守り抜こうとするルルーシュの信念が、痛いほど理解できた。姉に守られているという自覚をいつからか持つようになった一夏は、自身に近いものを、ナナリーに感じているのだろう。そして、千冬の苦労を知っていればこそ、ルルーシュも慮るのだ。

 だが、ルルーシュとナナリーはブリタニアの皇族。となれば、いつ何時、火の粉が降りかかるか分からない。そうなったとき、一夏は、迷わず二人を助けようとするだろう。一夏のそういうところは間違いなく美点ではあるが、ルルーシュとナナリーを助けるなら、相手は間違いなく強大になる。今の一夏では、命を……。そして、そんな一夏を助けようと箒までが火中に飛び込んだりしたらもう、目も当てられない。あの親友のこと、最悪の場合、世界を滅ぼそうとする可能性さえある。

 そうならないために……一夏を守るために、今の自分ができることは、決まっている。まずは目の前の藤堂を上回る力をつけること!

 そうして千冬は、一夏への愛をすんなり集中力に換えて、藤堂に打ちかかっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 蝋燭一本で明かりをとる暗い和室で言葉を交わす老人6人。

 まるで悪の組織の秘密会合場だなと心中で漏らすのは、青年『紅月ナオト』。カレンの兄である。

 ナオトの思った通り、目の前でずる賢そうな老人たちがやっているのは、真実、悪の組織の秘密会合と呼んで差し支えないものであった。無論、必要悪という意味であるが。国会での議論などまやかし。日本の全てはここで、『キョウト六家』と呼ばれる六人の日本の支配者の会議によって決められるのだ。今も、なにやらブリタニアとの対応など話している。

 とはいっても、彼らは凡百の国会議員などより優れているし、愛国心もある。やりかたが悪賢く、金があって、目標の達成を優先するきらいがあるというだけだ。

 

 そんなところに、なぜ、頭はいいとはいえ普通の青年である紅月ナオトがいるのかといえば、『見込みがあると思われたから』というしかあるまい。枢木道場への合同稽古に来るカレンに付き添い、たまに枢木道場に訪れていたため、ナオトは藤堂と面識ができた。藤堂は、戦闘力には優れないが、指揮官としての能力は己をも凌ぐやもしれぬと、ナオトの器を評価し、縁のある日本国の重鎮『キョウト六家』の一人、『桐原(きりはら) 泰三(たいぞう)』に紹介した。

 そしてなぜか、ナオトは桐原に気に入られてしまった。それから時々、桐原の付き人としてここに連れてこられているのだった。

 

 尤も、付き人を連れているのは桐原だけではない。

 大抵は、桐原の対面に座る老人『更識(さらしき) 楯無(たてなし)』の後ろに座る少女『更識 刀奈(かたな)』のように、家の後継者への教育として連れてくるものだ。あとはボディーガードか。見込みはあるとはいえ全く無関係の他人を連れてきているのは桐原だけである。

 刀奈は器用に楯無氏にバレないように船をこいでいる。慣れたものだ。これで、あとで聞くと会議の内容はしっかり覚えているのだから畏れ入る。

 

 と、ここで、ナオトにとっても聞きなれた名前が出てきた。思わず背をかたくして座りなおす、

 

 『篠ノ之 (たばね)』。

 容姿、勉学、運動はもとより、芸術や知識力など、あらゆる分野に優れた万能の天才としてキョウトにも知られていた少女。特に開発能力に秀でており、最近ではキョウトが露骨に肩入れするほどの何かの研究に打ち込んでいるらしい。この有事にキョウトから手を借りられるということは、なにかとんでもないものを作っているに違いないが、この会議でも詳細をボカした会話をしているため、ナオトはよく知らない。というか、キョウトの彼等もよく知らないのではないのかとさえ思う。

