IS~雪月花の世界~   作:在原昴

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兎と過去の心残り

一夏達はアリーナで互いに訓練をしていた

セシリアの苦手とする近接戦は春馬が近接ブレード『インターセプター』をブレード型からレイピア型に改造したことで何とか克服している

だが、まだまだ荒いところもある

 

一夏「春馬、結構ハードなんだな…」

春馬「当たり前だ、俺の人生がかかってんだ…負けられない!!」

一夏「そいつは俺も一緒だ!!」

鈴音「全くよ…メルだっけ?彼も災難よね…」

セシリア「…同感ですわ…社木さん…結構怖いお考えのお人ですから…」

メル「言ってやるな…師匠は俺以外、信じることができなかったんだ…」

 

メルはため息をつきつつ、武装であるロッドを振り回していた

その時、春馬は何かが接近したのを感じ、その方角を見た

そこには黒い機体を纏ったラウラがいた

 

春馬「…何の用だ?言っておくが、お前にかまっている暇は俺らにない」

ラウラ「貴様に用はない!!織斑一夏、貴様も専用機持ちならば私と戦え!!」

一夏「脳ミソ詰まってんのか?俺は尾神一夏だ、それとお前と戦う理由はないし、メリットもない」

ラウラ「ならば…戦わざるを得ないようにしてくれる!!」

 

ラウラは機体のスラスターに取り付けられた大型キャノンを一夏のほうに向けた

だが放たれることはなかった

ラウラが疑問に思い、キャノンを見ると、凍り付いていた

それだけではない、機体そのものがフリーズを起こし、動けなくなっていた

 

一夏「悪いが俺の専用機にどんなに強い機能を持った専用機だとしても無意味だ…」

ラウラ「クッ!!動け!!動け!!」

春馬「動くわけねぇだろ?現実を受け入れろ、今のお前では俺らには絶対勝てない…力云々ではない…そこに、お前がいないからな…」

ラウラ「黙れ!!私はここにいる!!私は教官の弱点となった男を!!動け!!動け!!」

春馬「…もう喋んな…」

 

春馬はラウラに急接近するとビームガン、『フラン』を連射し、SEを空にした

解除されると同時に、近接用ブレード『堂田貫』の峰を腹に中てて吹っ飛ばした

ラウラは気を失い、その場を倒れた

 

春馬「…こいつを保健室まで連れていく…」

一夏「わかった…気を付けろよ?主に箒に…」

春馬「わかっている…」

 

春馬はラウラを背負い、歩き出した

 

雪花「大丈夫かしら…春馬…」

一夏「問題ない、あいつはあいつがいる…自分がそこにいるって自覚しているんだからだれにも負けないさ…」

 

一夏は春馬の背中を眺めていた

 

メル「それにしても迷惑な奴だ…」

氷菓「だね…メル君…私とメル君のデートがかかっているのにね!!」

メル「知るか!!」

一夏「夫婦漫才はそこまでにしておけ…」

メル「お前に言われたくはない!!」

 

その後は雑談しながらも訓練を続けた

 

 

訓練が終わり、春馬は一人、人気のない教室に来ていた

 

春馬「誰だ?コソコソとしやがって…」

 

その声はどこにも聞こえない

 

春馬「そっちがその気なら…完成度50%だが…」

 

春馬は左手だけISを展開するとアームを弓のように展開した後、ドアのほうに向けた

それに慌てて、誰かが出てきた

その人物は簪と同じ水色の髪に赤い瞳の少女だった

リボンの色からして二年生だということはわかった

 

春馬「…生徒会長もずいぶん暇なんだな…更識楯無…」

楯無「バレていたのね…」

 

楯無と呼ばれた少女は扇を広げた

そこには暴力反対と達筆で書かれていた

 

春馬「あんたの目的は分かってはいるが…」

楯無「それなら話が早いわ、あなた…生徒会に…」

春馬「断る…俺にメリットがない…それに俺に護衛は不要だ…これでわかるか?」

 

春馬は楯無にあるものを見せた

楯無は慌てて上半身をまさぐった

 

楯無「エッチ!!スケベ!!変態!!」

春馬「ふむ…水色か…」

 

春馬はあるもの…ブラを楯無に投げて返した

 

楯無「うぅ…なんでこんな奴に簪ちゃんは…」

春馬「…なるほど…シスコンか…」

 

春馬は納得がいき、教室から出ていこうとした

だが、楯無が抗議の声を上げていたが、春馬は楯無の顎をつかみ、顔を合わせた

 

春馬「粋がるなよ?何度も言わせるな…俺に護衛はいらない…分かったか?」

楯無「は、はい…」

 

楯無は顔を真っ赤に染め上げてその場にへたれこんだ

春馬が出ていくと楯無は胸に手を当てていた

 

楯無「…鈴城…春馬…」

 

楯無は嬉しそうに微笑んでいた

まあ、この後書記であり、自分専属のメイドである布仏虚に連行されてしまったのは言うまでもない

 

夜、一夏と雪花は千冬に呼ばれ、寮長室に向かっていた

その時、真也と遭遇した

何やら急いでいるようだった

 

雪花「あ、真也、どうかしたの?」

真也「あ、義姉ちゃん、実はシャルルが具合悪くて、夕飯は部屋で食べるらしいから食堂のおばちゃんに頼んでもらいに行こうと思ってさ…」

雪花「まあ、それは大変!!私も見てあげる!」

真也「い、良いよ!!僕一人で大丈夫だしさ!ね?」

 

真也は明らかに焦っていた

雪花はあえて言及せず、真也はそのまま走り去っていった

雪花はそれを見た後、一夏と共に寮長室に向かった

 

寮長室に来ると、千冬がいた

 

千冬「…入ってくれ…」

 

二人が入り、椅子に腰かけると、千冬はラウラの事を話しだした

自分がドイツで教官を務めていた時、一番目を付けていたが肝心なことを教える前に日本に戻ってしまったこと

そのせいで力こそがすべてだと思っていること

そして、自分を崇拝しすぎて周りが見えなくなってしまっていることを

それを聞いていた一夏はラウラに同情すら覚えた

だが、このままではいけない、力こそが全てと言うことを信じ続ければ取り返しのつかないことになってしまう

肝心なのは力そのものではない、力をもってどうするのか、力に対する責任それだけだ

 

千冬「もしもだ…もしもあいつとぶつかることになったら叩き潰してくれないか?」

一夏「…わかってる…それと、真也にも言っておくか?」

千冬「いや、真也に伝えると最悪の場合トラウマになりかねないからな…」

雪花「否定はできないですね…マヤ…徹底的に潰すタイプだから…それに…あの子、結構、勘が働くから…」

 

雪花が溜息をつくと千冬と一夏は苦笑いしていた

そして、セシリアとの戦いで見せた真也の顔を思い出していた

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