IS~雪月花の世界~   作:在原昴

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さてさて…物語は巡り、どこに行きつくのでしょうか?


正体と居場所

次の日、学校中はあらぬ噂で持ちきりだった

今度行われるタッグトーナメントで優勝すれば男子の誰かと交際できる

発端は昨日の夜の出来事だった

一夏の部屋の前で箒が変な約束を押し付けた、それを聞いていた生徒が誤解して今に至る

そのことがあってか、真也、メルトリリエ、一夏、春馬は苦労していた

 

真也「全く…箒って何で周りに迷惑が行くことを考えないのかな…」

一夏「わからん…お前も大変そうだな…」

春馬「そう思うならどうすればいいのか考えてくれ…こっちは簪と組んだからいいものの…最近変な視線を感じるんだ…言っておくが、俺は好意はあるが恋愛感情はまだない」

真也「うわぁ…女たらしだ…」

メル「お前はまだましだ…俺は師匠と組んだんだが…噂のせいで師匠が若干荒れてるからな…」

真也「そうなんだ…こっちなんか組んでほしいなんて誘われて…」

 

四人はため息をついていた

ちなみに現在は放課後、四人は集まってそれぞれの現状を話していた

 

真也「あ、僕は部屋に戻るよ、シャルルにも聞いてみるから…」

 

真也はそう言ってそそくさと出ていった

 

 

真也とシャルルの部屋、ここではシャルル、いや、シャルロット・デュノアが真也の専用機の待機状態である人形にコネクターを接続して解析しようとしていた

理由は自分の会社と居場所を守るためだ

父であるデュノア社社長の愛人との間に生まれた自分は父親と名乗る人物から冷たく当たられ、義母には「泥棒猫の子」と言われ虐待に近い目に合っていた

そんなある日、シャルロットはIS学園への入学を命じられた、理由は広告塔と男性IS操縦者の専用機のデータ、できれば強奪だろう

居場所のないシャルロットは従うしかなかった

そして今、解析しようとした矢先にピエロのようなものが画面上に現れ、嘲笑とともに画面が消えた

シャルロットは何が起こったのかわからず、もう一度解析を試みようとしたとき、何かの音がした

 

真也「動かないほうがいいよ?」

シャル「真也、何でここに?」

真也「そうだね…君とお話がしたくなったんだ…シャルル…いや、シャルロット・デュノアさん?」

 

シャルロットはその名前で呼ばれたとき、動揺した

 

シャル「な、何を言っているのかな…僕は…」

真也「ごまかさなくていいよ、最初から気が付いていたんだから…それに、君の本名も…こっちにも優秀な人がいるからね」

 

真也は拳銃を量子変換して、白い豆芝のぬいぐるみを拾い上げた

シャルロットは自嘲気味に笑い始めた

 

シャル「あはは…バレていたんだ…」

真也「…それで、これからどうするの?」

シャル「だましていたことがバレていたんだ…本国に送還、その後僕は刑務所か施設に送られる…デュノア社は倒産かどこかの企業の傘下に入るだろうね…」

真也「…それはこのままの流れ、僕は君自身が何をしたいのかを聞いたんだけど…」

 

真也はいつもは見せない冷静な顔をしていた

シャルロットはたじろいだ

 

真也「気に入らない…君はさっきから客観的なことを言って…君の心はどこ? 君はそれでいいの?」

シャル「だって、そういう命令だし…」

真也「気に入らない…何それ、嫌なら嫌って言いなよ、君はそうやって生きていくの?」

シャル「…ずるいよ…」

 

シャルロットは涙を流しながら真也を見て呟いた

その声の中には怒りが混じっていた

 

シャル「君が強いからそんなことが言えるんだ!!友達がたくさんいて、IS操縦だって!!それに比べて僕には居場所なんて…」

真也「…違うよ、シャルロット…僕は強くない、逆なんだ…それに…居場所は最初からあるものじゃないんだ…」

 

シャルロットは真也を見た

 

真也「僕が養子入りする前は君と同じだった…あ、でも違ったのは化け物扱いされたことかな?」

シャル「え? で、でもその髪…」

真也「僕はアルビノ…普通の人の子として生まれてこれなかったんだ…そのせいで昔の家族からは虐待に近いことをされて、周囲の人間からは気味悪がられていた…そして、僕は逃げた…逃げて逃げて逃げて…行き着いたのが今の家族…暖かかった…そして教えられた…『自分で動き出さないと何も始まらない』って!!」

 

真也は言いたいことを言い尽くし、肩で息をしていた

シャルロットは最後のあたりで赤面していた

 

真也「ごめん…少し頭冷やしてくる…」

 

真也は外に出ようとしたが、シャルロットは真也の手をつかんだ

 

シャル「ごめん…少しここにいて?」

真也「わかった…」

 

真也は溜息をついてシャルロットの隣にいた

 

それから時間が経ち、真也は夕飯を取りに食堂に向かっていた

その時、シャルロットは胸に手を置いていた

そして、顔を赤くして俯いていた

 

シャル「真也…格好良かったなぁ…」

 

シャルロットはそう呟くと、真也がシャルロットの分の食事を運んできた

 

真也「ごめんね、ちょっと義姉ちゃんと話してて遅くなって…」

シャル「ううん!大丈夫!全然!全く、問題ないよ!」

 

シャルロットは若干テンパっていた

真也はその理由がわからなかった

そして、シャルロットが夕飯の献立を見ると、少し顔が引きつった

和食定食(ご飯(コシヒカリ)、焼き魚(鯵)、味噌汁、お新香、きんぴら牛蒡)…どう見ても真也が好んで食べているタイプだ

真也はその顔を見て「しまった!!」と思った

 

真也「あ、ごめん…シャルロット、箸使い慣れてなかったんだっけ…フォーク取ってくるよ!」

シャル「良いよ!それくらい自分で何とか…」

真也「シャルロット、たまには誰かに甘えたほうが良いよ、他人行儀」

 

真也は優しく微笑むと、シャルロットは少し考え始めた

そして、決心したのか口を開いた

 

シャル「えっとね…食べさせてくれないかな…?」

真也「え?それって…わかった…それじゃあ…」

 

真也は箸を取って焼き魚から少し身を取ってシャルロットの口に運んだ

シャルロットはそれを頬張った

 

真也「おいしい?」

シャル「うん、おいしい!」

 

シャルロットは笑顔を見せた

仮面の笑顔ではない、本物の笑顔を…

真也はその顔を見て嬉しそうにしていた

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