リリカル・デビル・サーガ   作:ロウルス

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――――――――――――

 会いたい。
 アリスちゃんに会いたい。
 だって、家には誰もいないから。
 ひとりで、いい子にしてないといけないから。

 でも……

「アリスちゃんと会えなくなっちゃった……」

 怖いのを我慢してやってきた公園は、黄色いテープでふさがれていた。
 涙がこぼれる。また私は、ひとりに……

「あら、なのはちゃん。どうしたの?」

 そんな時、婦警さんが来てくれた。昨日、いっぱい泣いたのに、ずっと一緒にいてくれた婦警さんが。

「……ああ、公園で遊べなくなっちゃったのね?」

 涙を拭きながらうなずくと、婦警さんは手をつないでくれた。

「じゃあ、町の方の公園に行きましょうか? ここよりちょっと小さいけど、十分遊べると思うわよ?」

――――――――――――なのは/公園前



第4話 死者の行く先

 海鳴署。市民を守るべく設立されたビルの一室で、不機嫌そうにPCの画面を見る男がいた。先日の海鳴公園殺人事件現場で指揮をとっていた百地警部だ。彼は廃ビルでのこども生贄事件も担当しており、ここ数日で連続して起きている血生臭い事件の解決に躍起になっている。

 

「百地警部、資料貰って来ました」

 

「Tシャツか。そこに置いといてくれ」

 

 そこへ、Tシャツこと部下の磯野刑事がやって来た。しかし、百地警部は資料に目もくれず、何やら難しい顔で考え込んでいる。いつもは資料を奪うようにして受け取るのに。上司の普段と違う様子を見て、Tシャツは不振がった。

 

「どうしたんスか?」

 

「ああ、明日付けで本庁の連中がこの事件の捜査に入る。俺達はお役御免らしい」

 

 吐き捨てるように言う。PCの画面には「海鳴公園殺人事件捜査体制に係る通知」と題して、捜査員の名簿が載っていた。

 

「なんスかそれ、所轄は黙ってろってことスか?」

 

 Tシャツが怒ったように言う。無理もない。見せられた名簿には海鳴署員の名前は一人も載っていなかったのだ。

 

「そうらしいな。これは署長から聞いた話だが、もう捜査本部を作って、公園を封鎖しに行ったらしい」

 

 朝、挨拶した際に憤慨して愚痴を垂れ流し続ける署長を思い浮かべ、苦笑いする百地警部。Tシャツは尚も納得いっていない様子だ。

 

「でも、地元に詳しいやつが居ても損はしませんよ! せっかく資料だって貰って来たのにっ!」

 

「……いや、この資料は使う」

 

「はい?」

 

「あの時、公園で俺はご遺体を見たんだが、ありゃあ普通の殺され方じゃねえ。あの生贄事件に似てた。もしかしたら、この2つは関係してるのかも知れねえ」

 

「で、でも、俺達、捜査から外されちまいましたよ?」

 

「馬鹿、外されたのは公園の方だけだ。廃ビルの方はまだ俺達の領分だ」

 

「そ、そうか! もし事件が繋がってりゃあ、廃ビルの方を調べてる俺達も公園の方にお呼びがかかるって訳っスね!」

 

「そういう事だ。もう一回廃ビルの件を当たるぞ」

 

 そう言うと、ようやくTシャツが持ってきた資料を手に取る。そこには「海鳴市廃ビル事件捜査資料」とあった。

 

 

 † † † †

 

 

 場所は変わって、施設の玄関先。そこには、朝倉神父の姿があった。施設の先生がお菓子を受け取っている。

 

「では、お預かりします。いつもありがとうございます」

 

「いえ、いいんですよ。これも教会の活動でもありますし」

 

 孔はその様子を、アリスと一緒に2階から眺めていた。本来なら自分も出て行って挨拶をしなければならないのだが、朝倉神父にどんな顔をして会えばいいのかわからない。異能を持っているのに、何とも脆い心だ。そんな自嘲が浮かぶ。

 

「それでも、助かっていますし……。あ、今お茶をお出ししますね?」

 

「いや、お構いなく。実はこの後用事がありまして、すぐに向かわないといけないんです」

 

「そうでしたね。すいません、引き留めたりして……」

 

「いえ、それではまた」

 

 挨拶もそこそこに出ていく朝倉神父。今の朝倉神父は、事件の関係者でもあり、警察やマスコミの対応が絶えない。それでもお菓子を届けに来てくれたのは、決して教会の活動のためだけではないだろう。扉を閉じると同時に振りかえる先生。目が合った。

 

「孔、このお菓子、アリス達に持っていってあげてくれる?」

 

 孔はうなずくと階段を降りて――しかし、お菓子の袋は受け取らずに言った。

 

「すみません。今日で半年なんで、今からちょっと外に行きたいんですけど? それと、杏――いえ、ちょっと公園にもよりたいので」

 