 束の唯一の欠陥は人間性だ。気に入った人間以外にはまるで関心を示さず、親にも『よく知らないけど、私を生んだ人』などとのたまう。忙しくしている近頃では、親友だと言って憚らない千冬には隙を見て会いに来ているらしいが、『お気に入りの一人(カレンちゃん)』の兄として顔と名前を覚えてもらえている程度の自分はおろか、実の親にもロクに顔を出してないのだとか。千冬と束の高校での副担任教師であるナオトの親友『(おうぎ) (かなめ)』などは、去年からほぼ毎日顔を会わせているのに未だに顔も覚えてもらってない、と今年の始めにはよくぼやいていた。最近はもう、諦めたらしい。

 

 枢木神社に預けられたブリタニアの皇子と皇女の話もあった。

 事実上の人質ということになるが、付き人の一人さえなく、二人がどのような生活を送っているか聞いてくることもないようなブリタニアからの扱いを鑑みても、彼らに人質としての価値を期待するのは難しいと言わざるを得ない。キョウト六家も、聞いているだけのナオトもそう思っていた。

 枢木首相は、戦争が起これば徹底的に戦う気だという。それは先刻承知の上だが、サクラダイトがあるとはいえ、国土が小さく資源にも豊かとは言えない日本が、ブリタニアと戦うのは難しいはずである。しかし、キョウトは、束の研究しているものを使えばブリタニアにも勝てると意気込んでいる。

 

 ナオトは、火の匂いを不意に感じ取った。傍に立つ蝋燭のものではない、もっと大きな火の匂い。火事などでもない。もっと大きく、両の腕を広げて迫ってくるような、そんな火の匂いだ。

 

 それは、運命の日の、三日前のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 世界には数多の人間が生きている。

 

 ブリタニアに最も苛烈に抵抗している激戦区の話をしよう。

 死と血と退廃の匂いが鼻を突く、ここ、ユーロピア共和国連合、通称『EU』。

 

 今、『嚮団』から派遣された子供たちが、行動を起こそうとしていた。

 

 全ては、自分で、自分の運命を握るために。

 生きる場所を手に入れられる。生きていると実感できる。そんな未来のために。

 『嚮団』のため、嚮主のために生きると刷り込まれて育つ『嚮団』の子らの中にあって、一種異様な、しかし明らかに正常な考え方をする少年少女ばかりが集められた集団。

 頷きあう彼ら彼女らは、互いの瞳に、赤く輝く凶鳥の紋様を見つけていた。

 

 その名は『王の力(ギアス)』。

 

 人の願いから生まれる、世界を統べるに相応しい力。誓約の眼。

 

 彼女たちの願いは、『自由』。

 

 そのための任務は、『暗殺』。

 

 結果として、作戦は失敗するも暗殺は成功。少年少女の集団は壊滅するが、ターゲットの名門貴族『オルコット』家の主人の夫婦もまた、列車事故でこの世を去った。なにも知らず、家で使用人たちとともに取り残されて帰りを待つ娘『セシリア・オルコット』に、残酷な運命が牙を剥く。

 一方、テロを行った『嚮団』の子供たちの中で一人だけ生き残った少女は、奇跡的に生き延び、やがてEU軍に入る。暗殺対象との心中という作戦の結末が、『嚮団』の洗脳に染まらなかったギアスユーザーを消すために仕組まれていたという事実を知った少女『ラウラ・ボーデヴィッヒ』は、『嚮団』への復讐のため、あえて左目を眼帯にて封じ、戦いに身を投じる。

 

 他方、『ユーロ・ブリタニア』の貴族『デュノア』が現地の美しい女性との間で作った娘『シャルロット・デュノア』は、自分の生まれのことを知らずに健やかに育つ。

 今日は、『魔女』と名乗る緑の髪の少女が運び込み、姉妹のように育てられた少女『レイラ』とピクニックに出かけるのだ。レイラとシャルの固く握られた手に、眩しい笑顔が映える。

 三時間後、レイラと出会ったことが己の運命を業火の只中へとねじ曲げたのだと、シャルロットは身をもって知ることになる。

 二つの手は、離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 『中華連邦』では、孤児の少年が、馴染みの料理屋を訪れていた。

