「ジークデン砦が骸旅団の本拠地かもしれないなら、ティータもそこにいるかもしれない。」
ダイスダーグの見舞いのあと、しばらくしてからディリータが戻ってきた。
決して吹っ切れたような感じがしたわけではなかったが、ラムザは深く追及することなく迎え入れた。
「ディリータは、そこへ行きたいんだよね?」
「当然だ。ティータを助けに行かなくちゃいけない!」
こぶしを握り締め、決意を語るディリータ。その顔を見たラムザがそれに同調する。
「そうだね。仮にも骸旅団殲滅作戦に参加した身だ。その作戦の後押しになるかもしれない行動を、今回はしよう!」
「・・・ありがとう、ラムザ。」
そんな二人のやり取りに五十鈴が水を差す。
「で、どうやってジークデン砦にいくの?ここイグーロスから最短の道は、絶賛大規模戦闘中よ?まともに通れるとは、北天騎士団的にも、骸旅団的にも無理だと思うけど?」
そうしていうと、ディリータは大きな地図を広げた。
その地図は、イグーロスからドーターの先くらいまでが拡大して書かれた地図だった。
「真正面からじゃなくて、こっちからならいけるのね?」
村雨がガリランド北の地形を指さす。
「そうね、レナリア台地からフォボハム平原を通るルートなら、道も険しいし裏側だから警備も薄いかもしれない・・・行くならこっちね。」
陽炎がルートを示す。その道筋に異論をはさむものはなく、翌日の早朝に出発することを決めた。
(・・・何でしょう?この滞りのなさは。)
そんなすんなりと行動指針が決まったことに、朝潮は疑問を覚えた。
(普段の司令官でも、ここまで何事もなく作戦を決めるような方ではなかったはずですが・・・)
解散した会議室を後にしながら、朝潮は自室に戻らず会議室から出てくるであろうラムザを待った。
しかし、待てども待てどもラムザが出てくることはなく、不審に思った朝潮は、再び会議室に入った。
そこには、窓を開けて、風を受けながら外を見ているラムザを見つけた。
表情は苦悩に満ちている。だが、朝潮はその顔に思わず見とれた。
「・・・ん?朝潮、どうかしたの?」
朝潮がたっぷり10秒以上見とれていたとき、ようやくラムザが気が付いて朝潮に話しかけた。
「い、いえ、なんでもありません!」
我に返った朝潮があわてて答える。そして、ラムザの隣に立つ。
そこから見える景色は、海だった。
「きれいな海だね・・・名前がわからないけど。」
「すみません・・・朝潮も不勉強で、あの海の名前を知りません・・・」
「はは、構わないよ。」
2人はしばらく窓からの風を受けながら、遠目に見える海を眺める。
何かしているわけではない。ただ2人そろって海を見ているだけ。
だが、朝潮は直前まで持っていた疑問を、ラムザに聞くつもりがなくなっていた。
(・・・何かを悩んでいる。でも、それを言い出せないでいるってこと・・・)
ちらりと、ラムザの顔を盗み見る。やはり、苦悩しているような顔をしていた。
「司令官。」
朝潮はあえて、司令官と呼ぶ。その心をきちんと伝えるために。
「何かな、朝潮さん。」
ラムザも、それにこたえ鎮守府での基本的な呼び方をする。
「私が、司令官を守ります。どんな時でも、どんなことでも。」
そんな朝潮の言葉に、ラムザが驚く。
「・・・いきなり、どうしたんだい?」
「司令官、あなたはいろいろと悩みすぎているように感じます。私はそれを共有できません。でも、そんな司令官を、守ることはできます。」
朝潮はラムザの手を、両手で包み込むようにして握ると、自分のほうへを引き寄せた。
「だから、頼ってください。頼りないかもしれないですけど、でも、頼ってほしいんです。そんな顔をするだけじゃなくて、笑顔もみたいのです・・・」
「朝潮さん・・・」
お互いがしばらく見つめあった後、朝潮の顔が急に赤くなり、握ってた手を放した。
「あっ・・・えっと・・・今のはその・・・えっと・・・」
自分が何をしたのか、それを理解したように慌てふためく朝潮。
「あ、朝潮さん、落ち着いて・・・」
「えっと・・・すみませんでしたー!」
朝潮はついに耐えきれなくなり、会議室から走って出ていく。
取り残された形になったラムザは、握られた手をみたあとその手を握り締めた。
「・・・なんだか、朝潮さんに励まされたかな。」
苦笑しながら、ラムザは再び窓から海を見つめた。
風は、止んでいた・
イグーロスから出発した一行は、予定通りガリランドで物資を調達した後、レナリア台地へと向かった。
イグーロスとガリランドではそれぞれ装備を整え、さらには骸旅団から押収した装備も一部使っている。
「村雨、ぱわーあ~っぷ!」
「ん?いいんじゃない?ありがと!」
村雨も陽炎も、結果的にナイトにジョブチェンジすることになった。
「青葉もジョブチェーンジ!黒魔導士です!」
黒魔導士特有の帽子とローブをつけながら、青葉はくるっと回って見せた。
ふわりと広がるローブに、ラムザは一瞬だけどきっとした。
「お・・・ラムザ、少しドキッとしました?ねぇねぇ!ドキッとしました!!」
嬉しそうにラムザを煽るラムザ。見かねた五十鈴が、新調した銀の弓で青葉を撃つ。
とはいっても、当然刺さる矢ではなく、衝撃だけ与えるタイプの、先の丸まっているタイプの矢である。
容赦なく撃ち抜かれた青葉は、それでも衝撃と痛みで転がりまわる。
「~~~~~~!」
「はぁ・・・何をやってるんだか・・・」
あきれる五十鈴と、転がる青葉を見てみんなが笑う。
そんなひと時も終わり、レナリア台地へと向かう朝。
その日の朝、事態は動く。
イグーロス城 城内 客室にて
「・・・ほう?ラーグ公の密使が来るとは思ったが、君のような子が使いとは。」
エルムドアが突然のように現れた忍者を見、そういった。
「侯爵さま!ここは私が!」
身辺警護をしていたアルガスが、剣を抜きその忍者とエルムドアの間に立つ。
「心配しないで。私は主様の“お願い”を伝えに来ただけなんだから。」
「そういって侯爵さまに手を出そうとするんじゃないのか!」
アルガスは構えを解かない。忍者はやれやれと言った感じで肩をすくめる。
「アルガス、よいのだ。私としても話したいこともあった。タイミング的にも丁度よい・・・」
アルガスはもう一度忍者をにらみつけた後、剣を鞘に納めエルムドアの隣まで下がる。
「私としては一度会って話がしたいと思っている。今回の来訪の目的も果たせてないのでな。」
「ふぅん、わかった。一度伝えてみるね。でも、たぶんどっちにしろ“協力”を求められるだけだと思うけどね。それじゃ。」
そういって忍者はまた姿を消した。まるで最初からそこにいなかったかのように。
「侯爵さま?」
「アルガス。一時的に北天騎士団と共闘せよ。内部に入り、事情を探るのだ。北天騎士団への出向は、私のほうで話をつける。」
「はっ!お任せください!」
アルガスが一時的に北天騎士団に参戦しました。
村雨と陽炎がナイトにジョブチェンジしました。
青葉が黒魔導士にジョブチェンジしました。
朝潮の恥ずかしいセリフがありました(ぁ
あと、普段の攻略中だと買えない装備が一部買ったとなってますが
この際買い物に戻るとかないと思いますので許容していただければと思います・・・