 今日でアリサがいなくなってちょうど半年になる。杏子が犠牲になった公園に備えられたという献花台と一緒に、廃ビルの方にも行っておきたい。孔を追って2階から降りてきたアリスに聞かれたくなかったため、言葉足らずになってしまったが、それでも先生には伝わったようで、

 

「……そう、今日はそういう日だったわね」

 

 早いわね。そう呟く先生。しかし、すぐにいつものように送り出してくれる。いってらっしゃい。いってきます。孔もいつもの返事を返し、そのまま玄関に向かおうとした。が、それを見咎めたアリスから声がかかる。

 

「ねー、孔お兄ちゃん、どっか行っちゃうの?」

 

「ああ、ちょっと外に出てくる」

 

「じゃあ、私も行く!」

 

「アリス、お菓子も有るんだから家でゆっくり……」

 

「やっ! 一緒に行く!」

 

 あの事件以降、アリスは孔と一緒に過ごすことが多くなった。聞くと、ひとりでいるのが怖いと言う。親しい人の死を目にしたのだから仕方ないだろう。

 

「いいじゃない、アリスも、連れて行ってあげて?」

 

「しかし……いや、分かりました」

 

 これからその死を連想させる場所に行くのだが、先生はアリスの背を押した。孔と一緒なら大丈夫と思われたのか、それともいつまでも誤魔化すよりもいいと思われたのか。

 

(いや、もう気づいている、と言いたいんだろうな)

 

 アリスは、人の感情や関係に敏い。おぼろげながらアリサや杏子の事を理解し、受け入れていても不思議ではない。ぐずぐずと悩む自分より、アリスはずっとこどもらしい強さを持っているのだ。

 

「じゃあ、いってきます」

 

「はい、いってらっしゃい」

 

 今度こそ挨拶を交わすと、杏子とアリサに贈るための花を買いに、孔はアリスと手を繋いで街の方へ歩いていった。

 

 

 † † † †

 

 

 街中の花屋に向かう途中にある、小さな公園。事件があった自然公園のように目立つ存在ではないものの、都市部に設けられたそこでは、サラリーマン風のスーツをきた男性や主婦らしい女性がゆったりとした時間を過ごしている。

 

(本当は、寄るつもりはなかったんだが……)

 

 孔はその中をアリスと連れ立って歩いていた。アリスに杏子の死を連想させたくなかったため、本来ならこの公園を避けて遠回りするところなのだが、当のアリスから寄っていきたいと言われたのだ。

 

――だって、なのはお姉ちゃんがいるかもしれないし

 

 孔はその言葉に苦笑しながらうなずいた。やはり、アリスは自分とは違った強さを持っているようだ。そして同時に思った。その小さな望みが叶えられればいい、と。

 

「あ、なのはお姉ちゃんだ! なのはお姉ちゃ~ん!」

 

「えっ? アリスちゃん?」

 

 だからだろう。本当にツインテールを揺らして婦警――明智ほむらに見守られながら遊ぶなのはを見つけた時、思わず笑みがこぼれたのは。もっとも、昨日なのはが見せた態度の手前、笑いあう2人の間に入ることは出来ない。代わりに、ほむらと挨拶を交わす。

 

「すみません。昨日は、妹がご迷惑をおかけしました」

 

「あら? キミは……朝倉さんが送っていった子ね? あなた達も、こっちの公園まで遊びに来たの?」

 

「いえ、向こうの花屋へ行く途中に寄ったんです。献花しようと思って」

 

「……そう。優しいのね」

 

 事情を話す孔にほむらは笑顔で応えてくれたが、やはり少し空気を重くした。孔は慌てて話題を変える。

 

「いえ、それより婦警さんはどうして高町さんと?」

 

「ああ、巡回の途中で会ったの。なのはちゃん、あっちの公園で遊べなかったみたいだから、こっちに連れてきたのよ。あの辺にひとりでいると、また変な事件に巻き込まれるかもしれないし」

 

「そうですか……。そうだ、花を買いに行く間、アリスの事も見ていてくれませんか?」

 

「ええ、もちろん……」「えっ、孔お兄ちゃん、行っちゃうの?」「ダメみたいね。まあ、せっかくだし皆で一緒に行ったらどうかしら?」

 

「そうですか、すみません」

 

「いいのよ。こどもが遠慮しないの。私もそろそろ巡回に戻らないといけないし。花屋さんまでなら私の巡回経路だから。2人もいいよね?」

 

 話の途中で声を上げたアリスは嬉しそうに微笑み、なのはは困ったような笑みを浮かべる。孔はそれに微笑み返すほむらに連れられ、公園を出て花屋への道を歩き始めた。

 

 

 † † † †

 

 

「うわぁ、ほら、孔お兄ちゃん、あのお花すっごい綺麗だよ! あれにしよう?」

 

「……ああ、アリスはあれにしような」

 

