崖の縁のミウたん   作:新六毛

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未来の今頃 (3)

「な~~んだぁ しょ~なら はやくゆっ…てくららいよ~」

茹で蛸の様に真っ赤に顔を染めたミウたんがアカネに絡む

次々に酒を注がれ、既に呂律は回らない

エンターテイナーを目指す若者達の集い 【燦憊会】

今回、端役ながら映像作品初出演のミウたんは、そんな若者達の仲間に認められ、純粋な歓迎を受けたのだった

「でもいきなり、おっぱいは見せられませんって… 面白過ぎますわ…」

「んも~う わしゅれてくららいよ~ アカネしゃんの~おぱい… みちゃうよ~!」

ベロベロのミウたんはアカネを胸元に顔を埋める

「はれ~ しょ~いえば… しゅんげきの… しゃつえい… まだかな~?」

「ふふ… まだまだですよ… さぁ もっと飲みましょう…」

「じぇも~ おしょとくりゃいよ~ ヒック わしゅれてるのきゃな~ ヒック ちょと… きぃちぇきゅるね~ ヒック」

吃逆を繰り返し、酩酊状態のミウたんは立ち上がる

「まだまだ… まだまだ… 先ですよ… ずっと… ずっと… 楽しく語らいましょう」

アカネはそんなミウたんの手を引くと、再びソファーに座らせようとする

「ん~ じぇも… ちょと… おちっこ~」

「ふふ… 扉を出て… 左の突き当たりですよ… ミウさん… 真っ直ぐ帰ってらっしゃってね… 決して寄り道してはなりませんよ…」

「ふぁ~~い アカネしぇんしぇ~~!」

千鳥足で部屋を出て行くミウたんは、その時、アカネの表情に笑みが消えた事も、扉を閉める直前に酒盛りの喧騒が掻き消えた事にも、気付く事はなかった

 

水の流れる音がして、個室からミウたんが出てきた

「あ~ちみのきょとが~しゅき~じゃよ~」

何時になくご機嫌なミウたんは、調子外れなアカペラを披露しながら手を洗うと、スカートの裾で拭き拭きしてトイレを後にする

「ありぇ~ どっちから~ きたんだけ?」

泥酔状態のミウたんはお約束通り迷子になる

「りゃぶん… こちかにゃ?」

そして、当然見当違いの方向へ進んで行 く

仄暗い間接照明が赤い絨毯をぼんやり照らす通路を、とぼとぼ進む

「ん~ こんにゃに~ ありゅいたかにゃ~?」

少しだけ不安になったミウたんの視線の先に、人影が浮かび上がったのはその時だった

「あにょ~ しゅいましぇん… アカネしゃんは… にゃんとかかいは…」

迷子の予感のミウたんは、通りかかった人影に語り掛けた

「早く帰りなよ… ここはまだ… お姉ちゃんの来る所じゃないよ…」

「ふぇ?」

予想を覆す無愛想な返答に、ちょっぴり正気に戻ったミウたん

頭を振って目を凝らせば、其処には年の頃12、3歳位の少年が立っていた

「はは~ しょうねん… しゃては… あたちのおぱいが… みちゃいのかな~」

酔っ払いの思考は常人の及ばざる所ではあるが、少年は特に反応もせず壁を指差す

「ここから帰れるよ… もう、手遅れかもしれないけど…」

釣られる様にその指先を視線で追うと、何時の間にか其処には扉が現れていた

「ふふ~ん しょうねん… いいこでちゅね~ ごほうびに~ いいもにょを~」

何をする気か、パンツをずり下げながら振り返った時、既に少年は消えていた

「ありゃ… じゅんしゅいでちゅね~」

よく分からない解釈で満足気なミウたんは扉を開け中に入る

「おまちゃちぇ~……… ありゃりゃ? おもちぇに… でちゃちゃ…?」

其処は何故か屋外だった

てっきりパーティー会場に戻れると思ったミウたんは困惑する

無意識に振り向くと其処には扉も、出てきた筈の洋館も無い

昼間散策した遊園地の一角、今は真っ暗な其処にミウたんは立っていた

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