「大丈夫かなぁ?」
林間学校を抜け出してジュエルシードを探している間も、私は入れ替わったあの子が気になっていた。さくらさんに気付かれると、怒られるのはあの子だから。
「心配ないよ、なのは。大して面識もない林間学校の参加者には見分けがつかないさ」
「でも、さくらさんもいるし……」
ユーノくんはそう言ってくれるけど、やっぱり心配なものは心配だ。歩きながら何度も山の方を振り返っていると、
「大丈夫。ドッペルゲンガーはキミの二重体。いわば、もう一人のキミだ。ちょっと知っているくらいじゃ気づかないよ」
もう一人の、私。
ユーノくんはそう言った。
急にあの子の顔が目に浮かぶ。
笑ってないあの子。
泣いてたわけじゃなかったけど、泣いてるように見えたあの子。
怒ってたわけじゃないけど、怒ってるように見えたあの子。
――人殺し……
「っ!?」
急にそんな声が聞こえた気がして、怖くなって立ち止まった。
「どうしたんだい?」
「う、ううん。何でもないよ」
でも、心配そうに話しかけてきたユーノくんに慌てて首を振る。どこかで聞いた声だったけど、思い出せない。なんであんな声が聞こえたのか、よく分からない。でも、
「そうかい? もうすぐ、夏織さんが言っていたポイントだよ? やることは、分かってるね?」
「う、うん……海の中のジュエルシード、目覚めさせればいいんだよね?」
気が付けばそこについていた。
アリスちゃんと初めて会った公園。
大丈夫。ちゃんとジュエルシードを片付ければ、またみんなで遊べる。
すずかちゃんやアリサちゃんや萌生ちゃんとも、お母さんやお父さん、お兄ちゃんやお姉ちゃんとも、同じ顔をしたあの子とも、フェイトちゃんとだって。
みんな一緒に。
――――――――――――なのは/海鳴市
フェイトにとって、それは容易に制圧できる筈の相手だった。悪魔とはいえ、擬態しているなのはと比べても砲撃の質は大幅に低下し、保有魔力も圧倒的に少ない。反射神経と運動能力こそ注意する必要があるものの、フェイトのスピードで十分カバーできるレベルだ。
(今度こそ……!)
そう今度こそ園子を殺し、萌生を撃った悪魔という存在に自分の一撃は届く筈だった。
「仕方ねぇ……!」
しかし、後ろからの声とともに前へ出た修にその刃は止まる。
(なんでっ!?)
フェイトは心の中で叫んだ。
何故、後ろにいた修が自分の前にいるのか。
何故、自分の刃ではなく修の拳が先に届いているのか。
「にゃはは」
一瞬のうちに浮かんだ疑問は、しかし不快な嘲笑で断ちきられた。反射的にバルディッシュを構え直そうとするも、その前に黒い杖が喉元に突きつけられる。否。それは杖ではなかった。いつかの白い魔導師が握っていたインテリジェントデバイスとデザインこそ似てはいるが、杖先は槍の様に鋭利で禍々しくギラついている。足元に広がった影から生えているその漆黒の槍を、影から延びた手が掴む。その手は槍をよじ登る様に動き、ズルズルと悪魔が這い上がって来た。顔が、胸が、脚が、まるで引きずり出されるように姿を現す。
「これで、お話できるね」
全身を露にしたその悪魔は、槍を突きつけたままフェイトの背後へと回りこんだ。
「ねえ、なんでこんなふうになっちゃったの?」
「っ! てめえらのせいだろうがっ!」
楽しそうに問いかける悪魔に叫ぶ修。手にバチバチと電撃を纏いながら、しかし撃つことが出来ないのはフェイトが人質のせいだろうか。怒りを滲ませる修に、
「そうだよね」
悪魔は肯定の言葉を口にした。
「園子ちゃんが死んだのは、私が間違って撃っちゃったせい」
その声は震えている。
「フェイトちゃんが憎むのも、私のせい」
ポタリ。何かが肩に落ちた。
「夜怖いのも、私のせい」
それは涙だった。悪魔はフェイトの後ろで泣いているのだ。そこに打算は感じられない。ただ後悔と自分のやったことへの恐怖が雫となってフェイトのバリアジャケットを濡らしていた。
(何を今更っ!)
それに心の中で怒声を上げるフェイト。どれだけ泣いて謝っても、園子はもう戻ってこないし、萌生の痛みも消えないのだ。だから、続くなのはの言葉には思わず目を見開いた。
「だからね、お話したかったの。だって、お話すれば、みんな苦しいの、分かりあえるでしょ? そしたら、みんなで一緒に悪いのやっつけるの」
コイツハ今ナンテ言ッタンダ?
