「朝潮?そのロングソードはどうかしら?」
「ええ、悪くありません。このエスカッションという盾も持ちますし、これでまた皆さんを守れます!」
そんな朝潮の発言に、買い物に同行していた五十鈴は苦笑する。
朝潮と五十鈴。この二人は主に朝潮用の武器や鎧を買うためにショップに立ち寄った。
「こんなものくらいしか用意できなくて申し訳ありません・・・今は北天騎士団の大規模作戦のために、商品をそちらに優先しろとの命令でして・・・」
「いえ、これでも駆け出しの私たちにとっては十分です。お気になさらないでください。」
申し訳なさそうな店主を朝潮がフォローする。
「それじゃあ店主、この一式を買いたいので、採寸して調整していただけますか?」
かしこまりましたと、店主が一度裏へ下がる。
男店主の代わりに出てきたのは、女性だった。
「ささ、アタシが採寸するからそこの試着室に入った入った!」
朝潮と女性が試着室の中に消えた。五十鈴はそれを確認したあと、店内の装備品を見て回っていた。
(みんなを引っ張る。それはこの五十鈴の役目。でも、具体的に『ナイト』として前に立つことが、みんなを引っ張ることにつながるのかしら?)
試着室のほうからはわずかに朝潮と女性の声が聞こえる。採寸は順調そうだ。
(朝潮は何も迷わず『ナイト』のジョブになることを選んだ。提督に言われたから、というのもあるけれど、みんなを守る、というところに何かしら感じたのかもしれないわね。)
そうして店内を見て回っていたとき、ふと一つの武器に目が行った。
「ボウガン・・・?『弓使い』の装備だったっけ?」
五十鈴は裏に回った店主を呼び、店の裏側で試射させてもらうように頼む。
店主も快く承諾し、店の裏手側にある試射場に案内する。
ボウガンの操作を一通りレクチャーしてもらった後、2、3動作確認をした後、少し先にある案山子型の的に向かってボウガンの矢を放つ。
それは五十鈴が狙ったところにきれいに当たった。それは
五十鈴自身も驚く結果となった。
「ほぉ・・・お上手ですね。もしかして、ボウガンを扱ったことがあるのではないですか?」
感嘆する店主がそんなことを言うが、五十鈴は「いえ、初めてよ」と返す。
(・・・確かにボウガンを打つのは初めて。でも、この感覚、単装砲を打つ感覚に似てる。)
そうして、朝潮が採寸を終えて戻ってくるまで、五十鈴はしばらくの間試射をつづけたのであった。
朝潮の装備用に採寸が行われ、五十鈴が天職のような感覚を得たころと同じ頃。
高雄、村雨、陽炎は別の道具屋にて買い物をし終わった後だった。
「ごめんなさいね、こっちの買い物につき合わせちゃって。」
「気にしないでください、高雄さん。私もアイテムには興味ありますし、もしかしたらこの先『アイテム士』になるかもしれないですし、その勉強になりますから!」
「そうそう、私も好きで手伝ってるだけだから、気にしない気にしない。」
そんな二人も、背負ったリュックサックには大量のアイテムがしまってある。
主にポーションがメインだが一時的な気付けをするアイテムであるフェニックスの尾や毒消し、目薬なども買っていた。
「そういえば、高雄さんはもう装備買ったんですか?」
「ええ、私は予定通り『白魔導士』になるから、事前にガリランドで杖を買ってたのよ。そういう村雨ちゃんは、装備買いに行かなくていいの?」
「私は提督に言われた通りに進むのかまだ迷ってて・・・なんでしばらくはこのままですね!装備もそこまで早急に必要そうなものはなさそうですし。」
「私も同じ。村雨とはちょっと違うけど、私は一つのことを極めてから進みたいから、納得するまでこのまま続けるつもりよ。」
「いろいろ悩んでるんですね。このまま私は魔導士の道を進みますから、もし何か気になることあったら聞いてね。」
はーいと、二人そろって返事をする。
(・・・このままみんな危なくないようになるのが一番ですけど、そうも言ってられないでしょうね。)
高雄は空を見上げる。雲一つない青空だったが、対象的に高雄の心は曇ったままだった。
(愛宕・・・摩耶・・・鳥海・・・みんな、こっちに来てるのかしら・・・来てるなら無事だといいですけど・・・会いたいですわ・・・)
タイトル詐欺(自認)