「1人頭500ギルでどうかしら?」
「へっ、話にならないな。2000ギル用意しな。」
女騎士と傭兵が話をしている。女の提案を、傭兵は一蹴する。
「あら、あなたを異端者にするのは簡単なのよ?」
「脅すつもりか?・・・1500だ。」
「生け捕りならその金額出すわ。殺したら半分よ。」
「・・・やれやれ、それで手を打とう。」
「彼らはいずれ来るわ。しくじらないようにね。」
そういって、女騎士はその場を離れる。傭兵は1人ため息をつきながら、仲間の元へと足を向けた。
そして、2人が話していたところを、かなり時間がたった後、ラムザ達が到着した。
「ドーターに来るのも、ずいぶんと久しぶりな気がする。」
「確かにな。ラムザはこっちよりも、ここから北のほうの仕事が多かったしな。」
ラムザと江風が、そんな会話をしていた。しかし、そんなのんきな会話を、長門は若干のいらだちと共に聞いていた。
「・・・少し、気を緩めすぎではないか?」
「必要な警戒はしてるわよ?長門、状況はわかるけど少し冷静になりなさい?」
いらついていた長門を、霧島がなだめる。
「それにしても、青葉との合流地点はこのあたりのはずだけど・・・?」
「青葉さんの姿が見えませんねぇ・・・?ラムザ、このあたりで本当に合ってるの?」
「手紙だとここだって書いてある・・・村雨も見てみる?」
ドーターの大通りから2本ほど外れた路地に、青葉との合流予定ポイントがあった。
オーボンヌ修道院での戦いが終わった後、青葉からの使いという男が、江風に手紙を渡していた。
曰く「今回の事件には裏がある。ドーターで詳しく説明します。」とのことだった。
もともと、追いかけるという話であったため、さほど気にせず青葉との合流を目指すことになった。
「うーん・・・?青葉さんはいないけど・・・」
路地の先、坂道になっている上から
「敵はいるようね。」
矢が飛来する。
村雨はその矢をかわし、坂道の上に向かって、剣を構える。
「敵だ!」
ラムザが叫ぶと、各々が戦闘態勢に入る。
「な、カワカゼがいるじゃねぇか!1500じゃ安すぎたぜ!」
先頭にいるシーフ服の男が叫ぶ。そして、江風はその一言ですべてを察する。
「はン、どうやら傭兵にあたしらの始末を依頼した奴がいるみたいだな。」
「いやなら抜けてもいいぞ、江風?」
「本当なら金にならンことはしない主義だったんだけどな・・・ラムザにあてられてな。」
「ふっ・・・行くぞ、伊勢!日向!」
長門が先陣を切って敵軍に突っ込む。伊勢、日向もそれに続く。
「ラムザ!後ろからも来たわ。五十鈴が回るわ。何人か連れていくわよ!」
「わかった。よろしく頼む!」
「村雨、霧島、ついてきて!」
「はいはーい!」
「了解よ!頭脳派の力、見せてあげるわ!」
五十鈴たちが離脱する。ラムザはその様子をちらっとだけ見、すぐに前の敵を見据えた。
「敵は・・・魔導士もいる・・・?建物上にも数人・・・弓使いも混じってそうだな・・・」
ラムザは、地面の材質を確認し、敵の位置を感覚的な概念で捕らえる。
風水士となったラムザが、その自然の力を使い、敵を攻撃する。
「彫塑!」
屋根の上にいた敵魔導士に、石化を促す自然攻撃を仕掛ける。
もくろみ通り、屋根の上で石化した魔導士が、バランスを崩し屋根から落ちる。
ごっという重いものが落ちた音が建物の反対側でしたが、ラムザは努めて気にしないようにした。
「さあ!このまま敵を蹴散らすぞ!」
そんなラムザの号令に、全員の士気が高まった。