 少年にとってこの店は、唯一といっていい、心地のよい場所だ。

 料理は安い割に美味いし、少年と同い年の看板娘『鈴音(リンイン)』は元気でいい子。

 そして、『マオ』というこの少年が聞いても(・・・・)、店主の『(ファン)』氏もその婦人も娘リンインも、どこまでも人がよかった。客足が全くない時間があるのもいい。

 

 少年は、穏やかな心持ちで匙をとる。

 そのとき、少年に、耳障りな思念(こえ)が聞こえてきた。

 

 思念を発していた男が、後に朱禁城に勤め、紆余曲折の末に連邦を負って立つ武官となることを、まだ誰も知らない。彼の活躍のなかに、マオとリンインが、奇妙な縁から巻き込まれていくことも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして。

 

 

 

 

 

 皇暦2010年8月10日、神聖ブリタニア帝国は、日本に宣戦布告した。

 

 

 

 

 極東で中立を謳う島国と、世界唯一の超大国ブリタニア。

 両者の間には、日本の地下資源を巡る、根深い外交上の対立があった。

 本土決戦においてブリタニア軍は、人型自在戦闘装甲機『ナイトメアフレーム』を実戦で初めて投入。

 その威力は予想を遥かに超え、日本側の本土防衛線は悉く突破されていった。

 

 

 

 

 

 日本。

 

 足についた『ランドスピナー』を回転させて、皹だらけの舗装道路を滑るように駆けぬける。あれだけ並んでいた戦車隊は、こちらに照準を合わせられることさえ出来ず、最後の一機を残すのみ。

 突撃するかのごとく疾走、衝突直前、やにわに飛び上がって戦車を避けると、発射した『スラッシュハーケン』を地面に突き刺し、巻き取る勢いで着地。

 大質量の『グラスゴー』の着地の衝撃で浮き上がる戦車を、思いきり垂直に蹴りあげると、こちらを狙う戦闘機にジャストミート。諸共、四散。

 直後、貧弱な手持ち火器の機銃がぱちぱちと機体表面に弾かれるが、中身にはなんのダメージもない。

 そんなアクロバット操縦を見せる『グラスゴー』のデバイサー、神聖ブリタニア帝国軍の『ナターシャ・ファイルス』は、自分が与えられた新型の性能に喜びを感じていた。そして、自分がその性能を引き出せているのだという満足感も。

 中華とともに東洋の雄と詠われる『日本』を相手に、ここまで一方的な戦いができようとは!

 

 ナターシャは、らしくないことに、戦場でウカレていた。まだ20にも満たない身で新型を与えられ、友軍の被害はほぼ0で戦場を蹂躙できたというのだ、無理もない。慢心するなというのが難しいほどであった。

 そして、本来(・・)なら、そんな状態でもなんの問題もなく、日本の征服は完了したはずだった。

 

 一月と持たずに敗れ去った日本は、帝国の属領となり、自由と伝統、権利と誇り、そして名前を奪われる。

 『エリア11(じゅういち)』という数字が、敗戦国日本の新しい名前となり、『11(イレブン)』という数字が、新しい日本人の名前となる――

 

 

 はずだった(・・・・・)

 

 

 誰が運命を変えたのか。誰が世界を変えたのか。誰が未来を変え損なったのか。

 

 勢い付くナターシャたち『KMF』湾岸攻撃隊の前に、何人もの女性が立ちふさがった。だが、一般市民ではない。彼女らは一様に、枯れ草色の軍服に身を包んでいる。

 おいおい、女だけ降伏か? どうなるかわかってんのかね? と、通信機越しに、男の下卑た声がナターシャの耳に入ったとき。

 

 彼女たちは、光に包まれた。

 

 自爆か、とデバイサーたちはつまらなげな息を漏らす。だが、そうではないことは、すぐに彼女ら自身が証明した。

 光が弾けると、中から出てきたのは、女性たちが体を鎧のようなもので覆った凛々しい姿。

 腕と脚が延長されたようなものに、翼とヘッドギアのようなものが見える。……いや待て、翼は本体と直接繋がっていないように見えるが、どういうことだ?