苦シイノハオ前ジャナイ
分カリアオウト手ヲ差シ伸ベルノハオ前ジャナイ
悪イノハ他ノ誰カジャナイ
相手がなのはではなく悪魔だと分かっていながらも、フェイトは感情のまま振り返った。しかし、なのはは槍を喉に押し当ててそれを抑える。視界に入った悪魔は、
「みんなで、ジュエルシードあつめるの。卯月くんみたいな化け物やっつけるのっ! 管理局みたいな悪者に言うこと聞いてもらうのっ! 自分達が間違いって認めてもらうのっ! にゃははははははハハハッ!」
嗤っていた。
フェイトは自分の体が怒りに震えているのがはっきりと分かった。あれだけのことをしておいて、まるで自分が被害者のような顔をした挙げ句、自分は「悪くない」と言うその姿に。そして酷く苛立っていた。孔の事を「やっつける」と叫ぶその姿に。
(違う、違う、チガウッ!)
心が否定の言葉を叫ぶ。あるいはサイファー博士が言っていた様に、アイツは人工的に産み出された化け物なのかもしれない。しかし、その化け物がやってきたことはなんだったか。姉を蘇生させ、萌生達を悪魔から護ろうと剣をとる。それは絶対に「間違った」行為ではなかった。むしろ、自分が理想とする行動であるといっていい。だからこそ、あの崩れ落ちるシェルターで孔に羨望と憎悪を抱いたのだ。それを目の前の悪魔は間違いであり、「やっつける」ものであると蔑んだのである。それはフェイトにとって、今までの生を否定されるに等しかった。
「ッ……!」
無言のままデバイスを握りしめるフェイト。喉の槍が脅す様に動く。フェイトはそれに構わず全身に魔力を込めた。このまま魔力を解放すれば至近距離にいる悪魔を跡形もなく吹き飛ばすことが出来るはずだ。例えその魔力が自分自身を焼くことになろうとも、フェイトは全身に稲妻を纏う。それに気付いたなのはの腕に力がこもり、
「急急如律令っ!」
――禁呪符
那美の声で解放された。突然離れた拘束にバランスを崩して倒れそうになるのを、一瞬で駆け寄った修が支える。揺れる視界には、符を構える那美とバインドの様なもので拘束された悪魔、そして
「黙りなさいっ!」
それに殴りかかるさくらがいた。バインドの上から悪魔に拳をぶつける。否、それは拳ではなかった。どこから取り出したのか、獣のように鋭利な爪が煌めいている。それは幾筋もの軌跡を残しながら、高速で相手に襲いかかった。
額を叩き割り、 「なのはちゃんとっ!」
肝臓をえぐり、 「同じ顔でっ!」
喉をかききり、 「悪魔がっ!」
関節を破壊し、 「化け物をっ!」
腱を切断する! 「否定するなっ!」
およそ人間ならば急所に該当するところをその爪は容赦なく削っていく。大量の血を撒き散らしながら、しかし悪魔は未だ不快な嘲笑をあげ続けた。
「にゃははハハハ……! イタイ、イタイよ……っ! ねえ、叩かれてる子の痛みって分かる? お話ししないで、叩かれるの、イタイの分かる? きっとさくらさん達も叩かれれば分かって……!」
「黙れっ!」
首と胴を切断するさくら。首が滝の様に血を吹きだしながら宙を舞い、胴体は弛緩しながら黒い沁みになって消えていく。さくらはそれに背を向けながら、吐き捨てる様に続けた。
「あなたはなのはちゃんと違うっ! あの娘は正義感は強いけど、それを欲望で汚したりしないもの……っ!」
だが、首だけになっても悪魔は依然として喋り続ける。
「じゃあ、聞いてあげてよっ!」
そこに嘲笑はない。
「いい子じゃなくてもいいって……間違っても言い訳なんかしなくていいって……謝ればいいって、償えばいいって、あなたが、お話すればいいって言ってあげてよっ!」
ぐちゃりと、首が地面に墜ちる。
「頑張ってお話するからっ! 聞いてあげてよっ!」
ただ泣いている様な、怒っている様なその声は、
「側にいて、お話し、聞いてあげてよっ!」
悲鳴のような、悲痛の様な声をあげながら、
「あの時みたいに、ひとりに、しないでよぉ……っ!」
抵抗するような響きを残して消え去った。
† † † †
「フェイトッ! 大丈夫かいっ!」
結界が崩れるのをぼんやりと見ていたフェイトは、アルフが駆け寄ってくる声で意識を現実に引き戻した。修に支えられたままだったことにようやく気づき、慌てて自分の足に体重を移す。
