リリカル・デビル・サーガ   作:ロウルス

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――――――――――――

「はい、晩ごはんよ?」

 目ノ前二差シ出サレタどっぐふーど二困ル。普段カラ主ヨリまぐねたいとヲ受ケ取ッテイル我ラニ食性ハ必要ナイ。マシテ、誇リ高キ我ラ一族二人間ノぺっとふーどナドト……

「ごめんなさいね、孔が出かけてるから……」

 ヌウ、シカシ、母ニソノヨウナ目ヲサレルト……

「あら? あなたはマヤさんの……」

 ヌ? 弟ヨ、ドウシタノダ?
 オ前ハ主ノ命言デ、アノ人間達ニツイテ行ッタノデハナカッタカ?

「厄介ナ相手二出会ッタノデナ、一旦、伝エヨウト戻ッタノダガ……兄者ヨ、主ハマダ戻ラヌノカ?」

 言イナガラ、我ノどっぐふーどヘ駆ケ寄ル。誇リハドコニイッタノダ、弟ヨ?

「ナカナカ、母ノ味モウマイデハナイカ。兄者ハ喰ワヌノカ、ナラバ……」

 我ハソノ不届キナ前足ヲ、払イノケタ。

――――――――――――パスカル/海鳴市児童保護施設



第18話c 永遠の絆《参》

「では、次はN2地区に向かいます。私は西寄りのルートを進みますから、ギルバさんは東側から向かってもらえますか?」

 

「いいだろう」

 

 時は僅かにさかのぼる。その包帯の男――ギルバは、別棟に向かう管理局員を見送っていた。既にこの地区を荒らしていた「魔法生物」は駆逐に成功し、廊下には影のように崩れ消えていく悪魔の残骸だけが残っている。

 

「Scum!(クズが……!)」

 

 それに向かってはき捨てると、ギルバは先ほどの管理局員、クイント・ナカジマが走って行った廊下とは逆方向に歩き出した。だが、指定された別棟へは向かわず、奥にあるエレベーターに乗り込む。そして、階層を指定するボタンを押す代わりに、ハーリーQが身に着けていたのと同種の指輪をかざした。

 

《認証……完了》

 

 そんな電子音とともに体に重力がかかった。しかし、そのベクトルは上下ではなく前後から。車が急に動き出したときと同じ感覚からして、建物の奥に移動しているのだろう。通常ではありえない動きに、しかしギルバは動じない。ただ静かに姿勢を保っている。やがてエレベーターが止まると、刀を引き寄せるように持ち直してエレベーターから降りる。そこには先端技術センターの簡素で機能的な内装とは程遠い、寺院のように重厚な装飾を持つ回廊が待ち構えていた。建物を支えるというより飾りとしての意味合いが強い柱、そこに浮かぶ紫の明かり。奥には巨大な扉が見える。両側にはそれを守るように白い聖依を身につけ、背丈より長い槍を携えた人物がいた。

 

「魔人すぱーだノ子ヨ、参堂スルカ?」

 

 否、本当に人間だろうか。機械のように無機質な声で問いかけてくる。しかしギルバはやはり動じることなく、白い衛兵に無言でうなずく。同時、静かに扉が開いた。その先には、巨大なリフト。配線がむき出しの操作盤が備えつけられている。操作盤の中央にあるくぼみに指輪をはめ込むギルバ。同時、機械音と共にリフトは回廊を進み始めた。

 数分後、リフトがたどり着いたのは、異様な魔力が支配する空間だった。強いて言うならば礼拝堂に近いだろうか。真っ直ぐに延びる道を除いて足場はなく、代わりに奈落のような穴が広がる。天井は高く闇に呑まれて見えない。

 

「……何の用だ、聴聞機」

 

 そんな空間の中央、はるか天上から伸びる巨大な円筒形の装置に向かって問いかけるギルバ。半径にして数十メートルほどだろうか。無数のコードをぶら下げ、微細な彫刻が並んでいる。だが何よりも目につくのは、外装に埋め込まれた6対の真っ白な女性だろう。まるで死体のように力なくぶら下がっていたそれは、しかしギルバの言葉を聴くと身を起こし、まるで海洋生物のように白い手を暗闇に泳がせる。その手には相当な魔力がこもっているらしく、指先から漏れ出る魔力光が軌跡となって空中に奇妙な図形を描き出した。しかし、

 

《ソノ要求ニ応ジルコトハデキナイ。我々ハ提示スル案件ヲモッテイナイ》

 

 女性が答えたのは、無回答という返事だった。ギルバの目に力がこもる。刀に手をかけ、

 

「呼んだのは私だっ!」

 

 しかし、轟音を立てて降り注いだ魔力に、その動きを止めた。電流のように装置を伝うその魔力は、白い女性の体を弛緩させながら装置の中で収束、地に向かって伸びる配管の先で形を成し始める。無数の十字架が円形に並び、さながら車輪のように浮かび上がる。その中心には目玉のようなモノが蠢き、