 花に囲まれご満悦のアリスとそれを適当に流して花を選ぶ孔。なのはは相変わらず困ったように曖昧な笑みを浮かべている。珍しく賑やかになった店内で、ほむらは花屋の店員――神木まどかとお茶を飲みながら喋っていた。

 

「ごめんなさいね、急に」

 

「いいのいいの。献花用の花でしょ? 今どき感心な子達だよね」

 

 まどかとは、同じ海鳴市出身の幼馴染みだ。進む道は違ったものの、巡回経路上に店があったことから再会、よくお茶に寄らせてもらっている。もちろん、お茶は花屋にある来客用の備品だし、寄り道は立派な税金の無駄遣いなのだが、勤務中のささやかな楽しみくらいはあってもいいだろう。

 

「ねー、孔お兄ちゃん、こっちのお花も綺麗だよ。これも買おう?」

 

「アリス、いったい何本買うつもりなんだ?」

 

「たくさん! たくさん持ってってあげて、杏子さん喜ばせてあげるの!」

 

「……そうか。でも、多くても持ちきれないから、今日はそのくらいにしときなさい」

 

「むー、じゃあ、我慢するね」

 

 横に目を向けると、そこには微笑ましい兄妹のやり取りが繰り広げられていた。アリスの我が儘を宥めつつも、強く言えずに妥協案を提供する孔。よく出来た兄妹だな、と思っていると、

 

「高町さんは? どれにする?」

 

「え? 私?」

 

「じゃ、じゃあ、アリスちゃんと同じので……あ、で、でも私お金持ってないし……」

 

 なのはが孔に話しかけられ、びくりと肩を震わせているのが見えた。同年代の男の子とあまり話したことはないのだろうか。返事も妙にどもっている。孔の方も少し戸惑っているようだ。ほむらは苦笑しつつもそれをフォローすべく立ち上がった。

 

「あら? なのはちゃんの分なら、私が買ってあげるわよ?」

 

「ふぇ? いいんですか?」

 

 目を丸くするなのは。ほむらはまどかの方に軽く視線を送って言った。

 

「大丈夫よ。ここなら割引も効くし。ね?」

 

「……えっ? もう、仕方ないなぁ」

 

 苦笑しながら答えるまどか。なのははようやく笑顔を見せた。これが見られるのならば、花代など安いものだ。

 

 ゆえに、ほむらはその笑顔はどこから来るのか深く考えなかった。

 

 家族が忙しく久しぶりに貰うプレゼントが、嬉しかったから。

 孔に話しかけられたときに感じた気味の悪い感覚を一瞬でも忘れることができたから。

 

 なのはが抱える事情には、想像も及ばない。

 だから、巡回に戻る時間が来た時、

 

「じゃあ、なのはちゃん、またね?」

 

「えっ、あ、……はい」

 

「もう、そんな残念そうな顔しないの。せっかく可愛いんだから。それに、巡回コースは変わらないから、また明日には会えるわよ」

 

 ほむらはただ月並みの言葉をかけた。

 

「ねー、私も来ていい?」

 

「もちろん、いいわよ? お茶も楽しくなるわ」

 

 そしてそれに続くアリスとまどかの楽しそうな声が、自分の暗い感情に戸惑うなのはをうなずかせた。

 

「うん、明日、公園で待ってるの!」

 

 

 † † † †

 

 

 封鎖された自然公園。そこには献花台が設けられていた。掲げられるのは杏子をはじめとした犠牲者を悼む人達が供えた花。孔もそれに倣って花を捧げる。しばらく無言の時間が流れた。

 

「……じゃあ、行こうか」

 

 うつむいていたアリスが顔をあげた時を見計らって、孔は2人に声をかける。アリスは孔がまだ持っている花に目を留めた。

 

「そのお花はあげないの?」

 

「ああ、もう一ヶ所、あげる人がいるからな」

 

「えっ? だあれ?」

 

「……この間の誘拐事件に巻き込まれた人だ」

 

 用意していた誤魔化し用の台詞を答える。もどかしいが、あの悪魔の事件を話すわけにはいかない。

 

「ああ、孔お兄ちゃんが誘拐された時の人だね。誰か死んじゃったの?」

 

「えっ? 卯月くんって誘拐されたの!?」

 

 無邪気さゆえに残酷さ溢れる台詞を吐くアリスと、孔が誘拐事件に巻き込まれたことに驚くなのは。正確には孔自身は誘拐された訳ではないのだが、説明するのを避けるためうなずいておく。

 

「そう、誘拐されたし、大勢の人が酷い目にあったな。少し遠いし、2人はさっきの公園で遊んで待ってて」「ダメッ! 私も行く!」「……じゃあ、3人で行くか」

 

 置いていこうという孔の目論見はアリスに止められた。なのはは先ほどと同じ苦笑を浮かべている。そんな2人に孔は誤魔化すのをあきらめ、廃ビルへと歩き始めた。

 

