「.....めずらしいな、こんな山奥に人が来るなんて...............」
キキイキキイキイ~
「....?カツ、どうしたの?」
キキイキイキイ~キキ~
「え゛っ!?....とうさん以外の人がこの山に来たの....?どうしよ....カツ、なるべく人に近づかないように案内して」
キキイキイキイ~?
「どうなのかな?ボク、人見知りなのかな?カツ、知らない人見かけると思わず........切っちゃいたくなるのは人見知りっていうのかな?」
........キキイ?
「えっ?....なんていうか反射っていうのかな?確かに人と目を合わせると....その........///いろいろダメなことがあるけど....たぶんそれを避けるために反射で....その........切っちゃうんだ、つい」
........。
「カツ?なんで離れてくの?カツ?カツ~!?」
........!?キキイキイキイ!
「えっ?うしろ?何かい...る..の....」
「おっ?こんなとこに何でガキが?お~いお頭~ここにガキがいたぞ~」
「なんだなんだ~ガキ~?へえ~瞳はわからないがなかなかの上玉じゃねえか~!!でかしたな~サブ!!」
「へい!そう言っていただけると何よりでさ~........、それよりお頭~俺にも少しおこぼれなんてあったりしやすか~?」
「へへへっ!サブも物好きだな~!いいぜ~オレが楽しんだらまわしてやるぜ」
「ホントですかい!?ありがて~」
「........................」
「なんだ~嬢ちゃ~ん怖くて声も出ないか....」
「.............ゴメ......カツ....モウ.....」
「あぁん?あんだっt........」
........ゴトリッ
「......えっ?お頭?お頭!?てっめe......」
........ゴトリッ
「......ごめ、ごめんカツ......我慢できなかった」
キキイキイキイ~
「汚れちゃった....川行って水浴びでもしよ、カツ....行こ」
キキイキイキイ~
「お、お頭......サブ....あのガキ覚えとけよ!!」
~少女水浴び中~
「華琳さま、本当にこんな山奥に腕の良い鍛冶師など居るのですか?」
「あら、秋蘭は私の言う事が信用できないのかしら?」
「い、いえ。華琳さまがおっしゃることに異を唱えるなどしたくないのですが............その情報の出処が私としては不安を煽るのです」
「確かに胡散臭いけど腕は確かな商人なのだから払うものを払えばそれ相応の品を提供してくるわ」
「........それでは、この情報にはいくらお払いになられたのですか?」
「..................馬一頭よ」
「......は?申し訳ありませんがもう一度お聞きしても...」
「馬一頭と交換したと言っているの、この情報の価値はそれほど高いし、正しいのなら馬一頭なんて安すぎるくらいよ」
「......華琳さまがそこまで絶賛する鍛冶師とは....おや?華琳さまもしやあの小屋が件の鍛冶師がいる鍛冶場では?」
「ええ、そのようね」
一行が小屋を見つけた数瞬のあと小屋から一人の少女が現れた。
肩より少し短めの透き通るような白い髪、遠目でもわかる絹のような白く滑らかな肌、それに加え一流の武人のような闘気
欲しい、ただあの少女が欲しい。心の中はその思いで埋まっていった。
「こ、こここ、此処にな、なんの用だ!」
「こ、此処は人が来るようなところでもな、無いのにこんな大勢で!」
「今ならまだ許してやる!早く帰れ!」
「帰らないならボクがき、切る!!」
一行は開いた口が塞がらなかった。いきなり出てきた少女にこれまたいきなり帰れと言われ剣の柄に手をかけた状態で殺気を向けられている。
なにが起こっている
一行の心はこの一言に尽きる。
かろうじて秋蘭が華琳の前に立ち前面は守れているが気が気ではなかった。
秋蘭が華琳の前に立ったのを見て一緒に来ていた兵たちも華琳を囲むように陣形を組んだ。
全員が一触即発の空気を肌で感じ取ってる中、華琳だけは余裕の笑みを浮かべていた。
「ふふふっ、目隠しをしているあなたが私の精鋭たちを、一人で!相手にできるのかしら?」
「............なめるなっ!」
少女の手元が
「はじめっ!!!何してる!やめねえか!!!」
「.....!?とうさん.....」
男の怒声と少女のつぶやきに思考を巡らせたとき少女の声が自分のすぐそばにあったことに気付く。
自分の首筋には振り切った形で少女の剣が迫っていた。
あとほんの一瞬男が声を上げていなかったら自分の首は体とおさらばしていたようだ。
少女の剣に目を向けてみると見た事の無い少し反ったような剣、先ほどの動きからして極限までに速さを追求するために耐久性と剣幅を犠牲に細く、薄く、さらに長く造られていた。
いろいろ思考してる間に少女は目にもとまらぬ速さで男の後ろに隠れた。
「はじめっ!!このバカ者が!あれほど人様を問答無用で切りかかっちゃダメと言うたのがまだ分かってなかったのか!!」
「ヒウ!?ご、ごめんなさい.....で、でも!」
「でももかかしもあるか!オレがあとちょ~っと遅かったらあの子の首は地面と接吻してたろうよ!」
「うぅ~、ごめんなさい~」
「謝る相手が違うだろうよ、まったく。それであんた達はこんな大勢でこんな山奥に何の用だい?」
「ああ、じつは....」
「いいわ、秋蘭。私から話すわ。武器を造ってちょうだい、あなたにできる最高の出来の物を。種類は.....そうね、その子が持ってる剣に似た剣を二振りよ。代金は言い値でいいわ」
「はっは、いきなり来て武器造れだ?ずいぶんふてえ~奴だ」
「なっ!貴様っ!」
「だが!だからこそ気に入った!取りあえず今オレが作れる最高の出来の剣を造る、言い値で良いって言ったができた品を、あんたが見て、あんたが値段を決めな。話は終わりかい?なら早速オレは製作に取り掛かるとするよ。おいはじめ先家入っとけ!お前残しとくと客切っちまいそうだからな!はっはっはっ!」
「/////もお~~とうさん!!!///」
「待ちなさい、まだ自己紹介していなかったわ。私の名は曹操!いつの日かこの時代で名を上げていく者の名よ!!!」