 

「私は魔神バ$+。お前達がはるか天上に仰ぎ見るもの……」

 

 ソレは話し始めた。

 

「時間がない。手短に用件を伝える。すべて我らの正式な依頼と心得よ」

 

 一方的な物言いが気に入らなかったのか、刀に手をかけたままその言葉を聴くギルバ。だがその殺気が伝わっているのかいないのか、調子を変えることなく声は続く。

 

「ほどなく、邪神により創られたこの世界は唯一神の命を受けた天使達の手によって終末を迎えるだろう。だが終末の世界に救世のメシアは現れる……大天使が送り込んだあのメシアは、悪魔が跋扈する世界を駆け、約束の地で神と相まみえよう。我々はその時までにメシアの魂を――」

 

「That's none of my concern.(そんな事はどうでもいい)」

 

 しかし、ギルバはそれを吐き捨てるような言葉で遮った。

 

「エサをおびき寄せた報酬は、お前達の言う『悪魔の力』の情報だったはずだ」

 

「……力を求める者よ。見るがいい」

 

 沈黙は一瞬。声が告げると、闇に覆われた天井に映像が浮かび上がった。そこには、地下へ向かうギルバと同じヴァルハラの便利屋組合に所属する魔導士チーム、アサインメンツが映し出されている。管理局員がいないところを見ると、おそらく別口で依頼を受けたのだろう。「魔法生物」を追って、螺旋階段を慎重に降りるハーリーQ。だが階段を下りた先にそんなものはおらず、代わりに巨大なつぼみが鎮座している。不気味な鼓動を繰り返す不明物質に不審な目を向けるアサインメンツ一行。だがそこに、先ほどギルバの目前に降り注いだのと同じ魔力の雷が走った。瞬間、ツボミからはじけるように光の線が伸びる。その「光」はまるで意思を持つように曲がりくねり、

 

――あ、あ、あああぁぁァァァアア?

 

 ハーリーQを突き刺した。映像の奥で苦痛の叫びを上げるハーリーQ。だがその悲鳴は徐々に獣の咆哮へと変わっていく。腕から伸びる魔力光は全身を浸食するように覆い、馬頭の悪魔へと変えた。ハーリーQだけではない。その場にいたアサインメンツは次々に同じように人外の存在へと変わっていく。巨大な竜とも鶏ともつかない悪魔、弛緩する屍、人面の獣。それはいずれも狂ったような叫びを上げ、

 

――アアォォォオオオオ!

 

 互いに喰らいあい始めた。鶏が屍をくちばしで砕いたかと思えば、その巨体に無数の悪魔が群がりむさぼるように喰らいつく。さらにその群がる悪魔にも他の悪魔の牙がつきたてられ――

 

「How repulsive.(悪趣味な……)」

 

「あの者どもは自らの業に耐えられず滅びるのだ。この世界を創りだすために利用された天に輝くあの光が、今一度この世界にコトワリを求め遍く人に埋め込んだ情報因子――我々はそれを目覚めさせたに過ぎぬ。貴様にも眠っていよう……お前を、お前たらしめる『悪魔の力』が。汝はそれを既に開放できよう、汝の、汝が創りし意思によって」

 

「だが、真の力は封ぜられたままだ」

 

 そういうと、ギルバはジャケットの内ポケットからアミュレットを取り出した。鎖を鳴らして持ち上げ、軽く目線まで掲げる。

 

「ふむ。それはお前の力ではなく、他者の封ぜられし力――七つの大罪の名を待つ塔の鍵……」

 

「塔の鍵、だと?」

 

「異世界の悪魔よ。それは汝と同じ波動をもつ魔人が創りだした、アマラへの奈落をその力と共に封じるもの。世界を安定させるために創られた門ともいえるその塔、開放すれば封じた者の力が得られよう」

 

「その塔はどこにある? 開放する方法は?」

 

「汝の世界において、かの邪神によりアマラの存在を一部ながら知らされた者がいる――名をアーカム。その者が知っているであろう。ただし、会うには世界を渡らねばならぬ。もとより汝の世界の話。会わせてやってもよいが……結果は力で勝ち取らなければならぬ」

 

 淡々と、しかし威厳を持って言葉を紡ぐ魔力の塊。ギルバはようやく刀から手を放し、単刀直入に問いかけた。

 

「要求は何だ?」

 

「メシア、我が分霊を継ぎしあの者を、かの地に眠る女神の分霊、イナルナの下へ導くこと――すでにその眠りはガイアの徒によって開かれつつある……」

 

 返答と同時に天井の映像が切り替わる。そこには、ただ青いだけの空間に倒れる赤髪の少女と、3人の男女がいた。そのうち桃髪の女性は赤髪の少女に駆け寄るが、残りの2人――銀髪の男性と金髪の女性は無表情のまま死を見つめているだけだ。

 

――ぐ……ごめん、シグナ、ム……

――もう……喋るな……

 

 光の塵となって消えていく赤髪の少女と、それを見つめる桃髪の女性。その表情は悲痛に歪んでいたが、しかし感情を抱く暇も与えないかのように、突然移転してきた黒衣の神父が話しかける。

 

――制御……うまく……ですネ

 

――主……どこだ?