 

 † † † †

 

 

「なるほど、ガイシャの朝倉杏子はメシア教徒。彼女自身は宗教にあんまり熱心でないが、父親は神父。ボランティアにも積極的な行動派、か」

 

 その頃の海鳴署。過去に起きたメシア教徒関連事件の調書を読みながら、百地警部が呟く。現場が封じられてる以上、書類から情報を得るしかない。

 

「立派な娘さんだったんですねえ。なんで殺されたんでしょう?」

 

 先程事情聴取を終えた朝倉が出ていくのを窓越しに見ながら、Tシャツがやりきれない声をあげる。事件初日、百地警部が連れてきた朝倉は強い悲しみを目にたたえながらも、強い意思をもって警部の質問に答えていた。百地警部はもちろん、隣でメモを取っているだけの彼もひどく感銘を受けている。

 

「まあ、もしこの間の生贄事件と繋がってんなら、宗教対立か内部抗争だろうな。メシア教は一見おとなしく見えて過激なのもいるらしい。対立してるガイア教徒との小競り合いだけじゃなく、同じメシア教徒同士で何件か事件を起こしてる」

 

「おんなじ信者同士で対決するんっスか?」

 

「ああ、どうも協議の解釈に違いでヒートアップしたらしい。勉強のしすぎだな」

 

 こちとら何が楽しいのかさっぱりわからん、と百地警部は見ていた資料を閉じる。情報収集は終わったようだ。

 

「よし、十分知識は手に入れた。行くぞ」

 

「えっ? どこ行くんスか?」

 

「あの生贄事件があった廃ビルだ」

 

 

 † † † †

 

 

 一般にはカルト教団の暴走で通っている生贄事件が起こった廃ビル。しかし、半年という時間は次第にその忌まわしい事件の記憶を消していった。それとともに、今現在廃ビルを訪れる人々もまばらになっている。始めは騒然としていた現場も、立ち入り禁止となったせいか今では閑散としていた。つい先程までは。

 

「どういうことだっ! 厳戒体勢は解除されてるはずだぞっ!」

 

「そうだ! 大体この事件は俺達が捜査してたんだ!」

 

 廃ビル前で喚く刑事2人。百地警部とTシャツだ。あらためて事件の現場を確認しようとしたが、何故かこちらも本庁の警察官によって再度封鎖されていたのだ。

 

「大体、この事件はまだこっちの管轄だ! 分かったら現場を見せろ!」

 

「……それは出来ません」

 

 怒鳴られている警察官は先程から同じ言葉を繰り返すばかりで、微動だにしない。

 

「おい、いい加減にっ!」

 

 業を煮やしたTシャツが掴みかかる。まったく取り合おうとしないその警官の態度は、沸点の低い彼を刺激するには十分だった。しかし、

 

「っな! 貴様何をしてる?!」

 

 轟音と共にTシャツは崩れ落ちた。何と警察官が銃を抜き、至近距離でぶっぱなしたのだ。驚きつつも相手の腕を掴み、腕ごと拳銃を空に向けさせる百地警部。さわった腕は人間と思えない程に冷たかった。その血が通っていない体のまま、相手も体を捩って抵抗する。組み合いになって倒れこむ2人。衝撃でトリガーを引かれた拳銃が、数発の銃声を響かせた。

 

「野郎、放しやがれ!」

 

 このままでは危険だと判断した百地警部は、相手を投げ飛ばすと自分の拳銃を抜いて撃った。狙いは銃を持つ手。弾丸は紛うことなく相手の手を打ち抜き、殺さないようにすると同時に銃を手放させることに成功した。素早く落ちた相手の銃を蹴り飛ばし、銃で狙いを着けながら、血を流して倒れているTシャツに声をかける。

 

「おい、大丈夫か? おい!」

 

 しかし、Tシャツからは返答がない。代わりに、今撃った警察官から骨肉砕くような、嫌な音が聞こえてきた。

 

「……ぐぁ、ぁ、ァ、ギ……」

 

 うめき声をあげてよろよろと立ち上がる警官。

 

「ア、ァ、テープ、越えた、死刑、死刑、死刑、死刑、死刑ぃぃぃぃぃい!」

 

 絶叫と共に、そのまま拳をあげて襲いかかってきた。

 

「ええい、この偽警官め!」

 

 しかし、百地警部も訓練を受けた警察官。腰を低くしてかわすと相手を蹴り飛ばした。相手はグシャリと音をたてるとビルの壁にぶつかり、辺りに凄まじい腐臭を撒き散らしながら、骨と肉だけを残して崩れていく。

 

「……まるでゾンビだな」

 

 腐った死体のようになっている警察官のような物体を見てそう呟く。一瞬唖然とした百地警部だが、直ぐに気を取り直してTシャツの怪我を確かめる。

 

「っ! くそっ!」

 