 

 一体……と思った瞬間、目の前の女武者たちは、半身になって刀を握ると、腰を屈め……

 

 次の瞬間、ナターシャの乗るグラスゴーの上半身と下半身は泣き別れとなった。

 衝撃に目を見開くナターシャが、コックピットを本体から離脱させた瞬間に見たのは、白い鎧に映える美しい黒髪。切れ長の目許と整った顔。銀に輝く剣を手に、一瞬にしてナターシャの慢心ごと機体を叩き斬った女傑。

 その名は『織斑 千冬』。後に『白騎士』とブリタニアから恐れられる女だった。

 

 

 

 

 ブリタニアが投入した新兵器『ナイト()メア()フレーム()』に対し、日本側は脳波操縦式女性専用パワードスーツ『インフィニット()ストラトス()』を投入する。

 軍内で『無限』と呼ばれた日本の最終兵器『IS』は、想像を遥かに超えた『KMF』の性能を更に凌駕し、日本の防衛線を一気に巻き返す。

 

 

 

 

 何がなんだかわからない、というのが、ブリタニア軍『KMF』キュウシュウ攻撃隊所属のデバイサー『イーリス・コーリング』の感想だった。

 日本、いや世界には、『KMF』に匹敵するほどの兵器は存在しなかったはずだ。昨日までは、日本は『KMF』に為す術もなく、壊滅は必至だった。

 昨日までは。

 今日、『KMF』の前に立ちふさがったのは、軍服を纏った乙女たちだった。しかし、彼女たちの中から光が弾けたように見えた瞬間、そこにいたのは、機械の鎧を纏った乙女たち。湾岸で目撃され、『ナデシコ』と仮にブリタニアから名付けられた謎の武装隊。それらが『IS』と呼ばれるものであると、彼女たちは当然知らない。

 日本の国旗と同じ白か紅の『IS』を纏った大和撫子は、『KMF』を圧倒した。

 

 『KMF』の装甲を引き裂く『ニホントウ』を模した剣。特殊装甲材を嘲笑うように穿つ銃。

 さらに、明らかに『ニホントウ』以外に武装していた様子ではなかったのに、どこからともなく、ミサイルポッドだのガトリングガンだのパイルバンカーだのを、光とともに虚空から取り出しては『KMF』を爆砕していく。

 

 武装だけなら、『KMF』にもまだ分はあった。なにしろ、総重量で『IS』を上回り、その攻撃が重いからだ。だが、『IS』は、そんな差では補えないほど決定的に、『KMF』の上をいっていた。

 

 地を制する『KMF』に対し、『IS』は空を制していた。

 鳥のように自在に宙を舞う『IS』たち。『KMF』の攻撃をひらりひらりと蝶のようにかわすと、駆動の癖を狙って『ニホントウ』を一閃。騎士の乗る真新しい鋼の戦馬は、哀れにもただの鉄屑となり果てた。あるいは、『KMF』のアウトレンジの空から『IS』が機銃を掃射すれば、巨体が意図も容易く池に沈んだ。

 空を警戒した『KMF』は、落とし穴などの古典的な罠に簡単に引っかかる。焦りと畏怖でブリタニアの指揮が精彩を欠くと読み、追加の策を講じた『IS』部隊を率いる若き知将の存在を知るのは、日本側のみ。

 

 だが、ブリタニア軍もさるもの。イーリスを始め、『IS』たちを何度か捉えた者は、一応、いた。それで痛手を被ったのは他でもない、エリートとしてのデバイサーの精神と、強国ブリタニアのプライドだった。

