ジークデン砦では、北天騎士団と骸旅団の戦闘が続いていた。
ただしかし、その勢いは間違いなく北天騎士団にある。
そんな殲滅戦も、いまや大詰めを迎えていた。
「さっさと、ここを立ち去れ!この娘がどうなってもいいのか!」
骸旅団の騎士甲冑を来た騎士が、ジークデン砦の武器庫前で、ティータを人質に取っている。
目の前には北天騎士団の一部隊とザルバッグ、アルガスが構えていた。
「おかしなマネはするなよ!この砦の中には火薬がごまんと積まれているんだ!おまえたち全員を吹き飛ばすだけの量はたっぷりあるんだ!わかったらさっさと引け!」
騎士が一段とティータを引き寄せる。そんな様子を見たザルバッグは、苦々しい顔をしながら叫ぶ。
「我々北天騎士団は貴様たちの脅しなどに屈したりはしない!」
そんなやり取りのなか、ついに、役者がそろってしまった。
「ティータ!」
ディリータがティータを見つけ叫ぶ。
「兄さんっ!」
ティータがディリータのほうへ駆け寄ろうとする。しかし、騎士に捕まった状態では満足に動くことができない。
「ザルバッグ兄さん!アルガス!」
ラムザが2人を見つけ叫ぶ。
ザルバッグは気が付いたようだが、ラムザには目もくれず、目の前の『敵』を見据えた。
「・・・構わん、やれ。」
「ハッ!」
アルガスが持っていた黒いボウガンを、騎士に向かって放つ。
その矢は騎士に当たるはずだった。
しかし、その矢は騎士に当たることはなかった。
その矢は、ティータの胸に刺さった。
ティータは糸の切れた人形のように力が抜ける。騎士はティータを支えきれず、ティータはそのまま地面に倒れる。
「・・・兄・・・さ・・・」
「ティーターッ!!!」
アルガスはそんな悲鳴にもにた叫びにも耳を傾けず次の矢を放つ。
その矢は、今度は騎士に刺さった。
「ぐうっ・・・」
その一射が致命傷を与えたのは明らかだった。
「くそっ・・・」
騎士が砦の中へ這いずりながら入り、開いていた扉を閉めた。
そんな折、ザルバッグに伝令が近づく。
そして、2,3話した後、伝令が走り去る。
「アルガス、この場はお前に任せる。私はウィーグラフを追う。」
「ハッ!お任せください。」
ザルバッグが伝令の来たほうへ歩き出し、その場を離れた。
「ティータ!」
ディリータがティータのほうへ駆け寄ろうとした。しかし、そのディリータの先に矢が放たれる。
「どこへ行こうっていうんだ、ディリータ!」
「アルガス・・・貴様ぁ・・・!」
ディリータが剣を抜く。アルガスはそれを見て愉快そうに笑いだす。
「はっはっは!なんだやろうってのか!いいだろう、格の違いってのを見せてやるぜ!」
アルガスが合図を送ると、一部の部隊がアルガスのほうへと集まる。
「ザルバッグ兄さん・・・どうして・・・どうしてティータを・・・・・・」
ラムザが惚けているところに構わず、ディリータがアルガスへ駆け出す。
アルガスは黒いボウガン「ナイトキラー」を構え、ディリータに打ち出す。
打ち出された矢を、ディリータは盾で防ぎつつ前進する。
敵の黒魔導士が呪文を詠唱する。ディリータもそれを理解しながら構わず突っ込む。
「ディリータ!無茶はおよしなさい!」
高雄が援護のために前に出る。そして、呪文を詠唱する。
「大地に眠る古の光、眠れるその力を地上にもたらせ・・・ウォール!」
ディリータへ物理攻撃への耐性と魔法攻撃への耐性を同時にかけることのできる白魔法「ウォール」が唱えられる。
ミスなく唱えられたその呪文により、ディリータは防御面に関してかなり硬くなった。
「魔法使いさえ押さえれば、この五十鈴へ攻撃できる手段はなくなるわね。」
砦の建物の屋上へと跳んだ五十鈴が、その高さを生かして長距離射撃を開始する。
黒魔導士が2人いたものの、たちまち狙い撃つ。
「お前ら!何故、オレと戦う?オレに剣を向けるということは、北天騎士団を裏切るということだぞ!わかってるのかっ!」
アルガスがディリータをけん制しながら、ラムザ達に叫ぶ。
「こんな事、許されることじゃないからです!」
珍しく感情をさらけ出している青葉が答える。黒魔法「サンダラ」を唱え、アルガスの周囲にいた騎士を雷で打ち倒す。
「じゃあオマエらはたかが平民の小娘のために騎士団の誇りを捨てて、あいつらの要求を飲むのか!!」
「人の命は・・・あんたが言うほど軽い存在じゃない!」
青葉の攻撃的援護を受け、村雨が一足飛びでアルガスに迫る。
「ハッ・・・オマエらのことも少し調べさせてもらったぜ。全員、不思議なことに貴族でもなんでもないみたいだな!」
ディリータへの対応を、ほかの騎士がしている間に、アルガスが村雨の矢を2,3放ち攻撃する。
村雨はその矢を切り落とし、盾ではじき、体をひねってすべて対処する。
しかし、その対処のために割いたタイムラグで、ほかの騎士の援護が入る隙を作ってしまった。
「だが、オマエらは『ラムザ・ベオルブ』という貴族の中の貴族が指揮する部隊の一員ということで守られてきたんだ!オマエらは意思を持つ必要はない!家畜として主人に尽くせばいいのさ!」
村雨が騎士からの斬撃を、盾で防ぐ。その重い一撃に、たまらず後ずさる。
その間にもう1人の騎士が合流し、2対1となる。
「村雨!」
五十鈴が屋上からの援護射撃を試みる。しかし、抑えきれていない黒魔導士が、五十鈴に向かって魔法を放つ。
魔法に当たることはなかったが、それでも射撃をするタイミングを失っている。
いかに優秀な弓使いであるとはいえ、妨害されながら正確に射撃をするのは難しい。
五十鈴は黒魔導士の魔法の有効範囲から離れようと移動を続ける。一射したら移動、一射したら移動ということを繰り返す。
黒魔導士は、同じ黒魔導士の青葉の攻撃も気にしながらの攻撃となり、徐々に五十鈴にはけん制程度の魔法しか放てなくなってきた。
全員が一丸となってアルガス達北天騎士団と戦っている。
そんな戦いを、ラムザは見てることしかできなかった。
ディリータは恨みで戦えますけど、ラムザはこのタイミングザルバッグに裏切られたような感じがして動けなくなってますね。
さあ、原作chapter1ラストステージ。この後はどうなるでしょうか・・・