「だ、大丈夫だよ。怪我もないし……」
言いながら軽く体を確認するフェイト。締め上げる様に拘束された腕が少し痛むものの、ダメージはほとんどない。どちらかというと気になるのは先程悪魔が残した言葉の方だった。
(ひとりに、しないでよ、か……)
果たしてそれが悪魔の虚言だったのか、なのはの気持ちを代弁したものだったのかは分からない。だが、首だけになってもなお叫び続けたその姿は、かつて母親を求めて命令をこなし続けていた自分とどこから通じるものがあった。
(……嫌だな)
それにフェイトが抱いたのは共感よりも嫌悪だった。どれだけ叫んでも、努力しても届かない想い。それだけならまだしも、何故届かないのかと狂い、周囲に悪意を撒き散らして拒絶され、惨めに死んでいくその姿は、まるで自分の最悪な未来を提示している様に思えたのだ。
「ホントに大丈夫か?」
気がつけば表情を歪めていたらしく、見咎めた修が声をかけてきた。心配したと告げる視線。それは萌生や園子が自分に向けていた視線に含まれるのと同じ温もりをたたえている。
「うん。大丈夫だよ」
だからフェイトはそう答えた。自分には想いが届いた友達がいる。母親だって受け入れてくれた。だから、あんな結末などあり得ない。
「なに言ってんだい。突っ込んだのはアンタじゃないか」
「えっ? あ、いや、あれはフェイトが特攻したと思って……」
「特攻って……接近戦仕掛けただけだろ」
そんなフェイトを置いて、アルフはしっかりと文句を言っていた。慌てて弁解を始める修。珍しくアルフが突っ込み役に回っているのにおかしさを覚えながらも、平常を取り戻し始めた2人にフェイトは少しだけ表情を柔らかくして声をかける。
「ア、アルフ、私平気だから……シュウも助けようとしてくれたんだし」
確かにあの時は止めるのではなく砲撃による援護が欲しかったところだが、フェイトとしては助けようとした修を責める気にはなれなかった。第一、修は戦闘訓練など受けたこともないと言うし、受ける必要も無かったのだ。誘導弾でもなく軌道が不安定な雷による砲撃を、高速で動く援護対象を反らして標的だけに撃ち込むという技術を期待する方が酷だろう。
「まあ、その調子なら大丈夫そうね。後は卯月くん達だけど……」
アルフをとりなすフェイトに余裕を見たのか、さくらが話しかけてきた。それと同時だっただろうか。
(フェイトッ! アルフッ! 返事をして下さいっ!)
(あ、リニス? 大丈夫だよ、みんな無事で……)
切羽詰まった様子でリニスが念話を送ってきた。どうやら突然悪魔の結界に閉じ込められたのを心配したようだ。
(よかった……っ! なら、すぐ合流をっ!)
(ちょ、ちょっとリニス? どうしたのさ?)
だが、返ってきたのはやはり緊迫した念話だった。事態が呑み込めずに聞き返すアルフ。
(それが……っ!)
リニスが伝えたのは、予想もしない事態だった
† † † †
時はわずかに遡る。孔は結界を張ったリニスと共に悪魔の反応を追っていた。始めはなのはのいた位置とほとんど重なっていた反応は山を下り市街地を外れ、臨海公園に入ったところでようやく止まる。
「随分引き離されたな……」
「やはり、罠でしょうか?」
「ああ。だが、戻るわけにもいかない」
誘導するような反応に警戒しながらも、ふたりに引き返すという選択肢は無かった。悪魔に対応できるデバイスを持つ孔の役割は反応から目を離さない事だ。もっとも、意味ありげに公園にとどまる反応に積極的に対応するか、このまま監視を続けるかは判断に迷うところではある。
「コウ、どうしますか?」
「そうだな、俺は悪魔を追うから、リニスはここで……」
《待って、今もうひとつ反応を感知したわ》
だが、言い終わる前にI4Uが突然目の前に映像を写し出した。そこには、林間学校の授業を受けるなのはの姿がある。
《悪魔の反応と一致。あれは貴方のクラスメートなんかじゃない……悪魔よ、My Dear》
(なっ! 折井! ……確認したっ! あれは……高町さんの格好をした悪魔だっ!)
