初心者にはきつすぎるマップです。
まあ、基本的に助けなくても、のちのちの会話イベントがほんのちょっと変わるだけですし、全滅を選ぶのが簡単なんですけどね。
「はっ!」
朝潮から振り下ろされたブロードソードが、盗賊の剣士―士官候補生の見習い戦士と同等―に直撃する。
ぎりぎり致命打にならなかったのを、追撃に来た五十鈴が仕留める。
「朝潮!これを飲んで一度下がってくださいな!」
高雄が朝潮に向かってポーション―体力の回復と多少の傷なら治せる飲み薬―を投げた。
「ありがとうございます。五十鈴さん、少しだけお任せします!」
きれいにポーションをキャッチし、栓を抜いて一気に飲み干す。
疲れて始めていた身体に力がよみがえり、盗賊からの攻撃で受けた切り傷も、ある程度痛みを抑えられた。
「はあっ!」
男を襲い、逃げ道を包囲していた盗賊二人のうち、片方にラムザが切りかかる。
当然、ラムザのほうに気が行くために、簡単だった包囲網に簡単に穴が開く。
「今のうちだ!こちらに合流するんだ!」
「あ、ああ、わかった!」
男はそのできた穴から抜け出し、追い込まれている状況から脱した。
「よし・・・このまま殲滅する!」
「けっ、お前らみたいな女だらけのガキどもに負けるかよっ!」
そうして、ラムザに切りかかろうとした盗賊だったが、その剣がラムザに届くことはなかった。
「一発必中!肉薄するわ!」
ポーションを飲んで回復していた朝潮が戦線復帰する。勢いよく突っ込んだ朝潮はそのままの勢いで盗賊を切り捨てる。
「ありがとう、朝潮!」
「司令官を守れてよかったです!」
一人倒し、もう一人の盗賊を倒し、そしてすべての盗賊を倒し終えたころにはすっかり太陽も傾きかけていた。
「大丈夫かい?」
「なんとか助かった。だがしかし、侯爵様が・・・」
「侯爵様?詳しく話を聞かせてくれないか?」
「お前たちは・・・?」
「僕らはガリランド士官アカデミーの士官候補生なんだ。もしかした君の力になれるかもしれない。話を聞かせてほしいんだ。」
助けられた男は少しだけ考えた後、うなずく。
「わかった。その前にここを離れないか?やつらの仲間が来ないとは限らない。」
「俺の名前はアルガス。エルムドア侯爵直属のランベリー近衛騎士団の騎士だ。」
「騎士・・・?」
アルガスと名乗った男の自己紹介に、ラムザは疑問を覚える。
「・・・いや、騎士見習いさ。なんだよ、お前だって一緒じゃないか。」
あからさまに不満顔をするアルガス。
「すまない。少し気になっただけなんだ。・・・僕はラムザ・ベオルブ。今僕たちはイグーロスへ向かっているんだ。」
ラムザの名前を聞いた瞬間、アルガスの不満そうな顔は吹き飛び、驚きの顔になり、まじまじとラムザの顔を見つめる。
「ベオルブ・・・だって!?あの北天騎士団のか!」
アルガスはラムザの手を取って叫び始める。
「お願いだ!侯爵様を助けるために、北天騎士団の力を貸してくれ!」
「漣の言ってたのきな臭い動き、本当にありそうね。」
「権力者の訪問ってことですか?」
五十鈴のつぶやきに、合流した青葉が尋ねる。
「ええ、ランベリー近衛騎士団って聞こえてきたし、侯爵様って言ってることから、ほぼ間違いなくエルムドア侯爵が来たんじゃない?」
「あのランベリー領主である、エルムドア侯爵ですか。ふむふむ、そうなるとこんなところで襲われて、あの近衛騎士しかいないということは・・・」
「エルムドア侯爵がすでにやられたか、あるいは連れ去られたか、よね。」
「あの騎士が殿を務めた、という風でもありませんし、十分あり得そうですね。」
「ええ、もしかしたら、イグーロスの警護なんてしてる場合じゃないかもね。」
「スクープの予感がします!」
「大丈夫よ青葉、すでに私たちのこの状況がスクープだから。」
それもそうですね、と青葉がため息を吐く。二人はラムザ達の話が終わるのをしばらく待っていた。
マンダリア平原戦終了です。
ついにあの名言を吐き捨てるアルガスが登場しました。
・・・ってか、土日に更新できる余裕なかったよ・・・