IS~雪月花の世界~   作:在原昴

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今回、まじでフルボッコ会ですね
あ、真也君がえげつねぇ!!って展開がありますけどね?
彼の性格上、仕方ないね?


艶やかな華、悪夢映す月

第二試合の前、一夏は控室で一息ついていた

 

一夏「ふぅ…少しだけだが、休憩時間があるのはいいものだな…」

真也「そうだね、一夏」

 

真也がいつの間にか一夏の控室に来ていた

一夏は驚き、たじろいだ

 

真也「一夏」

シロ『あの頭のおめでたい野郎は俺等に任せてくれねぇか?大丈夫だ、心身ともにへこませるだけだ』

一夏「真也、やめておけ、お前の性格上二度とISに…って!?いねぇ!?」

 

一夏はため息をつき、試合に臨んだ

 

アリーナでは胡蝶の桜(アルテミス)を纏った雪花がいた

 

雪花「一夏、待ちましたわよ?」

一夏「悪かったな、遅れちまってだからお詫びとして…この試合(デート)!!本気で行くぜ!!」

 

試合開始とともに一夏は雪崩、雪花は淡い赤色のブレード、『狂瀾』を構え、切りかかった

二人の試合は互いに一歩も引かなかった

その戦いももはや人間業ではない

その時、アリーナに桜が舞い始めた

一夏「おいおい…もう『開花』の時期かよ…」

 

一夏は静かに焦り、ガンブレードをしまい、近距離専用ブレード『白雪』と『M29改式』を展開して花びらを狙い始めた

 

麻耶「尾神君、いったい何をしているのでしょうか?」

千冬「わからん、だが、あの花びら…何かあるな…」

 

千冬がモニターに目を向けると、花びらが一斉に一夏にめがけて飛んできた

それらはまるでビットのようだった

そして、的が小さい分、狙いづらい

一夏はそれらを白雪で何とか防ぎながら発砲する

だが、それは花びらによって防がれる

 

一夏「やっぱり、その花時雨は厄介だな!!」

雪花「貴方の単一能力と比べれば楽なものです!!」

 

防いだ花弁の何枚かが凍り付き、地面に落ちた

 

ここで一夏の機体雪華の夜(アルマシエ)の単一能力の事を話そう

この機体の単一能力は冷気を操ること、セシリアとの戦いで見えていた結晶の正体は氷だ

そして、冷気を纏った攻撃はISの機械、武装、機能をすべて凍結、つまりは使用不可にさせることができる

 

花時雨、千枚の花弁型のビット兵器、これを四分の一づつ操作することで並列行動ができる

 

戦っている姿は互いに美しく、完全に観客たちを魅了していた

だが、控室で待機しているものは違った

 

セシリア「なん…ですの…?」

 

セシリアは試合を見て、レベルの違いを目の当たりにしていた

そして、自分がどんな人間に勝負を挑んだのかを理解し、あの日、言った言葉を後悔した

 

セシリア「あ…ああ…」

 

セシリアは真也との戦いの後、負ければ恐らく雪花と当たるのかもしれないだろう

もし当たれば勝てる確率はゼロに等しい

千もあるビット、洗練された戦闘技術、そして、圧倒的な強さ

何よりも、戦い慣れしている

これから起こるであろう最悪の事態を考え、セシリアの絶望に似た声が口から漏れ出した

 

セシリア「あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

その悲鳴を聞く者は誰もいなかった

 

試合に戻るが、二人のSEは残りわずか、二人は一撃で決めるため距離を取った

 

雪花「これで終わりに…」

 

その時、試合終了の合図が鳴った

結果は引き分け、二人とも握手を交わし、笑いあった

 

 

セシリアはあの試合を見て酷く怯えていた

 

『勝てるわけがない』

 

セシリアの脳裏には最下位になった時の最悪のシチュエーションが頭によぎる

代表候補生ではなくなり、家は取り壊され、損害賠償を請求され、良くて収容所送り、最悪国外追放

なぜ、あの時あんなことを言ったのか、自分でも理解できなかった

女性しか扱えないIS、それを動かした男性、それが気に入らず、自分の立場を知らしめようとし、見下していた

その結果がこれだ

女尊男卑の風潮に染まり、愚かしいことをしてしまっていた

何とも滑稽だ

だが、セシリアにも最後の希望があった

真也の実力だ

もしも弱ければまだチャンスはある

だが、その考え自体間違っていた、そもそも、一週間前のことを覚えていないのだろうか?