 心臓に穴が開いていた。助かる見込みはない。訓練で身に付けた応急処置の知識で、いかに状況が絶望的かを理解してしまう百地警部。それでも救急車を呼ぼうと携帯を取り出そうとする。が、廃ビルから出てきた白衣の人物に動きを止めた。

 

「銃声を聞いて来てみれば。何だ、警察か。もうここの封鎖は解かれた筈なんだが……」

 

「誰だ?! ここで何をしている?」

 

 明らかになにか知っている様子の白衣に百地警部は銃を向ける。しかし、相手は動揺する様子もなく話し始めた。

 

「ふん、誰でもよかろう。やっていたのは実験だ」

 

「……実験だと?」

 

「そうだ。ここに巣くう甘美な魂に惹かれた我が同胞を呼び出す為のな。そこに転がっているゾンビはその一貫というわけだ」

 

「ちっ! また宗教か! 何のカルト教団か知らんが、ここは献花台以外立入禁止な上に、その偽警官は銃刀法違反だ! 署まで来てもらおう!」

 

「ふん、威勢のいいことだな」

 

――アギラオ

 

 百地警部めがけて飛んでくる火球。慌てて飛び退こうとするが、

 

「うおっ?! 離せ貴様ら!」

 

 いつの間にかやって来た他のゾンビ警官が百地警部を拘束した。そのままゾンビ警官ごと炎に包まれる。

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!」

 

 火柱が上がり、絶叫が響く。しかし、それも一瞬。その炎は人間を灰にするには十分な高温だった。あとには元がなんだったか分からないほどに変形した、黒い焼死体。所々骨が見える。白衣の男はその死体というにはあまりにもおぞましいモノを確認すると、廃ビルへ戻っていった。

 

 

 † † † †

 

 

 廃ビルの中、アリサが殺された部屋。法衣の上に白衣を纏った男が儀式を行っていた。その黒を基調とした法衣はガイア教団のもので、彼がガイア教徒であることを示していた。ガイア教団というのは、海鳴市で布教活動を行っている宗教団体だ。法ではなく力、秩序ではなく混沌を尊ぶその教義は、同じ海鳴市で活動しているメシア教団の教義と正反対だ。このため、よくこの2教団は小競り合いを起こし、警察の厄介になっていた。

 

「……やはり一度失敗した魔方陣を使っても、うまくいかないか」

 

 床に描かれた魔方陣を前に、白衣の男が呟く。魔方陣は赤く発光してはいたが、何か起きるという気配がない。

 

「……異界には繋がっているのだがな。やはり餌がこれだけでは難しいか」

 

 ドアの方に目を向ける白衣。そこには、必死の形相でドアを叩き続けるアリサの姿があった。姿、といってもその体は透けており、何となく輪郭が分かる程度だ。しかし、叫び声ははっきりと部屋に響く。

 

――嫌ぁ! 開けて! 開けてよ!

 

「ふむ、しかし、恐怖の感情からくるマグネタイトはゾンビ程度なら動かせるか……」

 

 アリサが叩き続けている魔法陣が描かれたドアからは無数のコードが延びており、PCに繋がっていた。そしてそのPCからは床に描かれた先述の魔方陣に向かってコードが延びている。白衣の男は先程侵入してきた警察、つまりはTシャツの死体を床の魔方陣中央に置いた。そして、白衣がPCを操作すると、魔方陣に雷が落ちる。轟音と共に部屋を駆け抜ける雷光。しかし、それは一瞬。大きく跳ねるTシャツの死体。骨を鳴らしながら、それは動き出した。

 

「グ、ギ、……ギア……」

 

 かすんだ声を漏らしながら身体を弛緩させて立ち上がるTシャツ、否、元Tシャツ。新しく作り出したゾンビを見て、しかし白衣の男はつまらなそうに呟く。

 

「これ以上はどうしようもない……ふん。やはり、あの男の装置が必要か。潮時だな」

 

 そして、PCを離れて立ち上がった。次いで叫び続けるアリサへ目を向ける。

 

「この魂は魅力だったのだがな。呼ぶのに使えないなら仕方ない。コードを切って自然消滅させるか、あるいは……」

 

 ぶつぶつと独り言を続けていたが、不意に動きを止める。廊下、それも相当近い場所から銃声が聞こえてきたのだ。作り出したゾンビ達には侵入者に向けてすぐに発砲するよう刷り込んである。それが聞こえるということは、侵入者がいるということだ。

 

「……誰か近づいてくるな。警察の応援といったところか。……あの魂のマグネタイトは残り僅か、迎撃用のコープスを作るので精一杯。もうここにいる必要もないか」

 

 そう呟くと白衣はゾンビに命令を出した。

 

「……指令。魔方陣に集まれ」

 

 外に出ていたゾンビが部屋に次々と戻り、元Tシャツを中心にゾンビ達が魔方陣へと集まっていく。狭い魔方陣に、折り重なるようにして全員が収まった。PCを操作する白衣。

 