 『IS』には不可視のバリアーが張ってあったのだ。

 『KMF』の腕についたトンファー状の質量兵器が飛び回るハエを叩き伏せるように『IS』をまともに打ち据えたときには、勢いよく吹っ飛んでいく『ナデシコ』を見て、イーリスは喜びに震えた。だが、それらはほとんどノータイムでなにごともなかったかのように戻ってきて、平然と戦線に復帰する。操縦者にも鎧にも傷一つなく。逆にイーリスの心が大いに傷つくという追加ダメージ。

 

 キュウシュウは、『IS』にまるで手も脚も出ず、戦線を押し返されたのだった。

 

 

 

 

 

 陸戦兵器『KMF』に対し、自在に空を翔ける『IS』。

 制空による戦術的優位と、通常のミサイル兵器以上のスピードによる撹乱。

 全方位バリアーによるパイロットの安全と、粒子化格納による圧倒的な兵器搭載量がもたらす、攻防一体の技。

 掘り出される高純度のサクラダイトを惜し気もなく注ぎ込んだ連続戦闘時間。

 

 何より、『"白騎士" 織斑 千冬』、『"銃央矛塵" 山田(やまだ) 真耶(まや)』、『"四聖剣の一振" 千葉(ちば) 凪沙(なぎさ)』、『"忍" 篠崎(しのざき) 咲世子(さよこ)』といった女性IS乗りたちの並外れた技量が、日本を見る間に奪回していく。

 コアユニットが女性でしか起動できず、女性しか乗れないという欠陥を帳消しにしてなお余りある、恐るべき成果であった。

 

 そして、『大和撫子』がこんなに頑張っているのに『日本男児』がなんたる様だ、恥を知れ! とばかり、男にも気合いが入る。

 ある男は、『IS』を援護するための戦術を練った。

 またある男は、『IS』に頼らず拿捕した『KMF』を使用し、『IS』乗りとともに戦場をかけた。

 さらにある男は、通常兵器を用いた戦術を駆使し、『奇跡』を起こして見せた。

 通常エンジンで辛うじて間接が曲がる程度の『IS』のフレーム素体を鍛え上げた己の肉体のみで動かし、戦った者さえいた。

 

 日本の士気は、とどまるところを知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 枢木神社。

 ここでも、知られざる、そして世界を揺るがす変化が起きていた。

 徹底抗戦を唱えた日本国首相『枢木ゲンブ』を、誤った義憤にかられ、激情のまま殺そうとした息子。名を『枢木スザク』。

 本来、この暗殺は成功した。そして首相を欠いた日本は指揮系統に混乱をきたし、浮き足立った末に呆気ない敗北が待っていた。

 

 はずだった(・・・・・)

 

 あわやというところで、スザクは止められてしまった。

 

「親がいないことの大変さを俺と千冬姉であれだけ分かってるお前が、なに俺の前で自分の親を殺そうとしてんだよ!」

 

 親子の間に割り入って叫んだのは『織斑一夏』。

 

 そして、ブリタニアと日本、両国からあらゆる思惑で狙われるルルーシュとナナリーを、枢木神社での4人の友人諸共、移動ラボで掻っ拐う形で、束が保護してしまう。

 後方の憂いのなくなった日本の主戦力たちは、思う存分、力を発揮する。

 

 

 

 

 

 

 

 やがて、これ以上の損耗を怖れるブリタニア側の思惑と、報復侵攻するには心許ないという日本側の思惑が、両国を和平という形に落ち着かせた。

 相手の脇をつき、『IS』を破るために。相手の資産を手にいれるために。

 両国は仮初めの友好国関係を築く。

 

 そして、日本とブリタニアの戦いは、静かな場所へと移っていく。

 

 日本は、国を追われた、あるいは国を捨てた、『ブリタニア植民地出身人種(ナンバーズ)』多数を抱える闇の組織『亡国機業』を伝い、反ブリタニア勢力に『IS』を売り捌く。