慌てて修達に警告の念話を送ると同時、結界が広がった。それはリニスのものでも、孔のものでもない。公園にいる悪魔が結界を広げ、上空にいる2人を閉じ込めたのだ。
「ちっ!」
《Blaze Cannon》
舌打ちして結界に砲撃を撃ち込む孔。結界をも破壊できるようにと放った砲撃は、しかしその境界にヒビひとついれることも叶わずに消滅する。ならば直接破壊しようと孔は剣を構えるが、I4Uに止められた。
《無駄よ、この結界は物理的な衝撃じゃ破壊できないわ。以前ゲームで作られたものと同じ、アマラ宇宙に位相をずらして構築されている……あらかじめ用意していたんでしょう》
「対策は?」
《マグネタイトの起点はひとつだから、そこに行って流れを変えてやればなんとかなるはずよ。強力なジャミングがかかっているせいでサーチは難しいみたいだけど》
苛立ちを滲ませる孔にI4Uは淡々と答える。孔は結界を見渡して顔をしかめた。その範囲は公園全体に及び、目視で悪魔を探すのは相当時間がかかってしまう。しかし、
――こっちだ
響いた声に目を見開いた。声の元には、公園のベンチに腰掛けた老人。軽く視線を送ってくるリニスにうなずくと、孔は老人の前へと降り立った。
「お前が孔か……」
その老人は突然空から降りてきた孔に平然と声をかける。顔をあげてこちらに向けた目には強い意思のようなものが感じられた。その目には見覚えがある。このジュエルシード事件の始まりを告げた念話。それを追ううちに巡りついた公園。そこではっきりとこちらを捉えて言葉を告げた、あの老人のものだ。
「なるほど……以前の因果を断ち切りつつあるようだな。ならば、大いなる力を使いこなせるかも知れん」
その目のまま、孔に向かって言葉を紡ぐ老人。そこに以前ほどの鋭さはない。
「光と闇、法と混沌という世界のバランスが崩れようとしておる。いずれに傾こうと結果は同じじゃ。お前ならどうする?」
しかし威厳と威圧を失わずに、その老人は問いかける。孔にその意味は分からない。老人も答えなど期待していないのだろう。ただ静かに手をあげ、
「どちらにしても、お前はもう引き返す事は出来ぬ。取り敢えず、力を見せてもらおうか……」
そんな言葉を口にした。同時に舗装された地面にヒビが入り、轟音を立てて崩落を始める。慌てて空中へと逃れようとする孔とリニス。だが崩壊は空にもおよぶ。青い空は赤い経絡へと姿を変え、しかしそれも足元から巨大な黒い闇に吸い込まれていく。その黒い空間は一挙に大きくなり、やがて視界全体を覆った。
「コウッ! 大丈夫ですか!?」
「ああ……ここは?」
叫ぶリニスに答えながら周囲を見渡す孔。吸い込まれた先は完全な闇ではなく、星のような光に囲まれた空間だった。周囲の景色はさながら宇宙のようだが、魔方陣のような足場が並んでいる。魔方陣といっても魔法世界で見られるそれではなく、どちらかというとマンダラに近いだろうか。赤く不気味な光を発するそれは、何もない宇宙空間に広大な回廊を造り出していた。
「さあ……以前、悪魔のゲームでみたアマラ宇宙とは随分違うようですが……?」
警戒を強めるリニス。周囲の空気は尋常ではなく、誰もいない筈なのに視線を感じる。それはひとり舞台に立ち、周囲の視線に曝されているのに似ていた。違うのはそれが嘲笑と悪意に満ちていることだろうか。
「I4U、サーチできるか?」
《ええ。ジャミングはもうなくなっているわ。脱出のポイントは……向こうね》
だが、デバイスは呆気なく脱出手段を告げる。指し示す先は回廊の奥深く。そこを見た瞬間、まるで周囲に感じていた視線がひとつになり、それを真正面から受けている様な感覚に囚われた。
「……コウ」
「ああ、行こう、リニス」
それを恐れている時間はない。修達は悪魔の結界に取り込まれてしまった。なのはもどこにいるか分からない。あの老人も警戒が必要だろう。それに対応するには一刻も早く外に出る必要がある。孔はリニスとともに回廊へと踏み出した。
† † † †
マンダラの回廊は静寂に満ちていた。至るところに悪魔の反応があるものの、こちらに接触してくる様子はない。時折門を模したオブジェがあり部屋のような空間へと繋がっているが、入ってみても中には誰もいない。巨大な魔方陣が床に描かれているだけだ。
「不気味ですね……」
「そうだな……。でも今は進むしかっ!」
だが、何個目かの部屋を抜けた先で急に広がった光に足を止める。反射的に剣を握りしめる孔。しかし、光が収まったと同時に現れたそれに目を見開いた。
「っ!?」
そこには施設の先生が立っていたのだ。
「駄目よ! 孔、この先は危険なの! リニスさんもやめて! 止めても無駄なのは分かってるっ! でも、あなたがいなくなったら私はどうすればいいのっ!」
なぜここに、という疑問より早く先生の悲痛な叫びが響く。しかしそれも一瞬。先生の姿はまるでその声を届けて力尽きたかの様に光の塵を残してかき消えた。気配はもう残っていない。
「I4U、今のは……」
《分からないわ。悪魔の反応は感知できなかったけど、高町なのはに擬態していた悪魔も直前まで反応を追うことが出来なかったから……》
「……そうか」
短く答えると、孔は無言のまま歩き始めた。視界のすみに捉えたリニスは何処か心配するような目を向けている。それに問題ないと答えるように、孔は剣を鞘に納めた。
「急ごう」
「ええ」
余計な詮索をしないリニスに心の中で謝りながら、孔は深層へと進む。複雑な回廊を、次第に強くなっていく視線を追いかけるように。
(……恐怖か)
その視線に抱いた感情を言い表す言葉を思い浮かべて納得する。何か目に見える形で存在している訳ではないが、ふりかかる悪意が脳に直接圧力をかけるように重くのしかかった。前に進むのを拒絶するように重くなった体を動かし、たどり着いたその扉を開ける。
