崖の縁のミウたん   作:新六毛

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孤高の勇者 (2)

(今度は違う職業も楽しんでみようかな?)

再び訪れた『職安』マス

こけし職人、鷹匠、踊り娘、蟹…

ミウたんが次に選んだ職業は踊り娘

ミウたんとて女の子 せっかく可愛く生まれたならば、自分の魅力で殿方を楽しませたい

若干、踊り娘を誤解しているミウたんは、踊り娘ルートを進む

 

『舞台』… ゲリラライブで口笛を吹かれたら100G

 

大きなレースを頭から被り、それをヘアバンドで止める

次にマスクをしてネグリジェに着替える

それがミウたんがイメージするベリーダンスのコスプレだ

ミウたんは舞台として選んだAEONモールの駐車場で、自分なりにイメージしたセクシーベリーダンスを披露する

程無くしてミウたんの回りには人だかりができあがる

「駄目でしょ、勝手に抜け出して来たら!」

口笛を待って一生懸命踊っていたミウたんに声を掛けたのは、黄色い制服に身を包んだ救急隊員だった

「さぁ みんなの迷惑だから帰るよ ったく、何処から抜け出したの?」

そう言って、背後の黄色い救急車にミウたんを引っ張って行く

「い、嫌っ! 待って! キ〇ガイじゃない! キチ〇イって言うな~!」

救急隊員のてを振りほどき逃げ出すミウたん

ミッション失敗、0G… 駄目だ、転職しよう

 

踊り娘、鮪漁師、勇者、リラックマ…

ミウたんが選んだ次の職業は…… 勇者だ

職業勇者… これはこのすごスロに於いて、クライマックスステージに差し掛かった事を意味する

他のマップより丁寧で重厚な造りの、勇者マップの上を進むミウたん

 

『魔王バトル』… 魔王を倒して平和を取り戻せ!

 

既に太陽は西の山嶺に姿を隠しつつある 時間はない

あの太陽が完全に隠れる迄に魔王を倒すのだ

駅前通りに面した中華料理店『楊々』

この店の名物、激辛大盛野菜湯麺 "魔王麺"

これを攻略するのがミウたんの正月を締める恒例行事にして、すごスロ最後のイベントなのだ

この期間だけ、特別価格で通常950円が500円で提供されるのだ

一年に一度の本物の湯麺…

ミウたんはゴクリと息を飲むと、目の前に供された "魔王麺"の山に食らいついた

 

魔王との闘いは熾烈を極めた

灼熱の炎を思わせる激辛スープがミウたんの体内を焼き尽くし、そのスープを吸って膨れた麺と野菜の山が、容赦なくミウたんのボディに重い一撃を食らわせる

滝の様な汗と鼻水を流しながら、それでもミウたんは最後の止め、チンゲン菜を口に運ぶ

 

……勝った 今年も魔王に完勝した

 

大きく臭いげっぷをがましながら、ミウたんは勝利を宣言する

「だって私、勇者ですから!」

 

 

 

満腹のお腹を擦りながら玄関を潜ったミウたんはすごスロの前に座り、自身の分身ボトルキャップを『あがり』のコマに進める

「ふぅ~…………」

大きな溜め息をつくミウたん

今年も正月は滞りなく終わった

明日からまた忙しい毎日が始まる

それは去年同様、辛く厳しい物になるだろ

だが、ミウたんは負けない

だってミウたんは勇者なのだから…!

 

 

 

 

 

「…………つまらない………………」

ボソリと呟いたミウたんのお目めから大粒の涙が溢れた

独りでやる双六…… こんなのが面白い筈がない

ミウたんだって本当は知っている

双六は家族や友人と一緒にやるから楽しいのだ

私はこの独り双六を来年も再来年も、ずっと続けていくのだろうか……

さながら、暗闇で踊るピエロの様に……

ミウたんはテーブルのお重もそのままに、ベッドに潜り込んだ

そしてパンティを下ろし、上着を捲り上げて、露出した白いボディを自らまさぐっていく

「……あっ………あん……ああっ……… 」

ミウたんは独り上手ある

とりわけ、独りエッチに関しては円熟の域に達していた

 

後日、ミウたんはしまむらの一件で器物破損によりしょぴかれるが、それはまた、別の物語である

 

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