 

――会いたい……でハ、次の命令……

 

 強い敵意を向ける桃髪の女性に、平然と要求を口にする黒い神父。感情に任せ剣型のデバイスを抜く女性を、しかし銀髪の男性が止めた。その目はまるで機械のように感情が感じられない。それを見た神父は歪んだ笑みをこぼし、

 

 そこで、画面は暗転した。

 

 ギルバはどこか苛立ちのこもった目でそれを見つめていたが、魔力の塊はそんな感情に触れることなく言葉を続ける。

 

「汝がメシアを導くころには、事はさらに進んでいよう。メシアも自らイナルナの寝床に往こうとするはずだ。引き裂かれた女神の魂と共に……汝はただその道を追うだけで、目指す力を手に入れることが出来る」

 

「いいだろう。その依頼、受けよう」

 

 ギルバは肯定の返事で声を遮る。蠢く魔力の塊はそれを聞いて再び先端技術医療センター地下の映像を浮かび上がらせた。無数の屍の上に鎮座するつぼみは光に包まれ移転を始め、次に映し出されたのは装置の移転先である2階の一般的な研究室。

 

「あの大天使は人間を使えるだけ使い、メシアをこの世界に留めようとするだろう。だが……がある以上、必ずメシアは牢獄を抜けて地上へ……たど……着く。ガイアの徒にも%&覚醒を促$と要請%#・……速やかに#%全う%よ……@$#忘れるな。スパー∞力*しければメシアを&×に¥・て来いっ!」

 

 だが、その映像は歪み、声にもノイズが混じり始める。やがて先ほどと同じ赤い雷が装置を走る。それは次第に強くなり、閃光のような爆発が走った。

 

「……」

 

 後に残ったのは沈黙。ギルバはしばらく闇に包まれた聴聞機を眺めていたが、やがて踵を返して歩き始める。再び回廊を通り、エレベーターへ。止まったのは2階。先ほど制圧した廊下には、しかし魔力で動く大量の鎧がひしめいている。

 

「ちっ……!」

 

 舌打ちするギルバ。だがそこへ、先ほど別れたクイントから念話が届く。

 

(ギルバさんっ! 応答して! 今どこに……)

 

(聞こえている。解散したS3地区から20メートル地点だ)

 

(っ!? そこはもう制圧したはずでしょう!?)

 

(悪いが、傀儡兵とやらに囲まれたのでな)

 

(何ですってっ!?)

 

(片づけたら向かう)

 

 それだけ言うと、一方的に念話を切り、刀の鯉口を切った。

 

「No one will stand in my way」

 

 同時に駆ける。

 背後に解体された鎧を残しながら、勢いを止めることなく。

 魔力で動くマシンがひしめくその方向へ。

 

――おおぉぉおおお!

 

 そして、飢えた獣の叫びが聞こえるその方向へ。

 

 たどり着いたのは扉が開け放たれた研究室。

 その先にいたのは、獲物を前に戸惑うできそこないの悪魔。

 急激な苛立ちがギルバを襲う。

 

「Be gone!(失せろ!)」

 

 その苛立ちのまま、ギルバは目の前の悪魔を真っ二つに切り裂いた。

 

 

 † † † †

 

 

 両断されたハーリーQの向こうから現われた包帯の男に、孔は思わず剣を握りしめた。目の前で救助対象だった人間が殺されたからではない。包帯の男は人間というより悪魔に近い雰囲気――否、霊的磁場を纏っていたからだ。

 

(ハーリーQと同じ……いや、体組織は人間のものだ。それ以上に……)

 

 安定している。

 思考まで暴走したハーリーQとは違い、目には強い意思が読み取れた。

 

(いやあるいは……っ!)

 

 その強い意志で、悪魔の力を制御しているのか。そう思考をまとめる間もなく飛んできた斬撃。孔は剣で受け止めると同時に、反動を利用して跳び下がった。

 

「立居術……っ!」

 

「ほう、なかなかの反応だ……人間にしては、の話だがなっ!」

 

 声と同時に姿が消える。瞬間、目の前に迫る殺気。すれ違いざまにきらめいた刀を何とか受け止める孔。だがすぐに弾き飛ばされる。

 

「ちっ!」

 

 このパワーとスピードで押し切られるとまずい。そう感じた孔は空中で体勢を立て直し銃のトリガーを引いた。I4U付属の銃から放たれた魔力弾は、しかし回転する刀により容易に防がれる。

 

(非殺傷にこだわっている暇はなさそうだな……!)