瞬間、どこまでも堕ちていくような感覚に囚われた。
視界は周囲の光景を加速して流し、周囲の星が線を引き、しかしそれは不意に反動もなく止まる。ゆっくりと揺れる風景は、導かれる先――古代の神殿のようなそれを捉えていた。
《My Dear, 脱出ポイントはあそこよ》
降り立ったそこで、I4Uがすぐに解析結果を告げる。指し示したのは床で意思を持っているかのように蠢く禍々しい魔法陣の中心。だがそこには、出口をふさぐように自分と寸分違わぬ姿をした悪魔が立っていた。
「おめでとう。ここが終着点だ」
「ここから、出してもらおうか……!」
孔は戸惑うことなく剣を構える。例えそれが自分であっても、人の格好をする悪魔はもはや驚愕に値する対象ではない。しかし悪魔はそれを嘲笑うかのように口を開いた。
「出してやってもいい……貴様はまだ可能性の片鱗すら見せていないのだからな、マリオネッテよ。だが外に出てどうするというのだ?」
「どういう意味だ?」
質問の意図が読めず問いかける孔。鏡に写った様に同じ姿をした悪魔は、強い狂気を湛えたまま続ける。
「外に出てもふりかかるのは悪意だけだ。お前は絶対の力を持つ化け物として、差別し排斥される人外として、あるいは醜く危険な存在として扱われるであろう。普通ならば悪意とは程遠い世界で生きている人間達にだ。その理由を知っているか?」
孔の苛立ちを煽るように悪魔は言葉を切る。見透かした様な質問と嘲笑。その底知れない悪意を、孔は知っていた。自分の異常を目の当たりにしたアリサやすずか達、その観察眼から力を感じ取った高町一家。形は違えど誰もが抑えきれなかった嫌悪感は、今まさに悪魔が向けている負の感情と近いものがある。
「簡単だ……。
お前がそう望まれて造られたからだ!
人間はいつも自らの正当と優位を他者の中で主張しようとする!
他者に力を振りかざし、自分は意義のある存在だと叫ぶ!
その意義を生きる意味だと思い込んで安心するために!
それには力を振りかざす相手が必要だ!
そしてその相手は、自らの正当性を保障するため、誰もが嫌悪の対象とする存在でなければならん!
自らの強さを証明するため、打倒に値するだけの強大な力を持っていなければならん!
だから貴様という体のいい踏み台が産まれたのだ!」
「あなたは……っ!」
飛び出そうとするリニスを抑える様に孔は手でそれを制する。感情を押さえつけるように、努めて冷静な声で返す孔。
「例えそういう目的で創られた存在だとしても、俺には待ってくれる人がいる」
「ククク……ッ!
まだそんな耳障りのいい解答にすがろうとするか!
さすがは法の神に染まり一度は天使と化した憐れな生贄……己の存在意義を外に求め、光にすがり続けようとするっ!
それが逸脱した天使達の意思とも知らずにっ!
滑稽な事だな、マリオネッテよっ!」
まるで感情的になった人間のような声と共に、悪魔は本性を現す。水棲生物のような黒い触手が集まった様な巨体に、皮膚病のようにただれた吸盤。それは奇妙なノイズが混ざった声で、悪意の咆哮を挙げた。
「自分の影を見つめることなく、絆などという光にすがった……その結果はどうだ!
誰もが正しいと思う行為をした貴様のせいでっ!
誰もが悪意に囚われ、歪み、悲劇を産んでいるっ!
これは矛盾だっ!
影は運命に背く者を絶対に許さん!」
振るわれる触手。孔はそれをかわすと同時に剣でなぎ払う。しかし刃が届く寸前、刀身がまるで砂のように崩れ落ちた。驚く間もなく悪魔は再び触手を振り上げ、
「コウッ!」
《Chain Bind》
リニスのバインドによって止められた。宝剣を撃ちながら距離を取る孔。が、やはりそれは悪魔に届く前にことごとく消え去る。
(あの時と同じか……!)
思い出したのはシェルターでの一戦。あの時も一時的に力が使えなくなった。過剰に体が重くなったり、目前の悪魔に何かされたという自覚はなかったが、もはや異能を主体とした戦法は使えないだろう。
「……I4U」
《Yes, My Dear!》
孔の呼びかけに答えるデバイス。流れる身体強化の術式を身に纏い、対悪魔銃ダビデスリングを手に構える。それは力を封じられた経験から考え出したスタイルだった。消滅するであろう魔力を予めデバイスに保存しておく事で枯渇を防ぐと同時、身体能力は強化魔法で補う。攻撃は魔力を消費しない銃とし、
「リニスッ! 頼むっ!」
「分かっていますっ!」
前衛は使い魔に任せる。リニス自身の魔力も孔のリンカーコアに依存しているので、ある程度持つとはいえ短期決戦を仕掛ける必要があった。
《Summon》
――ナイトメア
「うわあ。悪夢みたいなとこだね」
――ラクンダ
ゆえに攻撃と同時に体勢を整える。ナイトメアの呪力で弱った相手に雷を纏まとった魔力の鉤爪を振るうリニス。孔も横に飛び、リニスと悪魔が直線上に重ならない位置から引き金を引く。響く轟音とともに打ち出された弾丸は正確にバインドの間を撃ち抜いた。
「よくもコウを……!」
同時にリニスの爪が悪魔に届く。銃創を抉るように、魔力の刃は悪魔を切り裂いた
「ククク……!」
かに見えた。
「失望だなァ! 光にすがるだけの人間などこんなものかっ!」
体を縮める悪魔。予備動作と込められる魔力に慌てて孔の前まで戻るリニス。魔力光は見えない。代わりに、悪魔は光が当たらなくなったかのように暗い闇に覆われていく。
――拡散閃影殺
弾ける様に触手を伸ばしたと同時、その闇は鋭利な刃物となって周囲に撒き散らされた。
《Round Shield》
リニスは孔を守る様にシールドを展開し、直線的な起動で飛んでくるそれを受け止める。一方向からの攻撃であれば魔力を前方に集中できるシールドの強固さを生かすことが出来るので、その選択は正しい。しかし、
(威力が大きすぎるっ?!)
