「高雄・・・大丈夫かい?」
高雄がラムザ達のところに戻ってきたとき、高雄は全員から見てまともに見えなかった。
代表して、というわけではなかったがラムザが聞いた。
しかし、ラムザに反応した高雄は「大丈夫ですわ」と力なくいうだけで、何があったのかを語ろうとしない。
「・・・」
五十鈴が心配そうに高雄を見つめる。
だが、それ以上、誰もなにも言うことはできなかった。
「・・・私は先に休ませてもらいますわ、ラムザ。」
「・・・わかった。明日はジークデン砦まで進軍する予定だから、それだけは覚えといて。」
「ええ、わかったわ。」
そのままテントに入る高雄。ラムザ達はそれを見守るしかできなかった。
「・・・これはまずいわね。」
五十鈴は1人みんなとは違う不安を抱いた。
(戦闘の要であった朝潮が抜け、高雄もなぜか本調子じゃない。)
ちらりと、ラムザを見る。
(それなのに、うちの提督は危機感を持ってるように見えない・・・なんで?)
五十鈴の視線に気が付いたのか、ラムザが五十鈴のほうへ振り向く。
「どうしたんだい?五十鈴。」
どうしてそんな平気な顔をしてるの、と出かかったところで、五十鈴がなんとか口に出さずにとどめる。
今、言っても仕方ないことだと思ったからである。
「・・・高雄が心配なだけよ。」
「そうだね・・・」
2人で高雄の入ったテントを見る。
普段なら誰かと共同で使うのだが、今の高雄と一緒のテントに入ろうとする者はいなかった。
そうして、夜が明ける。
ジークデン砦はその位置の関係から、砦としてかなり強固な部類に入る。
北天騎士団が簡単に攻略しに行けなかったことからも容易に想像ができる。
五十年戦争ではイグーロスへの最終防衛ラインとして機能しており、ここを突破されるということはイヴァリース全土を奪われるということに他ならない。
五十年戦争終結後は維持費の関係から一時的に放置されていたが、それがいつの間にか骸旅団の最終拠点となっていた。
殲滅作戦を開始したときから、ジークデン砦への侵攻を計画していた。これは骸騎士団時代に、そこを拠点にしていた期間があったため、本隊はそこだと、北天騎士団上層部は考えていた。
しかし、事態は変わった。
骸旅団の団長、ウィーグラフは身軽なフットワークでイグーロス周辺からゼクラス砂漠まで幅広い範囲での目撃情報があり、北天騎士団もジークデン砦を攻め落とすことが必ずしも有効ではないと考えた。
そのため、周辺にあるアジトを逐一つぶしていき、最終的に本隊がどこかというのをあぶりだす。それが殲滅作戦の予備段階であった。
そして今。
ジークデン砦にいたはずの骸旅団は包囲され、一部ではすでに北天騎士団と戦闘を開始していた。
標高が少し高いジークデン砦で、季節は今や初冬。
ジークデン砦周辺は、雪に包まれた。
ちょっと短いですがここまで。
仕事の関係で更新時間がちょっと取れなかったですわ・・・
このままだと多分、金曜も同じことが起こって最悪更新できないかもです・・・