所詮、彼への先入観を捨てられてはいないのだろう

そして、試合の準備をするように言われ、セシリアは虚勢を張りながらピットに向かった

 

 

アリーナでは、真也が自分の専用機、微睡の月乙女(アリーシア)を纏い、静かに待っていた

そして、セシリアがやって来た

 

真也「ずいぶん、余裕そうだね…後がないのに…」

セシリア「余計なお世話ですわ!!貴方なんて、簡単に!!」

真也「できるの? 三年前から乗っている僕に、候補生(アマチュア)が…それと、言っておくけど、僕は一夏の兄弟子だよ?」

 

その言葉と共に試合が開始した

セシリアはスターライトmk‐Ⅲで真也を狙い撃ちしたが、簡単に躱され、真也は鉄扇、『神威・神楽』を展開し、攻撃を避けながら舞い始めた

真也は舞いながらセシリアに斬りかかり、セシリアは躱したが、すぐに蹴りが決まり、地面に叩きつけられた

 

セシリア「ちょこざいな!!ブルーティアーズ!!」

 

セシリアはビットを展開し、真也を攻撃し始めたが、真也はそれを躱しつつも舞を舞っていた

その動きは美しく、観客たちの目は奪われていた

その後、真也は神威・神楽でビットを破壊しながら舞っていた

そして、動きが一変、いきなりセシリアに斬りかかった

セシリアはスターライトmk‐Ⅲで防ごうとしたが、蹴り飛ばされ、スターライトmk‐Ⅲを落としてしまった

落ちたスターライトmk‐Ⅲはセシリアが急いで回収しようとしたが、高速回転しだした真也の連撃に阻まれ、そして、スターライトmk‐Ⅲは真也の攻撃によって破壊されてしまった

それを機に、真也は神威・神楽を合わせ、三日月形のブレード、『ツクヨミ』を展開した

 

真也「ねえ、ずっと聞きたかったんだけどさあ?」

セシリア「ひ、ヒィ!!」

 

セシリアは逃げ出した

今ここにいるのは温厚で人畜無害の真也ではない、まさに修羅がセシリアを見ていた

だが、すぐに追いつかれ、叩き落された

 

真也「何で君みたいな人間が威張り腐ってんのかなぁ? 人の命の事も、存在を蔑ろにしてさぁ?」

セシリア「お、お助けを…」

真也「助けて…? それは僕は今までそう言っても誰も助けてくれはしなかった…酷いよね?同じ人間なのにさぁ?」

 

真也の目が据わっている、セシリアは目の前の恐怖から逃げることしか考えられなかった

逃げなくては殺される

殺されなくても、怖い

セシリアは恐怖に屈した

ある程度離れたところで、真也は低い体勢を取った

それと同時にエネルギーが三日月形のスラスターに集まり、巨大な羽と化した

そのまま高速でセシリアに接近、羽をセシリアにぶつけ、セシリアのSEが減る

 

真也「ねえ、何で逃げるの?…鬼ごっこは飽きちゃった…」

セシリア「…して…」

真也「ん?」

 

セシリアは怯えながら真也に懇願し始めた

 

セシリア「許して…ください…謝りますから…何でも言うことを聞きますから…私から家を取らないで…」

 

セシリアの最後のプライドが崩れた

だが、現実は無常だった

 

真也「僕はね?家族や女尊男卑の風潮に染まった奴の言葉は聞かないって心に誓っているんだ…だってそうでしょ?聞いたら不意打ちで、なんてこともある…じゃあね…『月夜見乱舞』」

 

真也はセシリアを掴み、空に投げ捨てると、高出力ウィング、『十六夜』を再び展開し、飛び上がり、神威・神楽と共に舞うような連撃を繰り出し、終わるとセシリアのSEがなくなり、見るも無残な程ボロボロとなった蒼き雫(ブルーティアーズ)と泡を吹いて気絶しているセシリアが落下した

幸い、低空だったため、命には別状はなかった

真也はピットに戻った

 

 

ピットに戻ると、ニコニコとした雪花が威圧しながら立っていた

真也は、微睡の月乙女(アリーシア)を解除すると、恐怖に震えていた

 

雪花「マヤ?あれほどやりすぎない様にって釘を刺していたはずなんだけど?」

真也「いや…義姉ちゃん…これは…ね…?僕だって、うっかりして…その…」

雪花「束さんのところに送るわね…」

真也「それだけは勘弁!!」

雪花「それが嫌なら、今度から加減をするように…」

 

真也はしょんぼりしながら承諾した

 

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