十分な魔力で作り出したはずのシールドにヒビが入った。目を見開く孔。確かに悪魔が込めた魔力は強大なものだったが、リニスの作り出したシールドで防ぎ切れないものでは決してなかった。先程の武器の様に魔法がキャンセルされたのかとも考えたが、シールドの術式は途絶えることなくその役目を果たしている。
《周りの瘴気の影響よ、My Dear》
「どういう事だ」
《あの悪魔は人の闇を糧としている……貴方に向かう悪意や貴方自身がそれに抱く諦めがこの結界の中で反応して、力に変えているの》
I4Uの解析結果に眉をひそめる。術者の気力ならともかく、そんな第三者の精神に依存する結界などあり得るのだろうか。いや、それ以上に、
(諦めている……?)
自分の悪意への考え方をそう表現されたことに意外なものを感じた。確かに今まで悪意にとらわれた人々と積極的に向き合おうとしたことはない。相手に不快な思いをさせたくないという想いから来るものではあったが、それは傍から見れば諦めている様にも見えるだろう。
「っく!」「リニスッ!」
だがそんな感傷に浸る暇もなく、リニスの苦痛の声が聞こえる。孔は手早く回復魔法をかける。うまく急所を外して受けきったのは流石だが、雨の様な影の刃に出血が激しい。
「大丈夫です、このくらい……っ!」
それを無視して立ち上がり悪魔に目を向けるリニス。その眼差しに写るのは普段見せる事のない強い憎悪だった。以前、月村邸で孔の偽物に露呈させたのに似た感情は、おそらく孔への好意の裏返しなのだろう。それが分かるだけに、リニスの怒りに痛みを感じた。孔はそれをせめて和らげようと回復に力を込める。しかし、悪魔はリニスの想いを踏みにじる様に悪意の声をあげた。
「クック! あの金髪の魔導師といい、人形によく入れ込む。所詮人形の人形に過ぎぬ貴様の抱く愛情など、義務感の延長に過ぎぬというのに憐れな事だなァ!」
「っ! こんなに誰かが憎いと感じたのは初めてです……!」
《やめなさいっ! 憎悪に身を任せては悪魔の思う壺よ?》
怒りに震えながら拳を構えるリニスをI4Uが止める。その口調はデバイスと思えないほどに強い感情に溢れていた。
「そんな事、分かっていますっ!」
(まずいな……)
声を荒げて感情を押さえ込むリニス。孔はそれを見て焦り始める。精神状態が結界に影響を与えるなら、しばらく此方の攻撃は通じず、相手の攻撃をギリギリで凌ぐ状態が続くだろう。つまりは長期戦であり、短期決戦を前提とするスタイルでは不利だ。更には仮にこの状況を耐え続けたとしても、解決の糸口が見つかる可能性は低い。デバイスとリニスに視線を送る孔。3人の意志が交差する。一瞬の沈黙ののち、孔はリニスに声をかけた。
「リニス、すまない。ここは耐えてくれ」
「コウ……貴方が謝るのは間違っていますよ」
どこか怒りを抑えた声で答えるリニス。勿論、その感情の向かう先はあの悪魔だ。それを感じ取ったのか、悪魔は愉悦に体を震わせる。
「ククク……相談は済んだか? 捉われたままの貴様らがどれほどのものか、可能性を見せてみろぉ!」
――カオスエレメント
同時に黒い魔力の塊が孔達を襲った。孔はナイトメアの召喚を解除、I4Uに戻すと同時、横に飛んで闇を避ける。逆方向に跳ぶリニスを視界にとらえながら、孔はデバイスに保存しておいた魔力の大部分を使ってバインドを仕掛けた。強固な魔力の鎖が悪魔を拘束する。先程リニスがかけたのと違う点は、鎖は6本に及び、そのいずれも孔が後ろに展開した魔法陣から伸びている点だろうか。そのうち一本を手に握りながら、孔はI4Uを操作した。
《Summon》
――ケルベロス、オルトロス
「ヌウ、不快ナ空気ダ……」
「アオーン! ナラバ、我等ノ力デ穴ヲ開ケヨウデハナイカ!」
召喚した悪魔が魔力の鎖をくわえる。孔は信頼する仲魔と共に鎖を引っ張った。同時に悪魔の後ろへ回り込んだリニスが電撃を打ち込む。威力ではなく勢いを追求したその一撃は、容赦なく悪魔を吹き飛ばす。勢いのまま迫る巨体を前にオルトロスとケルベロスの召喚を解いて銃を抜く孔。