「……ゥ、アア、ァ…グェ…イ、タイ、ィィィィタァァ、イィィィ…!」

 

 ゾンビ達の苦悶の呻き声とともに、常人ならば耳を塞ぐであろう生きた人間が壊されるような音が響き、死体が結合していく。やがて、そこにのたうち回る死体の固まりが出来た。

 

「……指令。魔方陣及びPCを破壊しろ。この部屋に来る人間をすべて殺せ」

 

――アギラオ

 

 そして、白衣は壁に火球をぶつけて穴を空け、腐臭に満ちた部屋を後にした。

 

 

 † † † †

 

 

 時はわずかにさかのぼる。孔はアリスとなのはの楽しそうな声を聴きながら、廃ビルへ向かっていた。明るく振る舞うアリスを見て、やはりアリサのような役割は必要だったのだろうと改めて思い知る。孔は気が付けば手にもった花束を握りしめた。

 

(なんだ? 焦げ跡……?)

 

 だが、廃ビルの手前、コンクリートにこびりついた黒いすすに手を緩める。この間来た時は何もなかったのに。そんな戸惑いは、アリスの声ですぐにかき消された。

 

「ねー、孔お兄ちゃん? どうしたの?」

 

「いや、何でもない。それより、こっちだ」

 

 立入禁止のテープが張り巡らされた廃ビルの入り口の少し先にある献花台。時の流れのせいで、捧げられる花もずいぶん少なくなっている。もう少しすればこの献花台も撤去されるだろう。それでも、孔はアリス、なのはとともに花を並べ、黙祷した。杏子の事件があった公園でも感じた虚しさが、心の中を通り過ぎていく。

 

――開けて……開けてよ……

 

 死んだはずのアリサの声が聞こえたのは、そんな時だった。

 

「ぇ? 誰?」

 

「アリサお姉ちゃんっ!?」

 

 2人の反応を見ると、どうやら幻聴では無いらしい。なのはは戸惑った様子で周囲を見渡し、アリスは戸惑うことなく声がした方へ駆け出す。

 

「ええっ! ちょっと待って、アリスちゃん~!」

 

 孔は慌てるなのはとともにアリスを追いかけた。立入禁止のテープを超えて廃ビルの中へ。あの部屋へ続く廊下を曲がったところで、しかし足は止まる。アリスが警官に捕まっていたからだ。立入禁止と書かれたテープを越えたのを見咎められたのか。そう思った孔はアリスを引き離して取り敢えず謝る。

 

「すいません、友達の声が聞こえたものですから、つい……」

 

「ウ、イイ、ア、ァ……」

 

 が、返ってきたのは妙な呻き声だった。同時、引き離したアリスはガクンとその場に崩れ落ちる。その細い腕からは、血が流れていた。

 

「きゃあ!? ア、アリスちゃん、大丈夫?」

 

 慌ててなのはが支える。孔は警官を見据えた。様子がおかしい。考えてみれば、半年前の事件の現場に警察が人員を未だ配置し続けるのは異常だ。

 

「……アリスに何をしたんですか?」

 

 不信感をそのまま口に出す。それと同時、

 

「グ、ギ、テェェープゥ、越えたぁぁぁ! 死刑ぃぃぃい!」

 

 その警官は叫びながら銃を取り出し、発砲してきた。後ろにアリスとなのはがいるので、避けることは出来ない。孔は剣を抜いて弾丸を弾いた。

 

「うおぉ、あぁぁ、なん、でぇ、何で死な、ないぃ?!」

 

 銃を乱射し、錯乱した声をあげる警官。孔はこの声に杏子を殺した悪魔を思い出した。脳裏に浮かんだ悪魔のビジョンは、はっきりと目の前の警官と重なって、

 

「うわぁぁぁあ!」

 

 孔は警官を切りつけていた。出血はない。ただ、メキメキと音をたてて皮膚と肉が溶け崩れていく。後には耐え難い腐臭を放つ肉と骨が残った。

 

「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 後ろでなのはの絶叫が響く。しかし、

 

「う、ぅん? あれ? なのはお姉ちゃん? どうしたの? 何で泣いてるの? どっか痛いの? 大丈夫?」

 

「う、ん……えへへ、大丈夫だよ」

 

 その声に目を覚ましたアリスの声で、なのはは涙を拭った。高町さんは大丈夫そうだな。そう思った孔はアリスの傷へと目を向ける。

 

「アリス、怪我は大丈夫か?」

 

「え? あ、ほんとだ。血が出てる。ちょっと痛いかも」

 

 持っていたハンカチで止血を始める孔。今度ゲートオブバビロンに医療キットでも入れておくかと考えながら、軽く注意する。

 

「アリス、いくらローウェルの声が聞こえたからって、一人で走ったら危ないだろう?」

 