 

 そう悟ると同時に宝具を呼び出そうとする孔。遠距離から手数で攻めようとしたその判断は、

 

「Go…!(行け……!)」

 

――幻影剣

 

 実行する前に飛んできた斬撃で打ち切られた。剣で受け流す。だが遅い。

 

「Cut off!(斬る!)」

 

 迫る刀。先程とは比べ物にならないほど勢いが乗ったその刃は逃げ場を与えず、

 

「むっ!?」

 

 しかし孔は正面からそれを受け止めた。それを可能にしたのはバインド。銃を撃ちながら仕込んだ魔力の拘束具が直前で発動し、刀の勢いを弱めたのだ。

 

(だが本当に勢いを弱めるだけで終わるとは……!)

 

 そのバインドは空中で引きちぎられ、すでに拘束する力をなくしている。鍔迫り合いに対抗するため、再度バインドを使わなくてはならなかった。それでも拮抗するのがやっとだ。

 

「Foolishness…(愚かだな)」

 

 そんな孔に、包帯の男が声を漏らす。

 

「Still denying your heritage, Messiah?(なぜ、未だ受け継いだ力を否定する?)」

 

 それはどういう意味か。そう問いかける前に、

 

「ギルバさん!?」

「っ! スバル! ギンガ!」

 

 声が響いた。同時に力の押合いから解放される孔。今度こそ宝具をいつでも放てる体勢を作りながら声のした方へ目を向ける。そこには、ギルバに厳しい目を向ける男性の管理局員と、青いバトルスーツの少女に駆け寄る女性、そして、地球にいるはずの使い魔がいた。

 

(っ!? リニス、何故ここに?)

 

(コウ、貴方こそ……それに、何故ギルバと?)

 

 念話で問いかけるとリニスからも意外そうな声が返ってきた。一瞬の思考の後、孔は状況から回答に巡りつく。目の前の包帯の男の名は、ギルバというらしい。それはあのスニークが残していった人物の偽名と一致する。おそらく、リニスは残された情報からギルバを探していたのだろう。新世派を追うギルバと、ギルバを追うリニス。そして自分は、新世派らしき者の意思によりこの先端技術医療センターに拘束されている。出会うのは必然といえた。

 

(理由は分からないが、管理局に捕まってからクルスと一緒にここの地下に閉じ込められたんだ。そこで悪魔に襲われて、反応を追っているうちにここに……包帯の男がギルバとは知らなかった。急に斬りかかって来たんだ)

 

(そんな事が……っ! いえ、先に私の方の情報をお伝えします)

 

 大幅に端折った内容ではあったが、リニスの方もおおよその事情は把握してくれたようだ。孔と別れた後の事を続ける。ギルバを追ってこのミッドチルダまでやって来た。昔のツテを頼って調べているうちに、ギルバはこの先端技術医療センターで「魔法生物」退治の依頼を受けたらしいことが分かった。依頼主は管理局。なりふり構わず戦力をかき集めているらしく、外部へも募集をかけていた。それに便乗して潜入、別棟での警備に参加していたが、こちらでギルバが傀儡兵との戦闘に巻き込まれたと聞いて、監督役の管理局員2名――クイント・ナカジマとティーダ・ランスターと共に、こちらへ回された。

 

(別棟には悪魔の反応があったが……)

 

(ええ。数は多かったんですけど、それほど強い悪魔ではなくて……鎮圧に向かった私たちを足止めしているように見えました。おそらく、陽動だったんでしょう)

 

(なら、本命は……)

 

 研究室の奥にあるつぼみに目を向ける。それは割れたガラスの奥で、未だ不気味に鼓動を繰り返していた。歩き出そうとする孔。だが、それを遮るようにクイントの声が響く。

 

「ギルバさん、説明願えますか? 何故一般の少年に刀を、対魔法生物用に特例で許可された質量兵器を向けているの? それに、この2人が、私の娘がなぜ倒れているのかしら?」

 

「ふん。強い魔力のせいで、人間に化けた悪魔と思ったんでな。それと、そのガキは知らん。来た時には倒れていた」

 

 刀を納めるギルバ。それにクルスが食ってかかる。

 

「そんなっ! コウが襲われていたのは、貴方も見たでしょう!? よりによって孔が悪魔だなんて……!」

 

 しかし、ティーダが強引に割り込んで話を続けた。

 

「この人には、追って規約違反による罰則と報酬にペナルティを加えます! ……そのためにも、貴方達の身分と、ここにいる理由――そして、できればこの状況の事をお聞かせ願いませんか?」

 

「……分かりました。私はクルス・エンジェル二等空士。所属は……」

 

 憮然としながらも答えるクルス。だが、続く言葉は、

 

《My Dear! つぼみから魔力反応! これは……ジュエルシードね!》

 

 強大な魔力に呑み込まれた。

 

「っ!」

 

 声を上げる間もなく、ロストロギアの膨大な魔力が空間を揺らし、引き裂きながら広がっていく。

 

 次元震。

 

 しかし孔はその中を走った。

 