 各地でブリタニアの立ち向かう戦争は激化。

 「ブリタニアの植民地統治の不手際により、ブリタニアから脱走した勢力が、平和な日本から『IS』を盗んで転売した。我が国の兵器が非道なテロに使われたことに遺憾の意を表する」などと嘯く日本の静かな平和とは裏腹に、世界は確実に炎に包まれていくのだった。

 

 

 

 

 

 

「精が出るな、N.N(エヌツー)

「……C.C(シーツー)~? 今の私は、天災科学者『篠ノ之 束』さんだよ~?」

「ふふっ、今度はそう生まれたのか(・・・・・・・・・・・)? お前の『魔女の力(コード)』もつくづく難儀だな?」

「そうでもないよ~。あなたと違って、ちゃんと生まれて年取って死ねるしぃ」

「どうだか。培った経験と能力、知識を無限に引き継ぎながら延々と次の世代に生まれ変わる『魔女(コード)』。単なる不老不死の私とは違う魔女。可死にして不死。有限にして無限。『蓮夜』のときにも変わったのを見たが、『魔王の力(ギアス)』が色々とあるように、『魔女の力(コード)』にも色々とあるものだな」

「だから『束さん』は天才なんだ。『N.Nさん』が最初に生まれたときから云百年分の記憶と能力を、『束さん』は生まれたときからそのまんま持ってるからさ~。『Cの世界』を通って引き合った赤子に魂を移す簡単なお仕事でこの便利さだよ」

「『勝手に移ってしまう』の間違いだろう?」

「へっへーんだ! 今回(・・)はツいてるよ~。『R因子』と『対R因子』が束さんの周りに大集合! これはついに叶っちゃうかもしれないね! N.Nさんの大願が!」

「そのための『IS』か? インフィニット・ストラトスなどとホラもいいところだな」

「あれ? バレてた?」

「隠すつもりもなかったくせに。あれのコアは、お前がそこかしこからかき集めて『Cの世界』の端末に仕立てた『王の力(ギアス)』の瞳。いわば『(Eyes)』。『Eye(アイ)』を『(アイ)』にかけて、『Is』。洒落のつもりか?」

「えー、自信あるのになー。N.Nさん渾身のネーミング! それにあれはN.Nさんが契約したのじゃなくて『ギアス嚮団』の廃棄物(・・・)の再利用だからギリギリセーフじゃない?」

「よくも言う……。なにをするつもりだ、『Cの世界』への入り口を世界にぶちまけて」

「んーとね~……。

 

 

 内緒!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皇暦2017年、日本(・・)

 

 今、日本で一番大きな学校は、『アッシュフォード学園』という、ブリタニア資材の学校だった。

 自由を唄う校風のここは、日本人とブリタニア人がともに通える学校のテストベットとしての役割を持っていた。

 

 生徒会会長1:ミレイ・アッシュフォード(二年生)

 生徒会会長2:更識 楯無(二年生)

    ※1と2で毎週頭になにか勝負する

     勝った方がその週の会長。

     負けた方は一週間副会長に格下げ。

 生徒会副会長:ルルーシュ・ランペルージ(一年生)次期生徒会長候補

 生徒会副会長:枢木 スザク(一年生)次期生徒会長候補

 生徒会書記 :ニーナ・アインシュタイン(一年生)

 生徒会書記 :布仏(のほとけ) (うつほ)(一年生)

 生徒会会計 :シャーリー・フェネット(一年生)

 生徒会会計 :布仏 本音(ほんね)(一年生)

 生徒会庶務 :リヴァル・カルデモンド(一年生)

 生徒会庶務 :織斑 一夏(一年生)

 

 生徒会見習い:ナナリー・ランペルージ(中学二年生)

 生徒会見習い:五反田(ごたんだ) (らん)(中学三年生)

 

 生徒会顧問1:(おうぎ) (かなめ)( ま さ か の )

 生徒会顧問2:スコール・ミューゼル

 

 