「あぅ、ごめんなさい。でも、アリサお姉ちゃんと今度はお別れしたくなかったの」

 

「それはわかるけど、俺も高町さんもいることも忘れるな」

 

「あぅぅ、ごめんなさい」

 

 もう慣れたお説教していると、なのはから声がかかった。

 

「あ、あの、孔くん、そのくらいでアリスちゃん許してあげて」

 

「わあ、なのはお姉ちゃん、ありがとう」

 

「……はあ、今度から気を付けるんだぞ?」

 

 嬉しそうにするアリスと困ったようななのはに説教をあきらめる孔。そんなとき、

 

――開けて…開けてよ……

 

 またアリサの声が聞こえた。今度はあの部屋が近いせいかはっきり聞こえる。

 

「孔お兄ちゃん……」

 

「ああ、行ってみよう」

 

 孔は警戒しつつも2人を連れて歩き始めた。声を追って廊下を進む。足を止めたのは、あの事件があった部屋の前だった。血の海に沈むアリサが孔の頭をよぎり、一瞬、扉を開けようとした手が止まる。

 

「孔お兄ちゃん、どうしたの?」

 

「……いや、何でもない。ドアを開けるから、二人とも少し離れててくれ」

 

 2人を下がらせ、意を決してドアを開ける孔。その先には、

 

――っ! 開けて……開けてよ…!

 

 アリサ、

 

「……イィィィタイィィィ…グギァ、ァ……ア……!」

 

 そして、アリサの背後に迫るゾンビの塊がいた。

 

「――っ! ローウェルに近寄るな!」

 

 ゲートオブバビロンを開き、剣を飛ばす孔。ほとんど反射といっていい。感情を刺激したそのゾンビは、剣山になりながら刺さった剣の勢いのまま壁に激突した。腐った肉塊が四散し、グチャリと音をたてて床に飛び散る。その肉塊がもう動かないと判断し、息を整える。そのまま体感で数分。実際にはどのくらい時間が経っただろうか。孔はようやく後ろの2人に声をかけ、部屋の中に入れた。

 

「アリサお姉ちゃんだ~!」

 

 同時、アリサに駆け寄るアリス。そのまま抱き付いて、

 

「きゃあ!」

 

「おっと」

 

 孔に激突した。何とアリサの体をすり抜けたのだ。

 

「えぇ! え? お化け!?」

 

「そ、そんな事ないもん! アリサお姉ちゃん、ドア、もう開いてるよ! 早く帰ろ!」

 

 後から入ってきたなのはが声をあげ、アリスはしかしそれを否定してアリサに叫ぶ。だが、アリサは虚ろな瞳でドアを叩き続けていた。

 

――幽体

 

 そんな言葉が頭に浮かぶ。おそらく、なのはの言う通り、幽霊のような存在となって苦しみ続けているのだろう。その痛ましい姿に視線を落とす孔。と、アリサの叩いている扉に魔法陣が見えた。

 

「……これが原因か」

 

 直感的にそう思い、手で触れてみる。

 

――幻想殺し〈イマジンブレーカー〉

 

 瞬間、魔法陣は砕け散った。ガラスの破片のような光が舞い消えていく。後には、扉を叩く手を止めて、ゆっくりとこちらへ振り替えるアリサがいた。そして、

 

――孔、それにアリス? 2人が助けてくれたの?

 

 孔達を認め、話し始めた。その目に狂気は見えず、生前の闊達な眼差しが戻っている。

 

「ア、アリサお姉ちゃんっ!」

 

 再度が飛びつこうとするアリス。だが、やはりすり抜けて壁に激突した。

 

「い、痛い……」

 

――もう、何やってるの、アリス。

 

 呆れながらも心配するアリサ。えへへ、と涙目になりながらも笑うアリス。そこには、施設で当たり前にあったいつもの一幕があった。

 

――久しぶりね、アリス。ええっと、それから……

 

「な、なのは。高町なのはです」

 

 アリス、なのはと向き合うアリサ。なのはは幽霊という怪異を前に、おずおずと自分の名を告げる。一方のアリスは好奇心の方が強いらしく、アリサの手を握ろうとしていた。しかし、伸ばした手は虚しく空をきる。

 

「アリサお姉ちゃん、本当に、幽霊さんになっちゃったの?」

 

――そうみたいね。自分でもよくわかんないけど。

 

「ふーん……ねー、アリサお姉ちゃん、幽霊になっても、アリスと遊んでくれる?」

 

――うん、ごめんね。私、これから遠くへ行かないといけないの。

 

「えー? 何でっ!? どうして行っちゃうの!?」

 

――ごめんね、アリス。私、ここにいると消えちゃうの。でも、ちゃんと私のこと覚えててくれたら、きっとまた会えるから。

 

「……本当?」

 

――ええ、本当よ。

 