 傾く床を蹴りつけ、崩れ落ちる天井を避けながら、先程白衣の男が突き破ったガラスの奥へ。飛び降りた先の実験室には、つぼみとその前で円を描くように浮かぶジュエルシード。そして、嘲笑を浮かべる白衣の男がいた。

 

「所長っ!」

 

 遅れて飛び降りてきたクイントが背後で声をあげる。孔はそれにむしろ納得した。なるほど、それだけの地位があれば収容された患者を拘束することもできるし、研究材料としてジュエルシードを入手することもできるかもしれない。

 

「目的はなんだ?」

 

 故に、酷く冷徹な声で問いかけた。

 

「クックックッ……その身体を持つメシアなら分かるだろう……妄想から造り出された肉体を持つ貴様と違い、私の情報因子では神を呼ぶに至らなかった! 故に! 異界から直接、取り込むことにしたのだ!」

 

 返答は、理解不能な狂気の叫び。

 しかし、その意味を問いかける暇もなく、白衣の男は銃を取り出し、

 

 自分の頭を撃ち抜いた。

 

「なっ!」

 

 誰かが後ろで声をあげる。だがそれもジュエルシードの輝きにかき消された。青い光は輪となって繋がり、中心に虚数空間を作り出す。同時につぼみが崩壊を始めた。まるで花が開き腐り落ちていくように、剥がれていく外層。その中心から溢れる光は、虚数空間ごと白衣の男を飲み込んだ。

 

――アドニスを倒したくらいで……

 

 研究室を満たす光の中、孔は確かに声を聞いていた。

 

 それはシェルターで崩れる床を幻視したのに似て、

 

――マハザンマ

 

 光が引くと同時に衝撃が迫るより早く、シールドを展開していた。

 

「ほう、あの時の記憶は取り戻しつつあると見えるな」

 

 魔法を受けきり、シールドを解除した先にいた所長は、もはや人の形をしていなかった。人間と猫とヒキガエルの顔、そして、蜘蛛の胴体。その容姿は、海鳴の病院で目覚める直前、あの赤い回廊の隅で出会った悪魔と同じものだ。

 

「お前は……っ!」

 

 目を見開く孔。しかし、

 

「だが、今度は私がお前を取り込んでくれよう!」

 

 すぐにヒキガエルの舌が襲いかかる。慌てて上に跳んで避ける孔。だが、通り過ぎた筈の舌は突き刺さった背後の壁を引き裂きながら上へと追いかけてくる。

 

「孔っ!」

 

 それを止めたのはリニスの電撃。同時にクイントの砲撃、ティーダとクルスの魔力の弾丸、そしてギルバの斬撃が悪魔に襲いかかる。

 

《Blaze Cannon》

 

 孔も空中で姿勢を立て直し、熱の砲撃を浴びせかけた。6方向からの攻撃が線を描いて悪魔に襲いかかる。それは紛うことなく悪魔を捉え、

 

――ディアラマ

 

 しかし、切り裂かれた悪魔の顔は、弾丸が抉った眉間は、熱線が焼いた胴体は、魔力光と共に再生していく。否、収束する魔力は傷を癒すだけで止まらない。それは圧縮された空気を作り出し

 

「っ!? みんな固まって!」

 

――マハザンマ×4

 

 クイントが叫ぶと同時、全方位に向けて解放された。

 魔力の衝撃が届くまで数瞬。孔とクルスはクイントの指示を理解し、前に出てシールドを構える。背後に回るのはギルバとリニス。だが、クイントとティーダはシールドの防護範囲に間に合わない。2人もそれを悟ったのだろう、孔の背後で、ティーダがクイントを突き飛ばした。

 

「なっ!? ランスター一等空尉!?」

 

 クイントの叫びが魔力の空圧に呑み込まれる。孔は歯を食いしばりながら、それでもシールドに集中し、魔力の嵐を耐え切った。

 

「っ……! 無理をするわね、一等空尉。せっかくのいい男が台無しよ?」

 

「ぐ……あれを前に言うセリフではないですね」

 

 血まみれになりながらも起き上がるティーダに、クイントが軽口を叩きながら回復魔法をかける。寸前でシールドを貼りながら後ろに飛ぶことでダメージを軽減したのだろう。その技量はさすが一等空位というべきか。対する悪魔はいまいましそうに声をあげる。

 

「ふんっ! 女神の身体があれば殺せていたものを……これもあの時と同じかっ!」

 

 剣を構える孔。「あの時」を聞き出すより、目の前の悪魔を打ち砕く事を選んだのだ。だが、踏み込む前にクイントの声が響く。

 

「所長っ! 今ならまだ間に合います! 投降してくださいっ!」

 

――フロッグタン

 

 相手がまだ人と信じての説得。だが返答は先程と同じカエルの舌だった。実験室の隔壁を破壊する威力のそれを、散開してかわす。

 

――マハザンマ

 

 そして、再び全方位に及ぶ衝撃波が襲いかかった。

 

(来たわよ! 3人ともっ!)