「お前が嗤った絆だ……!」
――トリプルダウン
跳躍。銃撃。悪魔と空中ですれ違い様に撃ち込んだ弾丸は悪魔を抉る。勢いのまま先ほどまで孔が立っていた場所に叩きつけられる悪魔。逆に孔は悪魔が立っていた場所、マンダラの中央に降り立った。
「ククク……! 無敵無敵無敵ィ! いかに寄りかかる先を叫んでも、それは何の答えにもならん!」
悪魔はそれを嘲笑うように立ち上がる。やはりダメージは無いらしく、すでに銃創も見当たらない。だが孔はひるむことなくデバイスを掲げた。
「I4U!」
《Yes, My Dear!》
孔の足元に穴が開く。そこに現れたのは、アマラの経絡だった。
「っ! 貴様!」
叫びながら触手を伸ばす悪魔。しかしそれはバインドに絡め取られる。跳躍の寸前、設置しておいたバインドが発動したのだ。
「クッ……クククッ! ハーハハハッ! 逃げるか! どうにも出来ない現実に立ち向かうのを光とする貴様が、逃げるか! お前! 矛盾しているぞ!」
リニスと共に経絡へ落ちる寸前、孔に響いたのは悪魔の罵声だった。
† † † †
加速度と共に流れていく周囲。ずいぶん久しぶりに通るアマラ経絡はすぐに終着点へと孔達を導く。反動の無い不自然な着地と共に降り立ったそこは、いつも目にしている海鳴の自然公園だった。
「コウ、大丈夫ですか?」
「ああ。かなり危なかったが……」
無事を確認するリニスに正直な感想を漏らす孔。状況の悪化を認識した孔はI4Uに悪魔がいる状態でも経絡を作り出せるか確認していた。回答は「可能」。ただし、あの悪魔もマグネタイトを糧とし体の一部とする存在。流れを操作してもすぐに戻されてしまうので、直径1メートルの穴を1秒維持するのが限界だという。ゆえになんとしてもあの悪魔の位置をずらし、脱出ポイントの真上に立つ必要があった。バインドにかけることができる魔力がもう少し足りなければ、あの規模の悪魔を縛り付けて強引に引き寄せるなどという芸当はできなかっただろう。限界での攻防を思い出し、孔は堕ちてきた空を見上げる。
《My Dear. 心配ないわ。アマラ宇宙から出さえすれば、現世への干渉はずっと難しくなるはずよ。あの規模の悪魔は現界しようとすれば大量のマグネタイトが必要だし、仮に現界したとしても人間の内面に作用する結界は使えないから今の戦力でも十分対処できるわ》
それを見透かしたようにI4Uが声をかけてきた。それに苦笑しながら孔は周囲の気配を探る。もはやあの結界は解除されていた。代わりに、
「ふむ。脱出は出来たものの、どうやら今のお前では乗り越える事は無理なようじゃな……」
先程の老人と目があった。急に魔力が膨れ上がったところを見ると、あの空間から抜け出したのに気づいて出てきたのだろう。構える孔とリニス。しかし、
「あれは所詮幻影。運命なら奴ともう一度あいまみえようぞ。その時は心してかかれ……」
そう言い残して消えてしまった。魔力反応は、もはやない。
「コウ、あの人は?」
「さあ? 敵ではなかったようだが……」
尋常でない雰囲気を纏う老人に疑問を浮かべる孔。消える間際に残した言葉を考えるとどうやらアマラ宇宙で対峙した悪魔は造り出された虚像だったようだ。果たして何故そんなもの事をしたのかは分からないが、いずれ実体との闘争を予言したところを見るとあの老人も自分という存在の何かを知っているのだろう。
(まるでパンドラの箱だな……)
悪魔の悪意と関係を持つ自分の正体は、まさに禁忌の箱に思えた。もっとも、パンドラの空けた箱には希望が残されていたが、自分の過去にはそんなものがあるかも分からない。
「コウ、あまりひとりで抱え込んでは……」
「分かってる。それに、今は折井達だ」
自嘲気味な思考に気遣うように話しかけてくれるリニス。また心配させてしまった。そんな反省を次に取るべき行動を示すことで取り返そうとする孔。振り返った先はガイアの寺院。I4Uは未だ悪魔の結界を告げている。そこに向かって飛び立とうとしたその瞬間、孔の携帯が鳴った。
(……? 先生からか?)