 目に涙を溜めて愚図るアリスを慰めるアリサ。生前と同じ姉を感じたのか、次第にアリスは落ち着きを取り戻していった。

 

「……じゃあ、こんど会ったら、また一緒に遊んでくれる?」

 

――ええ、いいわよ。

 

「……なのはお姉ちゃんとも遊んでくれる?」

 

――ええ、勿論。

 

「……孔お兄ちゃんとも?」

 

――ええ、え? それは……

 

「……」

 

――うぅ、大丈夫よ。孔と高町さんと一緒に遊びましょう。

 

「……うん、うん! じゃあ、なのはお姉ちゃんのこと、名前で呼んであげて?」

 

「えっ?」

 

 急に話の中心になり驚くなのは。アリサはそんななのはに笑顔を向ける。

 

――じゃあ、なのはって呼ぶけど、いい?

 

「う、あ、えっと、いいよ」

 

 なのははまだ驚きが抜けていないせいか戸惑ったものの、はっきりと頷いた。

 

「えへへ、じゃあ、これでみんな友達だね!」

 

 そんな2人を見て、アリスは華のような笑顔を見せた。

 

 

 † † † †

 

 

――それじゃあ、孔、お願い。

 

「……ローウェル、俺はどうすればいい?」

 

 ひとしきりアリスと笑った後、アリサは孔の方を向いた。だが、意図がつかめない孔は聞き返した。アリサは孔が首からかけている杏子の遺したペンダントを見て続ける。

 

――そのペンダント、杏子さんの反魂神珠でしょう?

 

「反魂神珠? ローウェル、何か知っているのか?」

 

――前、杏子さんに聞いたの。そのペンダント、杏子さんがおばあちゃんに託された魂をあるべき所に返すものだって。孔は知らなかったの?

 

「ああ、聞いてないな」

 

 今一つ掴みきれないが、おそらくこのペンダントは本物の力をもったメシア教団の宝珠だったのだろう。杏子の祖母も熱心なメシア教徒だったと聞く。

 

――それ、私に借して

 

「……わかった」

 

 孔はアリサにペンダントを近づけた。アリサの手が神珠に触れる。その瞬間、あたりに光が満ちた。たちまちアリサの姿は薄れ始める。

 

――それじゃあ、さようなら……ううん……、またね、アリス、孔、なのは。

 

「うん、また遊ぼうね、アリサお姉ちゃん!」

 

「またね、アリサちゃん」

 

「またな、ローウェル」

 

 しかし、最後に孔の方を向いて言う。

 

――アリサ。私のことはアリサって呼んで、孔。

 

「……わかった。またな、アリサ」

 

 孔は呼び直す。

 初めて向けられたローウェルの、いやアリサの笑顔は、とても綺麗なものに思えた。

 




――Result―――――――
・愚者 Tシャツ 悪魔による射殺
・愚者 百地警部 魔法による焼殺
・屍鬼 ゾンビ  宝剣による斬殺
・屍鬼 コープス 無数の宝剣により刺殺
・妖精 アリサ・ローウェル 神具により昇天

――悪魔全書――――――

愚者 百地警部 ※本作独自設定
 海鳴署に勤めるベテランの警察官。様々な事件に関わり、多くの解決に導いているが、海鳴市で起こる数々の怪奇事件には手を焼いている。特にメシア教やガイア教関連の事件に汚点が多いため、その2団体を常に疑っている。しかし、メシア教徒の社会活動も知っているため、一定の理解は示している模様。

愚者 Tシャツ ※本作独自設定
 百地警部の部下。磯野刑事。いつもTシャツを身に付けているのでこう呼ばれている。若く血の気が多い刑事を地でいく性格。故に突っ走ってはよく百地警部に怒られている。

屍鬼 ゾンビ
 世界各地の伝承にみられる、生ける屍。元はハイチやニューオーリンズなどで信仰されている民間信仰、ヴードゥー教にみられる死者の労働力運用の呪術である。司祭であるボコが死体の腐る前に墓から取り出し、名前を呼ぶことでよみがえらせ、奴隷として農園に売り出したという。

屍鬼 コープス
 近代ファンタジー作品等にみられる、ゾンビの複合体。コープスとは死体の意味であり、主にSF等ゾンビに疑似科学的な要素を取り入れた作品で活躍する。大量殺戮の後で埋葬されなかった死体や、何らかの意図で集められた複数の死体が同時にゾンビ化する際、個々の死体の区別がつかなくなることで発現することが多い。

――元ネタ全書―――――
・封鎖された公園
 言うまでもなく真・女神転生Ⅰ、開始序盤の殺人事件から。ゲームの中で封鎖された都内某公園の事件が発売と同時に現実になったのは有名な話。

・アリサ・ローウェル
 第1章は原作の原作?とらハ3の一部ルートをベースにしたクロスでした。原作前編はもう少し続きますので、リリカルの本編開始は今しばしお待ちください。
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