 今週の会長はミレイだ。

 だから、ミレイ会長の提案するイベントで学校が騒がしい。尤も、楯無会長のときでも騒がしいのは変わりないが。ミレイ会長よりも頻度が少なく、混乱が大きいというだけだ。

 辟易しながらため息を吐く美青年『ルルーシュ・ランペルージ』こそは、日本とブリタニアの戦争で死んだことにされ、アッシュフォードと枢木に匿われている皇子『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア』その人であった。

 だが彼は、目の前の光景に感じ入っていた。

 日本人とブリタニア人が、仲良く遊んでいる。ミレイと楯無の人柄あってこそではあるが、それは、幼い頃、一度は失いかけた平和な日を、拡大したものだったから。

 

 だが、それだけではいられない。いつまでも隠れ続けるわけにはいかない。

 ナナリーの平和に過ごせる世界を作るために。

 母の死の真相を解明するために。

 それに、7年前には自分達の平和は守られたが、次も守られるとは限らない。むしろ、日本だけを不気味に平和にし、インフィニット・ストラトスとナイトメアフレームによる混乱を世界に撒き散らしているのは、7年前に自分達を匿ってくれた篠ノ之束だと、ルルーシュは考えている。

 戦うべきときが、きっとくる。

 

 それはさておき、楯無が煽った結果、喧嘩を始めた『ルルーシュくん』派と『一夏くん』派の女子たちをどうやって止めようかと考えながら、ルルーシュは立ち上がり……。

 

 

「……ん? うちの学校に、あんな鮮やかな緑の髪の生徒なんていたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブリタニアの少年『ルルーシュ』には、二つの生がある。

 

 一つは、穏やかに友人らと過ごす、『ランペルージ』という名の光の生。

 一つは、祖国から妹と隠れ続ける、『ヴィ・ブリタニア』という名の影の生。

 

 母『マリアンヌ』を知り、妹『ナナリー』の仇を討たねば、ルルーシュに確たる昨日はない。

 父王『シャルル』を討ち、祖国『ブリタニア』を壊さねば、ルルーシュに平和な明日はない。

 

 故に今、ルルーシュの中に、第三の生が拓け始めていた。

 

 

 亡国の士らを負って立つ魔王。

 

 

 『ゼロ』という名の、闇の生が。

 

 




その後、ルルーシュはなんやかんやあってC.Cと契約します。
スコール先生から『モノクローム・アバター』を掌握し、『ゼロ』はブリタニアに、そして世界に挑みます。

日本が戦火を凌いだのとは裏腹に、世界の戦火は益々激しく燃え上がります。

ルルーシュは、スザクは、ナナリーは、カレンは、ナオトは、C.Cは。
一夏は、箒は、セシリアは、シャルは、ラウラは、鈴は。
この世界でなにと、どう戦っていくのでしょう。

という話を読みたいなぁ。

終いには
『蜃気楼』の絶対守護領域を『白式』が零落白夜でぶったぎったり
『ランスロット・コンクエスター』にけちょんけちょんにされた『紅椿』が土壇場の自己進化でハドロンブラスターとエナジーウィング作り上げて追い付いたり
ロロの『ヴィンセント』vsラウラの『シュバルツェア・レーゲン』のギアス対決になったり
天子様とかレイラとかナナリーとかがIS乗っちゃったり
ナナリーがISのハイパーセンサーと脚パーツを使って視覚と歩行を取り戻したり
ナターシャが乗ったKMFがシルバリオ・ゴスペルに蜂の巣にされちゃったり

ギアスのこと知っちゃった黛さんがディートハルトに匿われて二人でスクープを追いかけてギアス嚮団に入り込んだり
M「おはようございました」だったり

そういうのが読みたい

亡国機業メンバーでは、
スコール・ミューゼル、レイン・ミューゼルはブリタニア人で、オータム、フォルテはナンバーズ、Mはギアス嚮団から、それぞれ脱走。
機業のメンバーにはラクシャータやディートハルト、『オズ』も名を連ねる他、桐原泰蔵、シン・ヒュウガ・シャイングらも支援者として名が上がっている。
という設定。

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