画面には児童保護施設で使われている携帯の番号が表示されている。念話で先行して修達の元へ戻るようリニスに頼み、通話ボタンを押す孔。電話を無視して、先生にまで無用な心配をかけさせるわけにはいかない。だが、電話から流れて来たのは変声機でも使っているかのようなノイズがかった声だった。
「卯月孔くんだな……君たちが追いかけている事件の情報を提供したい。今すぐ公園の休憩所まで来てくれ……」
「何……!? 貴方は何者だ?」
「……スニーク。そう覚えておきたまえ」
切れる電話に唖然とする孔。内容もそうだが、相手がわざわざ施設の電話を使って連絡を入れてきたのはどういう意味だろうか。
――駄目よ! 孔、この先は危険なの!
アマラ宇宙で見えた先生の姿が脳裏によぎる。
(まさか……っ!)
強い胸騒ぎを覚えて休憩所へと走る孔。力が戻っているとはいえ、休憩所までの距離がこれほどまで遠く感じられたことはなかった。自然公園らしく、様々な色の花を展示するように曲がりくねる道を通り過ぎ、公園の中心部へ。飛び込んだそこにでは、中心に置かれた花壇の向こう側のベンチにこちらに背を向けて座るトレンチコートの男性がいた。
「時間がない。そのまま聞いてほしい。今は顔を見せる訳にはいかないのだ……」
「なぜ施設の携帯を使った? 先生は無事なんだろうな?」
相手の声を無視して銃を構える孔。その声は相当な殺気を含んでいが、そのスニークを名乗る男は落ち着いた様子でそれに答えた。
「勿論無事だ。どうか安心して欲しい。施設の携帯を使ったのはそうでもしないと君に会えないと思ったからだ。不安なら今ここで電話をかけて確認してもらっても構わない」
どうやらおびき寄せるのに使われたらしい。よりによって先生をダシに使った相手に自然と表情が険しくなる。だが、スニークを名乗る人物はそれに耐えるように続けた。
「知っての通り、海鳴には悪魔を使った陰謀が組織だって動いている。君たちが見たマフィアだけではない……ガイア教団の一派やこの国を動かす大企業、世界を隔てた管理局にまで、メシア教会の新世派は根を張っているのだ」
「新世派……だと? 目的は何だ?」
「当然の疑問だが、何から話したものか……」
「話せないのなら、直接メシア教会に乗り込むまでだ」
呼びつけておいて言葉を濁すスニークに苛立った声をあげる孔。スニークは強い口調でそれを抑える。
「いかん……! 君たちだけでは無理だ! 彼らは広大な組織を広げている……今動けば、杏子の二の舞だ」
「杏子さんを知っているのかっ!?」
孔が反応したのはその口調ではなく意外な名前だった。叫ぶように問いかける孔。それと同時だっただろうか。
《My Dear! お取り込み中のところ悪いけど、魔力反応よ!》
I4Uが反応を警告したと同時、海に巨大な竜巻が発生した。膨大な魔力からしてジュエルシードだろう。その数6個。自然に発動する数ではない。異常な事態を前に、スニークは感情を無理やり殺したような声で続ける。
「始まったか……! まだ彼らは君を覚醒前と軽視している。破壊という陰謀の確たる証拠をつかみ、しかるべきルートで悪事を暴いてほしい。管理局やメシア教会のすべてが新世派の手にあるわけではない――君たち以外にも組織を内偵しているものがいるのだ。彼らと接触して情報を交換するといい……連絡先を置いていく」
そう言うと孔と暴走するジュエルシードを背に、スニークは立ち上がった。孔が入ってきたのと反対側の出口へ歩き去ろうとする。慌てて呼び止める孔。
「待て……! まだ聞きたいことがっ!」
「いや、待つのは君のほうだ」
だが、それに答えたのは第三者の声だった。
「時空管理局、執務管クロノ・ハラオウンだ。ロストロギア暴走の疑いで、同行願おうか……!」
――Result―――――――
・厄災 ジュエルシード暴走体Ⅶ 封印
・外道 ドッペルゲンガー 魔獣の爪により斬殺
――悪魔全書――――――
邪神 月に吠える者
近代アメリカにて生み出された架空の神話体系、クトゥルフ神話に登場する、ニャルラトッテプの化身のひとつ。顔の無い無定形の生物の姿で描かれる。ニャルラトッテプが地球に赴いた際の拠点――ウィスコンシン州北部のリック湖にあるンガイ森中央部に姿が刻まれた石があるとされるが、その森は敵対する旧支配者・クトゥグアの部下である炎の吸血鬼によって焼き払われたという。
――元ネタ全書―――――
公園の老人
真女神転生Ⅰより、序盤の公園でのイベント。ちなみに原作では超人ドウマンと戦闘になりますが、やりようによっては倒すこともできます。
マンダラ
ペルソナ2罰、ラストダンジョン「モナドマンダラ」より。自分の影と向かい合う、というイベントが用意されているので、今回クロス要素に採用しました。
新世派
ペルソナ2罰に出てくる組織、「新世塾」より。本編ではメシア教会の一波ということで~派としています。
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