 

 しかし、それにクイントは冷静な指示を出す。反応したのはリニスと孔、そしてクルス。ちょうど三角形を描く位置に退避していた3人は、互いに補いあうようにシールドを展開した。

 

《Wide Area Protection Δ》

 

 常軌を逸した固さを誇るシールドが衝撃を阻む。

 その背後で構えるのはクイント、ティーダ、そしてギルバ。

 

 先程、クイントが所長に呼びかけたのはただ説得するだけが目的ではなかった。再生する悪魔に有効打を与えるため組織戦を仕掛けるべく、作戦を伝える間を作り出すのが目的だ。事実、説得と同時に孔達へ伝えられたフォーメーションは、

 

「出番よ、2人ともっ!」

「了解っ!」

「……今回は付き合ってやる!」

 

 シールドが解除されたと同時、悪魔に襲いかかった。

 ティーダが誘導弾を打ち出す。その数30。

 いずれも違う軌跡を描く弾丸が悪魔の視線を奪った刹那、弾丸の合間を駆け抜けたクイントが勢いのまま悪魔を殴りつける。

 拳に圧縮された魔力はインパクトと同時に解放され、悪魔の巨体を弾き飛ばした。

 ギルバはそれ以上のスピードで相手を追い越し、抜き放った刀で受け止める。

 なすすべもなく串刺しにされる悪魔。

 そこへ、最初にティーダの放った誘導弾が、容赦なく突き刺さった。

 

 

 † † † †

 

 

「ふんっ! 下らん!」

 

 ギルバが刀を凪ぎはらうように刀を引き抜く。地に叩きつけられる悪魔。クイントはデバイスを構えながら問い詰める。

 

「あの子達に心がヒトなら人間だと言ったあなたがっ! 何故こんな事をっ!?」

 

「クククッ……! 私を呼んだ男に話しかけているなら無駄だ……ヤツはすでに我が贄となり死んだ……すべてはそこのメシアに力をつけさせるために……」

 

「どういう意味だ」

 

 視線を向けられ疑問を返す孔。悪魔は、黒い染みとなって崩れながらも、嘲笑を浮かべた。

 

「お前は別のアマラ宇宙から転生した存在ということだ……転生前の『向こう側』では、私とお前はひとつだった……! あの世界にもうひとりのメシアが産まれたとき、不要となった我々はっ! 唯一神に引き裂かれたのだっ!」

 

 目を見開く孔。その動揺を見透かすように、悪魔の声は続く。

 

「すべては我々を引き裂きっ! 都合よいメシアなどという存在を産み出そうとした神への復讐のためっ! この地であの男に悪魔の因子を教えたのもっ! かの邪神がこの世界の起点として利用したあの者の想像を読み取り、そこの人間を狂わせたのもなぁっ!」

 

 叫びと同時、頭上で急速に魔力反応が膨れ上がった。

 

「っ! 高町さんっ!?」

 

 孔の声が、ピンク色の砲撃にかき消される。

 それは、悪魔が吐き出した半暴走状態のジュエルシードを直撃した。

 青い光が周囲を満たす。

 

「クククッ……! 早く封印せねば大変な事になるぞ」

 

 なのはの肩にのるユーノ――否、ユーノにとり憑いた悪魔が嘲笑を響かせる。孔は舌打ちするとジュエルシードの封印へ向かう。

 

「ユーノを、返せぇぇえ!」

 

 が、クルスは氷の剣で斬りかかった。

 

「い、嫌ぁぁぁああ!」

 

 迫る殺気に反応したのは、なのは。絶叫と共に砲撃を乱射する。孔は慌てて飛び上がり、クルスを抱え射線から離脱させた。

 

「っ! 助かっ」「まだだっ!」

 

 間髪入れず降り注ぐ砲撃を避けながら、なのはに接近しようと体勢を立て直す孔。孔は先ほどクルスが迫った一瞬、なのはの目に術式が浮かんでいたのを認めていた。そして、それが消えかかっていた事も。

 

(何かがきっかけで、術が解けたのかっ!?)

 

 孔は知らない。

 なのはがクルスの叫びを聞いて、シェルター上空のタワーホテルでフェイトが叫んだ言葉を思い出したことを。

 そして、悪魔によって罪悪感と共に封じられた記憶がフラッシュバックしたのを。

 しかし、これだけは分かった。

 

(今なら悪魔から引きはなせば元に戻るかもしれない……!)

