「な~~んだぁ しょ~なら はやくゆっ…てくららいよ~」
茹で蛸の様に真っ赤に顔を染めたミウたんがアカネに絡む
次々に酒を注がれ、既に呂律は回らない
エンターテイナーを目指す若者達の集い 【燦憊会】
今回、端役ながら映像作品初出演のミウたんは、そんな若者達の仲間に認められ、純粋な歓迎を受けたのだった
「でもいきなり、おっぱいは見せられませんって… 面白過ぎますわ…」
「んも~う わしゅれてくららいよ~ アカネしゃんの~おぱい… みちゃうよ~!」
ベロベロのミウたんはアカネを胸元に顔を埋める
「はれ~ しょ~いえば… しゅんげきの… しゃつえい… まだかな~?」
「ふふ… まだまだですよ… さぁ もっと飲みましょう…」
「じぇも~ おしょとくりゃいよ~ ヒック わしゅれてるのきゃな~ ヒック ちょと… きぃちぇきゅるね~ ヒック」
吃逆を繰り返し、酩酊状態のミウたんは立ち上がる
「まだまだ… まだまだ… 先ですよ… ずっと… ずっと… 楽しく語らいましょう」
アカネはそんなミウたんの手を引くと、再びソファーに座らせようとする
「ん~ じぇも… ちょと… おちっこ~」
「ふふ… 扉を出て… 左の突き当たりですよ… ミウさん… 真っ直ぐ帰ってらっしゃってね… 決して寄り道してはなりませんよ…」
「ふぁ~~い アカネしぇんしぇ~~!」
千鳥足で部屋を出て行くミウたんは、その時、アカネの表情に笑みが消えた事も、扉を閉める直前に酒盛りの喧騒が掻き消えた事にも、気付く事はなかった
水の流れる音がして、個室からミウたんが出てきた
「あ~ちみのきょとが~しゅき~じゃよ~」
何時になくご機嫌なミウたんは、調子外れなアカペラを披露しながら手を洗うと、スカートの裾で拭き拭きしてトイレを後にする
「ありぇ~ どっちから~ きたんだけ?」
泥酔状態のミウたんはお約束通り迷子になる
「りゃぶん… こちかにゃ?」
そして、当然見当違いの方向へ進んで行 く
仄暗い間接照明が赤い絨毯をぼんやり照らす通路を、とぼとぼ進む
「ん~ こんにゃに~ ありゅいたかにゃ~?」
少しだけ不安になったミウたんの視線の先に、人影が浮かび上がったのはその時だった
「あにょ~ しゅいましぇん… アカネしゃんは… にゃんとかかいは…」
迷子の予感のミウたんは、通りかかった人影に語り掛けた
「早く帰りなよ… ここはまだ… お姉ちゃんの来る所じゃないよ…」
「ふぇ?」
予想を覆す無愛想な返答に、ちょっぴり正気に戻ったミウたん
頭を振って目を凝らせば、其処には年の頃12、3歳位の少年が立っていた
「はは~ しょうねん… しゃては… あたちのおぱいが… みちゃいのかな~」
酔っ払いの思考は常人の及ばざる所ではあるが、少年は特に反応もせず壁を指差す
「ここから帰れるよ… もう、手遅れかもしれないけど…」
釣られる様にその指先を視線で追うと、何時の間にか其処には扉が現れていた
「ふふ~ん しょうねん… いいこでちゅね~ ごほうびに~ いいもにょを~」
何をする気か、パンツをずり下げながら振り返った時、既に少年は消えていた
「ありゃ… じゅんしゅいでちゅね~」
よく分からない解釈で満足気なミウたんは扉を開け中に入る
「おまちゃちぇ~……… ありゃりゃ? おもちぇに… でちゃちゃ…?」
其処は何故か屋外だった
てっきりパーティー会場に戻れると思ったミウたんは困惑する
無意識に振り向くと其処には扉も、出てきた筈の洋館も無い
昼間散策した遊園地の一角、今は真っ暗な其処にミウたんは立っていた