艦これ✕FFT~イヴァリースを巡る~   作:聖騎士ボコ

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chapter17 ~焦燥とすれ違い~

ラムザたちがイグーロスの執務室に飛び込んだ。

 

そこにいたのはダイスダーグではなく、ザルバッグと電、それに騎士団の騎士が数名話していた。

 

「わかった。北天騎士団に通達。北に逃げたやつらを追撃。あと、半数はイグーロスとガリランド、ドーターの防衛に当たるように指示を!」

 

「はっ!」

 

室内にいた騎士は駆け足で執務室を出て行った。

 

「ザルバッグ兄さん!」

 

「ラムザか。すまない、今はそうゆっくりと話してられない。」

 

「ダイスダーグ兄さんは?」

 

「深い傷もあったが、今は自室にて休んでいる。会うこともできるが、あまり長い時間をかけるなよ。」

 

そういって、ザルバッグは執務室を出て行った。

 

「お兄ちゃん・・・無事でよかったのです・・・」

 

ぽすっという衝撃とともに、電がラムザに抱き着く。

 

「電・・・だいじょうぶだったかい?」

 

「電は大丈夫なのです・・・でも、ティータちゃんが・・・っ」

 

そうして、ラムザに抱き着いたまま泣き始める電。

 

「まさか・・・女の子が一人攫われたっていうのはっ・・・」

 

ディリータの顔が青ざめる。そして、ふらっと倒れかけたところを高雄が支える。

 

「ダイスダーグ兄さんに話を聞きに行こう!」

 

 

「敵のアジトを落としたそうだな・・・よくやってくれた。あとは、ザルバッグに任せてゆっくりと休むがいい・・・。」

 

ダイスダーグはラムザが来たと聞くと、ベッドから上半身だけ起こし、ラムザ達を迎えた。

いつも執務のときに来ている服ではなく、就寝時に着る寝間着に身を包んでいる。

ラムザはその袖口から、包帯を少し見た。

その視線に目ざとく気が付いたダイスダーグが、気遣うようにラムザに話す。

 

「・・・心配するな。少し休めばよくなる。それよりも、だ。」

 

ダイスダーグが改めて姿勢を正す。その行為に、ラムザ達は背筋を伸ばす。

 

「やつらの本拠地を発見次第、総攻撃をかける。」

 

「ティータは、ティータはどうなるんですかっ!」

 

「騒ぐなラムザ、さすがに傷に響く。・・・それに、すでに手は打ってある。」

 

傷口であろう右胸を押さえて語るダイスダーグ。ラムザは思わず叫んだことを謝り、落ち着こうとした。

 

「ティータの身柄を取り戻すまでは総攻撃などはせん。実の妹のように想っているティータを見殺しになど・・・な。」

 

 

「本当に助けるまで手を出さないと思っているのか?」

 

ベオルブ邸から出たとき、アルガスがそう言った。

 

「兄さんがティータを見殺しにするとでも思っているのかっ!」

 

「ああ、オレなら平民を助けるなんてことはしないな。」

 

その言葉に、ディリータがキレた。アルガスに殴りかかる。

 

「言わせておけばぁ!」

 

「よせっ!ディリータ!」

 

ラムザがディリータを止める。アルガスは殴られた表紙にしりもちをつき、口から血を流したが、意識ははっきりしている。

 

「やっぱり平民はこんなところにいちゃいけないんだ!お前は本来異物なんだよ、ディリータ!」

 

 

どくんっ・・・

 

 

その言葉に、ラムザは強烈な違和感と恐怖を覚えた。

 

「異物・・・?」

 

「そうさ!本来、ここにいていいのは貴族だけだ!平民は平民らしく生きていけばいいのさ!」

 

 

ぱぁん・・・

 

 

アルガスの頬がはたかれた。

アルガスがはたいた人物をにらみつける。

 

「どういうつもりだ?タカオ。」

 

「どうもこうも、あなたにはここからいなくなってほしいのですわ。」

 

高雄がアルガスを見つめる目が、冷たいどころか極寒を超えるほど厳しい。

 

「フン!お前みたいな“異物”もいるんだな。貴族のくせして平民をかばうなんて・・・」

 

「失せなさい、アルガス。」

 

再びの勧告に、アルガスは肩をすくめて立ち上がり、歩き出す。

 

「ずいぶんと嫌われたもんだ。まあ、エルムドア侯爵を助けてもらった恩は返したし、ここらで抜けさせてもらうぜ。」

 

歩き始めたアルガスだったが、すぐに足を止め、ラムザに振り返る。

 

「やつらの本拠地はジークデン砦が最有力らしいぜ。さっき、騎士団の連中がそう話してた。」

 

それだけ言うと、アルガスは今度こそ振り返らず、歩き去った。

 

そうして見えなくなったころ、ディリータが乱暴にラムザから離れる。

 

「ディリータ!」

 

「すまない・・・今は一人にさせてくれ・・・」

 

そして、ディリータはアルガスが歩き去ったほうと反対側に走っていった。

 

「ディリータ・・・」

 

高雄は、心配そうにディリータの背中を目で追っていた。

 

 

 

 

 

 

同時刻 とある神殿内にて

 

一人の歳をとった男騎士と、若い女騎士が向き合って話していた。

 

「・・・骸旅団をそのまま滅ぼしてしまっていいの?まだ利用価値はあるとは思うけど?」

 

女騎士が、男騎士に話す。

 

「構わぬ。確かに過去ならば利用価値があったが、すでにダイスダーグが動いているこの状況では、むしろ懸念材料でしかない。」

 

「へぇ?あのウィーグラフとかいう騎士、割と強そうに思えたけど?」

 

「だからこそだ。全力を出せる状況でなければ、計画は思うようには進まぬ。」

 

「死なすには惜しい人材ね。助けないの?」

 

「この戦いで生き残るならそれでよし。そうでなければその程度だったということだ。」

 

男騎士が振り返り、神殿奥にある十字架を見上げる。

女騎士はその特徴的で大きな黒髪のポニーテールをはためかせ、十字架と反対の神殿入り口へと向かう。

 

「見込みがありそうなら連れてくるわ、ヴォルマルフ。」

 

男騎士―ヴォルマルフは少し驚いたように表情をほんの少し変える。

だが、すぐにその表情を引っ込め、険しい顔になる。

 

「我らの計画に沿うような人物であることを期待しているぞ・・・ヤハギ」

 

女騎士―矢矧は振り返らず、神殿を後にした。

 

 




さあ、いきなりきな臭くなってきました。

ダイスダーグのティータ奪還の手とは・・・


そして、別勢力のように見えるヴォルマルフと呼ばれた男と、ここでまさかの矢矧が登場。この先一体どうなるのでしょうか・・・
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