 

 孔は砲撃の隙間でクルスから手を離すと、そのまま空を駆けて距離を詰め、

 

「ダメよ、ドーピングしたならちゃんと薬あげないと」

 

 しかし、なのはの背後に現れた夏織に阻まれた。

 夏織は悪魔が作り出した足場に立ち、なのはの後頭部を刀の鞘で強打。意識を刈り取る。

 そして、首筋に刃を当てた。人質のつもりだろう。孔は止まらざるを得ない。

 

「あら、メシアくん、また会ったわね?」

 

 対する夏織は余裕の表情を崩さず、まるで親しい人に挨拶でもするかのように声をかけてくる。が、そんな態度を拒絶するように、クイントの鋭い声が響いた。

 

「あなた達も、所長と同じ目的っ!?」

 

「違うわ、私は復讐をしたいだけ。この子は、そのための大事な道具よ」

 

 ユーノにとり憑いた悪魔が移転魔法を展開する。

 

「待てっ!」

 

 孔はそれにジャミングをかけようとして、

 

「がっ!」

 

 背後からの、別の誰かの声に意識を反らされた。

 

 そこには、先ほど悪魔が沈んだ黒い染みからもがくように抜け出そうとするカエルの頭。

 

 そして、その舌に貫かれるティーダがいた。

 

「上河さんっ!」

 

 孔は無意識に叫んでいた。

 一瞬の間をおいて、それがこの場にいない人間の名だと気づき、愕然とする。

 

「死に損ないがっ!」

 

 だが悪魔は目の前でギルバの刀に貫かれ、

 

「が、ぎ……またも$前の#部とな・か!」

 

 孔は分かった、分かってしまった。

 

「だ%、ダ$%サ×ナ・は既∞動い¥い*!」

 

 自分の身体に魔力が流れ込んでくるのが。

 

「お$は%ぐ×女神と=に#の地へ向か*事と&%=だ!」

 

 そしてそれが、崩れる悪魔から流れ出るマグネタイトに由来するものだという事が。

 

「我が$%よっ! 分霊を%収*、新$派・大%∞を越*、&らの×+をっ!」

 

「黙れ!」

 

 ノイズがかった悪魔の不快な声を、砲撃で遮る孔。

 

 消滅する悪魔。

 

 だが感情のまま放った魔力は異様なまでに大きく、

 

(……気持ち悪い、な)

 

 なのは達が見せた嫌悪感を、自分自身に抱いていた。

 

 

 † † † †

 

 

 崩れ落ちる少年。

 それに駆け寄る使い魔。

 逃げていく犯罪者をなすすべなく見送りながら、仲間の治療とロストロギアの回収に走る管理局員達。

 

 それをモニター越しに見つめる、ふたつの影があった。

 

「どうやら、予定通りメシアに力をつけさせることが出来たようだな」

 

 ひとつは、氷川。

 

「ふん、『向こう側』のように、逆に力を与えすぎて喰われなければいいがな」

 

 そしてもうひとつは、豹頭の悪魔。

 

「どちらにせよ、新世派のシナリオであのメシアはこの世界ごと死ぬ……我々の計画に何ら問題はない」

 

「だが、戦闘機人、だったか? アレを使う気だったのだろう?」

 

「所詮、シェフィールドが捨てた研究という事だ。代役はいくらでも用意してある。悪魔しかり、御神しかり……」

 

 いいながら、映像から目を反らし、後ろを振り返る氷川。そこには、モニターの先から逃げてきた夏織がいた。

 

「あの『高町なのは』はどうなっている?」

 

「ご心配なく、予定通り、五島のところです」

 

「そうか。先ほど、闇の書の調整が最終段階に入ると連絡があった。管理局もジュエルシードを手に入れて、行動に移るだろう」

 

「そうですか、では……」

 

「ああ、我々も動く。君には約束通り、例の場所を警護してもらう」

 

 氷川の依頼に、妖艶な笑みで答える夏織。

 

 まるで、悪魔だな。

 

 豹頭の異形は、そう思った。

 

 

 † † † †

 

 

「まるで、悪魔ね」

 

 管理局本部の執務室。手元の端末に写し出された「魔法生物」を見て、レティ・ロウランはそう呟いた。レティ自身は先端技術医療センターで起こった事件は管轄外だったが、現場にいる部下――マリエルから次のような報告を受け、現場の状況を把握していた。

 

 先端技術医療センターで魔法生物が暴れていた。

 鎮圧が始まった時、自分(マリエル)は所長室にいたが、所長は「治療」を終えたばかりのスバル、ギンガと共にいなくなった。

 ふたりを追おうとしたが、警備に当たっていた管理局員に止められた。

 やむを得ず待機していたが、エイミィがアースラから持ち込んだ盗撮キットを使用、研究所内の様子を記録した。

 高濃度の魔素のせいで画像が不鮮明な上、音声を拾う事が出来なかったが、鎮圧したナカジマ陸尉から話を聞くことは出来た。

 それによると、魔法生物は人間にとり憑く事が出来るらしく、所長もその被害にあったらしい。

 そして、どういうルートか分からないが手にいれたジュエルシードを使い、居合わせた高魔力保持者を襲った。

 詳細は不明だが、魔法生物がジュエルシードを取り込むことで人間を取り込む力を強化、より高い魔力を持つ人間を襲ったと思われる――。

 

「まさか本当に人間を乗っ取るなんて思わなかったわ」

 

「ええ。ジュエルシードの発掘者も同じ被害に遭っているわ」

 

 事件の予兆するように訪ねてきていたリンディが、レティの漏らした感想にうなずく。状況把握という意味ではマリエルよりリンディのもたらした情報の方が大きいかもしれない。上層部の不可解な動きを伝えてくれたのは、彼女なのだから。

 

「この事件、ジュエルシードが回収できたからおしまい、とはいかないわ。何とか、『普通』に捜査ができないかしら?」

 

「難しいわね……この件については、あちこちから圧力がかかってるわ」

 

 眉をひそめるレティ。気持ちは痛いほど分かる。何せ事実関係が不明瞭もいいところだ。

 所長を乗っ取った魔法生物の正体は?

 どういうルートでジュエルシードを手に入れたのか?

 重要参考人であるウヅキ・コウとの関係は?

 捜査したいことは大量にあるのに、上の命令のせいで肝心の捜査体制が確保できない。

 

「レティ、あなたも調べたんじゃないの?」

 

「ええ。本部上層にも問い合わせたんだけど、知らぬ存ぜぬの一点張りね。上を通さずに直接評議会へ聞けば何か分かるかも知れないけど……」

 

 難しいだろう。大統領に会うようなものだ。アポをとるだけで1日が潰れてしまう。

 

「感触はどうだったの? 上も本当に最高評議会の意図は把握してないのかしら?」

 

「さあ? いつもながら自分の気持ちを隠すのが得意な人達だから」

 

「……その言い方だと、レティも疑ってるのかしら?」

 

「可能性の話よ。おかしいところも多いし……」

 

 おかしいところ、というのは、言うまでもなく重要参考人、コウ・ウヅキの扱いである。

 先ほどマリエル経由で受けたナカジマ陸尉の報告では、所長を乗っ取った魔法生物の目的は、ジュエルシードを介してコウの身体を奪う事だったとされている。そして、コウを先端技術医療センターまで護送するよう命令したのは、間違いなく最高評議会だ。だが、ジュエルシードに限れば、最高評議会は何の命令も出していない。仮にも最高権力者だ。ジュエルシードとコウを使って何かしようとしていたのなら、両者を一ヶ所に集めて秘密裏に目的をこなす事だって出来た。それをしなかった、という事は、所長の暴走は最高評議会にとっても予想外だった可能性が高い。

 

「案外、新世派とかいう組織が本当に暗躍してるのかもね?」

 

「悪い冗談ね」

 

 軽い冗談のつもりが、リンディからは不機嫌な言葉が返って来た。よほどストレスを抱えているらしい。だが、ストレスを高める情報はまだある。

 

「……それは冗談にしても、これ以上重要参考人への事情聴取は難しいわよ? 2方面から解放の要請が来てるわ。ひとつは技術系のベア中将。報告にあった現地協力者――プレシアさんだっけ、のお知り合いね」

 

 プレシアの名前でますます機嫌を悪くするリンディ。レティはそれをまるで気にしていないかのような顔を作って続ける。

 

「そして、もうひとつは、聖王教会よ」

 

「聖王教会が? なぜ?」

 

「何でも、『予言』が出たらしいわ。詳しくは私もまだ聞かされてないけど、聖王の復活に、あの子がキーになるらしいわよ?」

 

「聖王の復活って、本気で言ってるの?」

 

「まさか。予言っていっても、解釈は幾通りもあるものよ? 聖王協会の方も、予言の真意を確かめるために解放させて欲しいっていう話だし」

 

「つまり、今は泳がせておいたほうがいいってこと?」

 

「話が早くて助かるわ」

 

 裏でうごめく組織の情報を引き出すため、あえて野に放ち監視を強める。リンディはそのプランを頭のなかで考えているようだったが、やがてうなずきかけ、

 

「? ごめんなさい、通信が……」

 

 デバイスを取り出した。余程の緊急事態なのだろう。

 レティは報告を受けているリンディの反応を見逃すまいと視線を強め、

 

「闇の書が?」

 

 予想外の言葉に、眉をひそめた。

 




→To Be Continued!

――悪魔全書――――――

傀儡 聴聞機
※本作独自設定
 メシア教会の所有する情報通信端末。各世界の教会の中でも限られた大聖堂にのみ配置され、「神々からの意志」を伝える。ただし、一般の信徒には公開されておらず、高位の聖職者と認められた者のみ対話が許されている。その高位の聖職者も、大部分はどこと繋がっているか把握していない。

魔王 バエル
 イスラエル王国のソロモン王が封じた72柱の魔神の1柱。序列第1位。「東の王」として66個軍団を率いる。魔神の中では最も醜いものとされ、蜘蛛の胴と8本の脚、そして人間と猫、ヒキガエルの頭を持った姿で描かれる。愛や官能の知識を持ち、人々をその道に引きずり込もうとするが、召喚者に人間を透明にする術を教えてくれるという。

――元ネタ全書―――――

我々ハ提示スル案件ヲモッテイナイ
 DDSATより、ゲーム冒頭のシーン。PVにも使われていただけあって、非常に凝った演出となっています。

――――――――――――
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